四字熟語には、色々な意味が含まれています。
その言葉ぬ含まている意味を理解できると、とても面白い使い方見えてくるものです。
その中でも、ちょっと興味を惹く言葉が、「海千山千」です。
「海千山千」という言葉は、「海千山千の創業者」や「海千山千の営業マン」などといった表現で、耳にしたことのある人のいることでしょう。
「海千山千」は、人を評価する時に使われるのことが多いのですが、この言葉の正しい意味を理解して使っているかどうかは、少し怪しいこともあります。
この熟語には、どのような意味が含まれているのかを、きちんと理解して使いたいものです。
- 「海千山千」の意味
- 「海千山千」の言い換え
- 「海千山千」の類語
- 「海千山千」の使い方
- 「海千山千」を使った例文
- 「海千山千」を使った言葉
- 「海千山千」と「百戦錬磨」の違い
- まとめ
1. 「海千山千」の意味
もし、あなたが人に、「あなたは、本当に海千山千ですね」と言われたら、喜ぶでしょうか?
それとも、ちょっと皮肉が込められた嫌味と受け取りますか?
「海千山千」という言葉の意味は「慌ただしく動く世の中の表の仕組みや動きだけでなく、裏の世界もよく知っている老獪な人やしたたかな人」ということになります。
長年、色々な経験を積み重ねて、世間の裏も表も知り尽くして、その結果ずる賢くなっている状態」や「したたかな人」と言えるでしょう。
「海千山千」の意味のポイントは、「物事を成り立ちや性質、特性、状況、仕組みのことをよく知っている」という理解ではなく、「裏の事情まで含めて詳しい」というニュアンスになります。
「あなたは、本当に海千山千ですね」と言われたなら、「そんなことまで知っているなんて、悪い知恵も働くんだね」と言われていると受け止めても差し支えない表現なのです。
1-1. 「海千山千」の由来は?
この「海千山千」に使われている漢字を見ると、一体、どのような由来があるのか、とても気になってきます。
「海千山千」という言葉は」、古い昔の中国の故事まで遡ることができます。
中国の故事では、「海に千年、山に千年住み続けた蛇は、竜になる」という言い伝えが残されていました。
この言い伝えが、略されて「海千山千」となったとされています。
「海に千年山に千年住んだ蛇は竜になる」の言い伝えは、竜を指していますが、人の行動や習性においても、多くの経験をした人に置き換えて「海千山千」と表現するようになったとも考えられています。
元の意味は、「蛇から竜になる」ということから、「立派に成長する」という解釈だったのが、次第に年月が経つにつれて、「世の中を知り尽くしているので、ずる賢く変わってきた」という意味を「海千山千」という言葉で置き換えるようになっていったのです。
このように「海千山千」は、言い伝えとして昔から、存在していたのですが、日本で使われるようになったのは、昭和の時代になってからとみられているので、熟語としては、かなり新しい部類に属しています。
1-1. 「海千山千」の読み方
「海千山千」は、訓読み、音読みの構成で「うみせんやません」と読みますので、つい「かいせんさんせん」と間違いそうになりますので、注意することです。
2. 「海千山千」の言い換え
では、「海千山千」を他の言葉で置き換えるのであれば、どのような言葉が当てはまるでしょうか?
「駆け引き上手」や「侮れない」という言葉が挙げられるでしょう。
3. 「海千山千」の類語
3-1. 「駆け引き上手」
「駆け引き上手」の「駆け引き」とは、押したり引くことを巧みに使い分けながら、狙っている目標に対して、揺さぶりをかけていく」という印象があります。
「駆け引きが上手」な人というと、何処となく「小悪魔的に人」、「遊び慣れている人」というイメージがするのではないでしょうか?
「駆け引き」の「駆け」は、馬に乗って駆けることから、「攻め進む」という意味があり、「引き」は、馬の手綱を引きながら、「退却」することから、「気持ちが暴走しないように、付かず離れず一定の距離を保ちながら、行動すること」となります。
ビジネスでも交渉上手な人は、巧みな駆け引きをしますね。
3-2. 「侮れない」
「侮れない」には、「馬鹿にできない」や「油断できない」といった意味があります。
「あの子は可愛い顔をしているけど、侮れないよ。
注意した方がいい」
こんなタイプの女性がいます。
この言葉も「海千山千」に近い意味を持っています。
4. 「海千山千」の使い方
「海千山千」を使う場面としては、「多くの経験があるため、表の事情だけでなく、裏の事情についても詳しい」という場合に用いることになるでしょう。
「海千山千の人は、想定外の波乱が起きたとしても、必ず乗り切る力がある」というような場合は「数々の経験を積んでいることから、裏表の事情に熟知した人は、いかなる困難な状況下でも、必ず乗り切ることができる」という意味になります。
このように、「海千山千」は、「ずる賢い」という意味まであるので、人も褒める言葉としては使うことはありません。
仕事で、お客さんと商談の最中に、「田中さんは、海千山千でいらっしゃるので、素晴らしいです」と言ってしまうと、相手の気分を害することになります。
また、次のような言い方にも注意が必要です。
「先生は海千山千で経験豊富なので、尊敬できる方です」といったように、「多くの分野で造詣が深く、様々な経験を積んでいる人」ということを言いたいのに、「海千山千」を使ってしまったために、失礼なことしてしまうです。
「海千山千」を使う時は、「ずる賢い」や「したたか」という言葉に置き換えて、言葉の流れがスムーズに通るかを判断した方がいいかもしれません。
5. 「海千山千」を使った例文
では、「海千山千」を使った言葉を見ていくことにしましょう。
5-1. 例文1
「良い人だったと思っていたのに、あんなに海千山千だったとは、注意すべきだった」
物腰の柔らかい人だったと思ったのに、実が騙されていることに後から、気づいたのです。
実は、相手は数多くのことを経験した「海千山千」の人だったのです。
5-2. 例文2
「海千山千の相手に対しては、気軽に交渉を進めることは難しい」
ビジネスで、交渉をする時に、相手が「海千山千」の人ならば、注意して交渉を進めるべきです。
5-3. 例文3
「海千山千の部長が交渉相手となると、まとまることは厳しいかも」
これも前項と同じように、巧みな交渉テクニックを持っている人が相手なので、話をまとめることが、とても難しいと思われます。
6. 「海千山千」を使った言葉
もう少し、「海千山千」を使った言葉を見ることにしましょう。
6-1. 「海千山千の人」
この場合、「物事の裏表をよく知っている人」となります。
前述している通り、「ずる賢い」人となるので、接触する時は注意しなくてはなりません。
6-2. 「海千山千のつわもの」
「つわもの」とは、「強者」と書きます。
これに「海千山千」が加わることで、「ずる賢く、精神的にタフな人」と理解すことができるでしょう。
「数多くの修羅場をくぐってきたことで、裏表の世界をよく知っており、ちょっとしたことでは、全く動揺しない人」ということになるでしょう。
7. 「海千山千」と「百戦錬磨」の違い
「海千山千」に似ている熟語として、「百戦錬磨(ひゃくせんれんま)」があります。
「百戦錬磨」とは、「様々な実戦、経験を積むことで、肉体的にも精神的にも鍛えられること」という意味があります。
「百戦」は、文字通り、「100回の戦い」や「多くの戦い」で、「錬磨」は「練り磨くこと」すなわち「深く精神などを磨きあげること」を意味しています。
多くの経験を積んだ結果、技術や才能を向上させるのです。
このことから、「経験豊富になり、高い能力を持つこと」を表しています。
「海千山千」は、「様々な経験を積んで物事の裏表も知り尽くし、ずる賢くなること」ですが、「百戦錬磨」は「多くの実戦で鍛えられることで、技術を向上させる」という違いがあります。
このようなことから、「百戦錬磨」は、「海千山千」とは異なり、相手を褒める時に使うケースが多く見受けられます。
まとめ
「海千山千」という言葉が当てはまる人は、世の中にたくさんいます。
多くの経験を積んで、自分の糧にすることは、大変すばらしいことですが、その経験を悪い方向には、持っていきたくないものです。
まとめ
「海千山千」という言葉が当てはまる人は、世の中にたくさんいます。
多くの経験を積んで、自分の糧にすることは、大変すばらしいことですが、その経験を悪い方向には、持っていきたくないものです。
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