愁眉を開くという表現は、まず普通の会話で聞くことはないでしょう。
文章中で見掛けることも滅多になく、見るとすれば小説の中などがほとんどだと思います。
- 「愁眉を開く」の意味とは?
- 「愁眉を開く」を分解して解釈
- 「愁眉を開く」の使い方
- 「愁眉を開く」を使った例文と解釈
- 「愁眉を開く」を英語にすると?
- 「愁眉を開く」の類義語や言い換えられる表現
- まとめ
1. 「愁眉を開く」の意味とは?
愁眉を開くは、「(かねてよりの)心配ごとがなくなった」ことを表す為に使う慣用句です。
それによる喜びと安堵の状態という意味も込められています。
実際に使う際には、「愁眉を開いた」(心配ごとがなくなったことによって安心した)という形のことが多く、それを望む意味で「愁眉を開きたい」など、色々な活用形で使うことができます。
1-1. 「愁眉を開く」の読み方
「愁眉を開く」は、「しゅうびをひらく」を発音してください。
語尾によって、「しゅうびをひいた」、「しゅうびをひきたい」などという変化こそしますが、漢字の部分の読み方は一緒なので、どのような形で用いられていても、読み方に問題はないでしょう。
2. 「愁眉を開く」を分解して解釈
「愁眉を開く」を分解し、どのように作られた慣用句なのかを詳しく見ていきます。
慣用句に使われる漢字にはそれぞれ意味があり、それらの組み合わせによって成り立っているからです。
(漢字を使っていないものもあります)
2-1. 「愁眉」
「愁眉」は、更に「愁」と「眉」の2つの漢字として考えていきます。
まず、「愁」は「憂い」(うれい)を表す漢字で、意味は「不安だと考えていること」です。
そして、次の「眉」は一文字で「まゆ」を表現し、この2つの漢字が重なって「愁眉」となると、「心配ごとを抱えている表情」(眉は一番感情を表すと言われている為)という意味になります。
2-2. 「開く」
「開く」という言葉は、色々な意味で使われます。
物理的に「扉を開く」、「栓を開く」などという使い方の他に、「心を開く」といった形で目に見えないものに対しても使えるのが特徴です。
この「愁眉を開く」という慣用句でもその後者の使い方で、心配ごとを抱えている表情が「開けた」(晴れた)という意味の使い方となっています。
3. 「愁眉を開く」の使い方
冒頭にも書きましたが、この「愁眉を開く」は滅多に見ることがない表現です。
見た目の通り、詩的な響きのある言葉なので、主に小説の中や、年配の人が手紙の中などで使うことが多くなっています。
若い人が使う言葉ではないので、まだ20代や30代の人は、意味や使い方を覚えたとしても無理に使う必要はありません。
4. 「愁眉を開く」を使った例文と解釈
「愁眉を開く」はその意味から、使える場面自体は多いものの、実際に使うとなると、そのシチュエーションはかなり限られると言っていいでしょう。
それなりに人生経験を積んでいる人でないと、この言葉を使うのは(厳かになり過ぎて)おかしいということと、使った相手がきちんと意味を理解してくれるかという問題もある為です。
4-1. 例文1
「その吉報によって、彼は愁眉を開くことができた」
小説などで使われる場合、このような形で見ることが多いです。
小説の中でも、純文学でないと見ることは少ないかも知れません。
純文学とは、芥川賞の対象になる、どちらかと言えば堅い表現の多い文学作品です。
教科書に採用されているような有名な作品がそれに当たります。
4-2. 例文2
「愁眉が開けるかと思ったが、そこまでには至らなかった」
こちらも見るからに、文学的で堅い表現です。
このような例を見ていると、簡単には使えない慣用句だと分かるというものです。
4-3. 例文3
「長かったプロジェクトが終わったので、ようやく愁眉を開けそうだ」
普通の使うのであれば、このような表現になります。
厳かな慣用句なだけに、それだけ例文中のプロジェクトが大変だったという意味を含むことができます。
ですが、前述したように、若い人が使う表現ではないので、無理に使わないように気を付けてください。
例外として、年配の上司に報告する際の書類などに、こういった表現が使えることがあります。
その上司が文学作品を好んでいるという理由があれば、むしろすすんで使うべきです。
5. 「愁眉を開く」を英語にすると?
「愁眉を開く」は英語では、“relieved”が一番近い表現だと言えるでしょう。
この“relieved”は、後に“to〜”と続けることで、「それによって安堵した」という意味になります。
“relieved to hear that”とすると、「それを聞いて安堵した」となり、(その人にとっての)吉報によって愁眉を開けたという意味に解釈できます。
6. 「愁眉を開く」の類義語や言い換えられる表現
「愁眉を開く」をもう少しやわらかく表現できる言い換えをいくつか挙げてみます。
「愁眉を開く」より、これらの方が使いやすいのは間違いありません。
6-1. 「憂いが吹き飛ぶ」
口語的には、これが一番置き換えに向いていると言えそうです。
これなら意味が分からないという人もまず居ないという点も、実際に使うのに向いている理由です。
「憂い」をもっと簡単な言葉の「心配」に変えて使っているケースも多々見られます。
要は「心配がなくなって晴れ晴れとした」という意味で通じれば、どんな言葉に置き換えても構いません。
6-2. 「肩が軽くなる」
健康状態のことではなく、この形で慣用句として使用します。
「心配ごとがなくなったことで、肩にのしかかっていた重さが消えた」という比喩が由来です。
こちらも、実際に使うには向いている表現です。
6-3. 「生色を得る」
これは、「愁眉を開く」と同等の堅さのある慣用句で、実際に使うには向いていませんが、「愁眉を開く」について覚えるなら、こちらも是非知っておきましょう。
使い方もほとんど同じで、「嬉しい便りが来て、生色を得た」などと使います。
由来は「(失敗ごとの所為で)青ざめていた血色が回復した(よくなった)」ということからです。
その回復を「得る」という表現で表しているところが、いかにも慣用句らしいと言えるでしょう。
まとめ
愁眉を開くは、一見では意味が分からない難しい慣用句の1つで、きちんと分かった後も、実際に使うの難しいと言わざるを得ません。
その為、知識として覚えておく程度に留まってしまいますが、覚えておくと、思わぬ場面で「学」をアピールできることがあるかも知れません。
3. 「愁眉を開く」の使い方
冒頭にも書きましたが、この「愁眉を開く」は滅多に見ることがない表現です。
見た目の通り、詩的な響きのある言葉なので、主に小説の中や、年配の人が手紙の中などで使うことが多くなっています。
若い人が使う言葉ではないので、まだ20代や30代の人は、意味や使い方を覚えたとしても無理に使う必要はありません。
4. 「愁眉を開く」を使った例文と解釈
「愁眉を開く」はその意味から、使える場面自体は多いものの、実際に使うとなると、そのシチュエーションはかなり限られると言っていいでしょう。
それなりに人生経験を積んでいる人でないと、この言葉を使うのは(厳かになり過ぎて)おかしいということと、使った相手がきちんと意味を理解してくれるかという問題もある為です。
4-1. 例文1
「その吉報によって、彼は愁眉を開くことができた」
小説などで使われる場合、このような形で見ることが多いです。
小説の中でも、純文学でないと見ることは少ないかも知れません。
純文学とは、芥川賞の対象になる、どちらかと言えば堅い表現の多い文学作品です。
教科書に採用されているような有名な作品がそれに当たります。
4-2. 例文2
「愁眉が開けるかと思ったが、そこまでには至らなかった」
こちらも見るからに、文学的で堅い表現です。
このような例を見ていると、簡単には使えない慣用句だと分かるというものです。
4-3. 例文3
「長かったプロジェクトが終わったので、ようやく愁眉を開けそうだ」
普通の使うのであれば、このような表現になります。
厳かな慣用句なだけに、それだけ例文中のプロジェクトが大変だったという意味を含むことができます。
ですが、前述したように、若い人が使う表現ではないので、無理に使わないように気を付けてください。
例外として、年配の上司に報告する際の書類などに、こういった表現が使えることがあります。
その上司が文学作品を好んでいるという理由があれば、むしろすすんで使うべきです。
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