恋愛や仕事をするうえで、嘘も方便、が通用するシーンというのはすくなからずあるようです。
しかしそれはバレないだけの演技力が必須の技術といえるかもしれません。
ここでは「カマトト」ということばを紹介していますので、「カマトト」ってなんだっけ、聞いたことはあるけど意味が曖昧だ、語源まではわからない、という方は一読してみてください。
- 「カマトト」の意味とは?
- 「カマトト」の語源や由来
- 「カマトト」の類語や言い換え・似たことば
- 「カマトト」の使い方
- 「カマトト」を使った例文
- 「カマトト」の英語
- 「カマトト」と「ぶりっこ」の違い
- 「カマトト」は死語?最近では使われない?
- 「カマトト」の対義語
- まとめ
1. 「カマトト」の意味とは?
主に女性に対して使われることばで、知っているのに知らないふりをすることで、上品ぶったりうぶな雰囲気を醸したり、世慣れていない人である、という印象付けをしようとすることを意味することばです。
多くが異性の関心を引くためになされることで、同性からは顰蹙を買うということもすくなからずあり、カマトトというのはある種、蔑称ともいえます。
面と向かっていうことばというよりも、「あの人はカマトトですね」と陰でいわれている、ということの方が多そうです。
2. 「カマトト」の語源や由来
「カマ」とはかまぼこのこと、「トト」は魚を表す幼児語といわれています。
「カマトト」の由来には諸説あり、ひとつには、庶民の娘が金持ちの世慣れていない娘のふりをして、「かまぼこはトトからできているの?」と聞いたことを皮肉ってできたというもの。
もうひとつは、江戸時代末期、花街に住む遊女が「世間にはかまぼこという大層美味なるものがあるといいますが、それはおトトでつくられているのですか?」と聞くことで、世間ずれしていることを装い、男性の心をくすぐったというテクニックから、業界用語として広まったというものです。
3. 「カマトト」の類語や言い換え・似たことば
すこし前までは一般的に使われていた「カマトト」ですが、最近では聞く機会も減ったように思います。
「カマトト」といって通じないおそれがある場合には、類語表現や似たことばを知っておくと便利でしょう。
とはいえ、陰口は解決にはなりませんので、だれかを貶めるために知るのでなく、自分の幅を広げるため、と思っておくほうがよさそうです。
3-1. 「とぼける」
漢字では「恍ける」や「惚ける」と書き、頭の動きが鈍くなるという意味の「ぼける」に接頭語の「と」がついた形になります。
漫才では多くが「ボケ」と「ツッコミ」に分かれるコンビの様相をなしていますが、この場合の「ボケ」というのは、知っているのに知らないふりをする、という道化的要素を持っています。
「とぼける」も同じように、知っているけれど知らないふりをすることを意味しますので、「カマトト」の類語といえるでしょう。
しかし、「カマトト」のように、女性に対して主に使われる、ということはありませんので、そこが大きな違い、と覚えておいてください。
3-2. 「あざとい」
抜け目がなく貪欲であることや、あくどい手法、浅はかでずる賢いようすを表すことばです。
近年ネットスラングとして、大げさにかわいさを誇示し、相手の気を引くようす、という意味で使われています。
女性や小動物の映像などに対してよく使われています。
この「あざとい」には、「カマトト」ほどの差別的な見方がない場合もあり、悔しいがかわいいことは認めざるをえない、というような使われ方が多く見られます。
3-3. 「猫かぶり」
ふだんはおてんばにしているのに、特定の人物の前にいるときや、特定の場所へ行ったときだけおとなしく、しおらしくしていることや、本性を隠して別の人格を演じることをいいます。
人間、TPOに応じて自分を演じるということは程度の差はあるでしょうが多少なりと経験のあるものかと思いますが、その程度が並外れていて、本来のその人らしさがうかがいしれないほどの別人格である場合に使われます。
4. 「カマトト」の使い方
「カマトトだ」「カマトト女」「カマトトぶる」といった形で使われることが多くあります。
ドラマの喧嘩シーンなどでは相手に向かって「このカマトトが」というような使い方をしていることもありますし、だれかの悪口をいうとき、本人がいないところで差別的に「カマトト」ということもあります。
5. 「カマトト」を使った例文
それでは具体例を見ておきましょう。
あまりポジティブなシーンで使われることばではないため、例文も荒々しいところがあります。
映像や文学作品、漫画のなかなどで出てきたときには「カマトト」ということばを知っていることで作品の理解が深まることもあると思いますが、現実に使うことはあまりないのではないでしょうか。
5-1. 「カマトト」の例文1
「彼女は周りの女子たちにカマトトだといわれているが、自分にとってはかわいい恋人でしかない」
女は女優だ、などといわれることもあるほど、男性は女性のうそに鈍感なことがあります。
だからこそうまくいく仲もあるでしょうし、のちに嘘がばれて関係が崩れるということもあります。
どうせ嘘をつくのであれば、つき通してほしいものかもしれません。
5-2. 「カマトト」の例文2
「あのカマトト女がわたしの大事な恋人をたぶらかしたのだ」
泥棒猫、などと同じくして、不倫相手、浮気相手に対して怒りの感情をもって使われることもあります。
ドラマのなかなどで、世慣れていない雰囲気の女性に男性が惹かれてしまうのはなぜなのでしょうか。
5-3. 「カマトト」の例文3
「全部わかってるくせにカマトトぶりやがって」
あくどさ、小賢しさを感じる人には、このようにいいたくなることがあるかもしれません。
いくら聞いても本当のことをいわないでいると、だんだんと信用を失うのが世の常ですので、「カマトト」ぶるのはやめておいたほうがよさそうです。
6. 「カマトト」の英語
英語では、“play innocent”を使うと「カマトト」という意味になります。
“play”は演じるや振る舞う、という意味があり、“innocent”とは無垢であること、潔白であることを意味します。
無邪気に振る舞う、無垢を演じる、といったところから、ふりをする、しらを切る、カマトト、というような意味あいで使うことができます。
7. 「カマトト」と「ぶりっこ」の違い
どちらも主に女性が、異性の気を引くために無垢や清純を演じ、アピールすることを意味することばです。
違いは、「カマトト」とは、自分が世慣れていない、気位の高い女性であることを誇示しているのですが、「ぶりっこ」は単に自分がうぶであることを表すため、暮らしぶりなどに関係なく使われるところでしょう。
8. 「カマトト」は死語?最近では使われない?
聞いたことはあるけど……という人が多いのは、それだけ使われなくなってきていることの証明でもあるでしょう。
アイドル全盛期にぶりっこ、かわいこぶりっこ、などと同じくして一般に使われるようになりましたので、現在の40代50代より上の世代には通じることが多いでしょう。
まだ完全な死語というには早そうです。
9. 「カマトト」の対義語
知っているのに知らないふりをすることが「カマトト」であれば、知らないのに知っているふりをする、という意味の「知ったかぶり」が対義語に当たるでしょう。
また、実際以上に見せる、という意味で、「ハッタリ」なんていうことばも、対義語に近いことばとされるでしょう。
どちらも、男女の別なく使われることばです。
まとめ
「カマトト」とは、知っているのに知らないふりをすること、という意味で、主に女性に対して使われることばだとわかりました。
死語などといわれている「カマトト」ですが、女性の社会進出が進み、うぶであることが女性の美徳という固定観念が崩れている現在、「カマトト」ぶる女性自体が減ってきているのかもしれませんね。
3. 「カマトト」の類語や言い換え・似たことば
すこし前までは一般的に使われていた「カマトト」ですが、最近では聞く機会も減ったように思います。
「カマトト」といって通じないおそれがある場合には、類語表現や似たことばを知っておくと便利でしょう。
とはいえ、陰口は解決にはなりませんので、だれかを貶めるために知るのでなく、自分の幅を広げるため、と思っておくほうがよさそうです。
3-1. 「とぼける」
漢字では「恍ける」や「惚ける」と書き、頭の動きが鈍くなるという意味の「ぼける」に接頭語の「と」がついた形になります。
漫才では多くが「ボケ」と「ツッコミ」に分かれるコンビの様相をなしていますが、この場合の「ボケ」というのは、知っているのに知らないふりをする、という道化的要素を持っています。
「とぼける」も同じように、知っているけれど知らないふりをすることを意味しますので、「カマトト」の類語といえるでしょう。
しかし、「カマトト」のように、女性に対して主に使われる、ということはありませんので、そこが大きな違い、と覚えておいてください。
3-2. 「あざとい」
抜け目がなく貪欲であることや、あくどい手法、浅はかでずる賢いようすを表すことばです。
近年ネットスラングとして、大げさにかわいさを誇示し、相手の気を引くようす、という意味で使われています。
女性や小動物の映像などに対してよく使われています。
この「あざとい」には、「カマトト」ほどの差別的な見方がない場合もあり、悔しいがかわいいことは認めざるをえない、というような使われ方が多く見られます。
3-3. 「猫かぶり」
ふだんはおてんばにしているのに、特定の人物の前にいるときや、特定の場所へ行ったときだけおとなしく、しおらしくしていることや、本性を隠して別の人格を演じることをいいます。
人間、TPOに応じて自分を演じるということは程度の差はあるでしょうが多少なりと経験のあるものかと思いますが、その程度が並外れていて、本来のその人らしさがうかがいしれないほどの別人格である場合に使われます。
4. 「カマトト」の使い方
「カマトトだ」「カマトト女」「カマトトぶる」といった形で使われることが多くあります。
ドラマの喧嘩シーンなどでは相手に向かって「このカマトトが」というような使い方をしていることもありますし、だれかの悪口をいうとき、本人がいないところで差別的に「カマトト」ということもあります。
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