「あー、やってしまった」と思わぬ失敗に落ち込むことはありませんか?失敗やミスにも色々あり、誰かを困らせるためにわざと引き起こすものや、指摘されてやっと過ちに気付くような不注意によるものなど様々です。
正確な情報を伝えるには、その状況や背景に合わせた言葉選びが重要となってきます。
その中でも今回は、ニュースや普段の生活で多用されている「落ち度」に焦点を当てて解説していきます。
- 「落ち度」の意味とは?
- 「落ち度」の類語
- 「落ち度」の使い方
- 「落ち度」の英語
- 「落ち度」の反対語や似た対義語
- 「落ち度」とよく似た誤用しやすい言葉
- まとめ
1. 「落ち度」の意味とは?
「落ち度」とは、「失敗」や「欠点」を指す表現です。
元々は「越度(をつど)」から転じた言葉だとされています。
語源とされている「越度」とは、関所(旅人の出入りや荷物を調べた役所)を違法に越える犯罪の事でした。
その後中世頃から読み方が「おつど」から「おちど」へと変化し、「度」が制度や法を表すようになりました。
それによって、「越度」はただ関所破りする事だけでなく法全般を破る、つまり違法な行いを指す言葉へと変わりました。
近代では「越度」から意味が転じて、法以外のごく一般的な過ちを示すように変化しました。
過ちを表現する言葉は他にも多数ありますが、「落ち度」とは主に「悪い結果となった原因」を指し示す言葉です。
とある物ごとの始まりから結果までを通して見た時に、悪い結果や期待していなかった結果に結び付く原因や非のある部分を「落ち度」という言葉で示します。
「落ち度」という言葉に対しては、それが意図して起こされたものなのか不注意によるものかは問題としませんので誤用には注意しましょう。
「落ち度」は名詞ですので、「ある」や「ない」などの語句とセットで使うのが一般的な表現です。
「落ち度がある」「落ち度がない」といった具合です。
1-1. 「落ち度」の読み
「おちど」と読む名詞です。
送り仮名をつけずに「落度」と書いても間違いではありません。
しかし2字で表しても読み仮名は「おちど」で変わりませんので、誤ってらくどなどと音読みしないように注意しましょう。
「おちど」が正しい読み方です。
2. 「落ち度」の類語
落ち度が失敗や過ちということがわかりましたが、失敗や過ちを表した類語は他にもたくさん存在します。
状況や場面によって使い分けができると表現に深みが出てきますので、語彙力を高め活用していきましょう。
2-1. 「非がある」
「ひがある」と読みます。
「非」という漢字一字で「よくない、正しくない事」や「間違い」という意味を持っています。
つまり「非がある」とは「誤りや欠点、間違いがある」という言葉です。
若干「落ち度」と比べると咎められるような過ちや道理に背いている事を表す側面がありますが、「落ち度」という言葉を言い換えるとすれば「非」という言葉が最もしっくりくる表現です。
【例】自分に非があるとは認めたくない。
2-2. 「粗相」
「そそう」と読みます。
そしょうと読み間違うケースが多い為注意しましょう。
「不注意や軽率さ、そそっかしさから過ちをおかす事」を表す言葉です。
世間一般では「相手に対して失礼にあたる行為」や「失態そのもの」を指す言葉として馴染みがあります。
軽薄さや粗末さを表す熟語でもあります。
また、「粗相」は大便や小便を漏らすという意味も含んでおり、使い方によっては勘違いされてしまいますので、ともに使用する表現や文章には注意しましょう。
【例】粗相のないようにおとなしくしていてください。
2-3. 「過失」
「かしつ」と読みます。
不注意や怠慢から起こった過ちやしくじりを表す言葉です。
法律用語などでよく見かける熟語ですね。
「落ち度」が悪い結果となる原因や過ちそのものを示すだけなら、「過失」は不注意や怠慢がもとで引き起こされた過ちを表現しています。
意図したわけではないけれども、うっかりから起こった過ちであることを頭に入れておきましょう。
【例】起こった事件について、彼の過失を指摘した。
3. 「落ち度」の使い方
失敗や過ちを表現する熟語や名詞がたくさんありますが、正しい使い分けはできていますか。
例をもとに表現の幅を広げていきましょう。
3-1. 「落ち度」の例文1
「期限を過ぎてしまった事については、私に落ち度があります」
ここでいう「落ち度があります」とは、「原因があります」ということと同義です。
例文1は「落ち度」という言葉を失敗や悪い事が起きた原因や責任の所在を表す言葉として活用した例です。
「期限を過ぎる」というのは、本来守らなければいけない約束事を破ったという「しくじり」です。
「落ち度」を使う事で「そうなってしまったのは自分の行いに過ちがあったと認めている」ことを表しています。
3-2. 「落ち度」の例文2
「凄惨な交通事故が起きたが、運転手に落ち度はなかった」
事故や事件など誰かの責任を問わなければならない場面で、「落ち度」を使い例文2のように「自分に引き起こした原因はなく、悪くない」という表現をすることができます。
物事が起き、その結果が悪い結果へと繋がった事に関して、「過ちとされる原因は自分にはない」という表現です。
例文1と同様、「落ち度」という言葉はしばしば「責任の所在」という意味合いで使われています。
4. 「落ち度」の英語
やや形式ばった表現ですが、「落ち度」は“a fault”と表現できます。
“fault”(フォールト)とは「あまり重大ではない欠点や短所」という意味です。
テニスなどのスポーツでもルール上の反則を「フォールト」と呼びますね。
また、「落ち度がない」については、罪や非難を意味する“blame”という単語を使って、“blameless”という英語表現に変えることができます。
【例】“It's his fault”(それは彼の落ち度だ)
5. 「落ち度」の反対語や似た対義語
落ち度という言葉が失敗や過ちそのものを表したり、失敗や悪い結果に結び付いた原因の部分(非)を表すとすれば、純粋に逆となる反対語はありません。
ここでは、類語や関連する言葉から考えられる反対語や対義語を解説します。
5-1. 「故意」
「落ち度」と似たような「誤り」や「失敗」を指す言葉として混同し間違って使われやすい言葉ですが、意味合いが異なります。
「故意」とは「わざと」や「企み」という気持ちが根底にあります。
自分の行為がどういう結果をもたらすかをわかっていてあえてその行為をする事が「故意」にあたります。
あえてそうなるように仕向けたという意味合いです。
落ち度の類語とされる「過失」とは逆の意味となりますので、反対語といえるでしょう。
5-2. 「是」
「落ち度」が過ちや非を示す言葉とすれば、反対語として「正しさ」や「道理にかなっている」という意味のある「是」という言葉が挙げられます。
「是」を使った表現に「是とする」というものがありますが、「正しい事とみなす」「良しとする」という意味を示します。
6. 「落ち度」とよく似た誤用しやすい言葉
同じ漢字を使った言葉に「落ち目」という言葉が存在します。
「落ち目」とは、見た目も非常に「落ち度」と似通っていますが、「勢力や状態が下り坂になること」を表しています。
例えば「あの芸能人ももう落ち目だな」など、それまであった勢いが落ち始めるという事です。
「落ち度」と意味を勘違いして使われている文章が散見されます。
意味は全く異なりますので誤用しないようにしてください。
まとめ
いかがでしたか。
一言に「過ち」や「失敗」といっても人間が引き起こすものには必ず原因や、そうなるに至った行為がつきまとうものです。
たくさんの類語や、関連している語句がありますが、それぞれが持つ特徴や微妙なニュアンスを使い分け、語彙力を高めて様々な表現ができるようにしたいものですね。
5. 「落ち度」の反対語や似た対義語
落ち度という言葉が失敗や過ちそのものを表したり、失敗や悪い結果に結び付いた原因の部分(非)を表すとすれば、純粋に逆となる反対語はありません。
ここでは、類語や関連する言葉から考えられる反対語や対義語を解説します。
5-1. 「故意」
「落ち度」と似たような「誤り」や「失敗」を指す言葉として混同し間違って使われやすい言葉ですが、意味合いが異なります。
「故意」とは「わざと」や「企み」という気持ちが根底にあります。
自分の行為がどういう結果をもたらすかをわかっていてあえてその行為をする事が「故意」にあたります。
あえてそうなるように仕向けたという意味合いです。
落ち度の類語とされる「過失」とは逆の意味となりますので、反対語といえるでしょう。
5-2. 「是」
「落ち度」が過ちや非を示す言葉とすれば、反対語として「正しさ」や「道理にかなっている」という意味のある「是」という言葉が挙げられます。
「是」を使った表現に「是とする」というものがありますが、「正しい事とみなす」「良しとする」という意味を示します。
6. 「落ち度」とよく似た誤用しやすい言葉
同じ漢字を使った言葉に「落ち目」という言葉が存在します。
「落ち目」とは、見た目も非常に「落ち度」と似通っていますが、「勢力や状態が下り坂になること」を表しています。
例えば「あの芸能人ももう落ち目だな」など、それまであった勢いが落ち始めるという事です。
「落ち度」と意味を勘違いして使われている文章が散見されます。
意味は全く異なりますので誤用しないようにしてください。
まとめ
いかがでしたか。
一言に「過ち」や「失敗」といっても人間が引き起こすものには必ず原因や、そうなるに至った行為がつきまとうものです。
たくさんの類語や、関連している語句がありますが、それぞれが持つ特徴や微妙なニュアンスを使い分け、語彙力を高めて様々な表現ができるようにしたいものですね。
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