「モラトリアム」とは?意味や使い方!例文や解釈 | SPITOPI

「モラトリアム」という言葉はどのような意味があり、使い方をするのかご存知でしょうか。

何となく聞くけれど意味まではよくわからないという言葉かもしれません。

ここでは言葉の意味、使い方、例文などを詳しく解説しています。

では一緒に「モラトリアム」という言葉の理解を深めていきましょう。

1. 「モラトリアム」とは?

「モラトリアム」とは簡単に言えば「猶予」という意味を持つ言葉です。

数種類の解釈があり、戦争、恐慌、天災といった非常時に社会的な混乱を避ける為に法令などによって債務の支払いを一定期間猶予すること、知的、肉体的に一人前ではありますが社会人としての義務や責任をはたすことを猶予されている期間、またはそういった心理状態であることといった意味があります。

少々難しい言葉と感じるかもしれませんが「猶予」と覚えておきますとわかりやすくなります。

1-1. 「モラトリアム」の語源や由来

「モラトリアム」とは英語であり“moratorium”と書きます。

意味は同じく「猶予」です。

支払いの猶予といった意味合いで使われる言葉でもあります。

1-2. 「モラトリアム」の読み方

「モラトリアム」はもともとは英語ですから、当てる漢字はありません。

カタカナで書き、そのまま読んでください。

2. 「モラトリアム」の表現の使い方

「モラトリアム」という言葉はどのように使うのでしょうか。

いくつかある言葉を紹介していきましょう。

まずは「モラトリアム人間」です。

これは自己形成の状態にとどまっていて、大人社会に同化できないでいる人間という意味がある言葉です。

そして「モラトリアム進学」ですが、こちらは短大、大学を卒業した後に就職を避ける為にさらに大学院、専門学校、留学をすることを言います。

このような意味合いから使い方としては「彼女は勉強したいことがあるわけでもないし、単なるモラトリアム進学でしょ」「このまま家に居続けるわけにもいかないし、モラトリアムから脱出しないといけないとわかっている」といったように使います。

大人になりたくない、就職したくないといった意味合いで使いますとネガティブな感じにもなりますので、相手を否定する時に使わないように注意も必要な言葉です。

3. 「モラトリアム」の類語や類似表現や似た言葉

「モラトリアム」の類語、似た言葉、言い換える言葉などをいくつか紹介しましょう。

こちらの言葉も併せて覚えておくといいでしょう。

3-1. 「待機期間」

「待機期間」とは準備を整えて、時機が来るのを待つこと、またその期間という意味になります。

「モラトリアム」は大人になり切れていない、就職を避けて学生を続けるといった意味合いもありますが、ある意味自分が成長するのを待機している期間とも言えるでしょう。

その期間がどれぐらいかかるかは人によっても違いますが、いつかは社会に出ていく時が来ます。

3-2. 「支払い猶予」

英語における「モラトリアム」の場合は、支払いの猶予という意味合いで使われることが多い言葉です。

単純に訳して言い換えるならば「支払い猶予」という言葉が当てはまるでしょう。

3-3. 「大人になり切れていない」

「モラトリアム進学」という言葉があることからもわかりますように「モラトリアム」とはある意味、大人になることを意識的か無意識的かはおいておき、避けている状態にあると言えるでしょう。

就職して一人前になれば社会人ですし、立派な大人の仲間入りです。

それを避け続けるというのはどこか「大人になり切れていない」そういう風に言い換えることもできます。

4. 「モラトリアム」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「モラトリアム」を使った例文をいくつか紹介しましょう。

意味の解釈もつけていますので、参考にしてみてください。

4-1. 「モラトリアム」を使った例文1

「今度は留学だなんて、一体いつまでモラトリアムを続けるつもり?」

学校を卒業した後に、就職を避ける為に進学をしたり、留学をすること「モラトリアム進学」と言います。

ですから、働きたくない、就職がないなどと言って留学を希望すれば「モラトリアムをいつまで続けるつもりだ」と周りから言われることもあるでしょう。

4-2. 「モラトリアム」を使った例文2

「そろそろ、モラトリアム生活から抜け出さなくてはいけないという焦りはある」

「モラトリアム」とは本来、知的、肉体的に大人でありながら、社会人としての義務、責任をはたすことを猶予されている、もしくはそのような心理状態にあることを言います。

少々乱暴に、簡単に言ってしまえばいつまでも働かずに家で遊んでいるといったようなことですので、本人的にも焦りが出てくることはあるでしょう。

5. 「モラトリアム」の反対語

「モラトリアム」の反対語とはどのような言葉になるのでしょうか。

明確な反対語がない場合は意味合いから当てはまる言葉を探してみましょう。

5-1. 「成熟」

「モラトリアム」が社会人として「未成熟」な状態であると考えれば反対語は「成熟」ではないでしょうか。

「成熟」とは人間の体、精神などが十分に成長して発達すること、物事をなすのに、適当な時期になることといった意味を持ちます。

6. 「モラトリアム」の英語と解釈

「モラトリアム」という言葉は英語ではどのように言い表すのでしょうか。

英語では“a moratorium”は「支払い猶予」といった意味になります。

「モラトリアム人間」といった意味合いでの例文は“a mentally immature young man. ”(モラトリアム人間=精神的に未熟な若者)となりますので“moratorium”という単語を使わなくても言い表すことは可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「モラトリアム」という言葉の意味、使い方、例文などまとめてお伝えしました。

もともとは英語で意味合いは支払いの「猶予」といった感じなのですが、日本語においては就職を避ける、大人になり切れていない、待期期間といった意味合いの方がよく使われているのかもしれません。

「モラトリアム」という言葉だけでなく「モラトリアム人間」「モラトリアム進学」なども併せて覚えておきますと、理解がしやすく、意味も忘れにくくなるでしょう。

また個人的に相手を責める為に「モラトリアム」という言葉は使用しないように気をつけてください。