「彷彿とさせる」という言葉はロマンチックな響きですが、意味が良く分からないという人もいます。
正しい意味と使い方を紹介しますので参考にして下さい。
- 「彷彿とさせる」の意味とは?
- 「彷彿とさせる」の読み方
- 「彷彿とさせる」の英語(解釈)
- 「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の違い
- 「彷彿とさせる」の言葉の使い方
- 「彷彿とさせる」を使った例文や短文(解釈)
- 「彷彿とさせる」の類語や類義表現
- まとめ
1. 「彷彿とさせる」の意味とは?
「彷彿とさせる」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
1-1. 「彷彿とさせる」の意味
「彷彿とさせる」の意味は「今見たり聞いたりしたあるものごとにより、別のものごとを思い出させること。
更にそれがいかにも現実に起こっている様に思えること」です。
例えば友達と旅行の話をしていた時に「そう言えば5年前にそこに行ったっけ、そしてあんなことやこんなことがあったっけ」とイメージが湧き、ついその思い出に浸ってしまう時の表現です。
過去にその様な経験をしていればよりイメージが湧き易く、似たようなことを見聞きしたり、経験した時に使うことが多くなります。
1-2. 「彷彿とさせる」の言葉の成り立ち
「彷彿とさせる」は「彷彿+と(助詞)+させる」から成り立っています。
「彷彿」の意味は「鮮明に想像すること」「似た人や物を見た時に、本来のものを想像すること」「ぼんやりとすること」です。
「彷」には「よく似ている」という意味があり、「彿」にも「よく似ている」「ぼんやりと見える」という意味です。
「させる」は使役の動詞ですので、「よく似ているものを連想させる」という意味で使われる様になりました。
2. 「彷彿とさせる」の読み方
「彷彿とさせる」は「ほうふつとさせる」と読みます。
「彷彿」は難しい漢字なので、書き間違わない様に注意しましょう。
3. 「彷彿とさせる」の英語(解釈)
「彷彿とさせる」の英語訳は「reminiscent」で「過去を思い出させる・連想させる」という意味があります。
特に英語での慣用句や熟語はなく、直訳としてこの単語を使います。
"I saw a picture reminiscent of my schooldays(私が学生時代を彷彿させる様な写真を見ました). "や、"He was so emotional so it was reminiscent of his youth(彼はとても情熱的で若いころを彷彿させた). "などとなります。
そのままの意味ですので日本人でも使い易い言葉です。
4. 「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の違い
「彷彿させる」と「彷彿とさせる」は「と」が付いているだけの違いです。
「彷彿とさせる」は「彷彿たり」という形容動詞が語源で、「彷彿させる」は「彷彿する」という動詞が語源です。
語源が違う為に2つの言い方になっているのですが、意味は同じなので特に使分けはありません。
但し、「と」が入ることで言葉の響きが変わり、微妙なニュアンスが違ってくるという点があります。
「彷彿させる」の場合、単に「彷彿(名詞)+させる(使役動詞)」の組み合わせで、率直に「イメージさせる」「連想させる」という意味になります。
これに対して「彷彿とさせる」は、「思い浮かべたものの様子や状態」という意味が含まれます。
直接「思い起こさせること」というよりは、「その人が連想しているもの」「その人が思い浮かべている様子」とやや範囲が広く柔らかいニュアンスになります。
5. 「彷彿とさせる」の言葉の使い方
「彷彿とさせる」の使い方には以下のポイントがあります。
5-1. ものごとがメインとなる
「彷彿とさせる」は「何かを見聞きすることで別の何かを連想すること」ですので、何が何を連想させたのかがはっきりと分かった方が伝わり易くなります。
あくまで自分の脳内イメージを表す言葉ですので、人に話す時には具体的に話した方が良いでしょう。
きっかけとなるものごとと、連想されたイメージのものごとを説明できる様にしましょう。
5-2. 良い意味でも悪い意味でも使える
「彷彿とさせる」は、きっかけとなるものごとと連想されたものごとについての良い・悪いは問いません。
良いことがあって更に良いことを連想したり、悪いことがあって過去の嫌なことを連想したりと、どちらの意味にも使えます。
但し、良いものごとから悪いことを連想したり、その逆には使われません。
6. 「彷彿とさせる」を使った例文や短文(解釈)
「彷彿とさせる」を使った例文や解釈を紹介します。
6-1. 例文1
「彼はシニア年代になった今も昔のイケメンぶりを彷彿とさせる様なルックスだ」
人は年を取るとどうしても容姿が衰えてくるものです。
ところが50代・60代になってもオシャレでカッコいい男性がいて、同じ年代の男性と比べても目立っています。
その姿から連想して若いころはさぞかしイケメンだった様子が思い浮かばれることを表しています。
6-2. 例文2
「会社のノリが体育会系で、まるで部活を彷彿とさせる雰囲気だ」
社会人になると上下関係があっても大人の対応ができるものです。
ところがやたらと挨拶に厳しかったり、返事が小さいと怒られたり、上司や先輩が部下をこき使っていたりする会社があります。
まるで体育会系の部活にいる様な感覚に囚われてしまっていることが伝わります。
6-3. 例文3
「彼女の服装はまさに60年代を彷彿とさせるファッションだ」
ファッションのトレンドは繰り返されるといいます。
何かの集まりで女友達が着てきた洋服は、レトロ感が出ていてまるで60年代の女性の様でした。
これから流行りそうなポイントを押さえているものの、周囲にはイマイチ受け入れられていない様子が伝わります。
7. 「彷彿とさせる」の類語や類義表現
「彷彿とさせる」には以下の類語があります。
7-1. 「思い起こさせる」
「おもいおこさせる」と読みます。
意味は「何かのきっかけにより過去に経験したことを思い出すこと」です。
こちらは「させる」という使役動詞が付いていますので、思い出すきっかけになるものごとが主体になります。
7-2. 「記憶を呼び覚ます」
「きおくをよびさます」と読みます。
意味は「何かのきっかけにより、今迄忘れてしまっていたことを思い出すこと」です。
「呼び覚ます」は眠っている人に声をかけて起こすことですので、記憶に対して何か働きかけるものごとがある時に使います。
まとめ
「彷彿とさせる」は日常会話でもよく使われる言葉です。
何かを連想した時に急にその話題をすると他の人に「とんちんかんなことを言っている」と思われてしまいますので、まずは「〇〇を彷彿とさせる」と前置きをしてからその話題に入ると良いでしょう。
上手に使うことで人間関係をよりスムーズにできます。
3. 「彷彿とさせる」の英語(解釈)
「彷彿とさせる」の英語訳は「reminiscent」で「過去を思い出させる・連想させる」という意味があります。
特に英語での慣用句や熟語はなく、直訳としてこの単語を使います。
"I saw a picture reminiscent of my schooldays(私が学生時代を彷彿させる様な写真を見ました). "や、"He was so emotional so it was reminiscent of his youth(彼はとても情熱的で若いころを彷彿させた). "などとなります。
そのままの意味ですので日本人でも使い易い言葉です。
4. 「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の違い
「彷彿させる」と「彷彿とさせる」は「と」が付いているだけの違いです。
「彷彿とさせる」は「彷彿たり」という形容動詞が語源で、「彷彿させる」は「彷彿する」という動詞が語源です。
語源が違う為に2つの言い方になっているのですが、意味は同じなので特に使分けはありません。
但し、「と」が入ることで言葉の響きが変わり、微妙なニュアンスが違ってくるという点があります。
「彷彿させる」の場合、単に「彷彿(名詞)+させる(使役動詞)」の組み合わせで、率直に「イメージさせる」「連想させる」という意味になります。
これに対して「彷彿とさせる」は、「思い浮かべたものの様子や状態」という意味が含まれます。
直接「思い起こさせること」というよりは、「その人が連想しているもの」「その人が思い浮かべている様子」とやや範囲が広く柔らかいニュアンスになります。
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