「精悍な顔つきになってきたね」
「精悍さを増したデザイン」
こんな言葉を見聞きしたことはないでしょうか。
「精悍」ってどういう意味? どう読むの?
そんな疑問に答えるべく、ここでは「精悍」という言葉の意味や読み方、類語や言い換え、使い方、例文、「精悍な顔つき」とはどんな顔つきなのか、その特徴なども含めて見ていきます。
- 精悍とは?
- 精悍の類語や言い換え
- 精悍の使い方
- 精悍の例文
- 精悍な顔つきの人の特徴
- まとめ
1. 精悍とは?
1-1. 精悍の読み方
精悍は「せいかん」と読み、「顔つきやからだつき、動作、気性がたくましく、勇ましいさま」を言う言葉です。
1-2. 精悍の意味
「精」は「精神」や「精魂」という言葉に見られるように、「こころ」を指す言葉です。
また、「悍」という字は「気が強く荒い、たけだけしい」という意味を持ち、たとえば「悍馬」というと「暴れ馬」という意味になります。
そこから「精悍」は、「こころが荒い、たけだけしい」というところから「顔つきやからだつき、動作、気性」まで意味範囲が広がって、「たくましく勇ましい」という意味を持つようになりました。
2. 精悍の類語や言い換え
2-1. たけだけしい
「猛々(たけだけ)しい」とは、「見るからに強そうで、すごみがある」という意味です。
「精悍な顔つき」の「強そう」な面を強調したいとき、この言葉で言い換えることができます。
ただ「精悍」が肯定的な意味で使われるのに対し、「猛々しい」は「盗人猛々しい」というように、あまり良い意味でない文脈の中で使われる場合があります。
2-2. 男らしい
「精悍な顔つき」は「男らしい顔つき」と言い換えることもできます。
ただ、「精悍」という言葉は「精悍な顔つきの女性」というように、女性にも使えるのに対し、「男らしい」という言葉を女性に使った場合、「男っぽい」という意味になり、意図が使わらなくなってしまいます。
2-3. 雄々しい
これも「男らしくて勇ましい」という様子を表現する言葉です。
「その雄々しい姿に、一同は見とれた」というように、良い文脈で使う表現です。
「男々しい」と書いて「女々しい」の対語として使われることもありますが、今日では「雄々しい」の方が好まれます。
女性でも、力強く立ち上がったところなどを表す表現として使うことができます。
2-4. 凛々しい
「凛々しい」とは「きりりとして引き締まっている」という意味です。
「若武者の凛々しい面立ち」というように、「凛々しさ」は「精悍」さよりも繊細なニュアンスがありますが、共に緩みや曖昧なところのない、強い様子を表現することができます。
2-5. いかつい
「いかつい顔立ち」のように、柔らかみがなく、ごつごつした感じを言い表す言葉です。
「精悍」にも通じる表現ですが、「精悍」とは異なって、内面や精神性を表す意味はありません。
3. 精悍の使い方
3-1. 顔つきを言い表すときに使う
「精悍」がもっともよく使われる文脈は、「精悍な顔つき」や「精悍な表情」「精悍な面構(つらがま)え」というように、顔つきを表したいときです。
単に男らしい、ごつごつとした顔立ちであるだけでなく、勇ましさや決意性などがうかがえる時に使います。
3-2. 困難な状況で使う
困難な状況をはねのけようと決意した顔つきが「精悍」です。
安楽な状況で、ぼんやりしている人では、どれだけ顔立ちがいかつくても「精悍」という形容は当てはまりません。
3-3. 経験を重ねた人に対して使う
「精悍な表情」というのは、その背後に様々な経験があったことをうかがわせるものです。
たとえ年齢的に若くても、「精悍な表情の子供」という場合、たとえば戦場や被災地、また貧困の中に置かれているなど、その子供が生きることに必死で、通常では考えられないような経験を積んできたことがうかがえる、というニュアンスがあります。
3-4. 女性や青少年の場合は「凛々しい」の方がふさわしい
「精悍」の類義語に「凛々しい」がありますが、「凛々しい」はより若々しく、新鮮な印象があります。
そのため、女性や若者が、「厳しい、決然とした表情」と言いたいときは「凛々しい」の方がぴったりときます。
もちろん「精悍」という言葉を使うこともできますが、その場合は、厳しいだけでなく、壮年の男性に優るとも劣らない力強さというニュアンスが加わります。
4. 精悍の例文
4-1. 例文1
「大隅忠太郎君は折鞄おりかばん一つかかえて、三鷹の私の陋屋の玄関に、のっそりと現われた。
お嫁さんを迎えに、はるばる北京からやって来たのだ。
日焼けした精悍顔になっていた。
生活の苦労にもまれて来た顔である。
それは仕方の無い事だ。
誰だって、いつまでも上品な坊ちゃんではおられない」
この文章では「精悍」という顔がどんな顔であるか、非常にわかりやすく表現されています。
4-2. 例文2
「精悍」は人間の姿や表情に使われる表現ですが、メタファーとして使うこともできます。
ここでは車の外見が「たくましく、力強い」印象を受けることを、比喩的に表現されています。
ほかにも「精悍なフォルム」などのように、男性向けの商品であることをアピールする場合に使われることの多い表現です。
5. 精悍な顔つきの人の特徴
5-1. 強い意志がうかがえる
「精悍」と「いかつさ」の最大の違いは、そこに勇敢さや力強さ、何より強い決意がうかがえるかどうかにあります。
たとえば国際マッチを前に、何が何でもやってやる、全力を出し切る、という決意に満ちた顔は、「精悍」と呼ぶにふさわしいものでしょう。
厳しい状況の中にあって、流されてもかまわないなどと夢にも思うことはなく、自分が何とかしなければ、と考える人は、その決意性が自然と表情に現れます。
そこで「精悍な顔つき」になるのです。
「精悍な顔つき」は、意識してなれるものではありません。
深刻な問題を自分は抱えているけれども、自分がこれからどう生きていくかについては、自分に責任がある、と覚悟を決め、問題を解決していこう、と決意した人だけが浮かべるのが「精悍な表情」と言えます。
5-2. タフな印象がある
「精悍」と「凛々しさ」の最大の違いは、タフな印象があるかないかによります。
決然とした意志や不屈の精神力は感じられても、力強さや逆境を跳ね返す肉体的な力が感じられない場合は「凛々しい」という形容がふさわしく、「精悍」とは少し離れてきます。
厳しい状況を何としてもはねのけてやる、という固い決意だけでなく、それを裏打ちする力強さが感じられる場合に、「精悍な顔つき」という言葉がふさわしいものとなります。
その力もないのに、大きな責任を負おうとしている人は、「精悍」ではなく「痛々しさ」が伴います。
経験を重ね、力を蓄えた人でなければ「精悍」とは呼べません。
5-3. コンフォートゾーンから踏み出すことを怖れない
「精悍」の中には、意志力のほかに「勇気」のニュアンスもこめられています。
人間がまったく脅威を感じることなく、心穏やかにいられるのが「コンフォートゾーン」です。
そこは居心地がよく、満ち足り、流れに身を任せていられますが、そういう人は「精悍さ」とは対極の表情を浮かべています。
変化を求め、自分から行動を起こし、自分が真に求めるものを手に入れようと、コンフォートゾーンから抜け出す決意を固めたとき、人は誰でも「精悍な顔つき」になります。
それは、自分のこれまでの経験と決別し、リスクを引き受け、困難な場所に足を踏み出そうとするからです。
5-4. 「弱者」「被害者」「犠牲者」の立場に身を置かない
あなたの周りにも、「自分ばかり」が口癖の人がいるでしょう。
「自分ばかり仕事を押し付けられる」「自分ばかりひどい目に遭う」「自分ばかり苦労している」…。
そう言っている人の表情は、「精悍さ」の対極にあります。
「どうして自分がこんな目に遭う?」と、いつも自分を「弱者」「被害者」「犠牲者」に仕立て上げ、問題を解決するかわりに、周りに不平不満を垂れ流すのです。
問題を回避しようとするのは、人間の基本的な自営本能です。
問題を引き起こしたのが自分であってほしくないので、自分の代わりにほかのもののせいにしようとします。
たとえば離婚をしようとする人は、このような事態になったのはすべてパートナーが悪く、自分はまったくの被害者だった、と考えます。
そうすることで、自分を守ろうとするのです。
しかし、こんな問題にはもうけりをつけよう、パートナーを選んだのは自分だし、パートナーにそういうことをさせてしまった自分にも責任がある、その責任を取れるのは、自分しかいない、と考えたとき、人は「精悍な顔つき」を浮かべています。
被害者であることをやめ、「自分が自分の行動の責任を取る、問題を解決する」と考えることによって、顔つきが「弱者」や「被害者」「犠牲者」ではなく、「精悍な顔つき」に変貌していくのです。
5-5. すべてをありのままに受け止める
あなたの周りにも、同じ問題を繰り返し起こしている人がいるはずです。
同じようなミスを繰り返す人、毎回のように締め切りに送れる人、同じような恋愛を繰り返し、悲惨な結果を迎える人…。
そういう人を見て「学習能力がないのかな」と感じたことはないでしょうか。
そんな人は、仮にどれほどいかつい顔立ちをしていたとしても、「精悍な顔つき」ではありませんよね。
そういう人に共通するのは、自分が直面している問題を「ありのまま」に見ようとしていないということです。
能力がなくてできないことを認めようとしないで「またミスしてしまった」と言っていれば、その能力を身に付けない限り、同じ失敗を繰り返すことになります。
締め切りを守らない人は、予定表を元にTO-DOリストを作り、仕事を管理しない限り、何度でも締め切りに遅れてしまうでしょう。
不幸な恋愛をしている人は、自分が相手に何を求めるかを理解し、自分自身を大切にしない限り、何度でも悲惨な恋愛を繰り返すことになります。
自分がどんな問題を抱えているか、ありのままに見つめ、それを解決できるのは自分しかいない、と覚悟を決めたとき、人は誰でも「精悍な顔つき」になっています。
自分自身をごまかさないで、ありのままの自分と向き合い、変えて行こうとすることは容易ではありませんが、その困難を引き受けようと心を決めることによって、「精悍さ」が表に現れてくるのです。
まとめ
この記事では、「精悍」とはどう読むのか、どういう意味なのか、また類義語や「精悍」の言い換え表現、「精悍」という言葉の使い方、「精悍」を使った例文、また「精悍な顔つき」とはどんな顔つきなのか、その特徴を見てきました。
「精悍」とは、表情や姿かたちなどを表す表現ですが、特徴的なのはその人の「心」のありようが出ている、という表現であることです。
「目は口ほどにものをいう」ということわざもありますが、人間の気持や心のありようは、どれだけ内面のことであっても、かならず表面に出てきます。
「精悍」ってかっこいい、「精悍な顔つき」と呼ばれたい、と思った人は、いま一度、自分自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
自分のこういうところが良くない、なんとかしなくちゃ、よし、頑張っていこう、と決意したとたん、精悍な顔つきになっていることでしょう。
5. 精悍な顔つきの人の特徴
5-1. 強い意志がうかがえる
「精悍」と「いかつさ」の最大の違いは、そこに勇敢さや力強さ、何より強い決意がうかがえるかどうかにあります。
たとえば国際マッチを前に、何が何でもやってやる、全力を出し切る、という決意に満ちた顔は、「精悍」と呼ぶにふさわしいものでしょう。
厳しい状況の中にあって、流されてもかまわないなどと夢にも思うことはなく、自分が何とかしなければ、と考える人は、その決意性が自然と表情に現れます。
そこで「精悍な顔つき」になるのです。
「精悍な顔つき」は、意識してなれるものではありません。
深刻な問題を自分は抱えているけれども、自分がこれからどう生きていくかについては、自分に責任がある、と覚悟を決め、問題を解決していこう、と決意した人だけが浮かべるのが「精悍な表情」と言えます。
5-2. タフな印象がある
「精悍」と「凛々しさ」の最大の違いは、タフな印象があるかないかによります。
決然とした意志や不屈の精神力は感じられても、力強さや逆境を跳ね返す肉体的な力が感じられない場合は「凛々しい」という形容がふさわしく、「精悍」とは少し離れてきます。
厳しい状況を何としてもはねのけてやる、という固い決意だけでなく、それを裏打ちする力強さが感じられる場合に、「精悍な顔つき」という言葉がふさわしいものとなります。
その力もないのに、大きな責任を負おうとしている人は、「精悍」ではなく「痛々しさ」が伴います。
経験を重ね、力を蓄えた人でなければ「精悍」とは呼べません。
5-3. コンフォートゾーンから踏み出すことを怖れない
「精悍」の中には、意志力のほかに「勇気」のニュアンスもこめられています。
人間がまったく脅威を感じることなく、心穏やかにいられるのが「コンフォートゾーン」です。
そこは居心地がよく、満ち足り、流れに身を任せていられますが、そういう人は「精悍さ」とは対極の表情を浮かべています。
変化を求め、自分から行動を起こし、自分が真に求めるものを手に入れようと、コンフォートゾーンから抜け出す決意を固めたとき、人は誰でも「精悍な顔つき」になります。
それは、自分のこれまでの経験と決別し、リスクを引き受け、困難な場所に足を踏み出そうとするからです。
5-4. 「弱者」「被害者」「犠牲者」の立場に身を置かない
あなたの周りにも、「自分ばかり」が口癖の人がいるでしょう。
「自分ばかり仕事を押し付けられる」「自分ばかりひどい目に遭う」「自分ばかり苦労している」…。
そう言っている人の表情は、「精悍さ」の対極にあります。
「どうして自分がこんな目に遭う?」と、いつも自分を「弱者」「被害者」「犠牲者」に仕立て上げ、問題を解決するかわりに、周りに不平不満を垂れ流すのです。
問題を回避しようとするのは、人間の基本的な自営本能です。
問題を引き起こしたのが自分であってほしくないので、自分の代わりにほかのもののせいにしようとします。
たとえば離婚をしようとする人は、このような事態になったのはすべてパートナーが悪く、自分はまったくの被害者だった、と考えます。
そうすることで、自分を守ろうとするのです。
しかし、こんな問題にはもうけりをつけよう、パートナーを選んだのは自分だし、パートナーにそういうことをさせてしまった自分にも責任がある、その責任を取れるのは、自分しかいない、と考えたとき、人は「精悍な顔つき」を浮かべています。
被害者であることをやめ、「自分が自分の行動の責任を取る、問題を解決する」と考えることによって、顔つきが「弱者」や「被害者」「犠牲者」ではなく、「精悍な顔つき」に変貌していくのです。
5-5. すべてをありのままに受け止める
あなたの周りにも、同じ問題を繰り返し起こしている人がいるはずです。
同じようなミスを繰り返す人、毎回のように締め切りに送れる人、同じような恋愛を繰り返し、悲惨な結果を迎える人…。
そういう人を見て「学習能力がないのかな」と感じたことはないでしょうか。
そんな人は、仮にどれほどいかつい顔立ちをしていたとしても、「精悍な顔つき」ではありませんよね。
そういう人に共通するのは、自分が直面している問題を「ありのまま」に見ようとしていないということです。
能力がなくてできないことを認めようとしないで「またミスしてしまった」と言っていれば、その能力を身に付けない限り、同じ失敗を繰り返すことになります。
締め切りを守らない人は、予定表を元にTO-DOリストを作り、仕事を管理しない限り、何度でも締め切りに遅れてしまうでしょう。
不幸な恋愛をしている人は、自分が相手に何を求めるかを理解し、自分自身を大切にしない限り、何度でも悲惨な恋愛を繰り返すことになります。
自分がどんな問題を抱えているか、ありのままに見つめ、それを解決できるのは自分しかいない、と覚悟を決めたとき、人は誰でも「精悍な顔つき」になっています。
自分自身をごまかさないで、ありのままの自分と向き合い、変えて行こうとすることは容易ではありませんが、その困難を引き受けようと心を決めることによって、「精悍さ」が表に現れてくるのです。
まとめ
この記事では、「精悍」とはどう読むのか、どういう意味なのか、また類義語や「精悍」の言い換え表現、「精悍」という言葉の使い方、「精悍」を使った例文、また「精悍な顔つき」とはどんな顔つきなのか、その特徴を見てきました。
「精悍」とは、表情や姿かたちなどを表す表現ですが、特徴的なのはその人の「心」のありようが出ている、という表現であることです。
「目は口ほどにものをいう」ということわざもありますが、人間の気持や心のありようは、どれだけ内面のことであっても、かならず表面に出てきます。
「精悍」ってかっこいい、「精悍な顔つき」と呼ばれたい、と思った人は、いま一度、自分自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
自分のこういうところが良くない、なんとかしなくちゃ、よし、頑張っていこう、と決意したとたん、精悍な顔つきになっていることでしょう。
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