今迄好意的だと思っていた人から何故か急に冷たくされると理由が分からずに戸惑ってしまいます。
その様な態度を取る人のことを「手のひらを返す人」と言います。
「手のひらを返す」人の心理や特徴、言葉の使い方などについて紹介します。
- 「手のひらを返す」の意味とは?
- 「手のひらを返す」の類語
- 「手のひらを返す」人の心理や特徴
- 「手のひらを返す」の英語訳
- 「手のひらを返す」を使った例文
- まとめ
1. 「手のひらを返す」の意味とは?
「手のひらを返す」とは、それまでとは違い急に態度を変えて、まるで正反対の対応をする様になることを言います。
例えば、今迄親友だと思って何でも話せていた人が、急に冷たくなって自分を避ける様になったり、逆に今まで全く無視されていた人が急にニコニコと友好的に話しかけてくる様になった時等があります。
明らかに今迄の態度とは違うので、自分だけではなく周囲の人も気が付きます。
「手のひらを返す」というのは慣用句です。
漢字では「掌を返す」とも書かれ、「たなごころ」とも「てのひら」とも読みます。
「たなごころ」は、「手の心」から変化した言葉で、そのまま手のひらを意味します。
手の中心で大事な部分であるので、それまでの状況を一変させる様な態度を取る時に「手のひらを返す」と言われる様になったのです。
2. 「手のひらを返す」の類語
「手のひらを返す」は慣用句ですが、同じ慣用句で類語は見つかりません。
同じう様な意味を持つ言葉には以下のものがあります。
2-1. 「豹変する」
古代中国の書物「易経(えききょう)」に記載されている「君子豹変す」に由来しています。
ヒ「豹」とは動物のヒョウのことで、ヒョウ柄と言われる程有名な模様があります。
実はヒョウは、毛が生え変わる時にはこのヒョウ柄模様の見え方が普段とは違います。
普段のヒョウ柄よりもより鮮やかに、はっきりと見えるのが特徴です。
「豹変」とは、ヒョウ柄がはっきりと見える様になることを言い、「君子豹変す」は、君子は自分が間違った時に、速やかに過ちを認めて改めるという意味なのです。
つまり、「豹変」は元々悪いことを改めて良い方向に変わる、というポジティブな意味でした。
ところが段々とどちらの意味にも使われる様になり、ヒョウの獰猛さが影響していつの間にかネガティブな意味に使われる様になってしまったのです。
2-2. 「一転する」
こちらもものごとが180度違う方向に変わることを意味しています。
「手のひらを返す」と同様に、良い意味にも悪い意味にも使われます。
2-3. 「急転する」
こちらもものごとが180度違う方向に変わることを意味していますが、非常に展開が速いという意味が強くなります。
2-4. 「心変わりする」
どちらかというと恋愛に良く使われる言葉で、「好き・嫌い」の意味が強くなります。
3. 「手のひらを返す」人の心理や特徴
「手のひらを返す」人に出会うと、人が信じられなくなってしまうものです。
早目にその様な人を見分けられる様に、心理や特徴について知っておきましょう。
3-1. 自分の利益を考えている
もし自分が態度を変えたら、相手が困るだろう、ショックを受けるだろうということは分かっています。
それでも将来のことを考えると、どれが一番自分にとって有益な方法かを考えた末に、「手のひらを返す」行為をするのです。
決して罪悪感がない訳ではありませんが、今ここで流されて後悔するよりも、嫌なことは早目に済ませてスッキリさせたいという心理があります。
3-2. 嫌われてもいいと思っている
「手のひらを返す」人は、後から謝って仲良くなろうとは思わず、最悪相手に嫌われてしまい、そのまま縁が切れても仕方ないと思っています。
その為に、親友や恋人に対して「手のひらを返す」時には、それなりの覚悟をしています。
もちろん、どうでもいい相手に対してはほぼ何も考えずにコロリと態度を一転させます。
3-3. 自分に正直なだけで悪気はない
何度も手のひらを返しては「ゴメンね」と謝ってくる人の場合、自分で人に失礼なことをしているという意識はありません。
元々自分に正直で、その時に思った通りに行動してしまうだけであり、「あれ、怒らせちゃったかな、じゃあ謝ろう」という軽い気持ちしかないのです。
相手から非難されても何でそんなに怒るのかよく理解できない心理があります。
3-4. その人に恨みがある
自分が気づかいないうちに相手から恨みを買っている場合があります。
その様な時には、相手はいかにも自分の味方の様に親密な態度を取り、十分信頼を得たと思った時点で仕返しをします。
大きなチャンスやタイミングで協力を惜しまず、あともう少しでやり遂げられるという時に、一気に手のひらを返して反対に回り、失敗させようとするのです。
計画的に行動しているので、気付いた時にはどうしようもない状態になっています。
3-5. その人に嫉妬している
特に相手に落ち度はないのですが、余りにも恵まれた環境で幸せそうにしている友人を見ると、嫉妬心を持ちます。
相手のやることなすこと全てが鼻に付いてイライラしてしまい、或る日を境に顔を見るのも嫌になってしまうという心理が働きます。
相手から見れば全く理由が分からず、しばらくは普通に話しかけてくるのですが、手のひらを返して冷たい態度を取ってしまうのです。
3-6. 誰からも好かれたいと思っている
八方美人の人は、誰に対してもいい顔をして好かれたいと思っていることから、その場その場で態度が変わることがあります。
友人から旅行に誘われて乗り気でOKしていたのに、後から異性に食事に誘われるとそちらに行きたくなってしまい、手のひらを返して行きたくないと言い出します。
自分で意識していなくても、コロコロと態度を変えるので結果的に相手にとっては手のひらを返す行為をされたと思われてしまいます。
3-7. 人により態度が違う
自分が好意を持っている人や異性に対しては優しい態度を取っていても、飲食店のスタッフや駅員などに対して横柄な態度を取る人は手のひらを返す人の可能性が高くなります。
自分に利益のない人に対してはどんな態度を取っても良いと思っていて、今は友好的に接してくれていても、いつ見下されて態度を変えられるか分りません。
3-8. 車の運転が乱暴
運転中に周囲の車に対して暴言を吐いたり、煽ろうとする態度を取る人は、感情的になり易く「手のひらを返す」言動をすることが多くなります。
人に対する優しさを持たず、その時の自分の都合で相手を選ぶので、興味のない人への態度が急に冷たくなるのです。
3-9. 自分の関係する人以外に対して否定的
自分の友達に対しては、いつもニコニコしていて、大切にしています。
一方、付き合いのない人に対しては「つまんないヤツ」「仕事ができないヤツ」などのネガティブ評価をします。
話をしていて相手が好きなタレントでも、自分が興味がなければ「ブサメン」「シュミが悪い」などけなす傾向があります。
この様な人は、自分にとって必要のない人には平気で手のひらを返す様な言動をします。
3-10. 普段から自分の意見を言わない
普段からあまり自分の意見を言わずに何となく人に合わせている人は、こちらが主導権を握って付き合えるので、気楽な関係になります。
しかし反対意見を言わないからと言って、決して賛同している訳ではないかも知れません。
自分の意見があっても言わないだけで、もしかしたら心の中であなたのことを「押しつけがましいヤツ」と思っているかもしれないのです。
それが心の琴線に触れてしまう様なことだと、ぷっつりとキレてしまうこともあるでしょう。
長い間仲良く付き合っていたのに、或る日突然手のひらを返した様につっけんどんになる、ということもあります。
3-11. プライベートなことを話さない
自分の意見だけではなく、プライベートなことも話さない人は要注意です。
最初から「この人とはいつ関係が切れてもいい様に」距離を置いて付き合っている可能性があるからです。
もしも或る日突然絶交しても、後から余計な噂を流されない様にしているのです。
或る日突然手のひらを返して冷たい態度を取っても、あなたが他の人に「彼氏と別れたばかりで気が立っているのかしら」等と相談されない様にしているかも知れません。
3-12. やたらと話し掛けてくる人
話しが上手で一緒にいて楽しい人は、ついこちらも気を許して色々とプライベートなことも話してしまうものです。
しかしその様な人は、もしかしたら何か情報収集をしている可能性があります。
あなたの周囲にその人が関心を示している人物がいて、その情報を集めたくてやたらとあなたと親しくしているかも知れないのです。
特に「○○さんって・・」と他人の話を振ってくる時には注意が必要です。
十分な情報を得て、それ以上あなたから何も聞き出せないと分かると、突然態度を変えて無視する様になることも考えられます。
3-13. 見栄っ張りな人
いつも自分が目立っていたい、人よりもいいものを身に付けていることをアピールしたいという見栄っ張りな人は、手のひらを返す人の可能性があります。
ブランド品を買ったというと「自分も持っている」、人気のスポットに行ったというと「私も行った」という人は、常に他人よりも自分の方が優位でないと気が済まないタイプです。
見栄を張り続けているうちに、ウソをつかなければならなくなり、それが収集がつかなくなるとその人と縁を切りたくなってしまうのです。
それ以上付き合ってもウソを突っ込まれるだけだし、新しい人と仲良くなって、またゼロから見栄を張ろうとします。
そこで突然態度が冷たくなり、話しかけても「忙しいから」と言って相手にしてくれなくなります。
3-14. 損得勘定が強い
普段一緒に行動していて、常に「こっちの方が得、損」という考え方をしている人も「手のひらを返す人」の可能性があります。
ものに対して損得勘定をしているということは、人に対しても同じ様に値踏みしていると言って良いからです。
今自分と仲良くしているのは、相手にとって何かしら付加価値があるからです。
もしもそれ以上に役に立ちそうな人が現れれば、急激にその人に接近していくでしょう。
そしてあなたよりも自分にとってお得だと思えば、もう相手にしてくれなくなるかも知れません。
3-15. 同性の友達がいない
人は異性に対しては少なからずよく見られたいと言う意識があるので、贔屓目に見る傾向があります。
特に嫌いでなければ、異性の友達として付き合っても良いと思う人も多いでしょう。
しかし同性に対してはかなりシビアな評価をします。
同性同士ならば、相性が良くない人とは付き合いたくないと思うものです。
異性の友達がいるのに同性の友人が少ない人は何かしらの理由がある筈です。
最も多いのが、友人を裏切る様な行為をする人です。
彼氏ができた途端にデート優先になり付き合いが悪くなったり、人の噂話や悪口を流して嫌われてしまった場合などです。
このタイプの人と深く付き合うと、いつか同性に対して手のひらを返した様な言動をする可能性が高くなります。
3-16. 金銭感覚がだらしない
お金の問題は人間関係で最もトラブルが起きる原因となります。
金銭感覚がだらしなく、常に人からお金を借りている様な人も「手のひらを返す」可能性があります。
人と一緒にいるのは、困った時にお金を貸してくれるからで、小銭単位で「細かいのないからあと2円お願い」等ということもあります。
これが積み重なると、結構な金額になっているのですが、中々請求はできないものです。
しかし段々と小銭借りが増えてくると、「お金をないならば我慢しなさい」と言いたくなります。
そうすると、急に手のひらを返してあなたの元を離れて行きます。
お金を貸してくれないのならば、一緒に出歩く意味はなく、もう用はないからです。
特に恋愛関係になると、お金の貸し借りによるトラブルも多く、お金を貸さないと恋人が離れていってしまうことが恐くて、大金を貢いでしまう女性も多いのです。
3-17. 感受性が強い人
感受性が強い人は、あらゆることに感動したり共感します。
一緒に付き合っていて、感情が細やかなので楽しい面も多いでしょう。
しかし感受性が強い人は、常にその時の自分の感情でものごとを判断します。
今自分が最もやりたいこと、最も正しいと思っていることを優先させるのです。
その為に、それまで「いいね」と言っていたことでも手のひらを返して「やっぱり興味がなくなった」とさらりと言ってしまうこともあるのです。
本人にとっては特に相手を傷つけるつもりはなく、単に自分がそうしたいと思うからその様な行動を取っているだけですので、最も厄介なタイプと言えます。
3-18. プライドが高い
職場では学歴が高い、優秀な人材である等で評価の高い人は、プライドが高くなっているものです。
自分に対して一目置いてくれる人に対しては優しく接したり、いざという時にかばってくれることもあります。
しかしプライドが高い人は、それ以上のレベルの人が表れると行き場がなくなり、ストレスが溜まります。
留学経験があり英語が得意だと言っている人でも、いきなり帰国子女が入社してくると自慢できなくなります。
パソコン操作が得意な人でも、元プログラマーが転職してくるとレベルが違ってしまいます。
但し、この場合は手のひらを返すといっても2種類あります。
相手の能力が分かるとプライドが邪魔をして手のひらを返して冷たく当たる様になるか、逆に相手から吸収しようと思って手のひらを返して優しく接する様になるかのどちらかです。
4. 「手のひらを返す」の英語訳
日本の慣用句はそのまま英訳してもまず意味が通じません。
その言葉の本来の意味を読み取ってから英訳することが大切です。
「手のひらを返す」の英語訳として近いものは以下の通りです。
4-1. 「He flip-flopped on his attitude.」
「flip-flop=態度を変える」になり、「彼は突然態度を変えた」という意味です。
4-2. 「His attitude changed quckly.」
「彼は急に態度を変えた」の直訳で、日本人にとっては一番使い易いと言えます。
4-3. 「He did a complete 180.」
「do(take) a complete 180」は、「それまでとは180度方向転換をする」という意味で、アメリカの慣用句の様なものです。
「彼はがらりと態度を変えた」となり、比較的に日本人にも使いやすいので覚えておくと良いでしょう。
5. 「手のひらを返す」を使った例文
「手のひらを返す」は、日常的に使われる言葉で、例文は以下の通りです。
5-1. 「彼女は今まで賛成してくれていたのに、急に手のひらを返して反対するのでショックを受けた」
">
それまで味方だった人が、急に敵に回る様な言動をした時に使われます。
5-2. 「実家がお金持ちだと知った途端に、皆手のひらを返して親しげに近付いてくる様になりました」
">
こちらは今迄全く無視されていた人が、急に優しくされる状態を表しています。
5-3. 「契約間近の取引先が手のひらを返して白紙に戻すと言ってきた」
">
お互い友好的な関係にあったのに、急に相手が態度を変えて来た時に使います。
まとめ
「手のひらを返す」は、悪い意味だけではなく結果的に良い意味になる時にも使われます。
この言葉を使う時には、それまでの相手との関係もカギになります。
ベタベタし過ぎず、険悪過ぎず、適度な距離で付き合っていれば「手のひらを返した」と言われずに済むでしょう。
5. 「手のひらを返す」を使った例文
「手のひらを返す」は、日常的に使われる言葉で、例文は以下の通りです。
5-1. 「彼女は今まで賛成してくれていたのに、急に手のひらを返して反対するのでショックを受けた」
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それまで味方だった人が、急に敵に回る様な言動をした時に使われます。
5-2. 「実家がお金持ちだと知った途端に、皆手のひらを返して親しげに近付いてくる様になりました」
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こちらは今迄全く無視されていた人が、急に優しくされる状態を表しています。
5-3. 「契約間近の取引先が手のひらを返して白紙に戻すと言ってきた」
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お互い友好的な関係にあったのに、急に相手が態度を変えて来た時に使います。
まとめ
「手のひらを返す」は、悪い意味だけではなく結果的に良い意味になる時にも使われます。
この言葉を使う時には、それまでの相手との関係もカギになります。
ベタベタし過ぎず、険悪過ぎず、適度な距離で付き合っていれば「手のひらを返した」と言われずに済むでしょう。
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