「最後のあがき」の意味や類語を紹介します。
また「最後のあがき」の心理と、「最後のあがき」に関することわざについて紹介していきます。
- 「最後のあがき」の意味とは?
- 「最後のあがき」の類語
- 「最後のあがき」の心理
- 「最後のあがき」に関する学びたいことわざ
- 「最後のあがき」の使い方
- まとめ
1. 「最後のあがき」の意味とは?
「最後のあがき」とは、かなり追い込まれた場面で使う言葉です。
例えば格闘技の試合中に、まったく実力では敵わない相手に対して、何かしらの抵抗をしようと頑張る時に「最後のあがき」と呼ばれます。
逆転勝利を狙うというよりも、一泡吹かせるというような要素が強く、敗色濃厚な時に使用する事が多いです。
そもそも「あがく」とは、「足掻く」と漢字で書きます。
手足を縛られているような状況で、何とか体の自由を手に入れたくて動き回る…そんな状況を言葉にしたものです。
かなり絶望的な状況ではありますが、奇跡を信じて、死地から希望を見出すような時にも使われる言葉です。
格闘技や生きるか死ぬかの勝負をしている時だけに使う言葉ではなく、日常的な場面でもよく使われる言葉です。
例えば中間試験を目の前にして、まったく勉強をしていなかった生徒が、一夜漬けで勉強をしようとします。
このような状況はまさに「最後のあがき」といえるでしょう。
良い成績を取るのはほとんど無理だけど、何もやらないよりはましだろうと思った人が、「最後のあがき」的な行動を取る事が多いです。
また中間試験を前にして、毎日着実に勉強をしていた人が、人前で勉強するのが照れくさくて「最後のあがき」といって、真面目に勉強していなかったふりをする事もあります。
自分の成功を他の人に知られた時にはずかしくて「たまたま最後のあがきが決まっただけ」というように使用する事もあります。
2. 「最後のあがき」の類語
「最後のあがき」は実力差がある相手や物事にぶち当たった時に、最後の抵抗をする意味で使われる言葉です。
このような場面は日常的に比較的多いので、「最後のあがき」だけでなく似たような言葉がいくつも存在します。
そこで「最後のあがき」の類義語をいくつか紹介します。
2-1. 「ささやかな抵抗」
「ささやかな抵抗」という言葉は、「最後のあがき」にとても似ている言葉です。
「ささやかな抵抗」は、「ささやか」という言葉からも、爽やかなイメージがあります。
例えばボクシングの試合で、敗北寸前の最終ラウンドで、気合を入れて反撃をしたとします。
これは「最後のあがき」ではありますが「ささやかな抵抗」でもあります。
「ささやかな抵抗」と表現した方が、よりスマートで素敵なイメージがあります。
誰もが認めるような、圧倒的な人と戦う事になった時、見ている人も「負けて当然」と思うでしょう。
そんな時に、少しでもいいから敵を困らせる攻撃ができた時「ささやかな抵抗に成功した」というイメージがあります。
「ささやかな抵抗」ができる事で何が良いかといえば、「プライドが保たれる」という事です。
40歳近いボクサーが、新進気鋭の若いボクサーに試合では敗れたものの、最終ラウンドに反撃をして1ポイントだけ返す事ができたとします。
そんな時に「最終ラウンドにささやかな抵抗に成功し、40歳ボクサーはプライドを保つ事に成功しました」などと言われます。
2-2. 「窮余の策」
「窮余の策」は最後のあがきに近いですが、もう少し「勝つ可能性」がある時に使う言葉です。
または「より相手にダメージを与える事ができる」言葉です。
かなり追いつめられた状況ですが「策」という言葉が示しているように、「とっておきの作戦」が残っている状態を表しています。
その作戦次第では、大逆転が狙えるかもしれません。
勝つ事ができないとしても、相手に大ダメージを与える事ができるかもしれません。
ただし「窮余の策」という言葉を使う時の作戦は、世間的に見て正しいと思えるようなものではない事が多いです。
追いつめられていたから仕方なかったんだな…と理解するしかないような、少しダーディな作戦である事が多いです。
例えば裏切り行為だったり、違法すれすれの行為だったりする事が多く、成功したとしても自分にもダメージが残ります。
できれば窮余の策を使わなくて済むようにしたいものです。
2-3. 「最後の悪あがき」
「最後のあがき」とほとんど同じ意味の言葉に「最後の悪あがき」があります。
「最後のあがき」よりも勝つ可能性、成功する可能性が高い状況で、可能性のない方法を試してじたばたするような時に、「最後の悪あがき」という言葉を使います。
「悪あがき」は悪いあがきなので、当然行っている人の事を悪く言っています。
または自分の事を自虐的に見て、「悪あがき」と言っています。
もうどうしようもないけれど、体が動くから動かしてみようというような状態で、何かしらの事にチャレンジします。
例えば、ボクシングの試合で、敗色濃厚な最終回に大ぶりのパンチを振り回して逆転KOを狙うのが「最後のあがき」だとしたら、頭突きをしたり、反則をしたりして、勝ちには絶対に結び付かない方法で相手を痛めつけようとするのが「最後の悪あがき」という感じです。
「最後の悪あがき」をすると、その闘争本能に対しては評価される事がありますが、イメージが悪くなりますし、立場も悪くなります。
「悪あがき」をするくらいなら、潔く負けた方が結果的に良かった…そんな感想を持つ事になるかもしれません。
2-4. 「せめてもの報い」
「最後のあがき」に似た言葉に「せめてもの報い」という言葉があります。
どうせ勝ち目はないのだから、何か自分のプライドを保つための一撃を決めたい、そんな気持ちを感じさせる言葉です。
例えばいじめっ子にいじめられている人が、そのままいじめられ続けて学校を卒業するのではなく、いじめっ子を殴ったり、評価が落ちるような言動を言わせるなどして「報い」を与えたいと思う時に使います。
このように「悪あがき」や「あがき」に比べて「報い」には「正当性」を感じやすくなっています。
例えばアニメーションの世界で巨大なモンスターと戦う時に、敗色濃厚ですが「せめてもの報い!」と言いながら、敵の目に大きなダメージを与えるというシーンがイメージできます。
ヒーロー的な人、正しいと思われる立場にいる人が、巨大な力を持った悪人に対してちょっとした反撃をする時に「せめてもの報い」という言葉を使う時が多いです。
3. 「最後のあがき」の心理
「最後のあがき」をする時に、どのような心理状態になっているのでしょうか。
「最後のあがき」をしている人に共通する心理状態を紹介しますので、チェックしてみましょう。
3-1. 「勝ち目がない」
「最後のあがき」をする時は、戦っている相手に対して「勝ち目がない」と思った時です。
ケンカ中に、このまま戦っても勝てないと思うからこそ、あがきます。
勝てると感じたら、そのまま勝つための努力を続けますし、負けそうだと感じた時も、反撃のための作戦を実行するはずだからです。
隣に並んだ瞬間に「これは無理だ」と思うような相手に立ち向かった時に、「なんとかしてあがいてやろう」と思います。
敵に一矢を報いたいと思っての行動ですが、その行動がまったく通用しない時、最後の最後の一矢として「最後のあがき」をします。
例えば司法試験などの難しい試験を受けている時に、自分の実力不足を痛感するかもしれません。
白紙で解答用紙を提出しても、真剣に答えても不合格になる事は間違いない場合でも、「一応マークシートだけは埋めておこう」と適当に文字を埋めるのが「最後のあがき」です。
あきらめが悪い人が実力に似合わない挑戦をした時は、いつも「最後のあがき」をする事になるかもしれません。
3-2. 「このままでは終われない」
このままでは確実に負けてしまう、不合格になってしまうという状況が訪れるとします。
しかしこのままでは、試合が終わった時や試験が終わった時に、深い後悔をしてしまう、立ち直れないようなダメージを負ってしまうかもしれない…そんな時に「このままでは終われない」という気持ちになります。
例えばボーリングの試合で、まったく相手に歯が立たない時に、「最後にストライクを3連続しないと、心理的に終わりにする事ができない」と思うかもしれません。
そこで「最後のあがき」として集中して3連続ストライクに挑みます。
3連続ストライクを出したとしても、相手との得点差はひどく、勝つ事はできないのですが、気持ちがすっきりするかもしれません。
このように、負け試合の中でも、自分なりに納得できる成果をあげるために「最後のあがき」をする事があります。
3-3. 「相手がノーダメージなのは嫌」
「最後のあがき」をしなくてはならないような状況に追い込まれたという事は、かなりめちゃくちゃにされて、深いダメージを負っています。
それがケンカなら顔面が腫れて鼻血も出ているかもしれません。
あるいは歯が折れたり、あばら骨が折れている可能性もあります。
ここで「ギブアップ」と言えば、それ以上、ダメージを負わなくて済むかもしれません。
しかし相手にダメージを与えるチャンスを逃す事になります。
相手をノーダメージで帰すくらいなら、少しでもダメージを与えたいと思い、喧嘩を続行して「最後のあがき」をする人もいるでしょう。
このように自分だけ散々な目に合ったまま、終わりにするのが嫌な場合「最後のあがき」をする事になります。
最後のあがきで敵が鼻血でも出せば、気持ち的には「勝ち」に等しい満足感を得るかもしれません。
5. 「最後のあがき」に関する学びたいことわざ
「最後のあがき」を見事に表現したことわざが、いくつかありますので見て行きましょう。
「最後のあがき」という言葉を使うよりも、より知識があり頭が良いイメージを相手に与える事ができるかもしれません。
5-1. 「窮鼠猫を?む」
「窮鼠猫を噛む」ということわざがあります。
登場人物はネズミとネコです。
ネズミはネコに追い込まれていて、今にも捕まってしまいそうです。
つまりネズミにとっては絶体絶命なシーンです。
しかし追い込まれた弱い鼠でも、ネコを噛む事はできます。
ネコはネズミに噛まれても、死ぬ事はありませんが、かなりのダメージを負う事になります。
この場合、ネコにとって反撃するネズミを相手にする事は「得策でない」と感じるかもしれません。
大ダメージを負う危険性があるなら、違う敵を相手にした方がいいと思うかもしれません。
このように「窮鼠猫を噛む」には「最後のあがき」に似た意味があります。
ただし、「窮鼠猫を噛む」の方が、ネコのような勝者側にとってリスクが高い攻撃が待っているイメージになります。
「最後のあがき」はおそらく勝者側に大したダメージを与えませんが、「窮鼠猫を噛む」の場合は、差し違えるような怖さがあります。
できれば「窮鼠猫を噛む」のような状態にならないように、スマートに勝ちたいと思うのが勝者側、つまりネコ側の気持ではないでしょうか。
同時に弱いからと言って、自分勝手にコキを使ったり、追い込むような扱いをするのは良くない、思わぬ反撃を受けて身を滅ぼす事になるかもしれないという戒めの意味も持っています。
このように「窮鼠猫を噛む」には、勝者側が弱い人、弱い立場にある人をどう扱うかという教えが含まれています。
一方で弱者になった時は、強者に対して「あまりに追い込むようなら、強く反撃する事もできますよ」と威嚇して置く事も大切です。
5-2. 「イタチの最後っ屁」
「イタチの最後っ屁」も「窮鼠猫を噛む」と似たような意味を持つ言葉です。
「イタチの最後っ屁」は「最後のあがき」よりも、より成功率が高い反撃で「秘密兵器」のような意味も含まれています。
イタチは敵に追い込まれた時に「最後っ屁」と呼ばれるガスを放出し、敵をたじろがせます。
その隙にイタチは安全地帯に逃げ込む事ができます。
このように「イタチの最後っ屁」には、「あがき」よりも、「効果的な反撃方法」という意味合いが強く、ほとんどの場合、ピンチを脱出する事ができます。
小さな子ども達のケンカの時に、敗色濃厚な男子が、大声を叫びながら両手を振り回して敵に突進すると、あまりの迫力に優勢だった男の子がビビッてしまい、反撃を許して負けてしまうという事があります。
このような攻撃は「イタチの最後っ屁」と表現したい効果的な攻撃です。
6. 「最後のあがき」の使い方
「最後のあがき」の言葉の意味を知ったところで、「最後のあがき」の使い方をチェックしてみましょう。
「敗色濃厚な」で「ちょっとした反撃」をするような場面で使用すると、上手に使う事ができます。
例文とともに具体的な使い方を見て行きましょう。
6-1. ビジネスシーンでの「最後のあがき」の例文
新商品開発の会議で、自分がプレゼンした商品よりも、ライバルがプレゼンした商品の方が圧倒的に評判が良いとします。
このままでは、何の手柄もなくプレゼンが終わってしまいます。
それだけでなく、良いプレゼンをしたライバルは、上司からの信頼を得て出世してしまう可能性もあります。
追いつめられたこの男性は、最後のプレゼンタイムで、「ライバル社員の悪口」を言います。
「普段職場の悪口ばかり言ってる○○君が、こんなに良いプレゼンをするとは敵ながら拍手です」という感じです。
ライバルのプレゼンを褒めるふりをして、悪口を言っている事を上司に報告しています。
その後ライバルが、商品と関係のない彼の悪口を言いかえして来れば、悪口の言い合いという泥仕合に巻き込む事ができます。
自分の立場は良くなりませんが、相手の立場を少し低くする事くらいならできるかもしれません。
このような時に、ライバルは「お前、プレゼンが不利だからといって最後のあがきをするんじゃないよ!」と諌めるかもしれません。
6-2. 恋愛シーンでの「最後のあがき」の例文
恋愛シーンでの「最後のあがき」は、やはり恋愛でフラれそうな時でしょう。
例えばある男性が、大好きな女性に何度告白してもOKがもらえないとします。
客観的に見ても、自分から見ても告白が成功する可能性は低いのですが、彼は「最後のあがき」をしようと、もう一度告白に挑みます。
そこで貯金をはたいて、1000本のバラを用意して、レストランの部屋をバラ一食で埋めて告白をする事にしました。
そして彼は彼女を目の前にして「これは最後のあがきです!これでフラれたらもうあなたの事はあきらめます。付き合ってください!」と言います。
「最後のあがき」をした結果、彼女に「ごめんなさい」と言われて完全に恋は終わってしまいました。
このように絶対無理な恋愛の場面で、自分が納得するまで努力をする時に「最後のあがき」的な行為をする事があります。
相手に迷惑を掛けない程度の「最後のあがき」にして、後に笑い話にしましょう。
まとめ
「最後のあがき」は敗色濃厚になった人が、「何か小さな反撃でも」という気持ちで行う行動を意味します。
その小さな反撃は、ほとんど成果を出す事はありませんが、「最後のあがき」をする事で、気持ちがスッキリしたり、気持ちを切り替える事はできるかもしれません。
できれば後味の良い「最後のあがき」をしたいものです。
3. 「最後のあがき」の心理
「最後のあがき」をする時に、どのような心理状態になっているのでしょうか。
「最後のあがき」をしている人に共通する心理状態を紹介しますので、チェックしてみましょう。
3-1. 「勝ち目がない」
「最後のあがき」をする時は、戦っている相手に対して「勝ち目がない」と思った時です。
ケンカ中に、このまま戦っても勝てないと思うからこそ、あがきます。
勝てると感じたら、そのまま勝つための努力を続けますし、負けそうだと感じた時も、反撃のための作戦を実行するはずだからです。
隣に並んだ瞬間に「これは無理だ」と思うような相手に立ち向かった時に、「なんとかしてあがいてやろう」と思います。
敵に一矢を報いたいと思っての行動ですが、その行動がまったく通用しない時、最後の最後の一矢として「最後のあがき」をします。
例えば司法試験などの難しい試験を受けている時に、自分の実力不足を痛感するかもしれません。
白紙で解答用紙を提出しても、真剣に答えても不合格になる事は間違いない場合でも、「一応マークシートだけは埋めておこう」と適当に文字を埋めるのが「最後のあがき」です。
あきらめが悪い人が実力に似合わない挑戦をした時は、いつも「最後のあがき」をする事になるかもしれません。
3-2. 「このままでは終われない」
このままでは確実に負けてしまう、不合格になってしまうという状況が訪れるとします。
しかしこのままでは、試合が終わった時や試験が終わった時に、深い後悔をしてしまう、立ち直れないようなダメージを負ってしまうかもしれない…そんな時に「このままでは終われない」という気持ちになります。
例えばボーリングの試合で、まったく相手に歯が立たない時に、「最後にストライクを3連続しないと、心理的に終わりにする事ができない」と思うかもしれません。
そこで「最後のあがき」として集中して3連続ストライクに挑みます。
3連続ストライクを出したとしても、相手との得点差はひどく、勝つ事はできないのですが、気持ちがすっきりするかもしれません。
このように、負け試合の中でも、自分なりに納得できる成果をあげるために「最後のあがき」をする事があります。
3-3. 「相手がノーダメージなのは嫌」
「最後のあがき」をしなくてはならないような状況に追い込まれたという事は、かなりめちゃくちゃにされて、深いダメージを負っています。
それがケンカなら顔面が腫れて鼻血も出ているかもしれません。
あるいは歯が折れたり、あばら骨が折れている可能性もあります。
ここで「ギブアップ」と言えば、それ以上、ダメージを負わなくて済むかもしれません。
しかし相手にダメージを与えるチャンスを逃す事になります。
相手をノーダメージで帰すくらいなら、少しでもダメージを与えたいと思い、喧嘩を続行して「最後のあがき」をする人もいるでしょう。
このように自分だけ散々な目に合ったまま、終わりにするのが嫌な場合「最後のあがき」をする事になります。
最後のあがきで敵が鼻血でも出せば、気持ち的には「勝ち」に等しい満足感を得るかもしれません。
5. 「最後のあがき」に関する学びたいことわざ
「最後のあがき」を見事に表現したことわざが、いくつかありますので見て行きましょう。
「最後のあがき」という言葉を使うよりも、より知識があり頭が良いイメージを相手に与える事ができるかもしれません。
5-1. 「窮鼠猫を?む」
「窮鼠猫を噛む」ということわざがあります。
登場人物はネズミとネコです。
ネズミはネコに追い込まれていて、今にも捕まってしまいそうです。
つまりネズミにとっては絶体絶命なシーンです。
しかし追い込まれた弱い鼠でも、ネコを噛む事はできます。
ネコはネズミに噛まれても、死ぬ事はありませんが、かなりのダメージを負う事になります。
この場合、ネコにとって反撃するネズミを相手にする事は「得策でない」と感じるかもしれません。
大ダメージを負う危険性があるなら、違う敵を相手にした方がいいと思うかもしれません。
このように「窮鼠猫を噛む」には「最後のあがき」に似た意味があります。
ただし、「窮鼠猫を噛む」の方が、ネコのような勝者側にとってリスクが高い攻撃が待っているイメージになります。
「最後のあがき」はおそらく勝者側に大したダメージを与えませんが、「窮鼠猫を噛む」の場合は、差し違えるような怖さがあります。
できれば「窮鼠猫を噛む」のような状態にならないように、スマートに勝ちたいと思うのが勝者側、つまりネコ側の気持ではないでしょうか。
同時に弱いからと言って、自分勝手にコキを使ったり、追い込むような扱いをするのは良くない、思わぬ反撃を受けて身を滅ぼす事になるかもしれないという戒めの意味も持っています。
このように「窮鼠猫を噛む」には、勝者側が弱い人、弱い立場にある人をどう扱うかという教えが含まれています。
一方で弱者になった時は、強者に対して「あまりに追い込むようなら、強く反撃する事もできますよ」と威嚇して置く事も大切です。
5-2. 「イタチの最後っ屁」
「イタチの最後っ屁」も「窮鼠猫を噛む」と似たような意味を持つ言葉です。
「イタチの最後っ屁」は「最後のあがき」よりも、より成功率が高い反撃で「秘密兵器」のような意味も含まれています。
イタチは敵に追い込まれた時に「最後っ屁」と呼ばれるガスを放出し、敵をたじろがせます。
その隙にイタチは安全地帯に逃げ込む事ができます。
このように「イタチの最後っ屁」には、「あがき」よりも、「効果的な反撃方法」という意味合いが強く、ほとんどの場合、ピンチを脱出する事ができます。
小さな子ども達のケンカの時に、敗色濃厚な男子が、大声を叫びながら両手を振り回して敵に突進すると、あまりの迫力に優勢だった男の子がビビッてしまい、反撃を許して負けてしまうという事があります。
このような攻撃は「イタチの最後っ屁」と表現したい効果的な攻撃です。
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