「整合性」の意味・類語・例文・取る性格・取らない性格 | SPITOPI

「整合性」の意味と使い方を紹介します。

さらに「整合性」の例文と、「整合性」を使った言葉についても紹介します。

1. 「整合性」とは?

ビジネスシーンなどでよく使われる言葉が「整合性」です。

「整合性」は仕事をする時に、とても重要だからです。

たくさんの人が関わって一つの仕事をする時は、同じ考え方、同じ目的、さらに同じ計画に沿って物事を進めて行かなければなりません。

プロジェクトに参加しているすべての人が、同じ方向を向いて、きちんとした考えを持っている必要があります。

このように「整合性」には、考え方に統一感があり、目的に向かって矛盾なく行動ができている状態などの意味が含まれています。

一人で何かをする時でも、整合性は必要です。

朝と夜で考え方が違ってしまえば、継続して一つの事をやり遂げるのは難しいからです。

ビジネスシーンでより整合性が問われるのは、先述した通り、数多くの人が関わり、一つの目的に向かっていく必要があるからです。

その場にいるすべての人の頭の中や、行動に統一感があり、AさんとBさんの行動が矛盾していない場合「整合性が取れている」状態といえます。

もしAさんとBさんの行動が矛盾している場合は、誰かが整合性を取る必要があります。

2. 「整合性がある」の類語

「整合性がある」という言葉には、いくつかの類語があります。

似たような言葉があります。

様々な言葉を使って、整合性とは何か?という点をより深く見て行きましょう。

2-1. 一貫性がある

「一貫性がある」という言葉も、「整合性」と似ている言葉です。

一貫性がある状態とは、1から10という連続した場面がある時に、1という場面も2という場面も3という場面も関連性があり、間違っている感じられる場面がないという事です。

例えば連続ドラマを観ている時に、主人公の男性が、1話では「犬が怖い」と言っていたのに、7話では犬の頭を優しくなでていると、おかしな感じがします。

このドラマは「一貫性がない」という事になります。

1話から7話の間に、犬恐怖症を克服したシーンなどがあればもちろん話は別です。

しかし断りなしに、犬嫌いの人が急に犬を好きになっていたら「一貫性がない」「整合性が取れない」という事になります。

実際にドラマに限らず、このような矛盾を抱えた行動や発言があります。

「女性には興味がない」と言っていた男子学生が、実は女性の事を追っかけまわしていたとしたら、その男性は行動と言葉に「一貫性がない」という事になります。

逆に「女性が大好き」と宣言している男性が、学生時代の自分の時間を、女性に振り向いてもらうために費やしたとしたら、彼はスケベだけれど「一貫性がある」という事になります。

2-2. 矛盾がない

「矛盾がない」という言葉も、「整合性がある」という言葉に似ています。

「矛盾」の語源を振り返ると、矛盾の意味が良く分かります。

はるか昔、「最強の盾」と「最強の矛」があったといいます。

最強の盾は、どんな攻撃をも跳ね返す事ができます。

そして最強の矛は、どんなに硬い盾でも貫く事ができるといいます。

それでは、最強の盾と最強の矛が激突したらどうなるか?という話になります。

最強の盾が最強の矛の攻撃を防いだら、最強の矛の話は「嘘」という事になります。

逆に最強の矛が最強の盾を貫いたら、最強の盾の話は「嘘」という事になります。

このように「最強の矛」と「最強の盾」がこの世に同時に存在する事は無理であり、このような事実は「矛盾している」と表現されます。

そのため矛盾がない状態は、「整合性が取れている」状態といえます。

整合性を取るためには、話の中に矛盾がないかどうかを確認し、あったら取り除かなければなりません。

2-3. 筋が通る

「整合性」に近い言葉に「筋が通る」という言葉もあります。

主に行動や発言に対して使われる言葉で、人間性などを判断される評価になります。

例えばAさんは日ごろから「偉いやつは嫌いだ」と言っていたとします。

お金持ちや社会的地位が高い人を見ると、「悪い事をしないと、あんなに偉くなったりお金を貯めたりできないよ」と悪口ばかりを言っていました。

そんなある日、あるお金持ちの女性から好かれて「結婚して」とプロポーズされます。

Aさんは日ごろからお金持ちが嫌いだと言っていたのですから、当然プロポーズを断るかと思っていました。

しかしAさんはあっさり金持ちと結婚して、自分もお金持ちの仲間入りをしました。

それからは「貧乏な奴はダメなやつだ」と話すようになりました。

このAさんの行動は「筋が通らない」行動です。

Aさんが日頃の言動通りに筋を通すなら、お金持ちとは結婚しないはずです。

仮に女性の人間性に魅かれて結婚するならば、「自分は一切、お金を受け取らない」と誓約書を交わすなどして、以前と変わらぬ経済水準を維持すべきです。

実はAさんは、お金持ちが本心で嫌いだったわけでなく、お金持ちに嫉妬していただけだった事が分かります。

いずれにせよ、日頃から言っている事と反する行動を取る人は「筋が通っていない人」だと言われてしまいます。

逆にお金が大好きで、ブスでもいいから大金持ちの娘と結婚をしたいと思っている人は「筋が通っている」人で、本当にお金持ちと結婚をしたら「筋を通した」となります。

2-4. 辻褄が合う

「辻褄が合う」と「整合性」も近い言葉です。

人は様々な行動を取り、様々な言葉を話しますが、すべての言葉がなんとなく「辻褄が合っているか」「そうでないか」は信頼に関わる大きな問題です。

ある場面ではAと言っていたのに、ある場所ではBと言って、次の日にはCと言い、その1時間後にはAと言う場合、「話の辻褄が合わない」可能性が高いです。

辻褄の合わない話を聞くと、意味が良く入ってこなくなりますし、イライラしてストレスがたまります。

信頼性が高い人は、いつでも発言や行動に辻褄があっています。

辻褄が合う人の発言や行動には安心感があるので、周囲の人を安心させたりリラックスさせる事も可能です。

2-5. 理路整然としている

「整合性」に近い言葉に「理路整然としている」という言葉があります。

全ての言動や行動が整理された状態です。

例えば誰かが、「なぜAは今、このような状態になるのですか」と質問した時、全ての理由を過不足なく、順序立てて話す事ができる場合、理路整然とした状態になっています。

また他の人が理解しやすいように説明できる人の話自体を「理路戦前としている」と表現する事もあります。

理路整然とした状態は、プライベートではそれほど多くありません。

健康的に生きようと思っているのに、朝寝坊をしたり、身体に良くない食べ物を食べてしまう事は良くあるからです。

理由を聞かれても「何となく」などと、説得力のある言葉で説明するのは難しいです。

また理路整然と説明する必要もないでしょう。

しかし、会社でプロジェクトを進める時は、そのプロジェクトが大きなほど理路整然としている方が望ましいです。

参加している人が疑問を感じたり、ストレスなく仕事を進めて行くことができるからです。

3. 「整合性がない」の類語

逆に「整合性がない」という言葉の類語を見て行きましょう。

どのような言葉が、「整合性がある」の反対の意味を持つのでしょうか。

3-1. 支離滅裂

話している内容がめちゃくちゃだったり、できあがった書類の中身がぐちゃぐちゃだった場合「支離滅裂」と表現します。

「支離滅裂」は「整合性がない」状態の中でも、最上級にヤバい状態です。

支離滅裂な状態から、きちんと立て直す事は難しく、もし個人ならプロジェクトから外されてしまうかもしれません。

プロジェクト自体が支離滅裂なら、プロジェクトは中止になるでしょう。

プライベートで支離滅裂になっている人は、心の中がぐちゃぐちゃになっています。

まずは休息を取り、落ち着いて、自分を見つめ直してみましょう。

呼吸法などをマスターして、心を整える事が大切です。

3-2. 非合理的

合理的に理由を説明できないような時、「非合理的」と言われて非難されてしまいます。

「整合性がない」のと似たような状態です。

直感的には「絶対に正しい」と思っても、非合理的な場合は、その意見が通らない事が多いです。

何とか合理的な理由をつけて、周囲の人たちを説得する必要があります。

3-3. 矛盾している

言動に矛盾があったり、プロジェクト内の要素に矛盾がある場合は、困った事になります。

言動を発した人は信頼を失う事になるかもしれませんし、プロジェクトは見直しになるかもしれません。

もちろん、人間的な生活を送るという意味では、矛盾を抱えてしまう事は不思議ではありません。

例えば恋愛面では矛盾を抱える事が多いです。

例えばある女性と「別れたい」と思っているのに「別れたくない」と思っています。

これは矛盾した想いですが、同時に抱える事は珍しくありません。

また「ショートヘアの女性が嫌い」と言いながら、付き合っている女性が「ショートヘア」という事もあります。

さらに「胸が大きな女性が好き」と常々言っている男性の奥さんが「微乳」という事も良くあります。

このように日常的なレベルでは矛盾する行動は当たり前にあります。

ただし、会社などのビジネスシーンに立った時は、矛盾した行動が命取りになる事がありますので注意が必要です。

4. 「整合性」の使い方

「整合性」という言葉を実際に使うとしたら、どのような使い方をするでしょうか。

これから「整合性」という言葉をどんどん使って行くために、使い方を知っておきましょう。

「整合性」は「誰かの発言」「誰かの行動」「プロジェクトの内容」「目標と進行している事実」などの関係性が「矛盾してない」「一貫性がある」「筋が通っている」場合に使います。

また逆の場合も「整合性がない」という表現で使う事ができます。

何か大切な事を進める時、大切な人だと感じている人がいる時に「整合性」に注意して物事を見るようにすると、「整合性」と言う言葉を使う場面が増えるはずです。

5. 「整合性」の例文

それでは、「整合性」をいう言葉を使った具体的な例文を見て行きましょう。

ビジネスシーンで使う例文と、恋愛の場面で使う例文を用意しますので、チェックしてみましょう。

5-1. ビジネスシーンでの例文

会社の会議などで、様々な発言を聞いた時に矛盾点を感じた時は、その事を指摘しましょう。

例えば、Aという発言が、先ほどまでのBという発言に矛盾している時に、「Aという発言とBという発言は整合性が取れませんが、どのように考えていますか?」と質問をします。

また自分が企画したプロジェクトを発表する時に、矛盾点があったり、筋が通っていない点がある場合は、発表会の最後に「さらに整合性を高めるように努力します」などと付け加えると良いでしょう。

あなたが整合性にたいして気を配っている事が伝わり、スタッフからの信頼度が高くなるはずです。

5-2. 恋愛の場面での例文

恋愛の場面で「整合性」という言葉を使うとしたら、付き合っている人の行動を正したい時かもしれません。

例えば彼氏がキャリアアップを目指して努力しているけれど、タバコを吸っているとします。

彼女は「あなたがキャリアアップのために頑張っているのは知っている。

でもタバコを吸う人の評価は決して高くない。

あなたがタバコを吸うのは整合性が取れないよ」という感じです。

感情的に発言したのではなく、理路整然とした発言なので、彼がクレバーな人なら納得しやすいでしょう。

ただし理屈っぽいのが嫌いな恋人なら、「うざいな」と思うかもしれません。

そのため、発言する相手を選んだ方が良いかもしれません。

6. 「整合性」を使った言葉

「整合性」は熟語としてそのまま使う事もありますが、少し言葉を付け加えて使った方がより効果的です。

そこで「整合性」を使った言葉を紹介します。

6-1. 「整合性を高める」

「整合性を高める」は、整合性という言葉を使う時に頻繁に使う言葉です。

例えば自分の提案したアイデアに矛盾がある場合は、まだ「整合性が取れていない」状態です。

7割方は整合性が取れているけれど、矛盾も見られるような時に「さらに整合性を高めるよう努力します」と付け加えます。

このように整合性が取れているかどうかと聞かれると完璧ではなく、「怪しい状態」の時に「整合性を高める」と言いましょう。

他の人の企画や発言に矛盾点がある場合も、「筋が通ってない」とか「矛盾してるじゃないか」と責め立てるより、「整合性を高める努力をしてください」と言った方が穏やかで角が立たないのでおすすめです。

6-2. 「整合性の確保」

「整合性の確保」という言葉もあります。

整合性の確保が必要な時は、逆にいえば、まだ整合性が確保できていない状態です。

「整合性を高める」という言葉を使う時は、整合性が7割程度だとしたら、「整合性を確保する」の場合は、整合性は4割程度かもしれません。

まだまだ整合性がない、思い付きのアイデアなどに対して「整合性を確保しないと」とアドバイスします。

例えば「きらりと光るものがあるアイデアだけれど、整合性を確保しないとプレゼンを通らないよ」という感じで使いましょう。

7. 「整合性」を取る性格の人の特徴

整合性を取りたがる人は、どのような性格をしているでしょうか。

整合性を取る性格の人に共通する特徴をチェックしましょう。

7-1. 真面目

「整合性」を第一に考える人は、基本的に真面目な人です。

面白さや、奇抜さ、新しさよりも「整合性」に目を向けるタイプの人だからです。

文章の仕事では「校正」と呼ばれる仕事が、まさに「整合性」を高める仕事です。

そして校正を天職にしているような人は、真面目な性格の人が多いです。

7-2. 論理的な思考をする

「整合性」を大切にできる人は、論理的な思考ができる人です。

逆に言えば論理的な考え方ができなければ、整合性があるかどうかを判断する事すらできないでしょう。

何かを見た時、または話を聞いた時、「これは○○で××だね。

だから◆◆だ」などとすぐに論理的に整理できる人は、「整合性」を大切にできる人です。

7-3. 心が整っている

心が整っていて、いつでも落ち着いている人は、行動に一貫性があります。

つまり全ての言動に「整合性」があり、安心して付き合う事ができます。

雑な行動をしたり、すぐに物忘れをしたり、気が変わるという事がないので、周囲の人たちの信頼が集まりやすいです。

会議の議長やプロジェクトのリーダーになれるのも、このような心が整った、整合性が取れた言動をできる人ではないでしょうか。

まとめ

「整合性」があるかどうかは、ビジネスシーンでは特に大切です。

そのため「整合性」という言葉を使いながら、一貫のある言動をしたり、矛盾のない発言をできるように自分を高めていきましょう。

一方で、プライベートでは、整合性が取れない場面が増えてきます。

仕事以外では、あまり整合性にこだわらない方が、のびのびと暮らせるかもしれません。