「ラディカル」と聞いて、すぐにどのような意味か頭に思い浮かべる人は少ないかもしれません。
政治的な考え方を示すときに使うことが多いからです。
日常会話として「ラディカル」という言葉は政治の話題でもしない限り、なかなか出てこない言葉です。
さて、この「ラディカル」にはどのような意味があるのでしょう。
- 「ラディカル」の意味とは?
- 「ラディカル」の類語
- 「ラディカル」の対義語
- 「ラディカル」の使い方
- 「ラディカル」を使った例文
- 「ラディカル」の例
- ラディカルな人の特徴
- 「ラディカル」と「ラジカル」の違い
- まとめ
1. 「ラディカル」の意味とは?
「ラディカル」の意味は大きく分けると二つあります。
それぞれに異なる意味を持ちます。
詳しくみていきましょう。
1-1. 「根本的な」「根っこの」「基の」「基礎になる」「もともとの」
まず一つ目の「ラディカル」の意味は、「根本的な」「根源的な」「根っこの」「基の」「基礎になる」「もともとの」という意味になります。
現在、使われている「ラディカル」という言葉は、様々な意味を持つようになってきましたが、もともとの意味を辿っていくと、これらの意味へと繋がっていきます。
つまり、この意味が「ラディカル」発祥の意味という訳です。
この意味が派生して、様々な意味として用いられるようになりました。
さて、この意味における「ラディカル」ですが、語源はラテン語となっています。
「radix」「radicis」と表記され、植物の「根っこ」を指す言葉として成り立ちました。
そこから、今ではいろいろな意味を含む言葉へと派生し、転用されています。
そして、「ラディカル」を言葉として用いる場合、一番発祥の意味に近いのは「根本的な」という意味でしょう。
もともとあった物事を指す言葉です。
例えば、このような具合で使われています。
「このままではいけない。
ラディカルな考えを意識することが大事だ」
(このままではいけない。根本的な考えを意識することが大事だ。)
「このラディカルな問題は、多くの人を苦しめている」
(この根本的な問題は、多くの人を苦しめている。)
などと使います。
1-2. 「過激な様子」「急進的な」「革命的な」
二つ目の「ラディカル」の意味は、「過激な様子」「急進的な」「革命的な」という意味になります。
「過激」や「急進的」と聞いて、なんとなく変化を求める人や物事のことを指すのかなと察しがつくのではないでしょうか。
現代の考え方に反発すること、あるいは考え方そのものが常識を逸脱していること、あるいは急進的に物事を推し進める様子する際に使用されています。
どちらかというと、こちらの意味の「ラディカル」は、あまり良い意味を持たないかもしれません。
「君はラディカルな人だね」などと用いても、「君は常に過激でぶっ飛んでいる人だね」という意味になり、褒め言葉にはならないでしょう。
誤解してはいけないのは「ラディカルな人」が情熱的な人を指す言葉ではないということです。
「過激な様子」を表す言葉であるため、情熱的という意味だと勘違いする人もいるかもしれません。
もしかしたら、「過激」という意味で、物事に対する熱量は「情熱的」とは同じかもしれませんが、全く違う意味となります。
「情熱的」は「感情表現が豊かで優れている様子」を表すのに対し、「ラディカル」は「物事を過激に、そして急進的に(ゲリラ的な様子で)すすめていく様子」を表しています。
2. 「ラディカル」の類語
「ラディカル」の類語を挙げてみます。
2-1. 「ベース」
「ベース」とは英語の「base」の言葉となります。
よく日常会話に取り入れられている言葉なので、意味をしっかりと理解している人は多いでしょう。
「ラディカル」には「根本的な」「基礎になる」「もともとの」などといった意味があります。
そして、その意味としての類語を挙げるとするならば、「ベース」という言葉などが挙げられます。
「ベース」もまた、「ラディカル」同様、「根本的な」「基礎になる」「もともとの」という意味を持っています。
例文を挙げるとしたら、
「これは3つの考え方から生まれた発想です。このベースとなる考え方を忘れないでください」
(これは3つの考え方から生まれた発想です。この基本的な考え方を忘れないでください。)
「自分のベースとなる場所はここだ」
(基本的に自分がいる場所はここだ。)
「自分に影響力を及ぼした、ベースとなる人物はこの人です」
(自分に影響力を及ぼした、今の自分を作り上げた人はこの人です。)
などが挙げられます。
よく耳にする言葉であるため、「ラディカル」と同じ意味であっても、「ベース」の方が使いやすいかもしれません。
2-2. 「ぶっ飛んだ」
「過激な様子」「急進的な」「革命的な」という意味での「ラディカル」の類語は何でしょう。
もし、挙げるとするならば、「ぶっ飛んだ」という言葉が一番適しているのかもしれません。
「ラディカル」を聞いたことがなくても、「ぶっ飛んだ」という言葉なら知っているという人は多いはずです。
「ぶっ飛んだ」は日常的に使われている言葉です。
「ぶっ飛んだ」という言葉の意味は、文字の意味をそのまま使うのであれば、「ぶっ飛ぶ」という意味になります。
「球がぶっ飛んだ」といったら「球が遠くまで飛んだ」という意味になり、「車をぶっ飛ばす」といえば「車を猛スピードで走る」という意味になります。
そして、こちらの意味が少し派生した意味としては、「予想のつかない」「突拍子のない」「常識から外れている」という意味になります。
予想のつかない行動を起こす人を「ぶっ飛んだ人」などと表現したり、常識破りな行動のことを「ぶっ飛んだ行動」などと表現することがありますが、まさにそれです。
例文としては、このような感じで使われています。
「このぶっ飛んだ行動の裏には訳がありました」
(この突拍子もない行動には、その行動を起こすに至る、それなりの訳がありました。)
「ぶっ飛んだ君の考えに、もうついていけないよ」
(予想をはるかに超える、常識破りな君の考えに、もうついていけないよ。)
などです。
3. 「ラディカル」の対義語
次に「ラディカル」の対義語を挙げてみます。
3-1. 「穏健」(おんけん)
「ラディカル」には「根本的な」という意味と、「過激な様子」を表す二つの意味がありますが、よく使われているのは、どちらかというと、「過激な様子」の方です。
そのため、ここでは「過激な様子」を表す「ラディカル」の対義語を紹介します。
「過激な様子」を表す「ラディカル」の対義語を挙げるとするなら、「穏健」という言葉がぴったりです。
「穏健」の意味は、「穏やかな様子」「考えが揺るがない様子」という意味になります。
「ラディカル」は度を超した激しさを表現する言葉であるため、全く正反対の言葉であることが分かるでしょう。
常にゆったりとした感じが伝わってくる言葉です。
例文としては、
「あなたは穏健な人だ。一緒にいると心地よさを感じる」
(あなたは穏やかな人だ。一緒にいると心地よさを感じる。)
「穏健な考え方が好きだ。あまりにも変化が激しいとついていけない」
(行き過ぎない考え方が好きだ。あまりにも変化が激しいとついていけない。)
「問題に直面しても穏健に解決しよう」
(問題に直面しても、強硬手段をとるのではなく、穏やかに解決していこう。)
などが挙げられます。
4. 「ラディカル」の使い方
「ラディカル」を使い方は「基本的な」「根本的な」という意味よりも「過激な」「急進的な」「革命的な」という意味の方がよく使われています。
そのため、「ラディカル」という言葉を日常で耳にすることがあったら、恐らくこちらの意味になるでしょう。
それにしても「ラディカル」という言葉の意味を考えると、二つの意味は全く性質の違う意味であることに驚かされます。
一方では「基本的な」「根本的な」という意味でありながら、次に「過激な」「急進的な」「革命的な」という意味になるとは、考えもしないでしょう。
基本を指す言葉が、いつのまにか基本にとらわれない、常識破りな考えや物事を表す言葉になるとは、面白い使い方をする特殊な言葉だと言えます。
そして、この「ラディカル」がこの二つのうち、どちらかの意味で使われているのかを判断するときは、文脈の前後を見て考えるしかないでしょう。
一文を見るだけでは、どちらの意味か判断できない使い方もあります。
どちらの意味なのか分からないときは、自分で前後の文脈を見てみましょう。
二つの意味は大きく異なるので、解釈を間違ってしまうと、全くの正反対のこととして捉えてしまう場合もあります。
例えば、「ラディカルな考え」とポンと一つだけ聞いても「根本的な考え」を指すのか、あるいは「過激な考え」を指すのかは分かりません。
前後の文脈をみてどちらの意味の方がしっくりくるのか見ていくしかありません。
5. 「ラディカル」を使った例文
4. で説明したように、「ラディカル」は前後の文脈で意味を判断するしかない場合があります。
その具体例についてみていきましょう。
どちらの意味なのか正しく判断することができるでしょうか。
5-1. 「ラディカルな発言」
まずは「ラディカルな発言」を使った例文から。
「ラディカルな発言」という表現だけを聞いても、どちらの意味なのかはまだ分かりません。
それならば、下記の文中に出てくる「ラディカルな発言」ではどうでしょう。
意味を理解することができるでしょう。
「彼はいつも考え方が揺るがない人だ。
その強い意思はいつも真っすぐで力強い。
こちらがどんなにその考えに反発しても、あるいはどんな状況に陥っても、一向に揺るがないのだ。
これまでに頑固に意思を貫く姿をみると、敵であるのに称賛してしまう。
彼は常に【ラディカルな発言】ばかりしている。
なぜ、このような発言を繰り返すのか、彼の人柄を見れば分かるだろう」
どちらの意味か理解できたでしょうか。
正解は「根本的な」という意味の方です。
この文中に登場する「彼」は「いつも考えが揺るがない人」そして、「頑固に意思を貫く」人のようです。
そしてこの「彼」の人柄をみれば、「ラディカルな発言」をする理由が納得できると話しています。
「いつも考えが揺るがない人」そして、「頑固に意思を貫く」人であることから変化を求めない人であることが理解できます。
もともとある考えを貫いて生きている様子に、変化を求める過激な様子を見ることはできません。
5-2. 「ラディカルな解決」
「ラディカルな解決」という言葉も、この言葉一つだけではどちらの意味か分かりません。
この言葉も前後の文脈を見て、意味を判断してみましょう。
「あの人には何度言っても意味がないようだ。
これまでに再三、話し合いの場を設けてきたが、もう限界だ。これ以上、待てない。これからは【ラディカルに解決】していこう。このままでは何の変化も訪れない。ずっと問題が解決しないままだ。相手に有無を言わさず、いくしかない」
こちらの文章ではどうでしょう。
正解は「過激な」という意味の「ラディカル」になります。
今のままでは解決しないままだから、強硬的手段を使って問題を解決していこうと話しています。
「再三、話し合いの場を設けてきたが、もう限界」や「このままでは何の変化も訪れない」などと発言し、「相手に有無を言わさず、いくしかない」と発言することから、強硬的な手段を使うことが予測されます。
そのため、「根本的な解決」を指す言葉ではありません。
このように前後の文脈をみれば、どちらの意味か推測することができます。
間違って理解しないように気を付けましょう。
6. 「ラディカル」の例
「ラディカル」はその物事の性質に対して使われる言葉です。
その言葉が指す対象となる言葉がどのような性質なのかを物語っています。
「根本的な」という意味にしても、「過激な」という意味にしても、その物事の性質について話していることになります。
「ラディカル」が使用される対象となる物事は、様々です。
どのような物事であっても、あてはまるでしょう。
使い方としては、「ラディカルな人」「ラディカルな文豪」「ラディカルな会社」「ラディカルな集まり」という名詞にくっつける使い方。
そして、「ラディカルすぎる」「ラディカルだった」などの述語としての使い方などが挙げられます。
7. ラディカルな人の特徴
ラディカルな人の特徴についてみていきましょう。
ここでの「ラディカル」は「過激な」「革新的な」という意味の、頻繁に使用されている意味の「ラディカル」です。
7-1. 自分の意志を貫ける人
「ラディカル」な人は、自分の意志を貫ける人だと言えます。
なぜならば、「ラディカル」な人とは常識にとらわれないで生きている人たちです。
この人たちは、一歩間違えば、周りから浮き、奇異な目で見られてしまう存在です。
ですが、それにも負けず「ラディカル」な人でいられる人は、世間の目を気にせずに、自分の意志を強く持ち続ける人であると言えます。
意思が弱くては、わざわざ世間を騒がせるような過激なことはしないでしょう。
そのようなことができるのは、何より強い意思があってこそです。
世間体や人の評価ばかりを気にする人、繊細すぎる人が「ラディカル」に生きられるはずがありません。
7-2. 行動力のある人
「ラディカル」な人は行動力がある人だと言えます。
なぜならば、「ラディカル」という言葉には物事を急進的に進めるという意味があるからです。
過激に物事を急進的にすすめるというと、非常に短時間で改革を行うことになります。
非常に忙しい様子が伝わってくるようです。
腰が重くてなかなか行動できない人には務まらないでしょう。
また、「ラディカル」な人とは、常識にとらわれず、自分の意志を貫ける人です。
行動力がなくては、その意思を貫くことはできません。
今までの常識を覆すために行動することは、非常に力のいる作業です。
それをやってのける人ですから、人並み以上の行動力がある人だと推測できます。
常識にとらわれない思想や行動は、周囲から弾圧を受けたり、何かしらの制裁を受けがちです。
ですが、行動力のある人たちは、こうしたことにもめげずに行動するのです。
ここに「ラディカル」な人たちの、行動力の強さのようなものを感じとることができます。
8. 「ラディカル」と「ラジカル」の違い
「ラディカル」と「ラジカル」の違いについてみていきましょう。
違いについて見ていこうと話しておきながら、言うのもおかしいのですが、この二つの意味は同じになります。
「ラディカル」も「ラジカル」も同じ意味です。
あえて違いを言うのであれば、文字の表記に違いがあるだけです。
「ラジカル」をよりラテン語らしく表現しているのが「ラディカル」だと言えます。
例えば、カメラのことを一般的に「カメラ」と言いますが、業界人などでは「キャメラ」などと呼ぶことがあります。
それと同じです。
どちらの言い方も「カメラ」そのものを指す言葉です。
「ラディカル」と「ラジカル」も意味は同じです。
まとめ
「ラディカル」の意味が分からなかった人も、なんとなく理解できたのではないでしょうか。
ですが、聞き慣れない言葉なので、いざ使おうと思ってもすぐには出てこないかもしれません。
しかし、意味が分かるだけでも、言葉に対する理解がかなり深まるはずです。
その人が何を主張しているのか、今まで以上にしっかりと把握することができるでしょう。
3. 「ラディカル」の対義語
次に「ラディカル」の対義語を挙げてみます。
3-1. 「穏健」(おんけん)
「ラディカル」には「根本的な」という意味と、「過激な様子」を表す二つの意味がありますが、よく使われているのは、どちらかというと、「過激な様子」の方です。
そのため、ここでは「過激な様子」を表す「ラディカル」の対義語を紹介します。
「過激な様子」を表す「ラディカル」の対義語を挙げるとするなら、「穏健」という言葉がぴったりです。
「穏健」の意味は、「穏やかな様子」「考えが揺るがない様子」という意味になります。
「ラディカル」は度を超した激しさを表現する言葉であるため、全く正反対の言葉であることが分かるでしょう。
常にゆったりとした感じが伝わってくる言葉です。
例文としては、
「あなたは穏健な人だ。一緒にいると心地よさを感じる」
(あなたは穏やかな人だ。一緒にいると心地よさを感じる。)
「穏健な考え方が好きだ。あまりにも変化が激しいとついていけない」
(行き過ぎない考え方が好きだ。あまりにも変化が激しいとついていけない。)
「問題に直面しても穏健に解決しよう」
(問題に直面しても、強硬手段をとるのではなく、穏やかに解決していこう。)
などが挙げられます。
4. 「ラディカル」の使い方
「ラディカル」を使い方は「基本的な」「根本的な」という意味よりも「過激な」「急進的な」「革命的な」という意味の方がよく使われています。
そのため、「ラディカル」という言葉を日常で耳にすることがあったら、恐らくこちらの意味になるでしょう。
それにしても「ラディカル」という言葉の意味を考えると、二つの意味は全く性質の違う意味であることに驚かされます。
一方では「基本的な」「根本的な」という意味でありながら、次に「過激な」「急進的な」「革命的な」という意味になるとは、考えもしないでしょう。
基本を指す言葉が、いつのまにか基本にとらわれない、常識破りな考えや物事を表す言葉になるとは、面白い使い方をする特殊な言葉だと言えます。
そして、この「ラディカル」がこの二つのうち、どちらかの意味で使われているのかを判断するときは、文脈の前後を見て考えるしかないでしょう。
一文を見るだけでは、どちらの意味か判断できない使い方もあります。
どちらの意味なのか分からないときは、自分で前後の文脈を見てみましょう。
二つの意味は大きく異なるので、解釈を間違ってしまうと、全くの正反対のこととして捉えてしまう場合もあります。
例えば、「ラディカルな考え」とポンと一つだけ聞いても「根本的な考え」を指すのか、あるいは「過激な考え」を指すのかは分かりません。
前後の文脈をみてどちらの意味の方がしっくりくるのか見ていくしかありません。
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