「電話恐怖症」とは、自分の携帯電話(スマホ)に電話がかかってくることや電話に出て対応することが怖いという症状のことです。
「電話恐怖症の特徴・心理・原因」にはどのようなものがあるのでしょうか?
「電話恐怖症のチェックリスト」や「電話恐怖症の克服の仕方(治し方)」についても、分かりやすく解説していきます。
- 電話恐怖症とは?
- 電話恐怖症の心理
- 電話恐怖症の特徴・電話恐怖症のチェックリスト
- 電話恐怖症の原因
- 電話恐怖症によって起こる問題・不利益
- 電話恐怖症を克服する方法・コツ
- 電話恐怖症を治すことによるメリット
- まとめ
1. 電話恐怖症とは?
「電話恐怖症」とは、「電話に着信があること+自分から電話をかけること+かかってきた電話に出ること+職場やお店など周りに人がいる状況で電話をすること+電話で音声のコミュニケーションを取ること」に対する恐怖症のことです。
電話恐怖症の対象となるのはすべての電話機であり、「スマホ(スマートフォン)・携帯電話(ガラケー)・固定電話」に着信があったり電話に出て話したりすることに、不安感(緊張感)や恐怖感を感じてしまうのです。
しかし、電話恐怖症の人もかかってくる電話のすべてに不安感(緊張感)や恐怖感を感じるわけではなく、特に「知らない相手・初対面の相手・慣れていない相手・仕事上だけの付き合いがある相手」に対して強い不安感や恐怖感を感じやすくなっています。
家族や恋人、友人などのすでに親密な関係性が築けていて、気心が知れている相手であれば、電話がかかってきても不安・緊張を感じることはないのです。
電話恐怖症は精神医学では、「対人恐怖症(社会不安障害)」の一種として解釈されることもあります。
2. 電話恐怖症の心理
電話恐怖症になってしまう心理には、どのようなものがあるのでしょうか?電話恐怖症の心理について解説していきます。
2-1. 突然呼び出されて、顔が見えず相手がどんな人か分からないので怖い
電話恐怖症の人に多い心理として、「突然呼び出されて、顔が見えず相手がどんな人か分からないので怖い」というのがあります。
単純に、電話でのコミュニケーションでは、知らない人(初対面の人)が相手だと、「相手の顔と表情・全体像」が見えないので「顔のない相手と話している状態」になります。
更に、自分の心の準備ができていないのに、知らない人からでも電話で不躾(ぶしつけ)に突然呼び出されるというのが不安な心理を強めるのです。
「相手の顔の視覚情報」が手に入らず、相手がどんな人か全く分からないままにコミュニケーションをしているというのが、電話恐怖症の人にとっては不気味な感じがして怖くなりやすいのです。
2-2. 相手が自分の言葉をどんな気持ちで聞いてくれているのかが分からないので不安
「相手が自分の言葉をどんな気持ちで聞いてくれているのかが分からないので不安」ということが、電話恐怖症の心理になっています。
電話でのコミュニケーションでは「声の感じ・トーン・抑揚」だけからしか、「相手の気持ち・気分」を推測することができません。
そのため、電話で話している相手が、自分の話を好意的に聞いてくれているのか、嫌な気分で面倒くさいと思って聞いているのかを判断するのがかなり難しいのです。
「自分の言葉を相手がどんな気持ちで聞いてくれているのか」が過度に気になる人というのは、電話のコミュニケーションに対して恐怖感・苦手意識を感じやすいのです。
2-3. 電話でのスムーズな会話ができなくて沈黙の時間が続くのが怖い
電話恐怖症の代表的な心理として、「電話でのスムーズな会話ができなくて沈黙の時間が続くのが怖い」ということを上げることができます。
電話恐怖症の人は、電話で言葉に詰まって会話が途切れたらどうしようという不安感や恐怖感が強いのです。
顔や表情が見えない電話でスムーズな会話が続かなくなって、「沈黙の時間」が長くなってくると、「相手が退屈しているのではないか+自分が話し出すのをじっと待っているのではないか+相手は上手く話せない自分に怒っているのではないか」という居心地の悪い不安感・恐怖感が強まりやすいのです。
2-4. 緊張して自分の声が震えたりどもったりしないかが不安になる
「緊張して自分の声が震えたりどもったりしないかが不安になる」というのが、電話恐怖症の心理の一つです。
電話恐怖症の代表的な心理として、「相手に自分の声がどう聞こえているかを意識して緊張してしまうこと」があります。
過度に対人的な緊張(あがり)・不安を感じてしまうことで、自分の声が震えたりどもったりしてまともに話せなくなってしまうこともあるのです。
もし自分の声が震えたりどもったりして、きちんと電話での対話が出来なくなったらどうしよう(相手の人に変に思われないだろうか)という不安が常にあることが多いのです。
3. 電話恐怖症の特徴・電話恐怖症のチェックリスト
電話恐怖症の人に見られる特徴・症状を、「電話恐怖症のチェックリスト」として紹介していきます。
自分が電話恐怖症ではないかと心配になっている人は、このチェックリストを参考にしてみて下さい。
3-1. 突然、誰かから電話がかかってくることが怖い
電話恐怖症の典型的な特徴として、「突然、誰かから電話がかかってくることが怖い」ということを上げられます。
電話恐怖症の人は、事前のアポイントもなく、突然かかってくる電話が特に怖くて苦手なのです。
突然、誰かから電話がかかってくることを恐れる心理のことを特別に「着信恐怖症」と呼ぶこともあるくらいであり、着信恐怖症がある人は大抵、着信音をいつも完全に消しています。
電話恐怖症の特徴として、「心の準備ができていない状態+誰から連絡があるか分かっていない状態」で、誰かから電話がかかってくると嫌な気持ち(不安な気持ち)になるということがあるのです。
3-2. よく知らない人に電話をかけることに強い不安を感じる
「よく知らない人に電話をかけることに強い不安を感じる」というのが、電話恐怖症に多く見られる特徴です。
電話恐怖症の人でも「家族・恋人・親しい友人」であれば平気で電話ができることもあるのですが、「よく知らない人・初対面の相手」に対してはまともに電話でコミュニケーションを取ることがしづらいのです。
「よく知らない人から電話がかかってくること」も「よく知らない人に電話をかけること」もどちらも苦手という特徴があります。
3-3. 職場・学校などの周囲に複数の人がいる状況で電話をすることができない
電話恐怖症の特徴として、「職場・学校などの周囲に複数の人がいる状況で電話をすることができない」ということがあります。
電話恐怖症の人は、人前で文字を書こうとすると手がブルブルと震えて書けなくなる対人恐怖症の一種である「書痙(しょけい)」と同じような特徴を持っています。
一人きりの部屋でなら電話ができる人でも、オフィスやお店のように周囲に大勢の人がいる状況では、まともに電話のやり取りができなくなってしまうことは多いのです。
周囲の人たちが自分の電話の内容や話し方を聞いて笑っている(自分の電話の下手な対応を馬鹿にしている)という感覚によって、恥ずかしいという気持ちが一気に強まってしまうのです。
3-4. 電話で相手が自分のことをどう思っているかが気になって集中できず不安になる
「電話で相手が自分のことをどう思っているかが気になって集中できず不安になる」というのが、 電話恐怖症の代表的な特徴です。
電話恐怖症の人は「自分が話そうとしている内容」に集中することができていなくて、「相手が自分の声や話をどのような気持ちで聞いているのか」ばかりが心配になっているのです。
電話中に「相手に悪い印象を持たれていないだろうか」ということを常に意識して不安を強めているのが、電話恐怖症の人の特徴です。
3-5. 電話で緊張して声が震えたり、何を話せば良いか分からなくなって沈黙する
電話恐怖症の特徴として、「電話で緊張して声が震えたり、何を話せば良いか分からなくなって沈黙する」ということが上げられます。
電話恐怖症の人は電話をしている時に、「自分に対する相手の気持ち・対人評価」を気にし過ぎて緊張してしまうのです。
緊張すると電話の声が震えてしまったり、次に何を言えばいいのか分からなくなってパニックや長い沈黙に陥ったりしてしまいます。
4. 電話恐怖症の原因
電話恐怖症の原因として考えられるものには、どのような原因があるのでしょうか?電話恐怖症の原因について、分かりやすく解説していきます。
4-1. 他人に自分が悪く見られていないかを過度に気にする対人恐怖症がある
電話恐怖症の原因として、「他人に自分が悪く見られていないかを過度に気にする対人恐怖症がある」ということが考えられます。
電話では相手の顔・表情を直接確認することができないので、「相手が自分をどう思っているのか?どのような印象を持っているのか?」を気にする人ほど、電話で緊張感を伴う苦痛を感じやすくなります。
電話をしている時に、いつも「相手に自分が悪く見られているはず+自分の電話での不器用な話し方をおかしいと思って笑っているはず」といったネガティブな想像・推測をする人は、電話恐怖症になりやすいのです。
4-2. 携帯電話(スマホ)の普及で知らない人からの着信には応答しない習慣が一般化した
「携帯電話(スマホ)の普及で知らない人からの着信には応答しない習慣が一般化した」というのが、電話恐怖症に多い原因なのです。
最近の若年層を中心として、スマホ(携帯電話)を持っていても、「登録していない電話番号からの着信(知らない相手からの着信)」には一切でないという人が増えています。
その結果、今までの人生で「知らない人の突然の着信に臨機応変に対応した経験」がないために、仕事・職場における知らない取引先の人とのやり取りなどに、緊張感・不安感を感じやすくなってしまうのです。
4-3. 知り合い以外の相手と適切に会話・雑談をするコミュニケーション能力が低い
電話恐怖症の典型的な原因として、「知り合い以外の相手と適切に会話・雑談をするコミュニケーション能力が低い」があります。
現代の若者を中心にして、「友人知人以外の赤の他人との会話経験」が極端に少ない人たちが増えています。
知り合いであってもLINEでしか話さないというケースもあるくらいで、「知らない人との会話・雑談」において何を話せば良いのかというアイデアや感情が全く湧いてこないのです。
色々なタイプの相手や世代が違う相手と、コミュニケーションする能力が低いということが電話恐怖症の原因になっています。
4-4. 過去に電話で上手く話せずに声が上ずったり沈黙を続けたりしたトラウマがある
「過去に電話で上手く話せずに声が上ずったり沈黙を続けたりしたトラウマがある」ということが、電話恐怖症に多い原因の一つです。
過去に電話のコミュニケーションで大失敗をして恥ずかしい思いをしたというトラウマ(心的外傷)がある時も、電話恐怖症になりやすくなります。
過去に電話をしている時に、異常に緊張して声が震えたり上ずったりして、何を話しているか分からなくなったことで、電話恐怖症になった人もいます。
緊張・不安でパニックになったまま、ずっと電話で不自然な沈黙をしてしまったために、もう二度と電話なんてしたくない(電話でのおしゃべりが怖い)と思ってしまうことも少なくないのです。
4-5. 自分の声の印象や電話での応対に自信がなくて不安が強い
電話恐怖症の代表的な原因として、「自分の声の印象や電話での応対に自信がなくて不安が強い」ということが上げられるでしょう。
電話恐怖症の原因として、「自信の欠如+自己評価の低さ」を上げることができますが、電話恐怖症の人は特に「自分の声の質・印象・大きさ+自分の会話能力・雑談力」に対して自信がないことが多いのです。
「自分の声質の悪い声」を、相手が不快に感じながら聞いているのではないかというネガティブな想像から、電話をすることが苦手になっているのです。
5. 電話恐怖症によって起こる問題・不利益
電話恐怖症によって起こる問題・不利益として、どのようなことを考えることができるのでしょうか?電話恐怖症によって起こる恐れがある問題・不利益について上げていき、それらの問題を改善する方法を考えていきます。
5-1. 顧客と電話でやり取りする会社の電話業務に適応できないことがある
電話恐怖症によって起こる問題・不利益として、「顧客と電話でやり取りする会社の電話業務に適応できないことがある」ということが上げられます。
電話恐怖症によって起こる最大の問題は、「電話でやり取りしなければならない社内の業務」を適切にこなすことができないということです。
仕事の関係先・顧客などに問い合わせの電話を掛けなければならない時に、普通の人は数秒で電話をかけて用件を手短に伝えることができますが、電話恐怖症がある人は「かけようかどうしようか」で10分も20分も電話の前で延々と悩んでいたりします。
そういった状態では、仕事がまともにこなせないという問題が大きくなってしまいます。
5-2. 電話のコミュニケーションに対応できないことで社内の人間関係が悪化しやすい
「電話のコミュニケーションに対応できないことで社内の人間関係が悪化しやすい」ということが、電話恐怖症によって起こる問題・不利益なのです。
会社で社員みんなに通話無料の携帯電話が配給されているような会社では、上司・同僚・部下とのリアルタイムなコミュニケーションを電話で行う習慣があったりします。
そういった職場で電話での円滑なコミュニケーションができなければ、社内の人間関係が悪化したり仕事に必要な情報を聞き漏らしたりする不利益も考えられるのです。
5-3. 新しい出会い(人脈形成)やビジネスのチャンスを逃してしまうことがある
電話恐怖症によって起こる問題・不利益として、「新しい出会い(人脈形成)やビジネスのチャンスを逃してしまうことがある」ということがあります。
自分にかかってきた電話に出ないことで、有力な人物との新しい出会いを逃して、人脈形成に失敗するという不利益があります。
ビジネスに関連する話題は、今はfacebookやTwitter、LinkedinなどのSNS経由で入ることが多いのですが、年配の世代の経営者などには「直接電話をかけるコミュニケーション」を好む人もいるので、ビジネスのチャンスを逃す問題もあります。
5-4. 対人恐怖症的な症状が出て日常生活や人間関係が苦痛になってしまう
「対人恐怖症的な症状が出て日常生活や人間関係が苦痛になってしまう」ということが、電話恐怖症によって起こる大きな問題の一つです。
電話恐怖症は「赤面恐怖・発汗恐怖・対人的な吃音(きつおん、どもり)」といった対人恐怖症との相関も心配される症状なので、電話をするだけで大量に冷や汗が出たり心臓がドキドキして息苦しくなったりするレベルの不安があるのであれば、「電話を使わない仕事」に変えてもらった方がいいでしょう。
対人恐怖症が悪化すれば、緊張感や自律神経系症状(めまい・発汗・動悸・息切れなど)によって「普段の日常生活・人間関係」にも大きな支障が出てしまう恐れがあります。
5-5. うつ病にまで悪化して心身の調子を崩したり職場に適応できなくなったりする
電話恐怖症によって起こる問題・不利益として、「うつ病にまで悪化して心身の調子を崩したり職場に適応できなくなったりする」ということが上げられます。
電話恐怖症をそのまま放置しておくと、うつ病(気分障害)の抑うつ感・無気力や統合失調症の幻聴といった精神疾患の症状にまで悪化してしまう可能性もあります。
本当に電話が嫌で嫌でたまらない、どうしても心理的緊張に耐えられないのであれば、「電話を使わない業務への配置替え・転職」を検討する必要もあるでしょう。
うつ病の気分の落ち込みや自己否定が悪化すれば、通常業務に適応すること自体が不可能になります。
6. 電話恐怖症を克服する方法・コツ
電話恐怖症を克服する方法・コツには、どのようなやり方があるのでしょうか?電話恐怖症を克服するための方法やコツについて、分かりやすく紹介していきます。
6-1. 電話で応対する時の定型的なマニュアルを準備しておくこと
電話恐怖症を克服する方法・コツとして、「電話で応対する時の定型的なマニュアルを準備しておくこと」が上げられます。
電話でのコミュニケーションが苦手という人は、「電話で次に何を話せば良いのかが分からなくなること」が多いのですが、事前に「この質問をされたらこう答える」といったQ&Aを含むマニュアルを作っておくことで、電話に対する恐怖・不安を緩和することができるのです。
プライベートな雑談や即興のやり取りをはじめとして、あらゆる電話のコミュニケーションに適用できるわけではありませんが、営業・説明・クレーム対応などの「仕事上の電話のやり取り」であればマニュアルだけでもかなり対応できるでしょう。
6-2. 電話でのコミュニケーションのシミュレーション(模擬練習)をしてみる
「電話でのコミュニケーションのシミュレーション(模擬練習)をしてみる」というのが、電話恐怖症を克服する有効な方法・コツになります。
電話恐怖症の人の多くは、「今までの人生で電話のコミュニケーションに慣れていないこと」が多いのです。
家族や友達に協力してもらって、実際にスマホなどを使って「電話でのコミュニケーション」をシミュレーションしてみましょう。
実際の電話でのやり取りを再現する「シミュレーションの模擬練習」を繰り返していけば、電話に対する苦手意識が次第に和らいでいきます。
6-3. 言い間違っても言い直せばいいやというリラックスしたいい加減な気持ちを常に持つ
電話恐怖症を克服する方法・コツとして、「言い間違っても言い直せばいいやというリラックスしたいい加減な気持ちを常に持つ」というやり方がおすすめです。
電話恐怖症が長引いている人は、電話で完璧なコミュニケーションをしなければならないと気負っている「完全主義者」が多いのです。
完全主義になると、電話でのわずかな言い間違いや緊張による声の震えなども許せなくなるので、どうしても電話のコミュニケーションに対する苦手意識が出てきます。
電話恐怖症を克服するには、「言い間違ってもまた言い直せばOK!」といった気軽なリラックスした心構えが必要なのです。
7. 電話恐怖症を治すことによるメリット
電話恐怖症を治すことによるメリットには、どのようなことがあるのでしょうか?電話恐怖症を治せば得られる可能性があるメリット・利益について紹介していきます。
7-1. 職場の電話を使った業務にストレスなく適応できるようになる
電話恐怖症を治すことによるメリットとして、「職場の電話を使った業務にストレスなく適応できるようになる」ということがあります。
電話恐怖症があると、会社で顧客に営業の電話をかけたり仕事の関係者からかかってきた電話に出たりする業務が、非常に大きなストレスになってしまいます。
現実問題として、電話での応答に対する苦手意識が強かったり、着信のあった電話に出なかったりすると、仕事・業務に支障が出て自分の不利益も多くなってしまうのです。
職場で電話の受け答えを伴う業務がスムーズにできれば、仕事の負担・苦痛は大きく軽減されるでしょう。
7-2. 電話をかけたり受けたりが気軽にできれば人間関係のネットワークが広がる
「電話をかけたり受けたりが気軽にできれば人間関係のネットワークが広がる」というのが、電話恐怖症を治すことによる大きなメリットです。
現在のスマホを使ったコミュニケーションでは、音声通話の電話はあまり使わずに、LINE(メッセンジャー)やTwitterを中心にしたSNSでメッセージのやり取りをすることが増えています。
しかし、リアルタイムで確実に相手に呼びかけたい時には、現在でも電話をかけることが少なくありません。
電話で気軽に誰かを呼び出したり、突然かかってきた重要な相手からの電話に出たりすることができるようになれば、「有益な人間関係のネットワーク」が急速に広がりやすくなるのです。
7-3. 日常生活や人間関係で電話の着信に恐怖を感じなくても済むようになる
電話恐怖症を治すことによるメリットとして、「日常生活や人間関係で電話の着信に恐怖を感じなくても済むようになる」ということが上げられます。
電話恐怖症による大きなデメリットは、「誰かから不意にかかってくる電話に恐怖感・不安感を感じること」や「電話の着信を恐れる気持ちによって日常生活に安らぎがなくなること」ですが、電話恐怖症を治せばそれらのデメリットも無くなってきます。
スマホや携帯電話の着信を恐れるのではなく、逆に「誰からかかってきたんだろう」と楽しみに待つというような心理になれれば、あなたの「QOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)」が急速に改善することになるでしょう。
突然の電話の着信に対して、「恐れがなくなる+楽しみな気持ちが少し出てくる」というだけでも大きなメリットなのです。
まとめ
「電話恐怖症の特徴・心理・原因」について徹底的に解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
「電話恐怖症の特徴・チェックリスト」には、「突然、誰かから電話がかかってくることが怖い」などがあります。
「電話恐怖症を克服するコツ・方法」としては、「電話で応対する時の定型的なマニュアルを準備しておくこと」などがあります。
電話恐怖症の原因や不利益も紹介していますので、「電話恐怖症」について詳しく調べたい時には、この記事をぜひ参考にしてみて下さい。
3. 電話恐怖症の特徴・電話恐怖症のチェックリスト
電話恐怖症の人に見られる特徴・症状を、「電話恐怖症のチェックリスト」として紹介していきます。
自分が電話恐怖症ではないかと心配になっている人は、このチェックリストを参考にしてみて下さい。
3-1. 突然、誰かから電話がかかってくることが怖い
電話恐怖症の典型的な特徴として、「突然、誰かから電話がかかってくることが怖い」ということを上げられます。
電話恐怖症の人は、事前のアポイントもなく、突然かかってくる電話が特に怖くて苦手なのです。
突然、誰かから電話がかかってくることを恐れる心理のことを特別に「着信恐怖症」と呼ぶこともあるくらいであり、着信恐怖症がある人は大抵、着信音をいつも完全に消しています。
電話恐怖症の特徴として、「心の準備ができていない状態+誰から連絡があるか分かっていない状態」で、誰かから電話がかかってくると嫌な気持ち(不安な気持ち)になるということがあるのです。
3-2. よく知らない人に電話をかけることに強い不安を感じる
「よく知らない人に電話をかけることに強い不安を感じる」というのが、電話恐怖症に多く見られる特徴です。
電話恐怖症の人でも「家族・恋人・親しい友人」であれば平気で電話ができることもあるのですが、「よく知らない人・初対面の相手」に対してはまともに電話でコミュニケーションを取ることがしづらいのです。
「よく知らない人から電話がかかってくること」も「よく知らない人に電話をかけること」もどちらも苦手という特徴があります。
3-3. 職場・学校などの周囲に複数の人がいる状況で電話をすることができない
電話恐怖症の特徴として、「職場・学校などの周囲に複数の人がいる状況で電話をすることができない」ということがあります。
電話恐怖症の人は、人前で文字を書こうとすると手がブルブルと震えて書けなくなる対人恐怖症の一種である「書痙(しょけい)」と同じような特徴を持っています。
一人きりの部屋でなら電話ができる人でも、オフィスやお店のように周囲に大勢の人がいる状況では、まともに電話のやり取りができなくなってしまうことは多いのです。
周囲の人たちが自分の電話の内容や話し方を聞いて笑っている(自分の電話の下手な対応を馬鹿にしている)という感覚によって、恥ずかしいという気持ちが一気に強まってしまうのです。
3-4. 電話で相手が自分のことをどう思っているかが気になって集中できず不安になる
「電話で相手が自分のことをどう思っているかが気になって集中できず不安になる」というのが、 電話恐怖症の代表的な特徴です。
電話恐怖症の人は「自分が話そうとしている内容」に集中することができていなくて、「相手が自分の声や話をどのような気持ちで聞いているのか」ばかりが心配になっているのです。
電話中に「相手に悪い印象を持たれていないだろうか」ということを常に意識して不安を強めているのが、電話恐怖症の人の特徴です。
3-5. 電話で緊張して声が震えたり、何を話せば良いか分からなくなって沈黙する
電話恐怖症の特徴として、「電話で緊張して声が震えたり、何を話せば良いか分からなくなって沈黙する」ということが上げられます。
電話恐怖症の人は電話をしている時に、「自分に対する相手の気持ち・対人評価」を気にし過ぎて緊張してしまうのです。
緊張すると電話の声が震えてしまったり、次に何を言えばいいのか分からなくなってパニックや長い沈黙に陥ったりしてしまいます。
4. 電話恐怖症の原因
電話恐怖症の原因として考えられるものには、どのような原因があるのでしょうか?電話恐怖症の原因について、分かりやすく解説していきます。
4-1. 他人に自分が悪く見られていないかを過度に気にする対人恐怖症がある
電話恐怖症の原因として、「他人に自分が悪く見られていないかを過度に気にする対人恐怖症がある」ということが考えられます。
電話では相手の顔・表情を直接確認することができないので、「相手が自分をどう思っているのか?どのような印象を持っているのか?」を気にする人ほど、電話で緊張感を伴う苦痛を感じやすくなります。
電話をしている時に、いつも「相手に自分が悪く見られているはず+自分の電話での不器用な話し方をおかしいと思って笑っているはず」といったネガティブな想像・推測をする人は、電話恐怖症になりやすいのです。
4-2. 携帯電話(スマホ)の普及で知らない人からの着信には応答しない習慣が一般化した
「携帯電話(スマホ)の普及で知らない人からの着信には応答しない習慣が一般化した」というのが、電話恐怖症に多い原因なのです。
最近の若年層を中心として、スマホ(携帯電話)を持っていても、「登録していない電話番号からの着信(知らない相手からの着信)」には一切でないという人が増えています。
その結果、今までの人生で「知らない人の突然の着信に臨機応変に対応した経験」がないために、仕事・職場における知らない取引先の人とのやり取りなどに、緊張感・不安感を感じやすくなってしまうのです。
4-3. 知り合い以外の相手と適切に会話・雑談をするコミュニケーション能力が低い
電話恐怖症の典型的な原因として、「知り合い以外の相手と適切に会話・雑談をするコミュニケーション能力が低い」があります。
現代の若者を中心にして、「友人知人以外の赤の他人との会話経験」が極端に少ない人たちが増えています。
知り合いであってもLINEでしか話さないというケースもあるくらいで、「知らない人との会話・雑談」において何を話せば良いのかというアイデアや感情が全く湧いてこないのです。
色々なタイプの相手や世代が違う相手と、コミュニケーションする能力が低いということが電話恐怖症の原因になっています。
4-4. 過去に電話で上手く話せずに声が上ずったり沈黙を続けたりしたトラウマがある
「過去に電話で上手く話せずに声が上ずったり沈黙を続けたりしたトラウマがある」ということが、電話恐怖症に多い原因の一つです。
過去に電話のコミュニケーションで大失敗をして恥ずかしい思いをしたというトラウマ(心的外傷)がある時も、電話恐怖症になりやすくなります。
過去に電話をしている時に、異常に緊張して声が震えたり上ずったりして、何を話しているか分からなくなったことで、電話恐怖症になった人もいます。
緊張・不安でパニックになったまま、ずっと電話で不自然な沈黙をしてしまったために、もう二度と電話なんてしたくない(電話でのおしゃべりが怖い)と思ってしまうことも少なくないのです。
4-5. 自分の声の印象や電話での応対に自信がなくて不安が強い
電話恐怖症の代表的な原因として、「自分の声の印象や電話での応対に自信がなくて不安が強い」ということが上げられるでしょう。
電話恐怖症の原因として、「自信の欠如+自己評価の低さ」を上げることができますが、電話恐怖症の人は特に「自分の声の質・印象・大きさ+自分の会話能力・雑談力」に対して自信がないことが多いのです。
「自分の声質の悪い声」を、相手が不快に感じながら聞いているのではないかというネガティブな想像から、電話をすることが苦手になっているのです。
スポンサーリンク