「鏡の法則」とは、この世界・他者が自分自身の姿を映し出す鏡の役割を果たしているという法則のことです。
「鏡の法則」とは、自分の心理状態や行為が世界・他者から返ってくるという「原因と結果の法則」です。
この記事では、鏡の法則の基本知識と効果の特徴を説明して、鏡の法則を「人間関係・恋愛・仕事」に生かすテクニックなどを紹介していきます。
- 鏡の法則とは?
- 鏡の法則の効果・仕組みについての説明
- 野口嘉則さんの著書「鏡の法則」のストーリーと必然の法則・他者の赦し
- 鏡の法則を実際に活用してみる時のポイント
- 鏡の法則を「人間関係・恋愛・仕事」に生かすテクニック・コツ
- 鏡の法則のメリット
- 鏡の法則のデメリット
- まとめ
1. 鏡の法則とは?
「鏡の法則(ミラーの法則)」は、精神分析の自我防衛機制として知られる「投影(projection)」を応用した法則で、自分の行動や心理状態が他者(世界)の現実に投影されて映し出されるというものです。
日本では累計100万部を超えた野口嘉則(のぐちよしのり)さんの著書「鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール」という本によって、鏡の法則が一般の人達にも広く知られるようになりました。
鏡の法則に基づけば、「他人・世界(自分に起こる出来事)・現実」は自分自身の心・行動を映す「鏡」のようなものであり、自分が他人に良くすれば他人からも良くしてもらえる可能性が高くなります。
自分が世界・社会のために積極的に貢献していれば、世界・社会の側からも幸せな出来事(楽しい出来事)が自分に返ってくることになるというものです。
1-1. 鏡の法則では他人を変えるのではなく自分を変える
「頭ごなしに怒鳴る上司+愛情を注いでくれないパートナー(恋人)+信用することができない友人+因縁のようなクレームを入れてくる顧客」など、人間関係の悩みを抱えている時に、私たちはすぐその相手のほうに問題があって、相手の考え方や行動を変えるべきだと考えてしまいます。
問題の原因は常に「間違っている相手」にあると考えやすいのですが、鏡の法則では「自分が変われば相手も変わる(=嫌な相手は嫌な自分の姿を映している)」と考えることになります。
2. 鏡の法則の効果・仕組みについての説明
「鏡の法則」は「自分の思考・感情・行動」が他者に投影されるという法則ですが、鏡の法則の効果の出方にはどのような特徴があるのでしょうか?因果の法則でもある鏡の法則によって、実際の人間関係や社会生活で効果がでる仕組みについても説明していきます。
2-1. 鏡の法則では、自分が出会う人々や人生に起こる出来事は「自分を映す鏡」である
鏡の法則の効果の前提になるのは、「自分のありのままの姿を映し出す鏡の原理」です。
自分の髪型をセットしたり女性が化粧をしたりすれば、「鏡の中の自分の姿」もそれに合わせて変わります。
自分が笑顔になれば鏡の中の自分も笑顔になり、しかめっ面で怒った顔をすれば鏡の中の自分も怒った顔になります。
「鏡に映った自分」を変えたければ、自分自身の見た目や表情を変えれば良いというのは、敢えて言うまでもない当たり前の事実ですが、この鏡が自分を映し出す原理を鏡の法則では「他人・世界・出来事」にまで拡張しているのです。
鏡の法則では、「自分の姿・思考・感情・行動」を見直して、他人が気に入るような方向に自分を変えることで、他人もまた自分に優しい態度で接してくれやすくなるのです。
社会(世の中)を肯定的に見て貢献する行動を取れば、社会(世の中)で楽しい出来事が起こりやすくなるという鏡のような仕組みが効果を生み出してくれるのです。
2-2. 鏡の法則の効果は、即効性はなく遅効性の段階的な効果である
鏡の法則の効果について、私たちは過大評価すべきでもないし過小評価すべきでもありません。
鏡の法則の効果は、ありのままの効果を受け取るしかないのですが、鏡の法則を過大評価する人は1回か2回の経験を元にして、「笑顔で親切に話しかけたのにそっけない態度を取られた」とか「丁寧でフレンドリーな接客を心がけたのに機嫌の悪い客から怒鳴られた」とかいうことで、すぐに鏡の法則の実践をやめてしまうのです。
鏡の法則の効果は、笑顔で話しかけたら絶対にすぐに相手が笑顔で反応してくれるとか、社会(みんな)のために大金を寄付したらすぐにラッキーな出来事が起こるとかいった「即効性の効果」ではありません。
鏡の法則の効果は、自分が他人や社会に対して良い行いをして暫くしてから実感できることが多い「遅効性の効果(遅れてくる効果)+段階的な効果」なのです。
2-3. 鏡の法則の効果は、いつ誰から返ってくるかは分からない効果である
鏡の法則に効果がないという不満を述べている人は、鏡の法則を実践したのに「優しく接した人から自分は優しくしてもらえない」とか「自己犠牲を払ってまで助けてあげた人から自分は助けてもらえなかった」とかいう事例を上げることが多いのです。
しかし、鏡の法則の効果は「情けは人のためならず」や「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」と同じような効果であり、「自分が他人のために貢献した行為のお返し」がその本人から直接的に返ってくるというだけではないのです。
自分の善意・貢献がその相手から直接返ってこないとしても、「あなたが誰かに向けていたことのある思考・感情・行動」は、いつか誰かから返ってくることになるのです。
鏡の法則は「因果応報の原理」ですから、他者や社会に向けたあなたの思考・感情・行動がいつか必ずあなたの元に誰かを介して返ってくることになるのです。
3. 野口嘉則さんの著書「鏡の法則」のストーリーと必然の法則・他者の赦し
「鏡の法則」を一般の人たちにも広めるきっかけになった本が、野口嘉則さんが書いた「鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール」ですが、この本に書かれている物語風のストーリーとはどのようなものなのでしょうか。
野口さんが強調している「他者の赦し」や「必然の法則」についても解説していきます。
3-1. 野口嘉則さんの「鏡の法則」の大まかなストーリー
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」には、主婦の秋山栄子(41歳)と小学校5年生の息子の優太、夫の先輩で経営コンサルタントの矢口氏の3人が登場します。
栄子が息子の優太が学校でいじめられているという悩みを矢口氏に相談すると、矢口氏は一見いじめの問題とは何の関係も無さそうな「鏡の法則に基づいたアドバイス」をし始めます。
本当にこんなアドバイスに従っていて効果が出るのかと半信半疑だった栄子ですが、矢口の鏡の法則にのっとったアドバイスを聞いていると、栄子の周囲にあった人間関係の悩みが全て解決に向かうことになったのです。
息子・優太のいじめ問題が解決したことに加えて、口喧嘩で絶縁していた実父との親子関係を回復することができ、夫に対する感謝の気持ちが強まって夫婦関係までが改善したのです。
栄子自身が変わることによって、周囲の人たちの対応・状況が変わり、次々に幸せな出来事が起こるというストーリになっています。
3-2. 「他者を赦す(ゆるす)こと」によって自分自身が幸せになれる
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」では、「他者を赦すことの価値」を強調していて、過去に何らかのトラブルや遺恨を抱えていたとしても、最終的には他者を赦すことでしか自分の心が満たされないことを教えてくれています。
「鏡の法則」の本に出てくる栄子は、過去にした実父との激しい言い争いが怨恨の原因になっていて、父親のことをどうしても許せないまま絶縁状態になっていました。
しかし、経営コンサルタントの矢口氏のアドバイスに従って、自分のほうから父親に電話をかけて過去の言い争いについて謝ったところ、父親も涙ながらに自分に対して謝罪をしてくれたのです。
長きにわたって絶対に赦さないと決めていた父親のことを赦せた時に、栄子は「親の愛情・心配の気持ち+子供の愛情・反発の気持ち」の両方を心から深く理解することができ、自分自身が安らぎと幸福感で満たされたのです。
「過去の出来事に対する執着」を捨て「相手に対する責任追及」をやめて、本心から相手を赦せた時に人は初めて自分が幸せになれるのです。
3-3. 「必然の法則」が鏡の法則の本質を規定している
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」では、自分の行動や感情が現実を作るという鏡の法則の説得力を高めるために、「必然の法則」についても紹介しています。
必然の法則とは簡単に言えば、人生で起こるどんな問題や苦難にも必然的な意味があるということであり、自分にとって「解決できない問題+意味のない苦難」は絶対に起こらないということなのです。
「必然の法則」を理解した上で「鏡の法則」を人生で実践していくことができれば、自分の生き方や人間関係の作り方にもう悩んだり迷ったりすることは無くなるでしょう。
必然の法則は、あなたの人生で起こってくる問題・苦難が、あなたに解決できるものであることを教えてくれていて、ポジティブな姿勢で問題解決に取り組めば必ず良い結果を出すことができるのです。
あなたは自分に降りかかってきた問題や困難を、一生懸命に解決していくことによって、「人生に必要な大切な価値+自分と他者を幸せにする知恵」を学ぶことができるのです。
3-4. あなたが感じている苦しみ・悩みには必ず意味がある
人は自分に苦しいことやつらいことが降りかかってくると、「自分だけが不幸である・・どうして自分だけがこんなひどい目に遭わなければならないのか」と悲観的になったり世の中(他人)を呪ったりします。
しかし、鏡の法則と必然の法則に基づけば、「今のあなたが感じている苦しみ・悩みには必ず意味がある」ということになります。
どんなに苦しい出来事でも「あなたに大切な物事を教えてくれるヒント」としての一面があり、どんなに深い悩み事でも「かけがえのない大事な学びのチャンス」になっているのです。
苦しいことやつらい出来事が起こって悩んでいる時こそ、「この苦しみから何に気づくことができるのか?+この悩みを通して自分はどんな価値のあることを学べるのか?」というポジティブな見方や考え方ができるようになりましょう。
ポジティブな物事の見方を身につけて「鏡の法則」を実践すれば、必ず自分の大きな問題・難しい課題をクリアすることができます。
3-5. 鏡の法則の実践とは、自分の人生の現実・問題を自分でポジティブに引き受けること
鏡の法則を実践するということは、「自分の思考・感情・行動・態度」がいつか自分の元に返ってくるということを意味しています。
鏡の法則を前提にすれば、他者の反応や自分に起こる出来事は「自分の姿」を映し出しているだけなのですから、自分の人生の現実を良くして問題を解決したいのであれば、他人をどうこうするのではなく(他人を責めるのではなく)、自分自身がポジティブな方向に変わっていくしかないということになります。
鏡の法則の実践とは、「自分の人生の現実・問題(悩み)・人間関係」から逃げないということであり、嫌なことが起こっても他人のせいにしないということなのです。
「自分の人生の厳しい現実・問題」を自分でポジティブに引き受けて、自己責任で解決していく実際の行動を始めるということが一番大切です。
他人のせいにせずに、自分で問題解決を目指せば、行動とその結果にポジティブフィードバックが働きます。
その結果、すべての物事・人間関係が良い方向に動きやすくなってくるということを、「鏡の法則」は教えてくれています。
4. 鏡の法則を実際に活用してみる時のポイント
鏡の法則を実際に活用してみる時には、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか?鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントについて分かりやすく紹介していきます。
4-1. 自分を好きになる・自己肯定感を高める
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「自分を好きになる・自己肯定感を高める」ということがあります。
鏡の法則では、自分を嫌っていれば、今度は他人からも嫌われたり排除されたりするリスクが高まってしまいます。
自分を肯定して愛することができなければ、鏡に映った自分である他人のこともまた否定して恨んだり嫌ったりしやすくなるのです。
鏡の法則を実践するのであれば、まずは「自分を好きになって自己肯定感を高めること」を意識しましょう。
4-2. 全ての他者を赦す・不幸を人のせいにしない
「全ての他者を赦す・不幸を人のせいにしない」ということが、鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントになります。
鏡の法則では、自分の幸福な現実も不幸な現実も、自分自身の生き方や行動が作り出しているのであり、「自分の不幸」を他人のせいにしても何も状況は良くなりません。
また、全ての他者を赦して自分にできる限り、丁寧に思いやりを持って対応することによって、他人もまたあなたに「好意的な態度+協力的な姿勢」を見せてくれやすくなります。
4-3. 人から不愉快な対応(嫌な態度)をされたと感じた時は、自分も同じような事をしていないか考える
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「人から不愉快な対応(嫌な態度)をされたと感じた時は、自分も同じような事をしていないか考える」ということが上げられます。
人間関係の悩みや問題で多いのは、「相手から不愉快な対応をされた・人から冷たいそっけない扱いをされた」ということですが、そういった時には自分自身も、誰かに対して不快を感じさせるような言動をしている可能性があるのです。
他人の反応が自分の言動を映す鏡になっていることが多いので、人から不快な扱いをされた時には、「自分自身も相手に嫌なことをしていないか」ということを振り返ってみる必要があります。
4-4. 嫌いな人・苦手な人の良いところを意識して見つける
「嫌いな人・苦手な人の良いところを意識して見つける」ということが、鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントになります。
鏡の法則に従えば、「嫌いな人」は「自分の嫌いな部分」が投影されている相手なのです。
他者は自分の合わせ鏡である以上、「嫌いな人」を嫌って「苦手な人」を避けるということを続けていれば、「自分の嫌いな部分・ダメな部分」を治さずにそのまま放置することになります。
鏡の法則を有効活用して「自分の好きな部分・良い部分」を増やして、「他者との人間関係」を改善したいのであれば、「嫌いな人・苦手な人の良い部分」を意識して見つけるように努力してみましょう。
4-5. 物事・他者をできるだけポジティブに解釈する習慣をつける
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「物事・他者をできるだけポジティブに解釈する習慣をつける」ということがあります。
鏡の法則では、自分が物事を悪い方向に解釈して否定的な行動を取れば、自分に不幸な結果が返ってきやすくなります。
その副作用を防ぐためのポイントとして重要なのが、「自分に起こった出来事+出会った人たち」をできるだけポジティブに解釈して、新たな学びと意欲につなげることなのです。
「会社が倒産して仕事を失った出来事」もポジティブに解釈すれば、「自分の職業上の長所を見つめ直して、新しい仕事にチャレンジできる好機」だとも言えるのです。
5. 鏡の法則を「人間関係・恋愛・仕事」に生かすテクニック・コツ
鏡の法則を上手く応用することができれば、「人間関係・恋愛・仕事」を改善していくことができます。
この項目では、鏡の法則を「人間関係・恋愛・仕事」に生かすテクニック・コツについて分かりやすく紹介していきます。
5-1. 人間関係の改善のために好きな人の範囲を広げていく
鏡の法則を「人間関係」に生かすテクニックとして、「人間関係の改善のために好きな人の範囲を広げていく」ということがあります。
鏡の法則では、嫌いな人が増えれば増えるほど、「自分を嫌う人の数」も増えていきます。
第一印象が苦手な人でも、少しでも好きな部分や良い特徴を見つけていくことが大切です。
好きになれる人の範囲を広げていくことができれば、あなたに好意を寄せて協力してくれる人が増えるので人間関係は改善していきます。
5-2. 恋愛関係の幸せも不幸も自分が作り出すものであることを理解する
「恋愛関係の幸せも不幸も自分が作り出すものであることを理解する」というのが、鏡の法則を「恋愛」に生かすコツです。
恋愛関係で不幸を感じて悩んでいる人の多くは、「恋人が自分に良くしてくれないこと」を悩んでいますが、鏡の法則は「あなたが恋人に十分に良くしていない可能性」を示唆しています。
あなたが「恋人がしてくれたことに対する感謝の気持ち」を持ち、今の状態を幸せだと感じられれば、恋人もあなたに感謝して更に尽くしてくれるようになりやすいのです。
5-3. 仕事を成功させたければ他者に奉仕して与えることが大切である
鏡の法則を「仕事」に生かすテクニックとして、「仕事を成功させたければ他者に奉仕して与えることが大切である」ということがあります。
鏡の法則では、仕事で人から奪うほどに自分も奪われ、人に与えるほどに自分も与えられることになります。
他者に奉仕して利益・喜びを与えることで、仕事が成功する確率が高まっていきます。
5-4. 自分の内面を豊かにして他者を笑顔にして喜ばせるために生きること
「自分の内面を豊かにして他者を笑顔にして喜ばせるために生きること」が、鏡の法則を「人間関係・恋愛」に生かすコツです。
鏡の法則では自分の人間性を高めて内面を豊かにし人に与えるほど、「自分を愛してくれる異性+自分を認めてくれる心豊かな他者」と出会う機会が増えていきます。
自分の私利私欲のために生きるのではなく、他人を笑顔にして喜ばせるために利他的に生きることが、鏡の法則では「自分を幸せに導く近道」なのです。
6. 鏡の法則のメリット
鏡の法則のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?鏡の法則のメリットについて紹介していきます。
6-1. 目的のある主体的な人生を生きることができる
鏡の法則のメリットとして、「目的のある主体的な人生を生きることができる」ということが上げられます。
鏡の法則は「他人の反応+現実の出来事」が、自分自身の姿を映し出す「鏡」になっていると考えるので、自分自身の人間性を高めて他人・世の中の役に立つという「明確な目的」を持ちやすくなります。
「利他的な目的・目標」を持って、「責任感のある主体的な人生」を生きられるようになるというのが、鏡の法則が持つ大きなメリットなのです。
6-2. 他人に対する恨みがなくなり優しく接することができる
「他人に対する恨みがなくなり優しく接することができる」というのが、鏡の法則の大きなメリットです。
鏡の法則では他人を好きになれば自分も他人に好きになってもらいやすくなるので、次第に「他人を恨むこと+他人を嫌うこと」が無くなっていきます。
人の好き嫌いが減って、誰に対しても思いやりを持って優しく接することができるようになってくるのです。
6-3. 自分の人生の現実に納得して前向きな努力ができる
鏡の法則のメリットとして、「自分の人生の現実に納得して前向きな努力ができる」ということがあります。
鏡の法則は人生の原因と結果の結びつきを説く「因果の法則(因果応報論)」であり、鏡の法則の仕組みを正しく理解できれば、自分の人生で起こっている現実に心から納得することができるようになります。
自分の生き方や考え方が現実を生み出していると知ることで、「前向きな努力」ができるようにもなるのです。
7. 鏡の法則のデメリット
鏡の法則のデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?鏡の法則のデメリットについて紹介していきます。
7-1. 短期的な人間関係の改善や良い出来事には期待できない
鏡の法則のデメリットとして、「短期的な人間関係の改善や良い出来事には期待できない」ということがあります。
鏡の法則には、人に尽くしたからすぐに自分もその人から尽くしてもらえるというような「即効性・直接性」はありません。
そのため、短期的に今すぐ人間関係を改善したいとか、幸せな出来事がすぐに起こって欲しいとかいう欲求を、鏡の法則で満たすことはできないのです。
7-2. 他人に何かをしてほしいと要求する人には効果がない
「他人に何かをしてほしいと要求する人には効果がない」というのが、鏡の法則のデメリットです。
鏡の法則の有効活用の方法は、「自分が人に何かをしてもらいたければ、自分が率先して人にしてあげること」にあります。
他人に対してあれしてこれしてと要求ばかりする人には、鏡の法則は効果を発揮することがないのです。
反対に、自分の方が他人から「あれしてこれしての要求」を受ける事になるでしょう。
7-3. 特定の誰かを不幸にしたいと思うようなネガティブな感情は満たせない
鏡の法則のデメリットは、「特定の誰かを不幸にしたいと思うようなネガティブな感情は満たせない」ということです。
鏡の法則は基本的に、自分だけではなく他人も幸福にする「Win-Winの法則」であり、特定の誰かを不幸にしたいとか復讐したいとかいったネガティブな感情・欲求を満たすために使うことはできません。
仮に、誰かを不幸にしようとして行動すれば自分が不幸になり、誰かに復讐しようと憎悪を募らせれば自分が強く恨まれることになりかねないのです。
まとめ
「鏡の法則」とは、「自分自身の思考・感情・行動」が「現実の出来事(他者の反応)」になって返ってくるという法則のことです。
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとしては、「自己肯定感を高めて自分を好きになる」「全ての他者を赦して不幸を人のせいにしない」などがあります。
鏡の法則は、他人を無理に変えるのではなく自分自身を変えることによって幸せになれる法則なのです。
鏡の法則について詳しく調べたい時には、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。
3. 野口嘉則さんの著書「鏡の法則」のストーリーと必然の法則・他者の赦し
「鏡の法則」を一般の人たちにも広めるきっかけになった本が、野口嘉則さんが書いた「鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール」ですが、この本に書かれている物語風のストーリーとはどのようなものなのでしょうか。
野口さんが強調している「他者の赦し」や「必然の法則」についても解説していきます。
3-1. 野口嘉則さんの「鏡の法則」の大まかなストーリー
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」には、主婦の秋山栄子(41歳)と小学校5年生の息子の優太、夫の先輩で経営コンサルタントの矢口氏の3人が登場します。
栄子が息子の優太が学校でいじめられているという悩みを矢口氏に相談すると、矢口氏は一見いじめの問題とは何の関係も無さそうな「鏡の法則に基づいたアドバイス」をし始めます。
本当にこんなアドバイスに従っていて効果が出るのかと半信半疑だった栄子ですが、矢口の鏡の法則にのっとったアドバイスを聞いていると、栄子の周囲にあった人間関係の悩みが全て解決に向かうことになったのです。
息子・優太のいじめ問題が解決したことに加えて、口喧嘩で絶縁していた実父との親子関係を回復することができ、夫に対する感謝の気持ちが強まって夫婦関係までが改善したのです。
栄子自身が変わることによって、周囲の人たちの対応・状況が変わり、次々に幸せな出来事が起こるというストーリになっています。
3-2. 「他者を赦す(ゆるす)こと」によって自分自身が幸せになれる
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」では、「他者を赦すことの価値」を強調していて、過去に何らかのトラブルや遺恨を抱えていたとしても、最終的には他者を赦すことでしか自分の心が満たされないことを教えてくれています。
「鏡の法則」の本に出てくる栄子は、過去にした実父との激しい言い争いが怨恨の原因になっていて、父親のことをどうしても許せないまま絶縁状態になっていました。
しかし、経営コンサルタントの矢口氏のアドバイスに従って、自分のほうから父親に電話をかけて過去の言い争いについて謝ったところ、父親も涙ながらに自分に対して謝罪をしてくれたのです。
長きにわたって絶対に赦さないと決めていた父親のことを赦せた時に、栄子は「親の愛情・心配の気持ち+子供の愛情・反発の気持ち」の両方を心から深く理解することができ、自分自身が安らぎと幸福感で満たされたのです。
「過去の出来事に対する執着」を捨て「相手に対する責任追及」をやめて、本心から相手を赦せた時に人は初めて自分が幸せになれるのです。
3-3. 「必然の法則」が鏡の法則の本質を規定している
野口嘉則さんの著書「鏡の法則」では、自分の行動や感情が現実を作るという鏡の法則の説得力を高めるために、「必然の法則」についても紹介しています。
必然の法則とは簡単に言えば、人生で起こるどんな問題や苦難にも必然的な意味があるということであり、自分にとって「解決できない問題+意味のない苦難」は絶対に起こらないということなのです。
「必然の法則」を理解した上で「鏡の法則」を人生で実践していくことができれば、自分の生き方や人間関係の作り方にもう悩んだり迷ったりすることは無くなるでしょう。
必然の法則は、あなたの人生で起こってくる問題・苦難が、あなたに解決できるものであることを教えてくれていて、ポジティブな姿勢で問題解決に取り組めば必ず良い結果を出すことができるのです。
あなたは自分に降りかかってきた問題や困難を、一生懸命に解決していくことによって、「人生に必要な大切な価値+自分と他者を幸せにする知恵」を学ぶことができるのです。
3-4. あなたが感じている苦しみ・悩みには必ず意味がある
人は自分に苦しいことやつらいことが降りかかってくると、「自分だけが不幸である・・どうして自分だけがこんなひどい目に遭わなければならないのか」と悲観的になったり世の中(他人)を呪ったりします。
しかし、鏡の法則と必然の法則に基づけば、「今のあなたが感じている苦しみ・悩みには必ず意味がある」ということになります。
どんなに苦しい出来事でも「あなたに大切な物事を教えてくれるヒント」としての一面があり、どんなに深い悩み事でも「かけがえのない大事な学びのチャンス」になっているのです。
苦しいことやつらい出来事が起こって悩んでいる時こそ、「この苦しみから何に気づくことができるのか?+この悩みを通して自分はどんな価値のあることを学べるのか?」というポジティブな見方や考え方ができるようになりましょう。
ポジティブな物事の見方を身につけて「鏡の法則」を実践すれば、必ず自分の大きな問題・難しい課題をクリアすることができます。
3-5. 鏡の法則の実践とは、自分の人生の現実・問題を自分でポジティブに引き受けること
鏡の法則を実践するということは、「自分の思考・感情・行動・態度」がいつか自分の元に返ってくるということを意味しています。
鏡の法則を前提にすれば、他者の反応や自分に起こる出来事は「自分の姿」を映し出しているだけなのですから、自分の人生の現実を良くして問題を解決したいのであれば、他人をどうこうするのではなく(他人を責めるのではなく)、自分自身がポジティブな方向に変わっていくしかないということになります。
鏡の法則の実践とは、「自分の人生の現実・問題(悩み)・人間関係」から逃げないということであり、嫌なことが起こっても他人のせいにしないということなのです。
「自分の人生の厳しい現実・問題」を自分でポジティブに引き受けて、自己責任で解決していく実際の行動を始めるということが一番大切です。
他人のせいにせずに、自分で問題解決を目指せば、行動とその結果にポジティブフィードバックが働きます。
その結果、すべての物事・人間関係が良い方向に動きやすくなってくるということを、「鏡の法則」は教えてくれています。
4. 鏡の法則を実際に活用してみる時のポイント
鏡の法則を実際に活用してみる時には、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか?鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントについて分かりやすく紹介していきます。
4-1. 自分を好きになる・自己肯定感を高める
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「自分を好きになる・自己肯定感を高める」ということがあります。
鏡の法則では、自分を嫌っていれば、今度は他人からも嫌われたり排除されたりするリスクが高まってしまいます。
自分を肯定して愛することができなければ、鏡に映った自分である他人のこともまた否定して恨んだり嫌ったりしやすくなるのです。
鏡の法則を実践するのであれば、まずは「自分を好きになって自己肯定感を高めること」を意識しましょう。
4-2. 全ての他者を赦す・不幸を人のせいにしない
「全ての他者を赦す・不幸を人のせいにしない」ということが、鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントになります。
鏡の法則では、自分の幸福な現実も不幸な現実も、自分自身の生き方や行動が作り出しているのであり、「自分の不幸」を他人のせいにしても何も状況は良くなりません。
また、全ての他者を赦して自分にできる限り、丁寧に思いやりを持って対応することによって、他人もまたあなたに「好意的な態度+協力的な姿勢」を見せてくれやすくなります。
4-3. 人から不愉快な対応(嫌な態度)をされたと感じた時は、自分も同じような事をしていないか考える
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「人から不愉快な対応(嫌な態度)をされたと感じた時は、自分も同じような事をしていないか考える」ということが上げられます。
人間関係の悩みや問題で多いのは、「相手から不愉快な対応をされた・人から冷たいそっけない扱いをされた」ということですが、そういった時には自分自身も、誰かに対して不快を感じさせるような言動をしている可能性があるのです。
他人の反応が自分の言動を映す鏡になっていることが多いので、人から不快な扱いをされた時には、「自分自身も相手に嫌なことをしていないか」ということを振り返ってみる必要があります。
4-4. 嫌いな人・苦手な人の良いところを意識して見つける
「嫌いな人・苦手な人の良いところを意識して見つける」ということが、鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントになります。
鏡の法則に従えば、「嫌いな人」は「自分の嫌いな部分」が投影されている相手なのです。
他者は自分の合わせ鏡である以上、「嫌いな人」を嫌って「苦手な人」を避けるということを続けていれば、「自分の嫌いな部分・ダメな部分」を治さずにそのまま放置することになります。
鏡の法則を有効活用して「自分の好きな部分・良い部分」を増やして、「他者との人間関係」を改善したいのであれば、「嫌いな人・苦手な人の良い部分」を意識して見つけるように努力してみましょう。
4-5. 物事・他者をできるだけポジティブに解釈する習慣をつける
鏡の法則を実際に活用してみる時のポイントとして、「物事・他者をできるだけポジティブに解釈する習慣をつける」ということがあります。
鏡の法則では、自分が物事を悪い方向に解釈して否定的な行動を取れば、自分に不幸な結果が返ってきやすくなります。
その副作用を防ぐためのポイントとして重要なのが、「自分に起こった出来事+出会った人たち」をできるだけポジティブに解釈して、新たな学びと意欲につなげることなのです。
「会社が倒産して仕事を失った出来事」もポジティブに解釈すれば、「自分の職業上の長所を見つめ直して、新しい仕事にチャレンジできる好機」だとも言えるのです。
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