決断するのが怖いと感じる心理・理由・できない人の特徴【決断するコツ】 | SPITOPI

あなたはものごとをパッパッと決めていくタイプですか? それとも「こうしたら良いか、ああしたら良いか」と考えてしまって、なかなか決められないタイプですか? ものごとをパッパッと決めていくタイプは、一般的に「決断力がある」と言われ、たいていの場合、肯定的に受け止められます。

なかなか決められない人から見れば、うらやましく思えるかもしれませんね。

ここでは決断とは何かを考えながら、決断が怖いという心理や、なかなか決断できない理由、決断できるようになるためのコツなどを見ていきます。

ここぞというときの決断は、誰であっても怖いもの。

でも、そんなときに、自分のタイプを知り、より良い決断ができるようにお手伝いします。

1. 決断とは?

「決断」とは「意思をはっきりと決めること」です。

自分の意思をはっきりと決めることのできる人を、「決断力のある人」と言います。

逆に、自分の意思をなかなか決めることができない人のことを「優柔不断な人」、またいつまでも決断しなければ「先延ばし」などと言います。

1-1. 決断するのが怖いと思うときはないですか?

あなたは決断力のあるタイプの人ですか? それとも、決断は苦手な方? 心理学的に言えば、約半数の人は、どちらかというと簡単に決断ができ、いろんなことを決めてから先に進むタイプ、残った半数の人は、決めてから進むというより、成り行き任せ、臨機応変にやっていきたいタイプだと言われています。

間違えないでほしいのは、決断力のあるタイプの人が、どんなときでも怖れることなくサクサクと決断でき、臨機応変型の人が、決断を怖れるわけではないということ。

決断力があるからこそ、結果のことを考えて、一歩足が前に出ないこともあるのです。

それぞれのタイプが、決断するのが怖いと感じる心理について、もう少し詳しく見ていきましょう。

2. 決断するのが怖い心理

2-1. 決断するのが怖いのは、自分にとって重大なことだから

コーヒーを注文して「ホットですか、アイスですか」と聞かれ、あれかこれかと迷う人はいないでしょう。

「アイスコーヒーにするか、ホットコーヒーにするか」という決定は、決断とは言いません。

決断と言われるのは、進路を決めたり、転職や結婚を決めたり、といった、自分にとって重大な問題について、意思決定する場合に限られます。

「転職するか、この会社に留まるか」
「子供を持つか、今は自分のキャリアを優先するか」
「大学へ進学するか、就職するか」
Aを選ぶか、Bを選ぶかによって、自分の人生が大きく変わっていくとしたら、どんな人でも簡単には決断は下せません。

自分にとって重大な問題であればあるほど、決断は怖くなります。

2-2. 決断するのが怖いのは、決断の結果がわからないから

「決断」にはかならず結果がついてきます。

そして「決断」は、決断を下したのちに現れた結果によって評価されます。

決断したことで良い結果が出れば、「良い決断」だったと評価され、悪い結果が出た場合は「拙速な決断だった」と批判にさらされます。

仕事や勉強であれば、悪い結果はたちまち自分に対する悪い評価につながります。

また、結婚や出産など、ほかの人に評価されなくても、「あのときああしなければよかった」という後悔となって「決断」の失敗は自分に返ってきます。

結果がわからないだけに、失敗したらどうしよう、という思いが、決断をいよいよ困難なものにします 。

(ここまではすでにお送りしております)

2-3. 決断するのが怖いのは、決断の責任を負わなければならないから

決断には責任が伴います。

私たちは誰も、荒野にたった一人で生きているわけではないので、どんな個人的なことがらでも、いったん「やる」と決めたら、かならず周囲に影響を及ぼします。

大学受験をすると決断したら、保護者はその分の学費をどうするか、考えなければなりません。

転職すれば、あなたの抜けた穴をほかの人は埋めなければなりません。

誰かと結婚しようと決断したら、相手と共に生活する責任だけでなく、相手の両親に対する責任も生まれてきます。

また、グループの中で、グループ全体がどうすべきかを考え、グループの行動を「決断」するのは、グループのリーダーの仕事です。

自分ひとりのことならともかく、チーム全体、ときには組織全体の責任がかかってくるので、決断はいよいよ難しいものになります。

決断によって生じる責任の重さに、私たちは決断するとき、怖さを感じます。

2-4. 決断するのが怖いのは、決断することはそれ以外のものをあきらめることになるから

英語のことわざに「ケーキを食べたらケーキを持っていることはできない」というものがありますが、ケーキを食べるという決断を下したら、ケーキを持っている状態はあきらめなくてはなりません。

結婚するという決断を下せば、独身でいることはできないし、大学受験をするという決断を下したら、しばらくは遊びもゲームも封印しなくてはなりません。

決断は下さなければならない、しかし、自分が選んだもの以外を手放すことを考えたら、それも怖い……。

そんなことを考えたときに、私たちは決断する際に、ためらってしまうのです。

2-5. 決断するのが怖いのは、自由を失うような気がするから

私たちは時々、何かがしたいという衝動が、胸の内から湧き上がってくることがあります。

ひとたび決断してしまうと、衝動のままに生きることがむずかしくなることが少なくありません。

結婚の決断をためらわせる理由の一つとして、自分自身の自由がなくなってしまう、と感じる人は多いでしょう。

また、就職すると決断すると、自分の人生の選択の幅が狭められたように感じるかもしれません。

ひとつの決断が、自分の自由の制限につながると感じた場合、人は決断することが怖くなります。

3. あなたが決断できない理由

3-1. あなたの傾向を知ろう

あなたは決断が簡単なタイプでしょうか。

それとも決断しにくいタイプでしょうか。

簡単にあなたのタイプを見ていきましょう。

以下の質問に答えてください。


1. あなたは選択するときに
a. よく考えて慎重に選ぶ
b. どちらかというと衝動的に選ぶ

2. 約束や待ち合わせの時間には
a. できるだけ時間通りを心掛ける
b. 遅れがち

3. ものごとは
a. きちんと決まっている方が安心できる
b. あまりに整然としていると窮屈に感じ、選択の余地がある方が安心できる

4. あなたのやり方として好きなのは
a. さっさと解決したい
b. 自分の自由にやりたい

5. あなたの日常生活はどちらかというと
a. 手順が決まっており、そうできることに安心を感じる
b. 気分によって変わり、そうでないと窮屈に感じる

a. の答えが多い人は、簡単に決断でき、決断することを心地よいと感じる「決断型」の人です。

問題が起これば解決することを望み、解決しないままだと不安になります。

自分がいかにその解決に関わっていくか、いったん決断が下されると安心します。


b. の答えが多い人は、決断することがあまり得意ではない「非決断型」の人です。

決断する前に、もっと情報がほしいと思い、決断すること自体が不安で、できるだけ決断を先に延ばしたいと感じています。

決断が留保されている状態に、逆に自由さや可能性を感じるのです。

3-2. 本来は決断が得意な「決断型」のあなたが決断できない理由

a. の答えの多い「決断型」は、本来ならば決断が得意なはずです。

なのに決断できない状態というのは、非常にストレスを感じているはずです。

このタイプの人にとって、決断できないことは苦しいことであり、早く決断したい、でもできない、というジレンマの中にいるのです。

なぜあなたは決断できないのでしょうか。

このタイプの人が決断できないのは

• 結果がどうなるかわからないから
• 責任を負いたくないから
• 決断の結果、手放さなくてはならなくなるものを手放したくないから
• 「別の道を選んでいた方がよかった」と後悔するかもしれないから

がおもな理由となります。

3-3. 決断すること自体が苦手な「非決断型」のあなたが決断できない理由

b. の答えの多い「非決断型」が、決断することが苦手、できればしたくない、と思っているのは、

• 差し迫らなければ動けない(動きたくない)から
• 規則や束縛が苦手だから
• たいていのことはどうにかなる、と思っているから

です。

あなた自身は決断していない状態が、さほど苦ではないのですが、あなたの周囲にいる「決断型」の人はイライラしているかもしれません。

4. 決断できない人の特徴

4-1. 他人の傾向を知ることは、相互理解の第一歩

3. であなた自身が決断できない理由を見ていきましたが、次はあなたの周囲の人の決断できない理由を見ていきましょう。

「決断型」の人は特に、決断しない人を「なんで決断しないんだ」「優柔不断だな」「先延ばしにばかりして」とイライラしながら見ているかもしれません。

自分とはちがう人を理解することが、ストレス解消にも役立ちます。

4-2. 「決断型」の人は基本的に頑張り屋さん

あなたの周りの、仕事の納期は守り、会議時間にも遅れない、プレゼンの準備や在庫の維持管理も怠らない「頑張り屋さん」は、まず「決断型」と考えて間違いありません。

そんな人が決断できないのは、大きな理由があるはずです。

情報が足りないのか、過度のプレッシャーにさらされているのか、個人的な悩みがあるのか。

「どうしたの? あなたらしくないね」と相談に乗ってあげてください。

あなたが「決断型」であれば、信頼のおける上司や同僚、また後輩として、相手は胸を開いてくれるでしょうし、あなたが「非決断型」であれば、あなたの気楽さが相手にとってはありがたく感じられるはずです。

4-3. 「非決断型」の人はここぞというときに役に立つ

「今日まで」と言っておいたのに、今日になってやっと始める、仕事ができるのはわかっているんだけど、どうもいい加減、規則を守らない……そんな「非決断型」の人は、チームではちょっと厄介です。

あなたが「決断型」だと、こうした人を見ていると、どうしてもイライラすることでしょう。

でも、彼らはものごとの決まりに従うのが苦手な反面、決まりからは出てこない発想が得意です。

組織がピンチに陥った時、前例のない発想ができるのが彼らの強み。

粘り強く決断を促してあげましょう。

あなたが「非決断型」だと、仕事の上司―部下、同僚という関係を超えて、仲良くなれるはずです。

創造的な仕事ができそうですが、一方、職場にはシステムと規律が大切だということは忘れないでください。

5. タイプ別「決断のコツ」

5-1. 決断ができるようになるポイントも、それぞれのタイプによって異なる

3では、それぞれのタイプ別に「あなたが決断できない理由」を明らかにしていきました。

理由が異なれば、当然対処法も異なってきます。

ここではそれを踏まえて、どうやったら決断できるようになるかを見ていきます。

5-2. 「決断型」のあなたが決断できるようになるために

「決断型」の人にとっては、決断すること自体は別に困難ではありません。

にもかかわらず、決断できないのは ・結果がわからないとき ・責任を負いたくないとき ・手放さなくてはならないものがあるとき ・後悔するのを怖れるとき です。

まずは自分としっかり向き合って、自分が何を怖れているのか、見極めてください。

情報を集め、経験者の意見を聞き、自分自身納得できるまで考え抜くことが大切です。

二者択一と考えていたことが、もしかしたら「あれも、これも」でいけるかもしれません。

自分自身の思い込みを捨て、視野狭窄にならないようにしてください。

しかし、どれほど情報を集め、考え抜いたとしても、先のことはわかりません。

何ごとも100%確実ではありません。

それでも、覚えておいてほしいのは、考え抜いた結果、期待通りにはならなかったとしても、しっかり考えた上での決断は、かならずつぎにつながっていきます。

最後には自分自身の心に従って決断すれば、その瞬間にあなたの心は安らかになるでしょう。

5-3. 「非決断型」のあなたが決断できるようになるために

「非決断型」のあなたが何よりも大切なことは、「自分は決断が苦手だ」ということを、しっかりと自覚することです。

しかし、組織は決断しながら進んでいくものです。

組織の一員であるあなたも、当然決断し、その責任を負っていかなければなりません。

先延ばしにすることは、組織にとって非常に迷惑なことです。

自分以外に適切な決断を下せる人がいるならば(優秀な「決断型」の人が最適です)、その人と話し合い、判断を仰ぎ、一緒に決断を下してください。

そうした人が身近にいなければ、決断を「最終的なもの」ととらえず、一連のプロセスの一区切りのようなものと考え、「次にも続く」「やり直せる」ことを踏まえた上で、最善の一手を考えてください。

まとめ

ここでは人の傾向によって、決断が簡単にできる「決断型」と「非決断型」という2つのタイプに分けて、それぞれのタイプごとにどうして決断が怖いと感じるか、決断できない理由は何か、周囲に決断ができない人がいたらどうしたら良いか、決断できるようになるためのコツを見てきました。

決断すべきことが自分にとって重要であればあるほど、決断はむずかしいものになります。

しかし、知識を持ち、情報を集め、正しく判断すれば、良い決断を下せる可能性は上がっていきます。

即断即決という言葉がありますが、焦って決断してしまうと、そのときは自分で決断したつもりでも、後々考えると、周りに流されていたり、誤った情報に踊らされていたりすることが少なくありません。

できるだけ時間をかけて、じっくり考えた後に決断したいものです。

思い切りが良く、行動力もある「決断型の人」ですが、その決断が多くの人の意見や状況を反映したものでないばあいは、「独断的」「専横的」と見なされたり「傲慢」と思われたりすることもあるでしょう。

できるだけゆっくりと決断したい人にとっては、決断力のある人はプレッシャーを感じる存在かもしれません。

結果よりもプロセスを重視し、創造性豊かな「非決断型」の人は、決断を下すことに息苦しさを感じることがあるかもしれません。

しかし、組織の一員であるならば、決断を下しながら、一歩一歩先へ進んで行くことは重要です。

「決断型」の人がどんどん決断を下すのを「横暴」と感じるのではなく、「それが先へ進むということだ」と理解してください。

異なるタイプの人がいると、摩擦も起こりやすくなりますが、互いに理解することで、組織もより大きな力を発揮できるようになります。

互いの決断の仕方の違いを認め合いつつ、組織としてより良い決断が下せるように協力していきたいものですね。