心に仮面を被る心理とは？ペルソナ【殻を破る方法】 | SPITOPI

心に仮面を被るとは、どのような状況を指すのでしょうか。

また仮面を被る人の心理や、仮面を外す必要性などを紹介していきます。

1. 心に仮面を被るとは?

心理学用語で仮面は「ペルソナ」と呼ばれています。

誰もが仮面をかぶって、日常生活を送っています。

そして「本当の自分」や「素の自分」は、誰にも見つからないようにしています。

また仮面はいくつもあって「家族用」「友達用」「彼氏用」などと、使い分けています。

さらに「恋愛モード」「戦闘モード」など、シチュエーション別の仮面を使い分けている人もいます。

社会生活を送るために、素の自分では難しいと感じた時に、人は新しい仮面を作ります。

恋人ができた時に、友達の前でかぶる仮面では役に立たないと思ったら「彼氏用」「彼女用」の仮面を作ってかぶります。

また「こんな自分になりたい」という願望が、素の自分とはかけ離れた仮面を生む事もあります。

本来は人見知りな人が、「社交的な自分」という仮面を作って、パーティで華麗に振る舞う事を可能にしてくれます。

仮面は現代人にとって、かかせない変身ツールといえるでしょう。

2. 心に仮面を被る心理

様々な仮面を使い分けて、人まで颯爽と振る舞うのが現代人の特徴です。

仮面が多すぎて、誰にどの仮面を使っていたか、分からなくなるほどです。

なぜ混乱するほど多くの仮面を人はかぶるのでしょうか。

その心理に注目していきます。

2-1. 本当の自分を出すのが恥ずかしい

仮面を被る人の心理のひとつに「本当の自分をさらすのが恥ずかしい」という事があります。

これは誰でも理解できる共通の心理だと思います。

匿名希望ならネットに書き込んだり、SNSに写真を投稿できるのに、実名をさらしている時は、恥ずかしくて発言できない…このような経験は誰にでもあるはずだからです。

なぜ本当の自分をさらすのが恥ずかしいのか?それは人によって違うでしょう。

明確な理由がある場合もあれば、何となく、生まれつきというしかない人もいるでしょう。

本当の自分が「シャイすぎる」のがいちばんの理由かもしれません。

不特定多数の人と会う時に、素の自分をさらし続けるのは耐えられない、そう感じる人は仮面を被りながら、様々な場面を乗り切っていきます。

2-2. 本当の自分に自信がない

本当の自分をさらけ出すのが恥ずかしいというシャイな人もいれば、さらに「本当の自分に自信がない」というネガティブな心情の人もいます。

素の自分で人に接したら、受け入れられないと思うため、受け入れられそうな仮面を作り演じる事になります。

「自分が嫌い」という面もあるため、作る仮面は本来の自分とかけ離れたタイプになるかもしれません。

美容整形をして、本当の意味での仮面をしてしまうような人も、自分が嫌いで仮面を作る人と同じような心情かもしれません。

2-3. キャラクターが弱いと感じている

素の自分のままでも別にいいと思っているけれど、「ちょっとキャラが弱い」と感じている人が仮面を被る事もあります。

センスが良くて、空気が読める人の中には、独特のキャラクターを創造する人がいます。

「不思議ちゃん」と呼ばれるような、「○○星出身」というような強いキャラ付をする人も、素の自分のままでは弱いと感じている人です。

またちょっとミステリアスな仮面を被った自分に対する反応を、楽しんでいる冷静な部分もありそうです。

ある友達の前では、○○星出身の仮面、もう一人の友達の前では前世が○○という仮面など、想像力が豊かなので、様々な新キャラクターを生み出します。

時にはゆるキャラのような自分を作り出し、みんなのマスコット的な役割を担う事もありそうです。

2-4. 特化して優位に事を運びたい

大好きな人ができた時に、その人に特化した仮面を被る人がいます。

例えば大好きな男性ができた時、その男性に好かれる事に特化した仮面を作り、好かれる事を最優先に演じて行きます。

舞台が会社の職場だった時、彼女の友達は、あまりの豹変ぶりにびっくりするかもしれません。

しかし好きな男性を落とすために特化した仮面の効果はてきめんで、あっという間に彼を落とす事に成功するでしょう。

このように何かを成功させるために、特化した仮面をかぶる事があります。

男子校で生徒指導をする指導教師は、「鬼」のような仮面をかぶって、学生になめられないようにします。

もちろん家では鬼の仮面を脱いで「父親」の仮面を被り、優しいお父さんになります。

先ほどの彼女も、彼氏と付き合い始めたら「彼女モード」の仮面にかぶり直すでしょう。

そして彼から「何か、思っていた女性じゃない」とツッコまれたりするのです。

2-5. 仮面をかぶらないと会社や学校に行けない

弱い部分を隠したいために、弱点を補強するような仮面を被る人もいます。

動揺しやすい人は、「無表情な人」という仮面をかぶって、会社や学校に行くかもしれません。

上司に怒られても無表情で、落ち着いた雰囲気でいられるのは、仮面のおかげというわけです。

このように自分の弱点を仮面で補っている人は、仮面がない状態では会社や学校に行けないほど、仮面に頼りきりの状態です。

もし仮面をつけ忘れて会社や学校に行くと、家にいったん帰りたくなるほど慌てます。

また会社や学校から携帯で、家族などに電話を掛けている時は、一瞬仮面を外しています。

電話で話している時の表情や声がいつもとまったく違うため、同僚や同級生は驚く事もあります。

3. 誰でも心に仮面を被っている

誰もが心に仮面を被っています。

それも役割ごとに使い分けています。

例えば仕事をしながら子育てをしている人は、「母」の仮面、「妻」の仮面、「仕事」の仮面などを使い分けています。

ここまで記事を読んでいて「何で仮面なんて被るんだろう」と思った人もいるかもしれません。

しかしそう思ったあなたも、仮面を被っています。

むしろ「仮面を被っている」という自覚がなくなった時が危険です。

素の自分と仮面をした自分の見分けがつかなくなっていたり、仮面をかぶった自分を素の自分と勘違いしてしまっている可能性があるからです。

「誰でも心に仮面を被っている」という自覚を持ちましょう。

そして仮面に頼り過ぎずに、素の自分も時にはさらけ出しましょう。

本来の自分は、素の自分で、人生の多くの時間は素の自分が過ごすべきだからです。

4. 心の仮面は外したり付けたり使い分けることが大事

仮面がはずせなくなると、本当の自分を見失ってしまいます。

特に、会社人間の男性は、会社にいる時間が長いので、「会社モード」の仮面を外す暇がありません。

朝起きて、出勤する準備をしたら、家を出ます。

会社が近づいて来たら、仮面をかぶります。

仕事中はもちろん、会社関係者との飲み会でも仮面をかぶったままです。

酔って遅くに帰ってきて、そのままベッドに倒れこんだら、仮面を脱ぐ暇がありません。

会社モードの仮面をしたまま、朝を迎え、仮面を脱ぐまもなく会社に行く…このような生活を送っていると、素の自分よりも会社モードの自分が人生を生きているようなものです。

仮面は使い分ける事が大事です。

一つの仮面を被り続けないよう、注意しましょう。

5. 心に仮面を外す時間を増やすコツ

一つの仮面を被り続けて、脱ぎ方を忘れてしまうと、別人格のまま人生を送る事になります。

時には仮面を外して、素の自分として過ごす時間を大切にしましょう。

そこで仮面を外す時間を増やすコツを紹介しますので、仮面を被り過ぎていると感じている人は実践してみましょう。

5-1. 「仮面を外す」儀式を作る

朝起きてから、眠る瞬間まで、人は様々なキャラクターの仮面を被ります。

人によっては仮面を外して、素の自分として生きる時間を確保できない人もいるかもしれません。

定期的に素の自分として過ごす時間がないと、本当の意味での自分の人生を送る事ができません。

そこで「仮面を外す儀式」を作ってみましょう。

仮面を外す儀式を作る事で、素の自分に戻れます。

儀式は簡単なもので構いません。

例えば頭のてっぺんを人差し指で押してみる、または瞬きを連続で5回するなど、どのようなものでも構いません。

仮面を外したら、軽く深呼吸をしてみましょう。

仮面がない、スッキリした状態を味わってみましょう。

肌がスース―するような感覚まで味わえたら、かなり良いイメージが作れています。

5-2. 寝る前には仮面を外す

会社の人の前、家族の前、恋人の前で被る仮面は違うと思います。

家族で暮らしている人は、基本的に「家族用」の仮面がある場合、ずっとかぶり続ける必要があります。

このようなケースでは、仮面を外す瞬間が作れません。

そこで寝る前には必ず仮面を外すようにします。

そして5分でもいいので、素の自分として過ごす時間を作りましょう。

このように素の自分としてちょっとした時間を過ごすだけで、自分の人生を取り戻す事ができます。

少なくとも、自分が仮面を被っている事を忘れる事はなくなります。

仮面を外したら、一人になれる場所に行き、リラックスした時間を過ごしましょう。

できれば1時間くらい、素の自分として過ごせる時間を作りましょう。

5-3. 一人になる時間を作る

素の自分をさらけ出せる場所は、やはり一人でいられる時間と空間になります。

そこで、1日の中で一人になれる時間を、少しでも多く作りましょう。

もし朝に強い人なら、早起きをする事をおすすめします。

早朝は誰からも連絡が来ない、自分一人として過ごせる貴重な時間です。

早朝に起き出して、素の自分のままコーヒーを飲んだり、ネットをチェックしたりできる、リラックスタイムを過ごしましょう。

会社にいる時や学校にいる時も、仮面を外せるよう、一人になる時間を作りましょう。

誰にもみつからない秘密基地のような空間をみつけて、ちょっとリラックスする事で、素の自分が生き生きとしてきます。

特に休日は、丸ごと1日を自分一人で過ごしてみましょう。

例えば、キャンプ場にテントを張って、大自然の中誰にも会わずに過ごしてみるのも良さそうです。

心の洗濯ができるような、素晴らしい時間になるでしょう。

5-4. 「本当に」楽しい時間を過ごす

仮面をつけすぎていて、素の自分を見失いかけている人もいると思います。

このような人は、仮面をつけて様々な場面を乗り切る事と同時に、素の自分を探す必要があります。

素の自分を探す時におすすめの方法に「本当に」楽しい時間を過ごす方法があります。

楽しいと思っている時間が、仮面を被っている自分にとって楽しい時間というケースが多いので要注意です。

ライブに行くのが楽しいのも、ゴルフをするのが楽しいのも、何かしらの仮面をかぶっている時だけかもしれません。

そこで、大型家電量販店や、本屋さんなどをブラブラして、琴線に触れるものを探っていきます。

心の底から興味を持てる何かがあれば、それを欲しがっているのは素の自分という事になります。

本当に楽しい時間を過ごす事ができれば、そこから素の自分がどんな人だったか思い出して行けるでしょう。

5-5. 素の自分で大丈夫な人を探す

素の自分のまま、生活する事ができたら、丸ごと自分の人生を楽しむ事ができている証拠です。

素の自分のまま生活ができる場面が増えるよう、徐々に生活を変えていきましょう。

そのために「素の自分で大丈夫な人」を探しましょう。

趣味がある人は、趣味のイベントなどに参加をして、「素のまま」で参加者と話をしてみましょう。

中には素の自分でも問題なく付き合える人がいるはずです。

このような友達をたくさん作る事ができると、いつでも素の自分で過ごす事ができます。

このような人を恋人にして、結婚相手にできれば、家にいる間の大半は、素の自分で過ごせるようになります。

これは素の自分を大切にするための大きなヒントではないでしょうか。

逆に仮面をつけたまま、恋人を作り結婚をしたとしたら、家にいる間中、仮面をつけたまま暮らす事になります。

仮面のおかげで、経済的に安定した人、社会的地位が高い人と結婚できたとしても、それは本人にとって幸せな事でしょうか。

素の自分でいられる人との付き合いを増やせば、自分の人生を生きる事ができそうです。

まとめ

誰でも心に仮面を被っています。

しかし仮面を被る時間の長さには、個人差があります。

仮面を被り過ぎて、素の自分を見失ってしまったり、仮面を被り続けて仮面を被っている事を忘れてしまったら、自分の人生を生きていると言えなくなってしまいます。

ぜひ仮面を外す時間も大切にして、本当の人生を歩んでみてはいかがでしょうか。