仕返ししたい心理【仕返しを手放す方法】 | SPITOPI

「仕返し」をしたいと思っている人は、実行する前に仕返しのメリット、デメリットを理解しましょう。

その仕返しは、すべきかすべきでないか、冷静に判断してください。

1. あなたは今仕返ししたいですか?

誰かにひどい事をされた時、「仕返し」をしたいと思う事があるかもしれません。

中には実際に、仕返しをしたという人もいるでしょう。

仕返しを単純に説明すると、「やられた事をやり返す」という事です。

しかしそこには、「許せない気持ち」「復讐心」など、心の中のドロドロした気持ちも隠されている事があります。

彼氏を友達に取られてしまった女性、同期社員に仕事の手柄を横取りされてしまった男性、いじめを受けたり、無視をされたり、理不尽な事をされた時に、どうしても許せずに、仕返ししたくなります。

あなたは今、仕返しをしたいと思っているでしょうか。

仕返しを実行する前に、仕返しをするメリット・デメリットを確認して、実行するかどうかを決めてみてはいかがでしょうか。

2. やられた事を仕返しするメリット

仕返しをすると、その後、何かしら嫌な事が起こります。

そのため仕返しはリスクが大きく、できればしない方がいいと考えるのが一般的です。

それでも仕返しをする人がいるのは、仕返しをするメリットがあるからです。

やられた事をやり返すという行為には、どのようなメリットが隠されているのでしょうか。

2-1. スッキリする

まず、仕返しをすると気持ちがスッキリします。

ひどい事をされると、実質的な被害だけでなく、その後にモヤモヤした気持ちが残ります。

例えば、些末な例ですが、友達と一緒にラーメンを食べた時、横からチャーシューを横取りされたとします。

この時チャーシューが食べられないという実質的な損をする事になるだけでなく、お金を損した、友達ばかり美味しいものをたくさん食べた、自分の喜びを奪われたなどモヤモヤした気持ちがついてきます。

このモヤモヤを解消するために、次の機会に友達のラーメンから煮卵などを奪って仕返しをするのです。

仕返しをすると、余分に煮卵を食べられたという喜びより、チャーシューを食べられた時に生ずるモヤモヤが消えてスッキリします。

スッキリしたら、以前と同じように友達と接する事ができるようになります。

2-2. 気持ちを理解させる事ができる

仕返しをする理由に「相手に気持ちを理解させる事ができる」という意図が含まれている事があります。

例えば母親が自分と娘のために、2人分のケーキを買って家に帰ってきたとします。

2人で食後に食べようと楽しみにしていたのに、娘がいつのまにか、自分の分のケーキまで食べていたとします。

母親は、食べられるはずのケーキが食べられないというショックもあると思いますが、人のケーキを食べてしまう娘の行動によりショックを受けるでしょう。

そこで、次の機会に、娘の分のケーキを食べてしまいます。

娘は泣き叫ぶかもしれません。

しかしこの仕返しにより、自分が食べられるはずだったケーキを他の人に食べられてしまった時の辛い気持ちを理解させる事ができます。

2-3. 行動を変えられる

先ほどのケーキの件で、親に仕返しをされた娘は、「人の権利をむやみに侵してはならない」という事を学ぶかもしれません。

また「相手にした事は、自分に跳ね返ってくる」という事も学ぶかもしれません。

結果的に娘は、他の人が大切にしている物を奪わなくなるなど、行動が良い方向に変化する可能性があります。

もちろん、娘がひねくれてしまったり、「母親はやばい」など、まったく意図せぬ感情を抱いてしまうかもしれませんが、それはフォロー次第かもしれません。

このように相手の事を考えた仕返しは、うまくすると相手に反省を促して、その後の行動を好ましい方へ変えられるかもしれません。

2-4. 成長する

ケンカになった時に、相手にボコボコにされた時、仕返しをしたいと思うかもしれません。

相手に仕返しをするためには、ケンカに強くなる必要があります。

体を鍛えたり、ダイエットをしたり、走ったりして、身体能力を高めるための努力を始めるかもしれません。

さらに勝負強くなるために、毎日少しずつ徳を積むようにしたり、無駄な勝負を避けて勝負運を貯めるような行動を取るかもしれません。

そしてケンカに勝つための戦術や戦略を学ぶかもしれません。

こうして仕返しをするための準備により、心身ともに成長を遂げる事ができるかもしれません。

仕返しのケンカに勝てば、自信がつくかもしれません。

このように仕返しがいい方向に行くと、自信の成長につながる事があります。

3. やられた事を仕返しするデメリット

仕返しをするメリットがある一方で、それを上回るようなデメリットもあります。

今すぐ仕返しをしようと思っている人は、ぜひこのデメリットを見てみましょう。

「やっぱり仕返しはやめておこう」と思えるかもしれません。

3-1. さらに仕返しされる

ケンカで負けた事が悔しくて、仕返しをする例がありました。

努力の結果、ケンカに強くなり、相手をボコボコにしてやり返したとします。

そこで終わりならハッピーエンドになりますが、後日、さらに相手が仕返しをしてきて、ボコボコにされるかもしれません。

このように、仕返しはしたら終わりではなくて、相手次第ではエンドレスに仕返しが続く事になります。

ケンカのケースでは、仕返しのインフレが起こり、最初は素手で仕返しをしていたのが、道具を使うようになり、大けがをする事になるかもしれません。

仕返しをする時は「仕返しの仕返し」についても念頭に置く必要があります。

3-2. 低いレベルに落ちる

例えば、友達に財布の中から1000円抜かれたという事を恨み、仕返しをするとします。

すると仕返しをした瞬間に、友達と同じ低いレベルに落ちる事になります。

もし1000円抜かれた時に、仕返しをせず言葉で相手に文句を言ったり、その場で絶交をすれば、1000円と友達を失うだけで済んだはずです。

1000円抜き返した事で、友達と同じ窃盗犯の仲間に加わってしまう事になります。

このように相手にされた犯罪行為や、それに準ずるようなひどい行為に対して仕返しをしてしまうと、自分も低いレベルに落ちてしまいます。

他人にされて仕返しをしなければ気が収まらないくらいひどい事を、仕返しとはいえ自分がするのはどうなのか…仕返し前に考えてみましょう。

3-3. 相手から嫌われる

仕返しをすれば、相手から嫌われる可能性があります。

娘にケーキを食べられた母親は、娘のしつけのためにケーキを食べ返しました。

しかし、きちんと真意が伝わらなければ、嫌われてしまって終わりになるかもしれません。

仕返しをすれば、相手は確実に嫌な思いをします。

ラーメンのチャーシューを取られた代わりに、煮卵を取れば、本当はイーブンのはずなのに、相手は嫌な思いをします。

多少理不尽ではありますが、相手に嫌われる事もあります。

気持ちがスッキリする、相手の事を考えての仕返しだとしても、仕返しをした相手から絶交されるくらい嫌われる可能性がある事も覚悟しましょう。

3-4. 相手が思っている以上に傷つく

仕返しをした時に、ほとんどの人は、「やっとイーブンになった」と思うでしょう。

自分が受けたダメージが50で、仕返しで相手に50のダメージを与えたら、差し引きゼロだと思うはずです。

しかし仕返しでダメージ50を与えようと思ったら、思いのほか攻撃が効いてしまい、相手が100のダメージを負う事もあります。

例えば相手にビンタをされた時、同じ力で返そうとしたのに、アドレナリンが出てすごい力でビンタをしてしまうという事があるでしょう。

さらに相手の防御力が弱く、同じ攻撃でも受けるダメージが大きいという事もあり得ます。

こうして仕返しをした相手が思っている以上に傷つく事があります。

仕返しをした後で「しまった、やり過ぎた…」と思っても後の祭りです。

3-5. ひどすぎる仕返しをしてしまう事も…

ビンタのように、意図せぬ大ダメージを相手に与えてしまう事もありますが、仕返しに夢中になって「ひどい仕返し」をしてしまうケースもあります。

友達に、オモチャのヘビを投げつけられて、泣き叫ぶほどショックを受けた女の子がいるとします。

この女の子が仕返しとして、同じようなオモチャのヘビを投げ返したら、仕返しは正当なものと言えそうです。

しかし女の子が恨みが強く、発想が豊かな場合は、ペットショップで本当のヘビを購入するかもしれません。

そして友達の家に遊びに行った時に、ベッドの下に放して帰ってくるかもしれません。

友達が夜中に痛みを感じて電気をつけたら、ヘビが足に巻き付いていた…このような仕返しはやりすぎでしょう。

友達は一生抱えるようなトラウマになってしまう可能性もあります。

仕返しはやり過ぎてしまうリスクがありますので、注意が必要です。

3-7. 時間を無駄にする

先ほどのヘビの例でいえば、友達に仕返しをするために、ペットショップに行き、ヘビを購入する必要があります。

購入したヘビを自分の部屋に連れて帰り、友達の家に行くチャンスが来るまで、エサをあげて育てなければいけません。

親にみつからないように、隠す必要もあるでしょう。

女の子は友達に復讐するために、かなりの時間を無駄にしているといえます。

その時間があったら、もっと楽しい事ができたはずです。

復讐には意外と時間が掛かる事も理解しておきましょう。

4. 仕返ししたい気持ちはいらない理由

もし仕返しをしたいと思ったら、「仕返ししたい気持ちはいらない理由」をチェックしてください。

仕返しにはメリットがありますが、実はたいしたメリットではない事が分かります。

仕返しをして後悔するよりも、仕返しをしなくて済む考え方をできるようになりましょう。

4-1. 「仕返ししても」何も変わらない

時間は戻らないので、仕返しをしても、実は何も変わりません。

大好きな彼氏を、親友に奪われてしまった女性は、友達の彼氏を奪う事で、仕返しを果す事ができるかもしれません。

高校時代に彼氏を奪われた女性が、チャンスを伺い続けて、大学時代に、友達の彼氏を奪う事に成功したとします。

仕返しを果した瞬間は、気持がスッキリするかもしれません。

また友達は、親友の彼氏を奪われた女性の心の痛みを、理解する事でしょう。

しかし、高校時代に失った彼氏が戻ってくるわけではありません。

あの時に、悲しくて辛くて涙を流した高校生の女の子が消えるわけではありません。

復讐ともいえるような壮大な仕返しをしたとしても、むなしさが残るだけかもしれません。

仕返しをしても、過去が変わるわけではなく、失ったものが帰ってくるわけではないからです。

4-2. 「負の連鎖」の始まりになる可能性も

大学時代の彼氏を奪い返して、高校時代の仕返しを果した女性は、その後どうなるでしょうか。

もしかしたら、再び友達から、新しい彼氏を奪われる事になるかもしれません。

あるいは結婚相手を誘惑されて、不倫に導かれ、幸せな結婚生活を奪われてしまうかもしれません。

このように地獄のような負の連鎖が起こる可能性があります。

仕返しは「負の連鎖の始まり」かもしれません。

仮に実際に仕返しの仕返しをされなくても、「いつか友達が夫を誘惑に来るのではないか」という恐怖を感じながら生活をしなければならないかもしれません。

夫にしてもいない不倫について、しつこく問いただしたり、疑ったりするかもしれません。

これも十分に負の連鎖の一部といえるでしょう。

4-3. 「前を向いて生きるのが大事」

仕返しをしても過去を変える事はできません。

人が変えられるのは、いつでも「今」だけだからです。

今をより良く変える事ができれば、あるいは未来も明るいものに変える事ができるかもしれません。

幸せになるためには、過去にしがみつくのではなく「今」に生きる事が必要です。

前を向いて生きる事が大事になります。

誰かに仕返しをしたくなったら、「過去は変えられない」とつぶやいてみましょう。

仕返しのための努力をしている間は、今でなく、過去を生きているのと同じです。

幸せになるために、過去を忘れて前向きに生きましょう。

まとめ

仕返しをしたい気持ちは、とても良く分かります。

モヤモヤを心の中で溜め込むのは辛いと思います。

相手に同じ辛さを味あわせたいと思うのも、当然の心理でしょう。

しかし仕返しをする事のリスクを考えれば、避けた方が良いでしょう。

負の連鎖に巻き込まれないように、仕返しをしない方向に自分をコントロールしましょう。

「幸せになる」という事を考えれば、過去に固執せず、前を向いて歩き出す必要があるからです。

もし、今、誰かに仕返しをしたいと思っている人は、もう一度仕返しのデメリットについて考えてみませんか。