人と話す時にドキドキしてしまったり、頭の中が真っ白になってしまうあがり症。
自分で何とか治したいと思っている人もいるでしょう。
あがり症の原因や心理的特徴、そして改善方法について紹介しますので、是非参考にして下さい。
- あがり症とは?
- あがり症になる原因
- あがり症になりやすい人の心理や特徴
- あがり症になりやすい場面
- あがり症を克服する気持ちの持ち方
- まとめ
1. あがり症とは?
あがり症とは、大勢の前に出た時や、絶対に失敗できない時に緊張してしまい、いつもとは違う状態になってしまうことです。
あがり症の症状として代表的なのは、「心臓ドキドキする」「手足が震える」「顔が赤面する」「汗が出る」「吃音になる」「何を考えているのか分からなくなる」などがあります。
こちらは比較的軽症で、特に体調不良を感じるものではありません。
しかしあがり症が重症になると「過呼吸・吐き気・胃腸炎・めまい」などのパニック症状に陥る人もいます。
あがり症は心療内科に行くと「社交不安障害(SAD)」と診断されることもあります。
これは病気ではなく、脳が誤作動することで発祥するのですが、自分があがり症だと思ってしまうと脳にクセがついてしまい、少しでも緊張すると条件反射で症状が起きてしまうのです。
人の血圧や脈拍、体温を司っているのは自律神経です。
自律神経は大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」とがあり、交感神経は身体が活動モードの時に優位になり、副交感神経は身体が休息モードの時に優位になります。
あがり症の人は、緊張すると副交感神経が一気に優位になり、身体中が緊張することで血管が収縮して、闘争モードに入ってしまうのです。
その為に脳が興奮して様々な症状を引き起こすのです。
2. あがり症になる原因
あがり症は脳内の神経伝達物質である「ノルアドレナリン」が大量に分泌されることで、自律神経の交感神経を活性かすることで発症します。
メカニズムが分かったところで、何故ノルアドレナリンが大量に分泌されるのか、原因については以下の通りです。
2-1. 性格によるもの
あがり症になる原因として、共通した性格があります。
「心配性」「完璧主義」「神経質」な人は、あがり症になる確率が高いのです。
上記の性格の人は、常に自分が他人からどう見られているかを気にする傾向があります。
「常に高い評価を得たい、失敗して人にばかにされたくない」という不安を持っていて、いざという場面で激しく緊張してしまうのです。
2-2. 育った環境によるもの
幼少期に育った環境は、大人になってからの人の性格に大きな影響を与えます。
例えば、厳格な家庭で世間体を気にする両親に育てられた子供は、「人前で恥をかくようなことをしてはいけない」「他人に迷惑をかけてはいけない」と教育されています。
その為に、人前で行動することに対して緊張感や不安感が強くなりがちで、あがり症を起こし易くなるのです。
また、親が何かと細かく面倒を見てしまう過保護状態の子供は、自立心に乏しくなります。
大人になってから社会の厳しい状況に対応できずに、臆病になってしまいあがり症になり易いのです。
更に最近社会問題になっているのが、親によるパワハラや虐待です。
「こんなこともできないのか」「だから皆に嫌われるんだ」等と親から厳しい言葉を浴びて育った子供は、人と自分を常に比較して劣等感を抱く様になります。
その為に自信を持って行動することができずに、あがり症になってしまうのです。
2-3. 過去のトラウマ
それまでは社交的な性格で、人前でスピーチをするのも平気だった人が、何かのきっかけによりあがり症になることもあります。
人前で演説したら「顔がおかしい」「訛りがある」などと周囲から言われて、それがショックで人目を意識し過ぎる様になるのです。
また、ここぞという場面を任されて大失敗してしまい、周囲に迷惑をかけてしまうと、それがトラウマになり人前に出ることが恐くなることもあります。
自分が前面にでることで他人に不快な思いをさせている、という思い込みがあがり症に繋がるのです。
2-4. 年齢的なもの
あがり症は、10代で発症するケースが多くなります。
これは、幼少期にはありのままの自分で過ごせていたのが、段々と成長していくに連れて自我に目覚め、同時に段々と他人からどう見られているかを強く意識する様になるからです。
恋愛感情を覚える時期でもあり「異性から良く見られたい」「モテたい」という気持も強くなります。
「目立つことをする性格がきついと思われるかも」と思うと、人前に出る機会がある時でもつい消極的になりがちです。
「どうするのが一番なのか」を模索して答えが見つからず、あがり症になってしまうケースも多いのです。
2-5. 脳の異常によるもの
あがり症は脳の誤作動により発症するものですが、中にはそもそも脳に異常があり、不安や恐怖に感じてしまう人もいます。
脳に異常があり、神経伝達物質の分泌がコントロールできない場合に交感神経が優位になり過ぎてしまい、あがり症になると言われています。
3. あがり症になりやすい人の心理や特徴
あがり症になり易い人には幾つかの共通する心理や特徴があります。
自分にあてはまるものはないかチェックしてみましょう。
3-1. 人から称賛されたいと思う
会議でプレゼンを任されたら、誰よりも印象に残る様な素晴らしい内容にしたい、飲み会で幹事を任せたら、皆が満足できる様に一生懸命仕切ろう、お店の人からも好感を持たれる幹事でありたい等と、様々なことで自分にプレッシャーをかけていると、何かを任された時に必要以上に気合いが入ります。
自分が楽しみながら頑張ろうと思えば良いのですが、人から称賛されたいが為に張り切り過ぎてしまうと、何かトラブルがあった時に大きく落ち込んでしまい、次にその役割を引き受けるのが恐くなってしまうのです。
3-2. 過去の失敗を引きずる
過去に失敗したりうまくいかないことがあると、いつまでも引きずってしまい、何かあるごとに思い出してしまう性格です。
新しいことに挑戦しようと思っても「そう言えばこんな失敗したことがあった」「あの時みたいにうまくいかなかったらどうしよう」など、過去の出来事がフラッシュバックしてしまい、自分がその先に未来にいるという認識がなくなって混乱してしまうのです。
3-3. 自分を責める性格
失敗やトラブルがあると「何故あの時もう少し早く気付かなかったんだろう」「人任せにせずもっとしっかりチェックするべきだった」と、自分を責めてしまいます。
社会人ならば誰でも1度や2度の失敗はするものですが、自分で設定している目標が高すぎて中々達成できません。
その度に「二度と失敗できない」という思いが強くなり過ぎてしまい、ここ一番という時に緊張や不安が人一倍強くなるのです。
3-4. 自分に自信がない
人前では余裕を持って行動していますが、実は自分に自信がない部分があります。
「分析が足りないと言われたらどうしよう」「この説明では分りにくいかも」と自分に自信が持てないと、しっかりと準備をしたにも関わらず土壇場で「やっぱりダメかも」と意気に不安感と恐怖が押し寄せてくるのです。
一ヵ所不安になってしまうと次から次へと不安な部分が目についてしまい、あがり症が発症し易くなります。
3-5. コンプレックスを持っている
あがり症の人は、他人に対してコンプレックスを感じていることが多くなります。
それは容姿の美しさだったり、性格的なものだったり、仕事の能力であったりしますが、絶対的に自分が劣っていると思い込んでいる部分があります。
それをカバーする為に他の部分で頑張ろうと思っているのですが、会社では余程のビジネスチャンスでもない限り、他人とさほど差が付くことはありません。
自分は一生懸命やっているけれども結局他人には勝てないのだ、そう思うとその人の目の前でパフォーマンスをする時に異常に緊張してあがってしまうのです。
3-6. ネガティブ思考である
あがり症の人は、大勢の前で失敗したら恥をかくと思っています。
確かに人前で話している時におかしなことを言ってしまったり、間違えてあたふたしていると、笑われてしまうこともあります。
しかしそれは単にその場が和んだだけで、その人にとって「恥をかいた」とは言えないのですが、それが分からないのです。
普通の人ならば「早く終わらせてスッキリさせたい」と思うところですが、「どんどん本番の時間が近づいてくる、失敗したらどうしよう」とネガティブ思考になってしまい、緊張してしまうのです。
4. あがり症になりやすい場面
職場や友人同士の付き合いで、あがり症になり易い場面にはどの様なものがあるのでしょうか。
4-1. スピーチ
スピーチは、あがり症の人にとっては最も代表的な緊張する場面です。
会社に入ると、新入社員ならば歓迎会で自己紹介スピーチをすることがあります。
また、会社によっては社員に持ち回りで朝礼の時に3分間スピーチをさせることもあります。
プライベートでは、友人の結婚式に招待されて、スピーチを頼まれることもあるでしょう。
スピーチは演説とは違い、講壇がないことが多くなります。
手ぶらでマイクを持ち、聴き手が比較的近くにいることが多いので、目が合い緊張し易いのです。
周囲がしんとしている中で自分だけマイクを通して大きなボリュームで声が響くので、恥ずかしいと思う人も多いでしょう。
4-2. プレゼン
最近では、外資系企業だけではなく日本の企業でもプレゼンを行う機会が増えてきました、
プレゼンは、ただ話をするのではなく、商品企画や戦略を説明して、人と競ったり聞き手の賛同を得る為に行うものです。
資料を準備してスクリーンを使って説明をするので、スピーチよりは緊張感が少なくなりますが、失敗をすると自分の評価が下がることからあがり症の人にはハードルが高くなります。
説得力のあるプレゼンをする為に起承転結をしっかりと考えて、声のトーンや身振り手振りにまで気を遣う必要があります。
あまりのプレッシャーに急性胃炎を起こしてしまう人もいる程です。
4-3. 面接
面接は、自分の将来を左右する程重要な場面です。
入社面接ならば、面接官が納得する様な芯の通った受け答えをする必要があります。
中には少し意地悪な質問をしたり、矛盾点があると指摘してくる面接官もいるでしょう。
どうしてもこの会社に入りたい、もしも面接で変なことを言ってしまったり、答えに詰まってしまったらどうしようという思いが募ります。
あがり症の人は手足や声が震えてしまったり、頭の中が真っ白になってしまったりします。
4-4. 発表会
趣味や習い事の発表会では、大規模なものではホールを貸し切って行うこともあります。
観客も100人規模で、皆その道に詳しい人ばかりです。
自分の一挙一動に注目が集まるとなると、それだけで緊張することでしょう。
普段何でもなくできていることが、発表会の場で上手くいかずに失敗するという人も多くなります。
4-5. 試合
練習試合や予選では普段通りのパフォーマンスができても、決勝戦や全国大会に出場した試合ではあがってしまいミスする人も多くなります。
大勢の観客が見ている中で失敗は許されない、という思いが強くなるからです。
また、チームプレイの場合、自分がミスをするとチームの皆に迷惑がかかるという思いから、大事な場面であがってしまい実力を発揮できないこともあります。
4-6. 筆記試験
学校の定期考査は何ともなくても、入試や資格の検定試験などであがり症になる人もいます。
入試の場合、直前になるとお腹がゆるくなる人が多くいます。
この試験に落ちたら自分は学校に行けないという恐怖心が強くなるからです。
また、資格試験の場合はここまで時間とお金をかけて勉強してきて、落ちたら全てが無駄になってしまうという不安からあがり症になります。
4-7. 恋愛のチャンス
好きな人に告白する時には、誰でも緊張してドキドキするものです。
しかしあがり症の人は声がひっくり返ってしまったり、何を言っているのか自分でも分からなくなってしまい、相手に伝わらないこともあります。
初デートの時には緊張して前日から眠れないという人も多く、当日にはお腹がゆるくなってしまい、恥ずかしくてトイレに行けずに地獄の苦しみを味わう人も多いのです。
5. あがり症を克服する気持ちの持ち方
あがり症は器質的な病気ではなく、緊張により自律神経のコントロールが効かなくなり、交感神経が働き過ぎて起きてしまう症状です。
自律神経が正常になり、緊張した場面で交感神経が優位になりドキドキしても、その後副交感神経が働いて精神的にリラックスできる様になれば改善できるのです。
薬や医学療法に頼らずに気の持ちようで克服するには、以下の考え方がおすすめです。
5-1. 誰も自分のことを気にしていない
例え今あなたが失敗して皆が笑ったとしても、他の人達は仕事が終って会社を出ればあなたの失敗のことは忘れています。
皆自分のことで精一杯で、人のことなどどうでもいいのです。
1年も経てばそのことを記憶している人もいなくなります。
誰も自分のことを気になどしていない、そう思えばドキドキしたり緊張するのがバカバカしくなってくるでしょう。
5-2. それで世界は終わらない
自分が失敗してもそれで世界が終る訳ではありません。
普通に皆が笑って生活をして、会社は続いていくでしょう。
たかが日本の片隅で平社員が失敗しても、世の中砂粒程の影響も与えないのです。
影響を受けるのは自分だけ、そう思うとあがり症でも「まいっか」と思えるのではないでしょうか。
5-3. 自分をカワイイと思う
「大丈夫」と一生懸命自分に言い聞かせていても、あがり症は中々治らないものです。
その様な時には「不思議だな、これが終ってしまえばこの症状はスッと消えてしまう、人間ってスゴイな、脳ってすごい精密で繊細だな」と自分に感動します。
そして「こんなに緊張している自分ってカワイイな」と思うのです。
一人で苦笑できる様になれば、緊張していても頭の中はスッキリとするでしょう。
5-4. 終った後のことを考える
今あがり症で困っているのならば、それが終った後の自分をイメージします。
「終ったー」とほっとしている自分を思い描いて、その通りの自分になろうと思います。
「これが終ったら自分へのご褒美でスィーツを食べよう」「夜はぱあっと飲みに行こう」など、終わった直後の幸せな自分をイメージすると気持ちが楽になります。
5-5. 誰もが緊張するものだと思う
緊張するのは脳が正常に反応している証拠で、誰でもあることです。
どうしてもあがり症が酷い時には、自分よりも過酷な状況にいる人のことを考えてみましょう。
汚職をした政治家が記者会見を開く時よりはマシ、総理が他国の大統領と会見をするよりマシ、不倫疑惑のタレントが謝罪するよりマシなど、自分よりも追い詰められた人のことを考えれば、自分の立場はどれだけ気楽なのかが分かります。
まとめ
あがり症は決して悪ことではありません。
何があっても無表情でいられる人は人間的な魅力に欠けていると言えます。
緊張するからこそ下準備を一生懸命やり、それが実力になっていくのだと思うことです。
あがり症と上手に付き合える様になれば、少しずつ症状が改善されていくことでしょう。
5. あがり症を克服する気持ちの持ち方
あがり症は器質的な病気ではなく、緊張により自律神経のコントロールが効かなくなり、交感神経が働き過ぎて起きてしまう症状です。
自律神経が正常になり、緊張した場面で交感神経が優位になりドキドキしても、その後副交感神経が働いて精神的にリラックスできる様になれば改善できるのです。
薬や医学療法に頼らずに気の持ちようで克服するには、以下の考え方がおすすめです。
5-1. 誰も自分のことを気にしていない
例え今あなたが失敗して皆が笑ったとしても、他の人達は仕事が終って会社を出ればあなたの失敗のことは忘れています。
皆自分のことで精一杯で、人のことなどどうでもいいのです。
1年も経てばそのことを記憶している人もいなくなります。
誰も自分のことを気になどしていない、そう思えばドキドキしたり緊張するのがバカバカしくなってくるでしょう。
5-2. それで世界は終わらない
自分が失敗してもそれで世界が終る訳ではありません。
普通に皆が笑って生活をして、会社は続いていくでしょう。
たかが日本の片隅で平社員が失敗しても、世の中砂粒程の影響も与えないのです。
影響を受けるのは自分だけ、そう思うとあがり症でも「まいっか」と思えるのではないでしょうか。
5-3. 自分をカワイイと思う
「大丈夫」と一生懸命自分に言い聞かせていても、あがり症は中々治らないものです。
その様な時には「不思議だな、これが終ってしまえばこの症状はスッと消えてしまう、人間ってスゴイな、脳ってすごい精密で繊細だな」と自分に感動します。
そして「こんなに緊張している自分ってカワイイな」と思うのです。
一人で苦笑できる様になれば、緊張していても頭の中はスッキリとするでしょう。
5-4. 終った後のことを考える
今あがり症で困っているのならば、それが終った後の自分をイメージします。
「終ったー」とほっとしている自分を思い描いて、その通りの自分になろうと思います。
「これが終ったら自分へのご褒美でスィーツを食べよう」「夜はぱあっと飲みに行こう」など、終わった直後の幸せな自分をイメージすると気持ちが楽になります。
5-5. 誰もが緊張するものだと思う
緊張するのは脳が正常に反応している証拠で、誰でもあることです。
どうしてもあがり症が酷い時には、自分よりも過酷な状況にいる人のことを考えてみましょう。
汚職をした政治家が記者会見を開く時よりはマシ、総理が他国の大統領と会見をするよりマシ、不倫疑惑のタレントが謝罪するよりマシなど、自分よりも追い詰められた人のことを考えれば、自分の立場はどれだけ気楽なのかが分かります。
まとめ
あがり症は決して悪ことではありません。
何があっても無表情でいられる人は人間的な魅力に欠けていると言えます。
緊張するからこそ下準備を一生懸命やり、それが実力になっていくのだと思うことです。
あがり症と上手に付き合える様になれば、少しずつ症状が改善されていくことでしょう。
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