窓際族にならないためにできること【窓際族の特徴】 | SPITOPI

窓際族(まどぎわぞく)とは、日本の企業や団体の職場・組織において「出世・昇進のキャリア」から脱落して閑職(かんしょく)に追いやられた中高年の社員・職員のことです。

窓際族は重要な仕事や職責を任せられることがなく、やり甲斐の乏しい単純作業(してもしなくてもいい仕事)をさせられやすいのですが、窓際族になる人にはどのような特徴があるのでしょうか? 「窓際族になる原因」と「窓際族にならないために日々できること」を解説しながら、「窓際族のメリット・デメリット」についても紹介していきます。

1. 窓際族とは?

「窓際族」というのは、日本の会社・組織の出世ラインから脱落して、何もやることがない閑職に追いやられた「中高年の社員・職員」のことであり、暗黙の了解として会社から「必要のない人材(できれば自主退職してほしい使えない人材)」と見なされている人たちのことです。

「窓際族」という言葉が初めて登場したのは、円高不況に揺れた1977年6月の北海道新聞のコラムと言われています。

会社からまともな仕事・職務を与えられずに、やることもなく窓際から外を眺めたり新聞を読んだりして過ごしている人のことを窓際族と呼んだのです。

しかし、大企業でも企業の経営環境がシビアになっている現状では、閑職の窓際族の存在も許容されにくくなっており、「追い出し部屋・社内失業・社内いじめ」で間接的なリストラとして辞めるように圧力を掛けられるケースも増えています。

2. 窓際族になる人の特徴

窓際族になる人には、以下のような特徴があると言われています。

2-1. 勤続年数に見合うだけの実績・技能(スキル)・人望を積み重ねていない

窓際族になる人の特徴として、「勤続年数に見合うだけの実績・技能(スキル)・人望を積み重ねていない」ということが挙げられます。

窓際族になる人は勤続年数こそ10〜20年以上で、会社の社員全体の中でも「中堅・ベテラン」の部類に入ることが多いのですが、ただ長い期間にわたって会社に勤続しているだけで「勤続年数相当の実力・技能・人望」が全く備わっていないことが多いのです。

会社に長く居座っているだけで、会社の利益になったりみんなから信頼されたりするだけの実績・能力を積み重ねていないと、窓際族にされるリスクは高くなります。

2-2. 間接リストラの人事異動で未経験に近い新部署にわざと配置されている

「間接リストラの人事異動で未経験に近い新部署にわざと配置されている」ということも、窓際族になる人の特徴の一つでしょう。

窓際族になっている人でも、それなりのキャリアを積んでいて一定以上の能力・技術がある人は、「間接リストラの人事異動」による悪影響を受けていることがあります。

業績不振の会社が直接的に人材を解雇することができないために、わざと「未経験の部署・職務」に中高年の社員を人事異動させることによって、その社員を窓際族にして精神的に追い込もうとしているのです。

慣れない部署や仕事に急に配置替えされたというのも、窓際族の特徴の一つでしょう。

2-3. 会社にとっての利益にならない時間稼ぎに近い無気力な働き方を続けてきた

窓際族になる人の特徴として、「会社にとっての利益にならない時間稼ぎに近い無気力な働き方を続けてきた」ということがあります。

窓際族になる人は、必要以上の仕事をして仲間や会社に貢献しようとはしない人が多く、「時間稼ぎに近い働き方+何も工夫しない無気力な働き方」を長期間にわたって続けてきたという人も多いのです。

「通勤してただ会社に決まった時間いさえすれば給料をもらえる」という受け身で無気力な仕事観があると、仕事で大きな成果を出すことが難しくなり会社・同僚からも評価されにくいのです。

2-4. 仕事の責任をできるだけ避けて言われた仕事だけしかやって来なかった

「仕事の責任をできるだけ避けて言われた仕事だけしかやって来なかった」ということも、窓際族になる人の特徴になっています。

仕事の重大な責任を自分から背負えるか否かが、会社から重視される人材になれるかどうかの分岐点になることが多いのです。

会社や上司から言われた最低限の仕事だけしかこなさず、「自分の責任になる仕事へのチャレンジ」をずっと避けてきた人材は、将来的に「会社にさほど貢献してこなかった人材(仕事に対する覚悟や責任のない人材)」として冷遇されたり窓際族に追い込まれたりする可能性が出てきます。

3. 窓際族になる原因

窓際族になる原因としては、以下のような原因を考えることができます。

こういった原因を事前に取り除いていくことで、窓際族に追いやられるリスクを減らすことができます。

3-1. 仕事能力・実績と社内のコミュニケーション能力が平均よりも低い

窓際族になる原因として、「仕事能力・実績と社内のコミュニケーション能力が平均よりも低い」ということがあります。

窓際族に追いやられてしまうもっとも客観的で合理的な原因が、「他の社員よりも職務能力・実際の実績・コミュニケーション能力が劣っているということ」になります。

他の社員よりも目立って仕事ができない人、仕事に関する向上心や努力が見られない人、チームワークを維持するレベルのコミュニケーション能力がない人は、窓際族にされてしまいやすいのです。

窓際族を回避するためには、仕事のスキルと実績を高めながら、社内での人間関係にも適応していく必要があります。

3-2. 義務的に最低限の仕事しかこなさず仕事に対するモチベーションが低い

「義務的に最低限の仕事しかこなさず仕事に対するモチベーションが低い」ということも、窓際族になる大きな原因の一つです。

窓際族になる人は、自分が所属している部署・役割における仕事に対するモチベーション(やる気)が低いために、上司から高い評価を受けることがほとんどありません。

上司から指示された「やるべき最低限の仕事」については義務的にこなすのですが、「上司に言われたこと以上のプラスアルファーの仕事」に自発的に取り掛かることがまずないので、人事考課がどうしても低くなってしまうのです。

3-3. 向上心・プライド(気迫)が極端に欠けていてどんな屈辱でも受け入れてしまう

窓際族になる原因として、「向上心・プライド(気迫)が極端に欠けていてどんな屈辱でも受け入れてしまう」ということがあります。

窓際族に追い込まれる原因として、「自分の仕事を改善してより良い結果を出していこうとする向上心」が見られないということがあります。

自分の仕事・職務を完璧にこなして顧客や会社の役に立ち、「会社内における自分の地位・役割・人望」を固めて尊敬されたいというプライド(自尊心)もないことが多いのです。

「プライド(自尊心)に根ざした対抗心」がないので上司・同僚から多少屈辱的な待遇を受けてもそれを甘受してしまい、どんどん段階的に冷遇の度合いが増していきます。

そして最後には、「閑職・窓際族」に追いやられてしまう恐れが出てきます。

4. 窓際族にならないために日々できること

窓際族にならないために日々できることには、以下のような事柄があります。

窓際族にならないようにするためには、毎日自分のできるところから「自分の能力・実績・人望のアップ」を進めていく必要があるのです。

4-1. 自分の仕事・職務に関連する知識を増やして技能を高めていく

窓際族にならないために日々できることとして、「自分の仕事・職務に関連する知識を増やして技能を高めていく」ということがあります。

職業人としての能力・実力・パフォーマンス(実績)が高い人材が、窓際族に追いやられてしまうリスクはほとんどありません。

窓際族に追い込まれる人というのは、基本的に「使える人材・学習を続ける勤勉な人材」ではなく「使えない人材・途中で学習を辞めてしまった人材」なのです。

自分の仕事・職務にとって必要な知識・情報は毎日貪欲に仕入れていく必要があり、仕事の未来を先取りしたスキルアップの努力によって窓際族になりにくくなるのです。

4-2. 仕事・会社に対して前向きなモチベーションや目的意識を持つようにする

「仕事・会社に対して前向きなモチベーションや目的意識を持つようにする」というのが、窓際族にならないために日々できることの一つになってきます。

窓際族にされてしまう人の多くは、「仕事に対するモチベーション」が低かったり「会社に対する自発的な貢献度」が低かったりします。

その会社で働いていることに対して「前向きなモチベーション(動機付け)」を維持しながら、「自分の仕事に対する目的意識」を持つことが大切になってきます。

自分で自分の設定した目的・目標を達成する上昇志向の行動力を発揮することで、窓際族に追いやられるリスクは小さくなるのです。

4-3. 会社内の人間関係やコミュニケーションを大切にして人望を高めていく

窓際族にならないために日々できることとして、「会社内の人間関係やコミュニケーションを大切にして人望を高めていく」ということが重要になってきます。

社内の人間関係が良好で、大勢の人から慕われたり頼りにされたりしている人材が「窓際族」として冷淡な処遇をされることはまずありません。

会社内で自分が能力的にも人間的にも必要とされる人材として、大勢の人から評価されていることが、もっとも強力なセーフティーネットになるのです。

会社内でのコミュニケーション頻度を増やして、同僚を手助けする活動を増やすなどして、普段から社内での人望・信頼を高めておきましょう。

5. 窓際族のメリット

「窓際族のメリット」として考えられることには、以下のようなことがあります。

5-1. 残業時間が少なくなり上司からも期待されず早めに帰ることができる

窓際族のメリットとして、「残業時間が少なくなり上司からも期待されず早めに帰ることができる」ということを考えることができます。

元々、仕事のモチベーション(やる気)が低くて、仕事とプライベートを分けるようなタイプであれば、上司から期待されない窓際族に追いやられることによって、「以前よりも早く帰れるようになる・定時に速攻で帰っても何も咎められない」というメリットがあります。

会社も上司も窓際族の人に対しては、無駄な残業代などを支払いたくないので、定時に帰ることはむしろ奨励されるのですが、上司・同僚を含めた周囲の反応が異常に冷たくなるという副作用に耐える必要はあります。

5-2. プライドを捨てればサラリーマン人生が楽になる面がある

「プライドを捨てればサラリーマン人生が楽になる面がある」ということも、窓際族のメリットとして考えることができるでしょう。

窓際族になった時に一番苦しむのは、それまで仕事で陣頭指揮を取ってバリバリ働いていたようなやる気のある人なのです。

反対に、「もうこの会社で自分の果たすべき役割はなくなったから適当にやればいいや」とか「会社に何も期待されていないなら別に自分が頑張る必要もないし同僚にバカにされても構わない」とかいった感じで、完全にプライド(仕事のこだわり)を捨てることができれば、窓際族はこの上なく気楽なポジションになるのです。

5-3. 転職・キャリアチェンジの意志が強いのであれば今の会社を辞める後押しになる

窓際族のメリットとして、「転職・キャリアチェンジの意志が強いのであれば今の会社を辞める後押しになる」ということがあります。

やる気のある人材にとって窓際族に追いやられることは耐え難い屈辱ですが、逆に「今の会社が自分をここまで冷遇するなら、今すぐにでも他の会社・職種に転職したほうがいい」という気持ちの踏ん切りにつながることもあります。

実力がある人材が社内政治に敗れて窓際族に追われた場合には、「転職・キャリアチェンジに向かう意志の強さ」を実行に移すチャンスになってくるのです。

6. 窓際族のデメリット

「窓際族のデメリット」として考えられることには、以下のようなことがあります。

6-1. 仕事のやる気やプライドがある人にとっては閑職は針のむしろになる

窓際族のデメリットとして、「仕事のやる気やプライドがある人にとっては閑職は針のむしろになる」ということがあります。

窓際族は「何も重要な仕事を任せられないポジション」ですが、仕事に対してやる気やプライドがある人にとっては「他のみんなが頑張っている職場で自分だけやることもなくポツンと取り残されている状態」は非常に情けなくて耐えることのできないつらい状態になります。

「自分だけが何もしなくていい(お前には何もできることはない)という状態」は、やる気やプライドがある人にとって、周囲の同僚に顔向けできない「針のむしろ」になってしまいます。

6-2. 同僚(同期)からの目線を気にする人にとって窓際族の待遇は耐えることができない

「同僚(同期)からの目線を気にする人にとって窓際族の待遇は耐えることができない」ということが、窓際族のデメリットになってきます。

それまで仕事をバリバリ頑張ってきた人や出世の期待が掛けられていた人が、何らかの理由で失脚して窓際族に追い込まれた場合、「周囲の同期・同僚が落ちぶれた自分をどう見ているのか」ということが気になって、見栄や世間体で自意識が押しつぶされてしまいます。

同僚からの目線を気にしてしまうと、窓際族に耐えられずに自主退職してしまう人も出てくるのです。

6-3. 会社の経営状況が悪化すれば真っ先にリストラ要因にされてしまう

窓際族のデメリットとして、「会社の経営状況が悪化すれば真っ先にリストラ要因にされてしまう」ということがあります。

プライドやこだわりを捨てて会社に定年まで居座ることを決めた図太い人でも、窓際族の最大のデメリットである「リストラ要因にされるリスクが高いこと」を避けることはできません。

特に会社の経営状態が悪化したり、コストカッターの新社長が乗り込んできたりした時には、何も重要な役割を果たさずに給料だけを貰っている窓際族が、まっさきにリストラの対象にされやすいのです。

まとめ

窓際族になる人の特徴としては、「勤続年数に見合うだけの実績・技能(スキル)・人望を積み重ねていない」「会社にとっての利益にならない時間稼ぎに近い無気力な働き方を続けてきた」などがあります。

窓際族のメリットには「残業時間が少なくなり早めに帰ることができる」「プライドを捨てればサラリーマン人生が楽になる」などがあり、窓際族のデメリットには「仕事のやる気やプライドがある人にとって閑職は針のむしろになる」「会社の経営状況が悪化すれば真っ先にリストラ要因にされる」などがあります。

「窓際族にならないために日々できることのポイント」についても分かりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。