声優や歌手は様々な「声の性質」を持っていて、声優(歌手)によっては「複数の声の性質の種類」を使い分けられるような人もいます。
魅力的な声の性質を手に入れたいという人は多いと思いますが、声の性質を後天的に変えることはできるのでしょうか?
「声の性質が決まる要素」と「声優が使う声の性質の種類」を紹介しながら、「声の性質を変える方法・声の性質を変える6個の要素」について分かりやすく解説していきます。
- 声の性質を変えることはできる?
- 声の性質が決まる要素
- 声優が使う声の性質の種類
- 声の性質を変える方法
- 声の性質を変える6個の要素
- まとめ
1. 声の性質を変えることはできる?
人間は喉仏の辺りにある「声帯(せいたい)」を振動させることによって声を出していますが、意識せずに声を出したり歌ったりした場合には、その人が生来的・遺伝的に持っている「声質」が出てしまいます。
しかし、ボイストレーニングや発声法の工夫によって、この声帯の振るわせ方を微妙に変えていくことで、ある程度まで自分が持っている「声の性質」を変えていくことはできます。
声の性質をどこまで変えられるかは、個人個人の適性・資質によって大きく変わってきますが、「息の吸い方・息の吐き方の変化による声帯の振動の変化」によって一定の声質の変化は可能なのです。
意識的に声質を変えられる「声優・物まね芸人」になると、一人で10種類以上もの声質を自在に使い分けていることも多いのです。
2. 声の性質が決まる要素
声の性質が決まる要素としては、以下のようなものがあります。
2-1. 音量(声の大きさ)
声の性質が決まる要素として、「音量(声の大きさ)」があります。
音量(声の大きさ)が大きいか小さいかによって、声を聴く相手が受ける印象は180度変わりますが、どのくらいの声の大きさが望ましいのかは、シチュエーションや相手の好みによっても変わってきます。
音量(声の大きさ)はもっとも簡単にコントロールして調整しやすい声質の要素ですが、「何を伝えたいのか?どんな内容を表現したいのか?聴く相手とはどんな関係性なのか?」によって適切な音量は変わってきます。
声が大きければ「聞こえやすく力強い声質」となり、小さければ「聞こえにくく弱々しい声質」になりますが、微妙に声の大きさを変えることで幅広い声の性質を作ることができます。
2-2. 音高(声の高さ)
「音高(声の高さ)」も、声の性質が決まる重要な要素の一つです。
音高(声の高さ)が高いか低いかによって、聞いている相手が受け取る印象は180度変わることが多いのです。
音高(声の高さ)の高い声だと「明るくて活発な印象+若々しくてキャピキャピとした印象+早口で勢い良く話している印象」になってきます。
反対に、音高(声の高さ)の低い声だと「どっしりと落ち着いた印象・大人っぽくて威厳のある印象+ゆったりとした口調で焦らずに話している印象」になってきます。
音高(声の高さ)が高いほうがいいのか低いほうがいいのかは、「聞いている相手との関係性・話している目的・相手と話しているシチュエーション」によってケースバイケースで変わってくることが多いのです。
2-3. 音色
声の性質が決まる要素として、「音色(おんしょく、ねいろ)」があります。
音色とは、さまざまな音の聞こえ方のことを意味していて、分かりやすく言えば実際に音声として聞こえる音の「音の混じり具合(複数の音が混じった程度)」のことです。
声というのは「同じ音量+同じ音高」でも、声を発声する人が違えば、全く違う音として聞こえます。
同じ600Hz(ヘルツ)の声でも、人間が発声する時には声帯自体の振動の仕方や音の共鳴の仕方によって、「倍音」と呼ばれる「1200Hz・1800Hz」の音も同時に発生してしまうのです。
この倍音が少ないと「丸くて輪郭のぼやけた音色・暗くて内にこもったような音色」になりますが、倍音が多いと「鋭くて輪郭のはっきりした音色・明るくて聞こえやすい通る音色」になってきます。
3. 声優が使う声の性質の種類
声優が使う声の性質の種類には、以下のような種類があります。
3-1. 実声(地声、チェストボイス)
「実声(地声、チェストボイス)」というのは、私たちが特別なテクニックを使わずに、普通に話している時に出ている声のことです。
優れた声優は「実声の性質」そのものに魅力があることも多いのですが、実声(チェストボイス)をベースにして自分に出せる声の種類や範囲を広げていくことが、声優としてのスキルアップにつながるのです。
実声(チェストボイス)だけでも「縦のライン(音高)」を意識することで、かなり声の性質や歌い方のバリエーションを増やしていくことができます。
3-2. ミックスボイス(ミドルボイス)
「ミックスボイス(ミドルボイス)」は声優が歌を歌う時などに良く使っている声の性質であり、「実声とファルセットの中間的な声+実声と裏声の間を綺麗につなぐ声」として考えることができます。
ミックスボイスを出せる人は少ないのですが、声帯をくっつけて出すイメージでトレーニングを重ねて、「鼻・額の辺りから声を出す感覚」を身に付けるとミックスボイスが出しやすくなってきます。
歌が上手な声優は、「実声‐ミックスボイス‐裏声」を、声を裏返らせることなく綺麗につなげる技術を身に付けているのです。
3-3. ファルセット(裏声)
ファルセット(裏声)は簡単に言えば、意識的に作った「裏返った声」のことであり、裏声は歌を歌う時に良く使われます。
ファルセット(裏声)は、頭の先に響かせるような形で意図的に出すことが多いので、「ヘッドボイス」と呼ばれることもありますが、実声よりも綺麗な歌声を出せる声優は、この裏声を上手く使いこなしているのです。
3-4. ホイッスルボイス
「ホイッスルボイス」は、意識して「うなじ(項)」の辺りの後方から発声しようとする声の種類であり、裏声(ファルセット)よりも少し後ろの方から声を出す感じになります。
ホイッスルボイスとは「笛のように高い声」のことであり、ホイッスルボイスを出している時には声帯が大きく開いていて、声帯が振動する部分は短くなっています。
基本的に、ホイッスルボイスは特別に高音の歌を歌う時以外には使いません。
3-5. ウィスパー
「ウィスパー(whisper)」というのは、「囁く・囁き声」という意味であり、声優は意図的に音量(声量)を小さくして、かすかに囁くような声を出すことができます。
アニメ・漫画・洋画(吹き替え)などの声優としての実際の仕事では、「声量の大きな声」だけではなくて、「声量の小さな声・囁き声」を使わなければならないシチュエーションやキャラクターも多いのです。
ウィスパーの囁き声を出しながら、更に滑舌が良くて言葉が聞き取りやすいというのが、一流の声優が持つ声の性質になってきます。
3-6. エッジボイス(ボーカルフライ)
「エッジボイス(ボーカルフライ)」というのは、自分にできる最高レベルで音高(声の高さ)を低くしたエッジの効いた個性的な声のことです。
声の高さをできる限り低くしたエッジボイス(ボーカルフライ)は、「ざらついたような声」といった表現が為されることもありますが、声優であれば身につけておくべき声の性質の一つとされています。
低音のエッジボイス(ボーカルフライ)を効果的に使いこなすことによって、アニメ・漫画などで演じられる声優としての仕事の幅が広がりを見せるのです。
4. 声の性質を変える方法
「声の性質を変える方法」としては、以下のようなやり方や方法を考えることができます。
4-1. 肺活量を鍛えて音量(声の大きさ)を上げる
声の性質を変える方法として堅実な方法は、「肺活量を鍛えて音量(声の大きさ)を上げる」ということです。
音量の最大値は「肺活量の最大値」によって規定されることになり、肺活量が大きいほど一定の声量をキープして長時間にわたって話し続けることができます。
肺活量の大きさは、声の元になる呼吸を自由自在に扱うための基盤になります。
プールにおける水泳やジョギングで、もっとも効率的に肺活量を高められます。
肺活量を高める呼吸法としては限界まで大きく肺に息を吸い込んで、一旦止めてから、ゆっくり息を吐き出していくというやり方があります。
4-2. 喉の外喉頭筋を鍛えて音高(声の高さ)を調整する
喉の付近にあって声を出す度に上下する筋肉が「外喉頭筋(がいこうとうきん)」ですが、この外喉頭筋の動きは「音高(声の高さ)」と密接に関わっているのです。
自分で声を出しながら喉の辺りを触ってみて、発生する度に動いている外喉頭筋の位置を確認しておきましょう。
一般的に、外喉頭筋が上にあがるほど、「高い響きの声・若々しい感じの声」が出やすくなります。
反対に、外喉頭筋が下にさがるほど、「低い響きの声・大人っぽい声(オペラ調の声)」が出やすくなるのです。
4-3. 声帯の内喉頭筋を鍛えて裏声(ファルセット)を使いこなす
声帯の開閉に直接的に関わっている筋肉が「内喉頭筋(ないこうとうきん)」であり、この内喉頭筋が声帯を大きく開いている時に「裏声(ファルセット)」が出やすくなるのです。
自分で意識して内喉頭筋をダイレクトに動かすことは難しいのですが、裏声(ファルセット)を出す練習をしているうちに、内喉頭筋の動き(声帯の開き具合)が何となく感覚で分かるようになってきます。
内喉頭筋の働きが弱まって、逆に声帯が閉じている時には、「地声(実声、チェストボイス)」に近づくことになります。
裏声(ファルセット)を出そうとして声帯を大きく開きすぎると、叫んでいるような「シャウト」の荒っぽい声の性質に変わってくることになります。
4-4. 腹式呼吸をマスターして呼吸を長く有効に使う
声の性質を変えるもっとも基本的な方法はやはり、「腹式呼吸をマスターすること+自分の呼吸をできるだけ長く使って声を出せるようになること」です。
口呼吸をするのではなくて腹式呼吸をすることによって、今までよりも多くの空気を吸い込むことができ、その空気をゆっくりと吐き出していくので「発生できる相対的時間」を延長することができるのです。
特に長セリフの場面も多い声優にとっては、腹式呼吸は必須のスキルとされていて、腹式呼吸で息を長くしないと長セリフで「息継ぎ・不自然な間」が必要になってしまうのです。
4-5. 滑舌(かつぜつ)を向上させて言葉をはっきりと話す
声の性質を変える基本的な方法として、「滑舌(かつぜつ)を向上させて言葉をはっきりと話す」ということがあります。
滑舌が悪くてもごもごと話している状態では、声の性質を変える以前の問題であり、「複数の種類の声質」を使い分けることなどはできないのです。
滑舌を良くするための基本的なトレーニングとしては、「口を大きく開けて発声すること+舌を色々な方向に自由に動かせるように練習すること+早口言葉の練習をすること+本を一文字一文字、正確に朗読して誰かに聞いてもらうこと」があります。
滑舌はトレーニングを繰り返せば必ず改善していくものですから、継続は力なりで練習を続けましょう。
5. 声の性質を変える6個の要素
声の性質を変える要素として、以下の「6個の技術的要素」を考えることができます。
声の性質を変えるためのトレーニングでは、この6個の要素を意識して取り組むとより効果的でしょう。
5-1. 「声域」
「声域」とは「声の高さの範囲・範疇」のことであり、喉から直接的に発声するのか、鼻から息を抜きながら発声するのかなどによって、自分の声の性質が持つ印象をがらりと変えることができます。
声域は「声の深さ」や「声の持つ威厳・権力性」とも関係していて、胸より下の部分から「低い声」で発声することによって、威厳や重厚感のある権力性(権威性)を帯びた声を出しやすくなります。
5-2. 「ペース」
「ペース」とは「話す速さ」のことであり、話す時のペースを調整することによって、相手に与える自分の声の性質の印象を変えていくことができます。
話すペースが速くなると「興奮した印象・焦っている印象」が強くなってきますが、その途中で部分的にペースを落とすと「話の中で強調するポイント(しっかりと聞いてほしいポイント)」として相手に認識してもらうことができます。
5-3. 「韻律(プロソディー)」
「韻律(プロソディー)」とは「話の抑揚・強弱」のことであり、話し方の調子やテンポを意識的に変えることで、「話のリズムの単調さ・退屈さ」を改善しやすくなります。
韻律(プロソディー)と呼ばれる抑揚やリズムを付けることによって、相手の「その人の話・声をもって聞いてみたいという気持ち」を強めることもできるのです。
韻律(プロソディー)は、単純な言葉に「文脈の意味」を追加するメタ言語であり、コミュニケーションの山場を作る効果があるのです。
5-4. 「声色」
「声色(こわいろ)」とは「声の質感・感じ」のことであり、声色を「温かみ・豊かさ・滑らかさを感じられる質感」にコントロールすることができれば、相手に非常に良い印象を与えることができます。
声色をボイストレーニングで変えやすい要素であり、「息遣い・発声法・イントネーション」を変えるだけで、相手を心理的に魅了する声色を手に入れやすくなります。
5-5. 「声量」
「声量」とはそのまま「声の大きさ」のことであり、声量を大きくすることで「興奮した様子・怒りの感情・内容の強調や念押し」のニュアンスを伝えることができます。
逆に声量を小さくすることで「落ち着いた様子・話し合いの雰囲気・注意してほしいポイント」を示すこともできるのです。
5-6. 「音高(ピッチ)」
声の性質を変える技術的要素として、「音高(ピッチ)」があります。
ピッチとは「声の高低」のことであり、ピッチ(音高)を少し変えるだけで文章の意味(ニュアンス)が大きく変わることも多いのです。
ピッチとテンポを調整すれば声の性質は大きく変わりますが、例えば「昨日、何していたの?」のピッチが高ければ責めているようなニュアンスになり、ピッチが普通であれば何気ない質問のニュアンスになります。
まとめ
「声の性質」は後天的なトレーニングによって変えることが可能ですが、声の性質が決まる要素には「声量(音量)」「音高(声の高さ)」「音色(おんしょく)」の3つがあります。
声優が使う声の性質の種類を分類すると、「実声」「ミックスボイス」「裏声(ファルセット)」「ウィスパー」「ホイッスルボイス」「エッジボイス」に分けられます。
声の性質を変える6個の技術的要素には「声域」「ペース」「韻律」「声色」「声量」「ピッチ」がありますが、声の性質を変えたいと思っている人は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。
3. 声優が使う声の性質の種類
声優が使う声の性質の種類には、以下のような種類があります。
3-1. 実声(地声、チェストボイス)
「実声(地声、チェストボイス)」というのは、私たちが特別なテクニックを使わずに、普通に話している時に出ている声のことです。
優れた声優は「実声の性質」そのものに魅力があることも多いのですが、実声(チェストボイス)をベースにして自分に出せる声の種類や範囲を広げていくことが、声優としてのスキルアップにつながるのです。
実声(チェストボイス)だけでも「縦のライン(音高)」を意識することで、かなり声の性質や歌い方のバリエーションを増やしていくことができます。
3-2. ミックスボイス(ミドルボイス)
「ミックスボイス(ミドルボイス)」は声優が歌を歌う時などに良く使っている声の性質であり、「実声とファルセットの中間的な声+実声と裏声の間を綺麗につなぐ声」として考えることができます。
ミックスボイスを出せる人は少ないのですが、声帯をくっつけて出すイメージでトレーニングを重ねて、「鼻・額の辺りから声を出す感覚」を身に付けるとミックスボイスが出しやすくなってきます。
歌が上手な声優は、「実声‐ミックスボイス‐裏声」を、声を裏返らせることなく綺麗につなげる技術を身に付けているのです。
3-3. ファルセット(裏声)
ファルセット(裏声)は簡単に言えば、意識的に作った「裏返った声」のことであり、裏声は歌を歌う時に良く使われます。
ファルセット(裏声)は、頭の先に響かせるような形で意図的に出すことが多いので、「ヘッドボイス」と呼ばれることもありますが、実声よりも綺麗な歌声を出せる声優は、この裏声を上手く使いこなしているのです。
3-4. ホイッスルボイス
「ホイッスルボイス」は、意識して「うなじ(項)」の辺りの後方から発声しようとする声の種類であり、裏声(ファルセット)よりも少し後ろの方から声を出す感じになります。
ホイッスルボイスとは「笛のように高い声」のことであり、ホイッスルボイスを出している時には声帯が大きく開いていて、声帯が振動する部分は短くなっています。
基本的に、ホイッスルボイスは特別に高音の歌を歌う時以外には使いません。
3-5. ウィスパー
「ウィスパー(whisper)」というのは、「囁く・囁き声」という意味であり、声優は意図的に音量(声量)を小さくして、かすかに囁くような声を出すことができます。
アニメ・漫画・洋画(吹き替え)などの声優としての実際の仕事では、「声量の大きな声」だけではなくて、「声量の小さな声・囁き声」を使わなければならないシチュエーションやキャラクターも多いのです。
ウィスパーの囁き声を出しながら、更に滑舌が良くて言葉が聞き取りやすいというのが、一流の声優が持つ声の性質になってきます。
3-6. エッジボイス(ボーカルフライ)
「エッジボイス(ボーカルフライ)」というのは、自分にできる最高レベルで音高(声の高さ)を低くしたエッジの効いた個性的な声のことです。
声の高さをできる限り低くしたエッジボイス(ボーカルフライ)は、「ざらついたような声」といった表現が為されることもありますが、声優であれば身につけておくべき声の性質の一つとされています。
低音のエッジボイス(ボーカルフライ)を効果的に使いこなすことによって、アニメ・漫画などで演じられる声優としての仕事の幅が広がりを見せるのです。
4. 声の性質を変える方法
「声の性質を変える方法」としては、以下のようなやり方や方法を考えることができます。
4-1. 肺活量を鍛えて音量(声の大きさ)を上げる
声の性質を変える方法として堅実な方法は、「肺活量を鍛えて音量(声の大きさ)を上げる」ということです。
音量の最大値は「肺活量の最大値」によって規定されることになり、肺活量が大きいほど一定の声量をキープして長時間にわたって話し続けることができます。
肺活量の大きさは、声の元になる呼吸を自由自在に扱うための基盤になります。
プールにおける水泳やジョギングで、もっとも効率的に肺活量を高められます。
肺活量を高める呼吸法としては限界まで大きく肺に息を吸い込んで、一旦止めてから、ゆっくり息を吐き出していくというやり方があります。
4-2. 喉の外喉頭筋を鍛えて音高(声の高さ)を調整する
喉の付近にあって声を出す度に上下する筋肉が「外喉頭筋(がいこうとうきん)」ですが、この外喉頭筋の動きは「音高(声の高さ)」と密接に関わっているのです。
自分で声を出しながら喉の辺りを触ってみて、発生する度に動いている外喉頭筋の位置を確認しておきましょう。
一般的に、外喉頭筋が上にあがるほど、「高い響きの声・若々しい感じの声」が出やすくなります。
反対に、外喉頭筋が下にさがるほど、「低い響きの声・大人っぽい声(オペラ調の声)」が出やすくなるのです。
4-3. 声帯の内喉頭筋を鍛えて裏声(ファルセット)を使いこなす
声帯の開閉に直接的に関わっている筋肉が「内喉頭筋(ないこうとうきん)」であり、この内喉頭筋が声帯を大きく開いている時に「裏声(ファルセット)」が出やすくなるのです。
自分で意識して内喉頭筋をダイレクトに動かすことは難しいのですが、裏声(ファルセット)を出す練習をしているうちに、内喉頭筋の動き(声帯の開き具合)が何となく感覚で分かるようになってきます。
内喉頭筋の働きが弱まって、逆に声帯が閉じている時には、「地声(実声、チェストボイス)」に近づくことになります。
裏声(ファルセット)を出そうとして声帯を大きく開きすぎると、叫んでいるような「シャウト」の荒っぽい声の性質に変わってくることになります。
4-4. 腹式呼吸をマスターして呼吸を長く有効に使う
声の性質を変えるもっとも基本的な方法はやはり、「腹式呼吸をマスターすること+自分の呼吸をできるだけ長く使って声を出せるようになること」です。
口呼吸をするのではなくて腹式呼吸をすることによって、今までよりも多くの空気を吸い込むことができ、その空気をゆっくりと吐き出していくので「発生できる相対的時間」を延長することができるのです。
特に長セリフの場面も多い声優にとっては、腹式呼吸は必須のスキルとされていて、腹式呼吸で息を長くしないと長セリフで「息継ぎ・不自然な間」が必要になってしまうのです。
4-5. 滑舌(かつぜつ)を向上させて言葉をはっきりと話す
声の性質を変える基本的な方法として、「滑舌(かつぜつ)を向上させて言葉をはっきりと話す」ということがあります。
滑舌が悪くてもごもごと話している状態では、声の性質を変える以前の問題であり、「複数の種類の声質」を使い分けることなどはできないのです。
滑舌を良くするための基本的なトレーニングとしては、「口を大きく開けて発声すること+舌を色々な方向に自由に動かせるように練習すること+早口言葉の練習をすること+本を一文字一文字、正確に朗読して誰かに聞いてもらうこと」があります。
滑舌はトレーニングを繰り返せば必ず改善していくものですから、継続は力なりで練習を続けましょう。
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