推理小説などにおいて「それはれっきとした事実です」などという表現が使われることがありますよね。
それならば、「れっきとした」というのは一体どういう意味なのでしょうか。
ここでは、「れっきとした」という表現について解説します。
- そもそも「れっき」の意味とは?
- 「れっきとした」の類語や言い換え
- 「れっきとした」の正しい使い方
- 「れっきとした」を使った言葉
- 「れっきとした態度」とはどんな態度
- 「れっきとした」の例文
- 「れっきとした」の英語
- まとめ
1. そもそも「れっき」の意味とは?
1-1. 「れっきとした」の漢字
「れっきとした」というのは疑う余地がないような確かなこと、身分等が立派であり、その価値や存在が確かなものとして尊敬されていることなどを指します。
「れっきとした家柄」「れっきとした身分」などということができますよね。
「れっき」というのは「歴(れき)とした」という表現に促音の「っ」が入ったことにより出来上がった表現です。
ここには明らかな、はっきりとした、明確な、という意味があり、そこから先祖がはっきりした由緒ある家柄のことを「歴とした」と言い始めたことが始まりだと言われています。
2. 「れっきとした」の類語や言い換え
2-1. 「正真正銘の」
「れっきとした」という表現以外にも、例えば「正真正銘の」という四文字熟語を用いることができます。
全く嘘や偽りがない状態、偽りがなくて本物であること、真実であること、由緒正しいこと、あるいは嘘偽りがない状態を強調する表現としても使われます。
確かに漢字を見ても正しいという表現が2回使われていますよね。
だからこそ、全然嘘偽りがない、全く嘘ではない、などという強調した表現として使われることがあるのです。
2-2. 「間違いなく」
「れっきとした」という言い回しには「間違いなく」という表現も類義語として存在します。
誤りの可能性がない、疑わしくない、誤りがない、という状態の時に「間違いなく」ということが可能です。
また、「間違いなく」という表現は相手に何か指示をする場合に使うことも可能です。
「間違いなく仕上げてね」「間違いなく締め切りに間に合わせてね」など、相手に念を押すときに使うことも可能です。
確かに、という表現を格式張った形にすると「間違いなく」という表現になるのです。
2-3. 「これこそ」
本物である、偽物ではない、という時に「これこそ」ということができます。
「これ」を強調した表現になり、例えば「これこそ探し求めていた品だ」などのように強調した言い回しが可能になります。
それ以外にも「これこそ私の過ちです」「これこそ民主主義です」などのように使うことも可能です。
2-4. 「紛れもなく」
「れっきとした」という言葉の類義語には「紛れもなく」という表現もあります。
正真正銘の、間違いなく、これこそ、などと同じようにどう見ても、本物の、という意味を指します。
例えば「紛れもなくこれは本物のダイヤモンドである」などと使うことができます。
これ以外にも正式な、由緒正しい、正しく、これぞ理の、などということができます。
3. 「れっきとした」の正しい使い方
3-1. 「れっきとした」の意味とは
たまに「列記とした」という漢字を使う人がいますが、これはあくまでも誤用です。
正しくは「歴とした」と書きます。
この言葉を用いるときはその対象が確かなものであり世間から認められていること、あるいは疑う余地がなく、明白であること、がわかっている状態になります。
最近ではあまり使われませんが、今までは「隙がない状態」「きちんと整っている状態」あるいは「身分や家柄が高い状態」を指す場合もありました。
ビジネスにおいてこの言葉が用いられるときは「偽物ではなく間違いなく本物である」「氏素性がしっかりしている」などという意味で使われることがほとんどです。
3-2. 「歴」の意味
「歴」という漢字には、田んぼに犬が並んでいる中を人間が足で巡り歩く状態」という意味がありました。
漢字の中の「止」が足を指し、「林」には稲が棚引く様子を表す意味があるようです。
そこから、「時間が移り変わっていく」「並び立つ」などと使われる場合もあります。
いずれにせよ、「物事がはっきり並んでいる様子」を指しますので、「明確であからさまな様子」「嘘偽りがない様子」などと指すことがあるのです。
例えば歴然、という言い方がありますが、この言い回しも「れっきとした」に似ていますね。
3-3. 文法的な説明
もともと「歴(れき)とした」から来た「れっきとした」という表現ですが、「れきとした」はなかなか言いにくいですよね。
そのため間に「っ」という促音が入ったのです。
これは、例えば「やはり」が「やっぱり」になったのと同じです。
間に「っ」を入れることにより、良いやすくなった単語はこれ以外にもいくつかあります。
例えば、「つききりで看病した」母「つきっきりで看病した」といますよね。
また、「れっきとした」の「と」は「堂々と」等と同じく、形容動詞の連用形語尾の性格を持っています。
4. 「れっきとした」を使った言葉
4-1. れっきとした事実
嘘偽りがない状態を指すときに「れっきとした」を使うことができます。
だからこそ、「れっきとした事実」ということができるのです。
推理小説などで名探偵が事件を解き明かしていく時など、「れっきとした事実」ということがありますよね。
残されたヒントをもとに事件をひもといていくと、様々なことがわかります。
そこから「れっきとした事実」と言いながら何が起こったのか解決していく、という状態を読んだことがある人も多いのではないでしょうか。
4-2. れっきとした家柄
疑う余地なく身分が高い状態などを指す時にもこの「れっきとした」という表現が使われます。
そのため、「れっきとした家柄」ということができるのです。
例えば、今の時代には身分制度は存在しませんのでこのようないましはありませんが、「れっきとした武士の家系」「れっきとした貴族の家系」などという場合にこの「れっきとした」という表現が使われます。
また、家柄に関することをいうときには「れっきとした家柄」ということができるのです。
例えば映画「風と共に去りぬ」の中にも「あなたの一家の中にはれっきとした家柄の人がいるはず」という表現がありますね。
5. 「れっきとした態度」とはどんな態度
5-1. 「毅然とした態度」
「れっきとした態度」というのは「毅然とした態度」という意味で使われることがあります。
困難を前にして動じない姿勢、平然とした態度、堂々とした態度、という意味で使われます。
また、それ以外にも相手に対して妥協しない姿勢、かたくなな態度、強硬な態度、としても使われることがあります。
5-2. 「嘘や偽りがない態度」
人によっては、相手によって態度を変える場合などがありますよね。
しかし、「れっきとした態度」というのは誰に対しても首尾一貫性のある態度をとるということを指します。
誰が見ても矛盾がない、誰が見ても嘘や偽りがない、という態度のことを「れっきとした態度」という表現で表します。
6. 「れっきとした」の例文
6-1. 「こちらにはれっきとした証拠があるのだから言い逃れはやめなさい」
推理小説などにおいて、名探偵が犯人を追い詰める中でこのような表現を用いることを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
明確な証拠がある、揺らがない証拠がある、などという時に「れっきとした証拠がある」などということができます。
覆すことができない証拠があるという事は犯人がどれだけ言い逃れをしても意味がないということです。
誰がなんと言おうと明確な証拠があるのだから、これ以上言い逃れはしないように、という意味で使われることがあります。
6-2. 「彼女はああ見えてれっきとしたプロなんです」
世の中には様々な専門家やプロがいますが、場合によってはそのように見えない人もいますよね。
普段はぼーっとしていて何でもない人に見えても、もしかしたら素晴らしい才能を持っている人かもしれません。
全くそのように見えない人がとんでもない専門家などであった場合、「ああ見えてもれっきとした専門家なんです」などということができます。
ギャップが大きい時などにも使うことができます。
例えば、物静かで誰に対しても反応しないような人が、もしかしたら学者だったりすることもあります。
そのような時、「ああ見えてもあの人はれっきとした学者なんです」と使うことができます。
6-3. 「彼女はれっきとした私の妻です」
自分の奥さんが他の男性から絡まれていたり、他の男性から誘われている様子を見たとき、「彼女はれっきとした私の妻です」と表現することができます。
自分の妻の身分を明らかにした上で他の男性を追い払うということが可能になります。
7. 「れっきとした」の英語
7-1. respectable
「彼女はれっきとした私の妻である」「彼はれっきとした画家である」「私の父はれっきとした教師である」などという時、誰かの職業について述べる時などはrespectableという英単語を用いることができます。
簡単に言えば、goodやniceなど、「良い」という意味を表す形容詞でも構いません。
例えば、「彼にはれっきとした妻がある」というときには「彼には優しい妻がある」と言い換えることができますよね。
ですから、この場合はHe has a respectable wife、He has a good wifeなどと述べることができるのです。
respectableの代わりにrespectedでも問題はありません。
7-2. positive
「れっきとした家柄」「れっきとした職業」などのように、プラスの意味を表すときにはpositiveという表現を使うことができます。
れっきとした証拠、などという時にもpositive proofということができます。
この場合はstrongでも構いません。
まとめ
いかがでしょうか。
普段何気なく使っている単語でも、この「れっきとした」という表現が「歴とした」から来ていることを知らなかった、という人も多いのではないでしょうか。
ビジネスにおいてもよく使われる表現ですから、他の言い回しと共に合わせて覚えておけると良いですね。
また、先ほども述べた通りこの場合の「れっきとした」はあくまで「歴とした」であり、「列記とした」と言う表記は誤りになりますから注意が必要です。
3. 「れっきとした」の正しい使い方
3-1. 「れっきとした」の意味とは
たまに「列記とした」という漢字を使う人がいますが、これはあくまでも誤用です。
正しくは「歴とした」と書きます。
この言葉を用いるときはその対象が確かなものであり世間から認められていること、あるいは疑う余地がなく、明白であること、がわかっている状態になります。
最近ではあまり使われませんが、今までは「隙がない状態」「きちんと整っている状態」あるいは「身分や家柄が高い状態」を指す場合もありました。
ビジネスにおいてこの言葉が用いられるときは「偽物ではなく間違いなく本物である」「氏素性がしっかりしている」などという意味で使われることがほとんどです。
3-2. 「歴」の意味
「歴」という漢字には、田んぼに犬が並んでいる中を人間が足で巡り歩く状態」という意味がありました。
漢字の中の「止」が足を指し、「林」には稲が棚引く様子を表す意味があるようです。
そこから、「時間が移り変わっていく」「並び立つ」などと使われる場合もあります。
いずれにせよ、「物事がはっきり並んでいる様子」を指しますので、「明確であからさまな様子」「嘘偽りがない様子」などと指すことがあるのです。
例えば歴然、という言い方がありますが、この言い回しも「れっきとした」に似ていますね。
3-3. 文法的な説明
もともと「歴(れき)とした」から来た「れっきとした」という表現ですが、「れきとした」はなかなか言いにくいですよね。
そのため間に「っ」という促音が入ったのです。
これは、例えば「やはり」が「やっぱり」になったのと同じです。
間に「っ」を入れることにより、良いやすくなった単語はこれ以外にもいくつかあります。
例えば、「つききりで看病した」母「つきっきりで看病した」といますよね。
また、「れっきとした」の「と」は「堂々と」等と同じく、形容動詞の連用形語尾の性格を持っています。
4. 「れっきとした」を使った言葉
4-1. れっきとした事実
嘘偽りがない状態を指すときに「れっきとした」を使うことができます。
だからこそ、「れっきとした事実」ということができるのです。
推理小説などで名探偵が事件を解き明かしていく時など、「れっきとした事実」ということがありますよね。
残されたヒントをもとに事件をひもといていくと、様々なことがわかります。
そこから「れっきとした事実」と言いながら何が起こったのか解決していく、という状態を読んだことがある人も多いのではないでしょうか。
4-2. れっきとした家柄
疑う余地なく身分が高い状態などを指す時にもこの「れっきとした」という表現が使われます。
そのため、「れっきとした家柄」ということができるのです。
例えば、今の時代には身分制度は存在しませんのでこのようないましはありませんが、「れっきとした武士の家系」「れっきとした貴族の家系」などという場合にこの「れっきとした」という表現が使われます。
また、家柄に関することをいうときには「れっきとした家柄」ということができるのです。
例えば映画「風と共に去りぬ」の中にも「あなたの一家の中にはれっきとした家柄の人がいるはず」という表現がありますね。
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