夏に涼やかな青い花を咲かせるツユクサは、古くから日本で親しまれてきた野草です。
そんな身近な植物であるツユクサについて、花言葉や特徴などを詳しく解説します。
- ツユクサとはどんな花?
- ツユクサの花言葉
- ツユクサについて解説
- ツユクサのマメ知識
- ツユクサの種類(原種、園芸品種・花言葉など)
- まとめ
1. ツユクサとはどんな花?
ツユクサは夏に爽やかで可憐な青い色の花を咲かせる植物です。
道端に何げなく咲いている青い花には素朴な美しさがあります。
朝に咲いた花は昼には萎んでしまうというとても儚い花で、その様子は、移ろいやすく儚い恋心に例えられます。
万葉集には「月草(ツキクサ)」などの名で登場しており、その美しくも儚い姿は古来より人の心を動かしてきたことがうかがえます。
古くから広く親しまれてきたツユクサは、多くの別名を持っているのも特徴で、花はエディブルフラワーとして食べられることでもよく知られています。
2. ツユクサの花言葉
2-1. 「恋の心変わり」
ツユクサの花は朝に咲いても昼には萎んでしまい、とても短命なことで知られています。
そのことが移ろいやすい恋心を思わせることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-2. 「敬われない恋」
ツユクサの青い花は開花時間が短くとても儚いものです。
そんな特徴が儚い恋を連想させることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-3. その他の花言葉
他にも、ツユクサには「尊敬」「小夜曲」「なつかしい関係」という花言葉が付けられています。
3. ツユクサについて解説
ツユクサ(学名:Commelina communis)は、ツユクサ科・ツユクサ属の一年草です。
草丈は15〜30センチほどで、6月〜9月頃に1. 5センチほどの青色をした花を咲かせます。
古くから夏の花として親しまれてきたツユクサは、とても繁殖力が強く、茎を地に這わせて生長し、周りの植物を覆ってしまう程よく育ちます。
3枚の花びらのうち2枚は大きく鮮やかな青色をしていて、1枚は小さく白い色をしています。
青と白の涼し気な色合いは、暑い夏に清涼感を与えてくれます。
ツユクサの花は青が一般的ですが、紫、白、ピンク花を咲かせるものもあります。
3-1. 英語での呼び名
英名
英語では「Day flower」と呼ばれています。
その日のうちにしぼむ花という意味で、ツユクサが朝に咲かせた花は昼には萎んでしまうという性質に因んで付けられたとされています。
学名
学名のCommelina(コメリナ)は、オランダの植物学者ヤン・コメリンとカスパル・コメリンの名に由来しています。
コメリン家は3人の植物学者を輩出しました。
2人は植物学者として実績を残しましたが、1人は早くに亡くなっています。
青い2枚の花びらは植物学者として有名になったヤンとカルパス、白く小さな1枚の花びらは早くに亡くなった1人の植物学者。
3人の関係性を象徴する花として、分類学の父と呼ばれるカール・フォン・リンネが学名として採用したといわれています。
3-2. 原産地
原産地は日本や東アジアです。
日本では山野草として全国に広く分布しており、水田や畑の近く、道端などで見ることができます。
3-3. ツユクサの名前の由来
和名
ツユクサは漢字では「露草」と表記され、その由来には諸説あります。
朝露のように清々しい青色の小さな花を咲かせるからという説や、ツユクサの花が朝露のように儚く短命な花であることに由来したという説、かつてはツキクサと呼ばれていたのがツユクサに変化したという説などがあります。
別名
ツユクサには沢山の別名が付けられています。
花の姿が蛍を思わせることから、又、蛍籠に蛍と一緒にツユクサが入れられることが多かったから「ホタルクサ(蛍草)」、花の形が帽子を連想させることから「ボウシバナ(帽子花)」、花の色が青いことから「アオバナ(青花)」「アイバナ(藍花)」、染料として使われたことから「ツキクサ(着き草、月草)」「ウツシグサ(移し草)」など、様々な呼び名で親しまれてきました。
ツユクサは漢方でも利用されており、生薬名である「オウセキソウ(鴨跖草)」と呼ばれることもあります。
3-4. ツユクサの誕生日花の日
ツユクサは、7月6日の誕生花です。
ツユクサの生花をナチュラルな雰囲気のブーケにしたり、和の趣のあるアレンジにしたり、贈る相手のイメージに合ったものを差し上げると喜んでいただけます。
又、ツユクサの色と花の儚さをイメージして、青と白のシルクシフォンのストールなどを贈るのもアイデアの1つです。
4. ツユクサのマメ知識
4-1. 食用にもなるツユクサ
ツユクサは古くから食べることができる野草として知られています。
アクがなく食べやすいのが特徴で、花が咲く前の時期に、葉や茎を加熱してお浸し、和え物、炒め物、天ぷら、味噌汁など、色々な調理法で美味しくいただくことができます。
新芽は生でサラダなどにも利用できます。
きれいな色合いの青い花は、エディブルフラワーとしても流通しています。
サラダや料理の彩に、又、スイーツの装飾にも利用されています。
ツユクサには糖質の吸収を抑える効果があるといわれており、ダイエット食品の原料としても利用されています。
4-2. 薬草としてのツユクサ
ツユクサは漢方でも利用されています。
花が咲いている時期に全草を乾燥させたものは、「鴨跖草(おうせきそう)」と呼ばれ、漢方の生薬の原料とされています。
下痢止め、解熱、解毒、利尿作用があるとされ、湿疹やあせもの改善にも効果があるとされています。
4-3. ツユクサの育て方
ツユクサは空き地や道端にも自生している植物ですので、生命力が強く、初心者にも育てやすい植物です。
ツユクサは一年草ですが、種からも増やしやすいので、毎年きれいな青い花を観賞することもできます。
栽培環境
ツユクサには、日当たりがよく、湿り気のある環境が適しています。
とても丈夫な植物なので、乾燥にだけ注意すれば、初心者でも簡単に育てることができます。
用土
ツユクサはどのような土でもよく育ちますが、鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で配合した土か、市販されている山野草培養土など、水はけが良く水もちの良い用土を使うと育てやすいのでおススメです。
水やり
鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
地植えの場合は水やりの必要はほとんどありませんが、晴天の日が続いて極度に乾燥している場合には水を与えます。
水やりは朝や夕方の涼しい時間帯に行うようにしましょう。
肥料
鉢植えの場合は、葉の色が悪くなってきた時には、薄めにした液体肥料を与えます。
地植えの場合は特に肥料を与える必要はありません。
必要以上に肥料を与えてしまうと、根を傷めて枯れてしまったり、病気を発生することがありますので、注意しましょう。
植え付け
植え付けは、4月〜6月ごろに行います。
鉢植えにする場合は、通気性のある素焼鉢を使うのがおススメです。
鉢は苗よりも1回り大きなものを用意し、水はけと水もちの良い用土に植え付けます。
地植えにする場合は、日当たりがよく、湿り気のある場所を選びましょう。
必要であれば、植える場所の土に腐葉土や堆肥を3〜4割ほど混ぜて水はけを良くします。
種まき
種まきは4月〜5月頃に行います。
育苗箱などの浅い容器や地面に種をばらまき、覆土はせずに、土が乾燥しないように水やりをしながら管理していると、芽が出てきます。
種まき用土はどんなものでも大丈夫です。
ツユクサは、秋に採った種を冷蔵庫で保管してから春にまくと、発芽しやすくなります。
又、ツユクサは繁殖力が強いので、環境が良ければ、こぼれ種からも芽を出します。
5. ツユクサの種類(原種、園芸品種・花言葉など)
5-1. シロバナツユクサ(学名:Commelina communis L. f. albiflora Makino)
ツユクサ科・ツユクサ属の一年草で、白い花を咲かせるツユクサの変種です。
通常のツユクサが群生している場所で、稀に見つかります。
白花の性質は種にも植え継がれます。
漢字では「白花露草」と表記されます。
5-2. ウスイロツユクサ(学名:Commelina communis f. caerulepurpurascens)
ツユクサ科・ツユクサ属の一年草で、青色の花を咲かせるツユクサの中で、花色が薄く、ほんのり水色の花を咲かせるものは、ウスイロツユクサと呼ばれています。
日本全国の道端などに自生しています。
漢字では「薄色露草」と表記されます。
5-3. ケツユクサ(学名:Commelina communis L. f. ciliata Pennell)
ツユクサ科・ツユクサ属の一年草で、日本全国の空き地や道端などに自生しています。
花の付け根の苞に白い毛が生えているため「ケツユクサ(毛露草)」と呼ばれています。
苞に毛が生えているツユクサは原始的なタイプとされており、後から現れた毛の生えていないツユクサの方が繁殖力が強く、勢力を拡大していったと考えられています。
5-4. メガネツユクサ
ケツユクサの園芸品種で、「フクリンツユクサ(覆輪露草)」とも呼ばれます。
ツユクサよりも1回り大きな花を咲かせるのが特徴で、鮮やかな青い花びらの縁が白くなる美しい品種です。
ツユクサと同様に繁殖力が強く、こぼれ種からもよく増えます。
漢字では「眼鏡露草」と表記されます。
5-5. オオボウシバナ(学名:Commelina communis var. hortensis)
ツユクサの栽培変種で、草丈は1メートルほどに育ち、4〜5センチの大きな青い花を咲かせます。
滋賀県の湖南地方で栽培されており、その栽培は江戸時代中期から始まったと伝えられています。
友禅染めの染料として使われていました。
漢字では「大帽子花」と表記され、「アオバナ(青花)」とも呼ばれています。
まとめ
ツユクサは古くから日本に自生している山野草で、夏に目にする青い花には、どこかノスタルジックな趣があります。
万葉の時代の日本に思いを馳せながら、清涼感のある青色のツユクサの素朴な美しい姿を鑑賞してみるのも夏の楽しみの1つです。
3. ツユクサについて解説
ツユクサ(学名:Commelina communis)は、ツユクサ科・ツユクサ属の一年草です。
草丈は15〜30センチほどで、6月〜9月頃に1. 5センチほどの青色をした花を咲かせます。
古くから夏の花として親しまれてきたツユクサは、とても繁殖力が強く、茎を地に這わせて生長し、周りの植物を覆ってしまう程よく育ちます。
3枚の花びらのうち2枚は大きく鮮やかな青色をしていて、1枚は小さく白い色をしています。
青と白の涼し気な色合いは、暑い夏に清涼感を与えてくれます。
ツユクサの花は青が一般的ですが、紫、白、ピンク花を咲かせるものもあります。
3-1. 英語での呼び名
英名
英語では「Day flower」と呼ばれています。
その日のうちにしぼむ花という意味で、ツユクサが朝に咲かせた花は昼には萎んでしまうという性質に因んで付けられたとされています。
学名
学名のCommelina(コメリナ)は、オランダの植物学者ヤン・コメリンとカスパル・コメリンの名に由来しています。
コメリン家は3人の植物学者を輩出しました。
2人は植物学者として実績を残しましたが、1人は早くに亡くなっています。
青い2枚の花びらは植物学者として有名になったヤンとカルパス、白く小さな1枚の花びらは早くに亡くなった1人の植物学者。
3人の関係性を象徴する花として、分類学の父と呼ばれるカール・フォン・リンネが学名として採用したといわれています。
3-2. 原産地
原産地は日本や東アジアです。
日本では山野草として全国に広く分布しており、水田や畑の近く、道端などで見ることができます。
3-3. ツユクサの名前の由来
和名
ツユクサは漢字では「露草」と表記され、その由来には諸説あります。
朝露のように清々しい青色の小さな花を咲かせるからという説や、ツユクサの花が朝露のように儚く短命な花であることに由来したという説、かつてはツキクサと呼ばれていたのがツユクサに変化したという説などがあります。
別名
ツユクサには沢山の別名が付けられています。
花の姿が蛍を思わせることから、又、蛍籠に蛍と一緒にツユクサが入れられることが多かったから「ホタルクサ(蛍草)」、花の形が帽子を連想させることから「ボウシバナ(帽子花)」、花の色が青いことから「アオバナ(青花)」「アイバナ(藍花)」、染料として使われたことから「ツキクサ(着き草、月草)」「ウツシグサ(移し草)」など、様々な呼び名で親しまれてきました。
ツユクサは漢方でも利用されており、生薬名である「オウセキソウ(鴨跖草)」と呼ばれることもあります。
3-4. ツユクサの誕生日花の日
ツユクサは、7月6日の誕生花です。
ツユクサの生花をナチュラルな雰囲気のブーケにしたり、和の趣のあるアレンジにしたり、贈る相手のイメージに合ったものを差し上げると喜んでいただけます。
又、ツユクサの色と花の儚さをイメージして、青と白のシルクシフォンのストールなどを贈るのもアイデアの1つです。
4. ツユクサのマメ知識
4-1. 食用にもなるツユクサ
ツユクサは古くから食べることができる野草として知られています。
アクがなく食べやすいのが特徴で、花が咲く前の時期に、葉や茎を加熱してお浸し、和え物、炒め物、天ぷら、味噌汁など、色々な調理法で美味しくいただくことができます。
新芽は生でサラダなどにも利用できます。
きれいな色合いの青い花は、エディブルフラワーとしても流通しています。
サラダや料理の彩に、又、スイーツの装飾にも利用されています。
ツユクサには糖質の吸収を抑える効果があるといわれており、ダイエット食品の原料としても利用されています。
4-2. 薬草としてのツユクサ
ツユクサは漢方でも利用されています。
花が咲いている時期に全草を乾燥させたものは、「鴨跖草(おうせきそう)」と呼ばれ、漢方の生薬の原料とされています。
下痢止め、解熱、解毒、利尿作用があるとされ、湿疹やあせもの改善にも効果があるとされています。
4-3. ツユクサの育て方
ツユクサは空き地や道端にも自生している植物ですので、生命力が強く、初心者にも育てやすい植物です。
ツユクサは一年草ですが、種からも増やしやすいので、毎年きれいな青い花を観賞することもできます。
栽培環境
ツユクサには、日当たりがよく、湿り気のある環境が適しています。
とても丈夫な植物なので、乾燥にだけ注意すれば、初心者でも簡単に育てることができます。
用土
ツユクサはどのような土でもよく育ちますが、鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で配合した土か、市販されている山野草培養土など、水はけが良く水もちの良い用土を使うと育てやすいのでおススメです。
水やり
鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
地植えの場合は水やりの必要はほとんどありませんが、晴天の日が続いて極度に乾燥している場合には水を与えます。
水やりは朝や夕方の涼しい時間帯に行うようにしましょう。
肥料
鉢植えの場合は、葉の色が悪くなってきた時には、薄めにした液体肥料を与えます。
地植えの場合は特に肥料を与える必要はありません。
必要以上に肥料を与えてしまうと、根を傷めて枯れてしまったり、病気を発生することがありますので、注意しましょう。
植え付け
植え付けは、4月〜6月ごろに行います。
鉢植えにする場合は、通気性のある素焼鉢を使うのがおススメです。
鉢は苗よりも1回り大きなものを用意し、水はけと水もちの良い用土に植え付けます。
地植えにする場合は、日当たりがよく、湿り気のある場所を選びましょう。
必要であれば、植える場所の土に腐葉土や堆肥を3〜4割ほど混ぜて水はけを良くします。
種まき
種まきは4月〜5月頃に行います。
育苗箱などの浅い容器や地面に種をばらまき、覆土はせずに、土が乾燥しないように水やりをしながら管理していると、芽が出てきます。
種まき用土はどんなものでも大丈夫です。
ツユクサは、秋に採った種を冷蔵庫で保管してから春にまくと、発芽しやすくなります。
又、ツユクサは繁殖力が強いので、環境が良ければ、こぼれ種からも芽を出します。
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