ホトトギスの花言葉・英語・種類別花言葉 | SPITOPI

山野草に分類されるホトトギスは、独特な花びらの斑点模様が印象的な植物です。

華やかさはありませんが、味わいのある佇まいや、野趣のある美しさが人気です。

鳥と同じ名を持つ植物の1つとして知られるホトトギス。

その花言葉や豆知識などを詳しく解説します。

1. ホトトギスとはどんな花?

ホトトギスは、山野のあまり日の当たらない湿った場所に自生している植物です。

山歩きなどをしている時に目にすることができる他、山野草を取り扱う店などで鉢植えが売られており、独特な模様の花を身近に観賞することもできます。

日本に自生している品種は多くが日本固有種で、絶滅危惧種に指定されている品種もあります。

2. ホトトギスの花言葉

2-1. 「永遠にあなたのもの」「永遠の若さ」 ホトトギスの開花期間は7月〜10月ごろまでと、長い期間花を咲かせることから、これらの花言葉が付けられたとされています。

2-2. 「秘めた意志」「秘めた恋」「秘めた思い」

ホトトギスは、山野の林や崖などに自生している植物で、湿気が多く日陰になっている場所を好みます。

明るい陽の光を浴びることなく、強く印象に残る独特な斑点模様のある花を、静かにひっそりと咲かせる姿から、これらの花言葉が付けられたとされています。

2-3. 「恥ずかしがりや」

日陰でひっそりと花を咲かせるホトトギスのイメージから、この花言葉がつけられたと考えられています。

3. ホトトギスについて解説

ホトトギス(学名Tricyrtis hirta)は、ユリ科・ホトトギス属の多年草です。

日本全域に分布しており、山の林や岩場、斜面など、強い日の当たらない湿気の多い環境に自生しています。

草丈は 30〜100センチほどで、開花期の7月〜10月ごろに、紫、白、黄色、ピンクなど、不規則な斑点模様のある花を上向きに咲かせます。

趣のある佇まいは古くから人の心を惹きつけており、茶花や生け花の花材としても親しまれてきました。

ホトトギスは秋を感じさせる花として、和歌や俳句でも詠われています。

3-1. 英語での呼び名

英語では「Toad lily(トードリリー)」と呼ばれています。

ホトトギスの花にある斑点模様をヒキガエルの模様に見立てて、又、ユリ科の植物であることから、蛙のようなユリという意味の名前で呼ばれるようになったといわれています。

3-2. 原産地

日本、台湾、朝鮮半島に19種が分布しており、日本には、10種の固有種を含む13種が自生しています。

日本列島が分布の中心となっていることから、日本が原産であると考えられています。

3-3. ホトトギスの名前の由来

花の斑点模様が、鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから、「杜鵑草(ホトトギス)」と呼ばれるようになったとされています。

「油点草(ユテンソウ)」「時鳥草(トキドリソウ)」「鶏脚草(ケイキャクソウ)」の別名もあります。

3-4. ホトトギスの誕生日花の日

9月12日、9月16日、9月19日、10月4日、10月9日、10月19日、11月29日の誕生花です。

4. ホトトギスのマメ知識

4-1. 上手な育て方

栽培環境

鉢植え、庭植えともに、風通しの良い明るい日陰で育てます。

冬に凍結しない場所を選ぶようにしましょう。

湿り気のある環境を好みますので、乾燥しやすい場所では、周囲に打ち水をするなど乾燥対策をします。

理想的な空中湿度は、50〜60パーセントです。

又、強い日差しに当たると葉焼けを起こしてしまいますので注意しましょう。

水やり

鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。

庭植えにした場合は、水やりはほとんど必要ありません。

晴天が続いて土が極度に乾燥している時には、朝や夕方の涼しい時間帯に水を与えましょう。

肥料

3月〜5月には、月に1回を目安に、緩効性の化成肥料か、油カスを与えます。

6月〜10月には、週に1回を目安に、リン酸が多い液体肥料を与えます。

これ以外の時期には、肥料を与える必要はありません。

用土(鉢植え)

ホトトギス、タイワンホトトギスと、その交配種は、市販されている草花用の培養土など、水はけのよい土を使います。

それ以外の品種については、桐生砂小粒(または赤玉土小粒)1:軽石小粒1:硬質鹿沼土小粒1の割合で配合したものを使用するとよいでしょう。

植え付け、植え替え

植え付け、植え替えは2月〜3月に行います。

鉢植えで育てている場合は、1〜2年に1回を目安に一回り大きな鉢に植え替えます。

庭植えの場合は、3年に1回を目安に植え直しをします。

病気、害虫

5月〜9月頃には、白絹病発生しやすくなります。

病気を放置しておくと毎年発生するようになり、植物を枯らしてしまいます。

湿度の高くなる時期には、ナメクジやカタツムリの活動が活発になり、柔らかい新芽や若葉を食べてしまうことがあります。

見つけたらすぐに取り除きましょう。

ふやし方

ホトトギスは、株分け、挿し木、種まきで増やすことができます。

株分け

植え替えをする時に行います。

根が分かれている部分を手で分割して植え付けます。

挿し木

5月〜6月に行います。

茎を3〜5節ほどで切り、清潔な赤玉土やバーミキュライトなど挿します。

水やりをしながら土が乾燥しないように管理をしていると根が出てきます。

根が十分に伸びたら、植え替えましょう。

種まき

11月〜12月上旬ごろに花から種を採り、種まきは2月〜3月に行います。

浅い容器に種まき用土を入れて湿らせ、種をまいたら、乾燥を防ぐためにラップをかけます。

土が乾燥しないように水やりをしながら管理をしていると芽が出てきます。

本葉3〜4枚ほどに育ったら、鉢や庭に植え替えましょう。

生育が順調であれば、種をまいた年の秋に花を咲かせます。

手入れ

夏の暑く乾燥する時期には、1日に2〜3回、株の周囲に打ち水をして空中湿度を上げます。

この時、株全体に霧吹きで水をかけましょう。

5. ホトトギスの種類(原種、園芸品種・花言葉など)

5-1. シロホトトギス(白杜鵑草、Tricyrtis hirta f. albescens)

日本固有種で、北海道から九州まで広く分布しており、楚々とした上品な白い花を咲かせます。

花にはホトトギス特有の斑点はありません。

種子で増やすことができます。

5-2. キバナノホトトギス(黄花の杜鵑草、Tricyrtis flava)

宮崎県に自生している品種で、林などで見ることができます。

草丈は10〜20センチほどで、開花時期は9月下旬〜10月中旬です。

上向きに咲く花は綺麗な黄色で、赤紫色の斑点が入ります。

環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-3. キバナノツキヌキホトトギス(黄花の突抜杜鵑草、Tricyrtis perfoliata)

九州山地の東部に位置する尾鈴山にのみ自生する固有種です。

株が垂れ下がるのが特徴で、極めて希少な種で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-4. ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草、Tricyrtis affinis)

日本と朝鮮半島南部、中国の東部に分布しています。

日本では、北海道から九州の山野の林内などで見ることができます。

花は白色に紫色の斑点が入りますが斑点は少なめで、花びらが反り返らないのが特徴です。

5-5. ヤマホトトギス(山杜鵑草、Tricyrtis macropoda)

日本と朝鮮半島南部、中国の東部に分布しており、林などで見ることができます。

ヤマジノホトトギスとよく似ていますが、花びらが反り返って咲くのが特徴です。

5-6. タイワンホトトギス(台湾杜鵑草、Tricyrtis formosana)

台湾原産の品種で、日本では、西表島に自生しています。

標高1900メートルほどの高地から低地の林などで見ることができ、寒さに強く、日光にも耐性がある丈夫な品種です。

環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-7. タマガワホトトギス(玉川杜鵑草、Tricyrtis latifolia Maxim)

北海道から九州までの山の谷筋などで見ることができる日本固有の品種で、ホトトギス属では、最も冷涼な環境に適応している品種です。

黄色に赤紫色の斑点が入る花を咲かせます。

5-8. セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草、Tricyrtis setouchiensis Hir. Takah)

ヤマジノホトトギスに似た、白色に紫色の斑点が入る花を咲かせます。

花の基部には黄色い模様が入るのが特徴で、近畿から中国・四国地方に分布しています。

5-9. ジョウロウホトトギス(上臈杜鵑草、Tricyrtis macrantha Maxim)

四国の太平洋側に自生している品種で、下向きに垂れた茎に、可愛らしい釣鐘型の黄色い花を咲かせるのが特徴です。

環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-10. サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草、Tricyrtis ishiiana (Kitag. et T. Koyama) Ohwi et Okuyama)

ジョウロウホトトギスに似た釣鐘型の黄色い花を咲かせます。

ジョウロウホトトギスよりも一回りほど小型な品種です。

神奈川県の一部に自生しており、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-11. スルガジョウロウホトトギス(駿河上臈杜鵑草、Tricyrtis ishiiana (Kitag. et T. Koyama) Ohwi et Okuyama var. surugensis T. Yamaz)

サガミジョウロウホトトギスよりも小型になる品種で、釣鐘型の黄色い花を咲かせます。

静岡県の一部に自生しており、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-12. タカクマホトトギス(高隈杜鵑草、Tricyrtis flava subsp. Ohsumiensis)

大隅半島の固有種で、岩場に自生しています。

草丈は30〜40センチと、大型になる品種で、キバナノホトトギスに似た黄色い花を咲かせます。

環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。

5-13. チャボホトトギス(矮鶏杜鵑草、Tricyrtis nana)

東海地方〜紀伊半島、四国、屋久島の山地で見ることができます。

小さな黄色い花を咲かせ、草丈10センチほどと小型なことから、小型の鶏である矮鶏に例えられてこの名前が付けられました。

葉の色が黒や銀色を帯びた園芸品種も作り出されています。

自生している各県では、絶滅危惧種、又は、準絶滅危惧種に指定されています。

まとめ

独特な斑点模様の花を咲かせるホトトギスは、人気のある山野草です。

アウトドアで見つけたら、ひっそりとひたむきに花を咲かせる姿に、心を動かされることでしょう。

又、鉢植えなども出回っていますので、素敵な花言葉を持つホトトギスの栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。