「おすそ分け」は日常でよく使用されている言葉
「ちょっと、お隣におすそ分けしてくる」というように日常でよく使用されている「おすそ分け」の言葉。
間違った使い方をしていたら恥ずかしいので、この機会に正しい使い方を覚えてしまいましょう。
- 「おすそ分け」の意味
- 「おすそ分け」の別の言い方(言い換え)
- 「おすそ分け」の使い方
- 「おすそ分け」を目上に使うときは「お福分け」
- 「おすそ分け」の語源とは?
- 「おすそ分け」の英語
- おすそ分けのお返しはすべき?
- おすそ分けを断る時の注意点
- まとめ
1. 「おすそ分け」の意味
ほんの少しだけ、相手にプレゼントしたいときに「おすそ分け」という言葉を使います。
どこでも手に入るような安価でつまらないものがたくさん手に入ったので、周りの人にも分けてあげるというときに使用します。
ですが、本来はつまらないものが対象ですが、本来の意味に反して、高級な物に対しても「おすそ分け」と称し、プレゼントをする場合もあります。
2. 「おすそ分け」の別の言い方(言い換え)
「おすそ分け」の別の言い方についてみていきましょう。
2-1. 分け与える
おすそ分けの類語の中で、最も意味が近いのが、この「分け与える」という言葉です。
「分け与える」という言葉はその言葉通り、「自分のものを分ける」そして「人に与える」ことを指しています。
自分にとって余計なものを人にあげる行為なので、この行為が成立する背景には、自分の方が空いてよりも優位に立っているという立場があります。
ですので、「分け与える」という言葉を使うと、相手に失礼にあたります。
どんなに仲が良くても「分け与える」という言葉を使った時点で、自分の方が立場が上だということをアピールしており、相手は気分を害します。
「おすそ分け」の意味と非常に似ている言葉ですが、使わない方が無難な言葉です。
2-2. あげる
おすそ分けは「あげる」ことですが、ほんのささいなものを「あげる」行為です。
そのため、単に「あげる」という言葉だけだと、本格的なプレゼントをあげるという意味にもとられてしまうので、少しニュアンスが違います。
「あげる」という行為は、「おすそ分け」と同様、人にあげる行為を指しますが、「おすそ分け」と違うのは「わざわざ」感がないところです。
「あげる」という行為は、「あなたのためにわざわざ買ってきました」「あなたにあげたいから、わざわざ持ってきました」という意味が含まれていますが、「おすそ分け」というと、「あなたのために買ってきた訳ではないけれど」という意味が含まれています。
そのため、その人自身に的を当てて特別にあげる訳ではなくて、たまたまそこにあなたがいたからあげる、あるいはたまたま余ったからあげるといった偶然が存在しています。
2-3. 山分けする
「山分けする」という意味も、また「おすそ分け」と同様、他の人に分け与える行為を指します。
ですが、「山分け」と「おすそ分け」はその分け与える配分量に違いがあります。
おすそ分けというと、余計な分を他の人に分け与える行為なので、分けてあげる側の配分量は多く、あげる人への配分量は少ないというのが定番です。
ですが、「山分け」というと、均等に相手と分けなければ、「山分け」だとは言いません。
配分量に少しの違いも許さないというのが「山分け」です。
3. 「おすそ分け」の使い方
おすそ分けはどのような使い方をすればよいのでしょう。
3-1. 目上の人には使用しない
おすそ分けは、自分のあまりものを周りの人に分けて与えるという意味です。
そのため、自分よりも年上の人や立場が上の人に使ってしまうと、失礼にあたります。
おすそ分けは自分に余った分を分け与える行為であるため、きっと手に入れていないだろう人に分けてあげるという意味合いが強いです。
つまり、自分の家庭などよりも、おすそ分けする相手の家庭の方が物がない状態を想定しています。
そのため、自分よりも目上の人に使うのは、よくないと言われています。
3-2. 少しだけプレゼントしたいときに使用する
おすそ分けは、ほんの少しのプレゼントという意味合いが強いです。
だから相手におすそ分けするものは、本格的なお土産のようなものではなく、余分になっている不要な物を少し分けてあげるという意味になります。
おすそ分けの言葉が不思議なのは、おすそ分けという言葉を用いた瞬間、相手にあげても相手が心苦しく感じないところです。
ふつう、誰かにプレゼントをされると、恐縮に思い、「お返しをすべきなのか」あるいは「こんなに貰ってもよいのだろうか」などと考えてしまいます。
ですが、「おすそ分けです」といってポンとプレゼントをされると、「余計な物まで手に入ってしまったから、あなたも処理を手伝ってね」という意味合いが含まれており、貰っても苦にならないのです。
だから、もらう側としては、頂き物をもらったという恐縮感と同時に、相手が処理に困っているものを一緒に処理して手伝ってあげるという雰囲気をにじませており、そこまで気を遣うことなく貰うことができます。
4. 「おすそ分け」を目上に使うときは「お福分け」
「おすそ分け」という言葉はあくまで自分が優位な立場であるときにしか使用しません。
なぜならば、自分のいらないものを他の人に分け与える行為だからです。
それを自分よりも目上の人に使っていたのでは、腹ただしく思ってしまう人もいるでしょう。
では、目上の人におすそ分けしたいときは、何といってあげればよいのでしょう。
適切な表現として挙げられるのは「お福分け」という言葉です。
「お福分け」は、「おすそ分け」とは違い、その言葉の背景に立場の優劣が存在していません。
それゆえに、目上の人に使っても失礼に当たらず、あげることができます。
「お福分け」の場合、意味に「めでたい福をお分けします」という意味が込められており、めでたいことがあった時に頂いた物を分けるときに使用します。
祝いの品を分けることなので、非常に縁起の良い言葉となります。
これなら、目上の人も気持ちよく受け取ることができるでしょう。
5. 「おすそ分け」の語源とは?
おすそ分けという言葉は古くから使われている言葉です。
語源となったのは、まだ日本が着物を着ていた時代。
おすそ分けの言葉にもあるように「おすそ分け」とは漢字で現すと「お裾分け」と表記します。
裾とは、着物の裾(すそ)のことを指しています。
つまり、着物の裾を分けるという言葉になります。
では、裾をあげる状況とは、一体、どのような状況なのでしょう。
そもそも着物の裾とは、着物の下部にある縁(ふち)のことを指しています。
裾が長いと、着物が体型にフィットせず、余計な裾を切ることになりますが、この余計な裾こそが「おすそ分け」の語源となっている裾を現しています。
つまり、裾とは、着物の下にある不要なものを指しています。
それゆえに、おすそ分けであげるものは「いらないもの」であり、「つまらないもの」であることを指しています。
6. 「おすそ分け」の英語
「おすそ分け」という言葉を英語で表記すると、「To share with someone」(他の人と分ける)という意味になります。
ですが、この英語だと、本来の「おすそ分け」の意味にある、「ほんの少しのものをあげる」や「不要なものをあげる」といった意味が消えてしまいます。
英語の「share」は、日本でも「シェアする」といったようによく使われる言葉ですが、この言葉だと平等にあげるといった意味合いが強くなり、「おすそ分け」とは少し違った印象の意味を与えてしまいます。
英語で「おすそ分け」を適切に一言で表現するのは不可能です。
「share」するときに「ほんの少しだけあげる」という意味を付け加えたり「人からもらいすぎた不要なもの」という意味も付け加える必要があります。
7. おすそ分けのお返しはすべき?
おすそ分けのお返しはすべきなのでしょうか。
基本的にせっかく「おすそ分け」と言って相手があなたの心の負担を軽くしてあげているので、ここはその言葉を尊重し、「自分も機会があればプレゼントをする」といったくらいの気持ちでいてよいでしょう。
機会がなければ、あげなくてもかまいません。
また、相手が「おすそ分け」と言っているのに、すぐにお返しを持っていくのは避けたいところ。
かえって相手に気を遣わせてしまうことになります。
もし、あげるとしたら、家族で旅行した際や自分も大量の頂き物をした際などに、お返しとしてお土産やプレゼントをすると、相手にとっても負担なく、心から喜んでもらえます。
他にも、おすそ分けのお返しで注意しなくてはいけないことがあります。
それはもらいっぱなしも非常識であるということです。
おすそ分けという言葉に甘えて、いつも貰ってばかりでは、それはそれで非常識になります。
1回程度のおすそ分けなら、「機会があるときにこちらも何かプレゼントしよう」という心構えでいても大丈夫ですが、何度もおすそ分けをされているとなると話は別です。
相手には、一度、しっかりとした物をプレゼントした方がよいでしょう。
例えば、外出先などで素敵なお菓子屋さんを見つけて、そこのお菓子を購入してプレゼントをするでもよいでしょう。
何度もおすそ分けで頂いている場合は、それなりのお返しをした方が無難です。
8. おすそ分けを断る時の注意点
おすそ分けを断りたいときはどうすればよいのでしょう。
おすそ分けといっても、全てのもらい物が歓迎される訳ではありません。
自分の嫌いなものを大量に頂くこともあるでしょう。
では、そのおすそ分けを断るにはどうすすればよいのでしょう。
断るときに必要なのは「こんなにも頂くのは恐縮だから頂けません」という姿勢です。
「嫌いだから受け取れません」や「たくさんあるから不要です」などという言葉は、「せっかく持ってきたのだから貰ってくれてもよいのに。
気持ちが汲めない人だな」などと相手が気分を害する恐れがあります。
ですが、もらい物を頂くと恐縮してしまうということを伝えると、「頂き物はとてもありがたくて欲しいところだけど、私の性格上、恐縮してしまうので頂けない」という意味となり、スマートに断ることができます。
最初はその言葉を鵜呑みにして、「いいから、持っていって」などと言ってあげたがる人もいるとは思います。
ですが、そのような行為を何回か繰り返していくうちに言葉の真意に気づくはずです。
また、断るときは、感謝の気持ちを十分に相手に伝え、気分を害さないように心がけましょう。
まとめ
おすそ分けの使い方が分かったら、正しく使用し、失礼のないように気を付けましょう。
使い方をマスターすれば、相手に気を遣わる必要なく、スマートな振る舞いで物をあげることができるはずです。
3. 「おすそ分け」の使い方
おすそ分けはどのような使い方をすればよいのでしょう。
3-1. 目上の人には使用しない
おすそ分けは、自分のあまりものを周りの人に分けて与えるという意味です。
そのため、自分よりも年上の人や立場が上の人に使ってしまうと、失礼にあたります。
おすそ分けは自分に余った分を分け与える行為であるため、きっと手に入れていないだろう人に分けてあげるという意味合いが強いです。
つまり、自分の家庭などよりも、おすそ分けする相手の家庭の方が物がない状態を想定しています。
そのため、自分よりも目上の人に使うのは、よくないと言われています。
3-2. 少しだけプレゼントしたいときに使用する
おすそ分けは、ほんの少しのプレゼントという意味合いが強いです。
だから相手におすそ分けするものは、本格的なお土産のようなものではなく、余分になっている不要な物を少し分けてあげるという意味になります。
おすそ分けの言葉が不思議なのは、おすそ分けという言葉を用いた瞬間、相手にあげても相手が心苦しく感じないところです。
ふつう、誰かにプレゼントをされると、恐縮に思い、「お返しをすべきなのか」あるいは「こんなに貰ってもよいのだろうか」などと考えてしまいます。
ですが、「おすそ分けです」といってポンとプレゼントをされると、「余計な物まで手に入ってしまったから、あなたも処理を手伝ってね」という意味合いが含まれており、貰っても苦にならないのです。
だから、もらう側としては、頂き物をもらったという恐縮感と同時に、相手が処理に困っているものを一緒に処理して手伝ってあげるという雰囲気をにじませており、そこまで気を遣うことなく貰うことができます。
4. 「おすそ分け」を目上に使うときは「お福分け」
「おすそ分け」という言葉はあくまで自分が優位な立場であるときにしか使用しません。
なぜならば、自分のいらないものを他の人に分け与える行為だからです。
それを自分よりも目上の人に使っていたのでは、腹ただしく思ってしまう人もいるでしょう。
では、目上の人におすそ分けしたいときは、何といってあげればよいのでしょう。
適切な表現として挙げられるのは「お福分け」という言葉です。
「お福分け」は、「おすそ分け」とは違い、その言葉の背景に立場の優劣が存在していません。
それゆえに、目上の人に使っても失礼に当たらず、あげることができます。
「お福分け」の場合、意味に「めでたい福をお分けします」という意味が込められており、めでたいことがあった時に頂いた物を分けるときに使用します。
祝いの品を分けることなので、非常に縁起の良い言葉となります。
これなら、目上の人も気持ちよく受け取ることができるでしょう。
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