ムクゲ(学名Hibiscus syriacus)という花(植物)の特徴と名前の由来(英語での呼び方・語源)を説明しながら、「ムクゲの花言葉とその意味」について紹介していきます。
ムクゲの花に関する「原産地・開花時期・種類・似た花」の参考情報を紹介して、ムクゲの興味深い「マメ知識」も解説しています。
- ムクゲとはどんな花なのか?
- ムクゲの花言葉
- ムクゲについての解説
- ムクゲのマメ知識
- ムクゲを育てる時の注意点
- ムクゲの種類(原種・園芸品種の特徴)
- ムクゲに似た花の特徴・花言葉
- まとめ
1. ムクゲとはどんな花なのか?
ムクゲ(学名Hibiscus syriacus)は、アオイ科フヨウ属に分類される中国・インド原産の落葉樹で、観賞目的の庭木・街路樹や夏の茶花として愛されてきた美しい花です。
中心部の濃い紅色が特徴のムクゲの花の大きさは直径5〜10センチで、春先から伸びた枝先に花芽が次々と作られます。
ムクゲは唐(中国)の詩人・白居易(はっきょい)の詩の誤訳から「一日花」と誤解されることも多いのですが、実際は2〜3日以上は個性的な華やかな花を楽しめる種類が多くなっています。
ムクゲ(木槿)は夏・秋の季節(6月〜10月)に、「白色・ピンク色・赤色・紫色の花」を咲かせますが、ムクゲは韓国の国花でもあります。
2. ムクゲの花言葉
ムクゲには、以下のような花言葉があります。
ムクゲの一般的な花言葉である「信念」「新しい美」「尊敬」について、関連エピソードや花言葉の由来・解釈も含めながら分かりやすく説明していきます。
2-1. 「信念」
ムクゲの花言葉は「信念」です。
ムクゲは古い学名を「Althaea frutex(低木のタチアオイ)」といい、タチアオイは12世紀頃に聖地エルサレムの奪還を大義名分として、カトリックのキリスト教徒達がイスラム教徒の国々を攻めた「十字軍」によって、中東のシリアからもたらされたと言われています。
そのエピソードから「信念・信仰」という花言葉が生まれましたが、信念を持って人生をまっすぐに生きている人に贈るのにぴったりの花なのです。
2-2. 「新しい美」
ムクゲの花言葉は「新しい美」です。
ムクゲは花の少ない盛夏を彩るカラフルな花であり、夏から秋の季節にかけて「新たな花」が次々と咲き誇ることにちなんで「新しい美」という花言葉が付けられました。
「新しい美」という素晴らしい花言葉を添えて、美的センスの鋭い人、流行の美的感覚に優れている人にムクゲの花をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
2-3. 「尊敬」
ムクゲの花言葉は「尊敬」です。
ムクゲの花の持つ華やかでおごそかな雰囲気から「尊敬」という花言葉が生まれたと言われますが、「尊敬・感謝の思い」を抱いている恩師や親御さんなどに贈るのに適した花と言えるでしょう。
自己愛ばかりが強くなって、他者に対する尊敬の念を忘れがちな現代であればこそ、ムクゲの美しい花が持つ「尊敬という花言葉」が素直に心に染みてきやすいのです。
2-4. ムクゲの西欧での英語の花言葉:「consumed by love(恋のとりこ)」「persuasion(信念・信仰)」
ムクゲの西欧での英語の花言葉は「consumed by love(恋のとりこ)」「persuasion(信念・信仰)」です。
西欧の英語の花言葉では、新しい美というよりも恋愛関係で心を奪われるという意味が強調されているので、熱愛中の恋人(パートナー)に贈るのにもふさわしい花になっています。
12世紀にキリスト教徒が聖地奪還を目的にしてイスラム教徒と戦った「十字軍」の折にムクゲが持ち帰られたことから、「persuasion(信念・信仰)」というキリスト教信仰と絡む花言葉が生まれたのです。
3. ムクゲについての解説
ムクゲの「各種情報(英語の呼び名と語源・原産地・名前の由来・エピソード・誕生日花など)」について解説していきます。
3-1. ムクゲの英語での呼び名と語源・意味について
ムクゲは英語では、「Rose of Sharon、Shrub althea」の表記になります。
「Rose of Sharon」は、ユダヤ人の言語であるヘブライ語で書かれた旧約聖書の雅歌「シャロンのばら(シャロンの薔薇)」という意味です。
シャロンの薔薇はパレスチナのシャロン平原で咲く美しいバラのような花であり、旧約聖書の中では「野の百合(ゆり)」といった表現も為されています。
聖書の世界観やパレスチナの土地と馴染みの深い野生の美しくて可憐なバラのような花が、中国・インドを原産地とするムクゲ(木槿)の花に当たると考えられたのです。
3-2. ムクゲの原産地と開花期
ムクゲ(木槿)の原産地は「中国・インド」で、樹高3〜4メートルにまで成長して花の少ない夏の季節に美しい花を咲かせるという特徴を持っています。
ムクゲの開花期は「6月〜10月」の夏・秋であり、基本的には一重咲きの形状で中心部が濃い紅色をした独特な美しい花を咲かせます。
ムクゲは日本には奈良時代の頃に中国から渡来しましたが、日本にも山口県・和歌山県に野生品種のムクゲがあったという説もあります。
ムクゲの花持ちは「約2〜3日間以上」になります。
中国・インド原産ですが、エジプトやイスラエル、シリアなどの中近東の国でもムクゲの花を街路樹・公園樹として見る事ができます。
3-3. ムクゲの名前の由来
ムクゲの属名の学名である「Hibiscus syriacus」の意味は、「シリアのハイビスカス」という意味です。
ムクゲは原産地の中国・インド以外にも、シリア、エジプト、イスラエル、パレスチナをはじめとする中近東の地域で多く自生している花でした。
ムクゲは漢名を「木槿(もっきん)」といい、この「木槿(もっきん、ムーチン)」が訛っていってムクゲになったと言われています。
ムクゲは別名を「ハチス(波知須)」といい、ハチスは「蓮」が原義となっています。
古い時代のムクゲの和名の呼び名は「木波知須(キハチス)」であったとも言われ、「木波知須(キハチス)」が略されて「ハチス(波知須)」になったのです。
3-4. ムクゲの誕生日花
ムクゲが誕生日花とされている日は「2月22日、3月22日、8月26日、9月11日」です。
「2月22日、3月22日、8月26日、9月11日」が誕生日の人に、ムクゲの信念の強さや尊敬の思いと関係するポジティブな花言葉「信念・信仰」「美しい美」「尊敬」などの言葉を添えてプレゼントしてみましょう。
ムクゲの花には「ピンク色・白色・赤色・紫色」などの花色のバリエーションがありますが、ムクゲの花の特徴として花の中心部だけ紅色になる「紅底(べにぞこ)」があります。
4. ムクゲのマメ知識
ムクゲのマメ知識を紹介していきます。
4-1. 「槿花一朝の夢」という慣用句はあるが、ムクゲには「一日花」ではない種類も多い
ムクゲ(木槿)は種類によっては、早朝に花を咲かせて、夕方にはしぼんでしまう生態を持っているので、人の世の栄華の儚さを意味する慣用句として「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」という表現が生まれました。
ハイビスカスなどのアオイ科の花には「一日花」としての生態が確かにあるのですが、ムクゲ(木槿)には一日花としての特徴を持たない種類も多いのです。
ムクゲの多くは翌日も開花を続ける生態を持っていて、原種に近い一重花でも2〜3日は花持ちします。
品種改良された八重咲きのムクゲであれば2週間以上、花が咲き続けることも多いのです。
4-2. ムクゲの樹皮・花は漢方の生薬として活用されてきた
ムクゲは、日本には奈良時代から平安時代にかけて渡来したと伝えられています。
万葉集に登場する「あさがほ(朝貌)」がムクゲなのではないかという説もありますが、ムクゲの樹皮・花は「漢方の生薬」として長らく利用されてきた歴史を持っています。
乾燥させた樹皮は「木槿皮(もくきんぴ)」という生薬になり、抗菌作用があるので白癬菌感染(水虫)などの治療薬として使われています。
乾燥させた花は「木槿花(もくきんか)」という生薬になり、胃腸炎の改善や胃もたれ、下痢止めなどの消化器系の漢方薬に配合されてきました。
4-3. ムクゲは韓国の国花で韓国文化に浸透している
ムクゲは「韓国の国花(法的なものではない)」として知られ、韓国の国章のデザインとしても意匠化されています。
韓国のホテルでは格付けの星の代わりにムクゲのデザインが使われ、韓国の軍隊・警察の階級章のデザインとしてもムクゲが使われているほどなのです。
韓国の歴史家・崔致遠の「謝不許北国居上表」には、9世紀の新羅(しらぎ)が自国のことを「槿花郷(=ムクゲの国)」と呼んでいたことが記録されていて、ムクゲの花は昔から韓国文化との関わりが深いのです。
日本においても、「北斗市・清里町・壮瞥町」の花・木としてムクゲが指定されています。
5. ムクゲを育てる時の注意点
ムクゲを育てる時の注意点について説明していきます。
5-1. ムクゲ栽培に適した日当たり・置き場所
ムクゲ栽培は、「鉢植え」には適していないので「地植え・庭植え」で行うのが原則となります。
ムクゲの花を綺麗に咲かせるための環境としては、「日当たりの良い場所・水はけの良い土壌」が適しています。
ムクゲは耐暑性も耐寒性もあるので園芸初心者でも育てやすい樹木ですが、夏場の乾燥によって弱ることがあるため、水持ちの良さにも一定の配慮が必要になります。
生命力が旺盛であり、いったん枝木が生長を始めると、その生長スピードはかなり早いものになります。
5-2. ムクゲの水やり・肥料のポイント
ムクゲ栽培は他の園芸品種の植物よりも簡単であり、夏場の乾燥期以外は「水やり」は特に必要ありません。
土の表面がパリパリに乾いているような状態であれば、水やりをしてあげましょう。
花付きを良くするための肥料は、ムクゲが開花する7月〜10月にかけ「緩効性化成肥料」を少なめに追肥すると良いでしょう。
12月〜1月にかけても、「固形の油かす」などの有機肥料を寒肥として施しておけば、翌年のムクゲの成長や花付きが良くなってきます。
5-3. ムクゲの病気・害虫の注意点、増やし方
ムクゲ栽培によって気をつけるべき害虫としては、「ハマキムシ・カミキリムシ・アブラムシ」がいますが、春から秋にかけては葉っぱを食べるハマキムシやアブラムシの食害に注意する必要があります。
カミキリムシの幼虫もムクゲの幹内部に入り込んで樹木自体を弱らせるので、早めに殺虫剤などで防除しておく必要があります。
ムクゲの増やし方は「挿し木(さしき)」によって簡単に増やすことができます。
挿し木の適期は「3月〜4月」であり、葉っぱが出てくる前に伸びた枝を15センチほどに切って、挿し木用土に適当な間隔で挿し込んでいきます。
6. ムクゲの種類(原種・園芸品種の特徴)
ムクゲの色々な種類・園芸品種とその特徴について紹介していきます。
これらの花の花言葉は、ムクゲに準じて「信念」「新しい美」「尊敬」などになります。
ムクゲ(槿)は品種改良が進んだ花であり、膨大な園芸品種の種類があります。
6-1. 宗旦槿(ソウタンムクゲ)
「宗旦槿(ソウタンムクゲ)」は、一期一会(いちごいちえ)のおもてなしを前提とする侘び寂び(わびさび)の茶道を大成した千利休(せんのりきゅう)の孫である千宗旦(せんのそうたん)が、気に入っていたムクゲの園芸品種です。
宗旦槿は、白色の清楚な花色をしていて小ぶりは花を咲かせますが、花底の中心部が赤みがかっている特徴があります。
千宗旦が好んで茶室に飾っていた由来もあり、宗旦槿は「茶花」として重視されることの多いムクゲの種類でもあるのです。
6-2. 日の丸(ヒノマル)
「日の丸(ヒノマル)」は、日本の日の丸の国旗の意匠に似た外観を持つムクゲの園芸品種の一種です。
日の丸はその名前の通り、白色の花色をしていて花の中心部(花底)が濃い赤色をしていて、日本の国旗である「日の丸」のように見えるのです。
「宗旦槿(ソウタンムクゲ)」にも似ている品種ですが、「日の丸(ヒノマル)」の方が開花期が早くて花の大きさが大きいという特徴があります。
日本においては、宗旦槿と並んでポピュラーなムクゲに種類の一つです。
6-3. 紫玉(シギョク)
「紫玉(シギョク)」は、観賞目的で品種改良された八重咲きのムクゲの園芸品種です。
紫玉(シギョク)は美しい青紫色をしたムクゲで、人目を一瞬で引き付けるだけの魅力があり、観賞目的のムクゲとして高い人気を誇っています。
見た目が華やかで美しいだけではなくて、開花期間も長い園芸品種なので、紫玉(シギョク)を好んで栽培している園芸家も多いのです。
7. ムクゲに似た花の特徴・花言葉
ムクゲに似たアオイ科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
7-1. ハイビスカス
ハイビスカス(学名Hibiscus rosa-sinensis)はアオイ科フヨウ属に分類される花で、熱帯アジアが原産地です。
プルメリアと並んでハワイを代表する南国の花であり、観光客の首に掛けてあげる「レイ」の原材料としてもよく使われています。
ハイビスカスは、一日だけ花を咲かせてその日のうちに枯れてしまう「一日花」としての特徴を持つことから、「新しい恋」という花言葉が生まれたと言われています。
和名は「仏桑花(ブッソウゲ)・仏桑華(ブッソウゲ)」といい、英語では「China rose(中国のバラ)」と呼ばれています。
ハイビスカスは7月〜8月の夏場に、南国情緒に満ちた「赤色・ピンク色・白色・黄色・オレンジ色」の存在感のある花を咲かせてくれます。
ハイビスカスの花言葉は、「繊細な美」「新しい恋」「常に新しい美」になります。
7-2. タチアオイ
タチアオイ(学名Althaea rosea)はアオイ科ビロードアオイ属に分類される花で、原産地は中国、西アジア、東ヨーロッパになります。
タチアオイの英名はホーリーホック(Hollyhock)で「聖地の花」の意味があり、12世紀の「十字軍遠征」の際にシリアから持ち込まれたことが由来になっています。
8月〜10月の夏に、「赤色・ピンク色・白色・黄色・オレンジ色」の美しい花を咲かせます。
タチアオイの花言葉は、「大望」「野心」「豊かな実り」「気高く威厳に満ちた美」になります。
まとめ
ムクゲ(学名Hibiscus syriacus)は、アオイ科フヨウ属に分類される中国・インド原産の落葉樹で庭木・街路樹(公園樹)や夏の茶花として人気があります。
ムクゲ(木槿・槿)は夏・秋の季節(6月〜10月)に、「白色・ピンク色・赤色・紫色の花」を咲かせますが、ムクゲは韓国の国花としても知られています。
ムクゲの一般的な花言葉は、「信念」「新しい美」「尊敬」になります。
ムクゲの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
3. ムクゲについての解説
ムクゲの「各種情報(英語の呼び名と語源・原産地・名前の由来・エピソード・誕生日花など)」について解説していきます。
3-1. ムクゲの英語での呼び名と語源・意味について
ムクゲは英語では、「Rose of Sharon、Shrub althea」の表記になります。
「Rose of Sharon」は、ユダヤ人の言語であるヘブライ語で書かれた旧約聖書の雅歌「シャロンのばら(シャロンの薔薇)」という意味です。
シャロンの薔薇はパレスチナのシャロン平原で咲く美しいバラのような花であり、旧約聖書の中では「野の百合(ゆり)」といった表現も為されています。
聖書の世界観やパレスチナの土地と馴染みの深い野生の美しくて可憐なバラのような花が、中国・インドを原産地とするムクゲ(木槿)の花に当たると考えられたのです。
3-2. ムクゲの原産地と開花期
ムクゲ(木槿)の原産地は「中国・インド」で、樹高3〜4メートルにまで成長して花の少ない夏の季節に美しい花を咲かせるという特徴を持っています。
ムクゲの開花期は「6月〜10月」の夏・秋であり、基本的には一重咲きの形状で中心部が濃い紅色をした独特な美しい花を咲かせます。
ムクゲは日本には奈良時代の頃に中国から渡来しましたが、日本にも山口県・和歌山県に野生品種のムクゲがあったという説もあります。
ムクゲの花持ちは「約2〜3日間以上」になります。
中国・インド原産ですが、エジプトやイスラエル、シリアなどの中近東の国でもムクゲの花を街路樹・公園樹として見る事ができます。
3-3. ムクゲの名前の由来
ムクゲの属名の学名である「Hibiscus syriacus」の意味は、「シリアのハイビスカス」という意味です。
ムクゲは原産地の中国・インド以外にも、シリア、エジプト、イスラエル、パレスチナをはじめとする中近東の地域で多く自生している花でした。
ムクゲは漢名を「木槿(もっきん)」といい、この「木槿(もっきん、ムーチン)」が訛っていってムクゲになったと言われています。
ムクゲは別名を「ハチス(波知須)」といい、ハチスは「蓮」が原義となっています。
古い時代のムクゲの和名の呼び名は「木波知須(キハチス)」であったとも言われ、「木波知須(キハチス)」が略されて「ハチス(波知須)」になったのです。
3-4. ムクゲの誕生日花
ムクゲが誕生日花とされている日は「2月22日、3月22日、8月26日、9月11日」です。
「2月22日、3月22日、8月26日、9月11日」が誕生日の人に、ムクゲの信念の強さや尊敬の思いと関係するポジティブな花言葉「信念・信仰」「美しい美」「尊敬」などの言葉を添えてプレゼントしてみましょう。
ムクゲの花には「ピンク色・白色・赤色・紫色」などの花色のバリエーションがありますが、ムクゲの花の特徴として花の中心部だけ紅色になる「紅底(べにぞこ)」があります。
4. ムクゲのマメ知識
ムクゲのマメ知識を紹介していきます。
4-1. 「槿花一朝の夢」という慣用句はあるが、ムクゲには「一日花」ではない種類も多い
ムクゲ(木槿)は種類によっては、早朝に花を咲かせて、夕方にはしぼんでしまう生態を持っているので、人の世の栄華の儚さを意味する慣用句として「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」という表現が生まれました。
ハイビスカスなどのアオイ科の花には「一日花」としての生態が確かにあるのですが、ムクゲ(木槿)には一日花としての特徴を持たない種類も多いのです。
ムクゲの多くは翌日も開花を続ける生態を持っていて、原種に近い一重花でも2〜3日は花持ちします。
品種改良された八重咲きのムクゲであれば2週間以上、花が咲き続けることも多いのです。
4-2. ムクゲの樹皮・花は漢方の生薬として活用されてきた
ムクゲは、日本には奈良時代から平安時代にかけて渡来したと伝えられています。
万葉集に登場する「あさがほ(朝貌)」がムクゲなのではないかという説もありますが、ムクゲの樹皮・花は「漢方の生薬」として長らく利用されてきた歴史を持っています。
乾燥させた樹皮は「木槿皮(もくきんぴ)」という生薬になり、抗菌作用があるので白癬菌感染(水虫)などの治療薬として使われています。
乾燥させた花は「木槿花(もくきんか)」という生薬になり、胃腸炎の改善や胃もたれ、下痢止めなどの消化器系の漢方薬に配合されてきました。
4-3. ムクゲは韓国の国花で韓国文化に浸透している
ムクゲは「韓国の国花(法的なものではない)」として知られ、韓国の国章のデザインとしても意匠化されています。
韓国のホテルでは格付けの星の代わりにムクゲのデザインが使われ、韓国の軍隊・警察の階級章のデザインとしてもムクゲが使われているほどなのです。
韓国の歴史家・崔致遠の「謝不許北国居上表」には、9世紀の新羅(しらぎ)が自国のことを「槿花郷(=ムクゲの国)」と呼んでいたことが記録されていて、ムクゲの花は昔から韓国文化との関わりが深いのです。
日本においても、「北斗市・清里町・壮瞥町」の花・木としてムクゲが指定されています。
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