夜にだけ大輪の花を咲かせるゲッカビジン(月下美人)は、儚い花の代名詞ともなっています。
とても神秘的な魅力のあるサボテンで、愛好家が多いことでも知られています。
ここでは、そんなゲッカビジン(月下美人)の花言葉や育て方、豆知識などを紹介します。
- ゲッカビジン(月下美人)とはどんな花?
- ゲッカビジン(月下美人)の花言葉
- ゲッカビジン(月下美人)について解説
- ゲッカビジン(月下美人)のマメ知識
- ゲッカビジン(月下美人)を育てる時の注意点
- ゲッカビジン(月下美人)の種類(原種、園芸品種・花言葉など)
- ゲッカビジン(月下美人)に似た植物(原種、園芸品種・花言葉など)
- まとめ
1. ゲッカビジン(月下美人)とはどんな花?
ゲッカビジン(月下美人)はサボテンの仲間です。
夏から秋にかけて、大輪のゴージャスな花を一晩だけ咲かせるという特徴を持っていて、美人薄命という言葉の由来になった植物です。
葉のように見える茎に花を付け、夜に甘い香りを漂わせて開花している様子がとても神秘的なため、色々な俗説があります。
そんな儚い花ですが、花は実とともに食用にもされています。
2. ゲッカビジン(月下美人)の花言葉
2-1. 「あでやかな美人」
ゲッカビジン(月下美人)は、20センチ以上もある大輪の白い花を堂々と咲かせます。
夜の暗闇に浮かび上がるその豪華な白い花には甘い濃厚な香りがあり、その姿が艶やかで美しい女性を連想させることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-2. 「はかない美」「はかない恋」
ゲッカビジン(月下美人)の花は、美しく見事な花を咲かせても一晩だけで萎れてしまいます。
花の寿命が極めて短く儚いことから、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
2-3. 「秘めた情熱」「強い意志」
ゲッカビジン(月下美人)はサボテンの仲間で、花が咲いていない時には、美しい花を咲かせるようにはとても見えないワイルドな姿をしています。
又、優雅な大輪の花のイメージに似合わず、過酷な環境でも枯れない強い生命力を持っています。
そんなゲッカビジンの性質から、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
「秘めた情熱」は、花の開花と共に封印が解かれたかのように甘い香りが漂い始めることに由来するとも言われています。
3. ゲッカビジン(月下美人)について解説
ゲッカビジン(学名: Epiphyllum oxypetalum)サボテン科・クジャクサボテン属の着生サボテンの原種です。
背丈が1〜2メートルほどの大きさになると、葉のように見える平たい茎に花を付けます。
6月〜11月の夜に20センチ以上ある大輪の白い花を咲かせ、翌朝には萎んでしまいます。
下向きに付いたつぼみは徐々に持ち上がって開花します。
これらの特徴に加えて花には甘く強い香りがあることから、小型のコウモリが受粉の手助けをしやすいように進化してきたと考えられています。
3-1. 英語での呼び名
英語では「A queen of a night(夜の女王)」「Dutchmans pipe cactus(オランダ人のパイプのようなサボテン)」と呼ばれています。
3-2. 原産地
原産地はメキシコの熱帯雨林です。
ゲッカビジンが自生しているジャングルでは、朽木、老木の幹、腐葉土などに根を張って生長します。
3-3. ゲッカビジン(月下美人)の名前の由来
昭和天皇が皇太子だった時代に、台湾をご訪問されました。
その時ご覧になった月下美人の花が美しく、そばにいた駐在大使に名前を聞いたところ、「月下の美人です」と答えたことから、「月下美人」という名前が付けられたと伝えられています。
3-4. ゲッカビジン(月下美人)の誕生日花の日
7月19日、8月23日、10月29日の誕生花です。
花が咲いた状態で贈るのは難しいですが、鉢植えを贈って育ててもらいましょう。
開花した姿を目にした時の感動を贈ることにもなります。
4. ゲッカビジン(月下美人)のマメ知識
4-1. ゲッカビジンにまつわる俗説
暗闇に浮かびあがるゲッカビジンの白い花はとても幻想的で妖艶な美しさがあります。
そんな神秘的なイメージのあるゲッカビジンには独特な存在感があり、様々な俗説が生まれました。
全てのゲッカビジン(月下美人)は同じ日に花を咲かせる
ゲッカビジンが日本に入ってきて、1つの株から挿し木などで増やしたクローン株が普及していったことから、全ての花が同じ日に咲くという伝説があります。
しかし実際には、現在は複数の異なる株から作られたクローン株が存在しており、又、開花時期は生育環境にも由来することから、全てのゲッカビジンが同じ日に開花させるということはありません。
ゲッカビジン(月下美人)は1年に1回しか花を咲かせない
一夜で花が萎れてしまうという極めて短い花の寿命と、神秘的なイメージから、ゲッカビジンは、一年のうちでたった一回しか花を咲かせないと言われています。
しかし実際には、株が充実していて環境が良ければ、年に3〜4回花を咲かせることもあります。
株の状態が悪ければ、一度も花を咲かせないこともあります。
ゲッカビジン(月下美人)は新月や満月の日にしか花を咲かせない
ゲッカビジンには月の満ち欠けに合わせた開花のサイクルがあるわけではありませんので、月齢に関係なく花を咲かせます。
4-2. 薬草としてのゲッカビジン(月下美人)
ゲッカビジンは古くから解熱、解毒作用のある薬草として利用されてきました。
他にも便秘を解消したり、大腸熱症状、肺炎、血痰止め、喘息の症状を緩和する効果もあるとされています。
います。
ゲッカビジンはハーブティーとしても飲まれており、甘くフルーティーな香りがあります。
保湿、花粉症、咳、風邪、膀胱炎、便秘、口内炎に効果があると言われています。
4-3. 食用にもされているゲッカビジン(月下美人)
花
ゲッカビジンの花は、開花中のものも、開花後のしぼんだものも食べることができます。
生花は、雄しべごと縦に引き裂いてから茹でて和え物にしたり、天ぷらにしたりして食べられています。
台湾ではゲッカビジンの花を薬膳スープの具材として使っています。
このスープには、高血圧の改善や体脂肪を減らす効果があるとされています。
実
熟した実はドラゴンフルーツに似ていて、赤い果皮の中には白い果肉があって、黒い胡麻のような種子が数多くあります。
果肉はサクサクした食感で、ほんのりと甘みがあります。
そのため古くから日本で栽培されてきたもの以外のクローンを園芸業者が販売する際、家庭用果樹として宣伝し「食用月下美人」の商品名をつけることが多い
5. ゲッカビジン(月下美人)を育てる時の注意点
5-1. ゲッカビジンに合った栽培環境
春と秋は屋外の半日陰で、よく日に当てて育てます。
夏は強い日差しで葉焼けを起こさないように、明るい日陰に置きます。
ただし、日照不足になると花を咲かせなくなりますので注意しましょう。
気温が下がる冬は、室内の10度以下にならない場所で育てます。
昼間は明るい窓辺に置いて日に当てましょう。
ゲッカビジンは、気候に応じて場所を移動させる必要がありますので、鉢植えで育てます。
5-2. ゲッカビジンに適した用土
湿気を通す素焼きの鉢に、水はけの良い土を用いて育てます。
赤玉土(小〜中粒)5:腐葉土3:鹿沼土(小〜中粒)2の割合で配合した土にリン酸の多い化成肥料を混ぜたものを用意するか、市販されているラン用のバークを使います。
5-3. ゲッカビジンに最適な水やりのコツ
4月〜10月の生育期には、鉢土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。
ゲッカビジンは比較的多湿な環境を好みますが、土の湿度が高い状態が続くと根腐れを起こしますので注意しましょう。
11月〜3月の休眠期には、完全に水を絶たずに、軽く土を湿らせるように管理します。
たっぷりと水を与える
5-4. ゲッカビジンに適した肥料
リン酸やカリウムが多めに入っている肥料を与えます。
ゲッカビジンはサボテンですが、株が大きくならないと花を咲かせませんので、肥料を切らさないように管理しましょう。
4月〜9月までは、月に1回緩効性肥料(N-P-K=8-12-10)を与え、10月に入ったら、10〜15日に1回を目安に液体肥料(N-P-K=6-10-5)を与えます。
11月から春までは肥料を与えません。
5-5. ゲッカビジンを植え替えるコツ
5月〜9月に行います。
生育を促進するために、2年に1回を目安に植え替えます。
植え替えの際は、古い土を落として、少し小さめの鉢に植えるようにしましょう。
根腐れを起こして茎にシワが寄ってきた時にも植え替えをします。
根に付いた古い土と痛んだ根を取り除いて植えます。
植え替えをする時は、必ず新しい用土を使いましょう。
5-6. ゲッカビジンを剪定する時の注意点
9月頃に行います。
枯れた茎や伸びすぎた茎を切り戻して形を整えます。
株が充実しないと花を付けませんので、剪定しすぎないように注意しましょう。
5-7. 気を付けなくてはいけない病気、害虫
ゲッカビジンには、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシが付くことがあります。
見つけたら薬剤を散布するなどして駆除します。
早期発見が大切ですので、大量発生しないように日頃からよく観察しておきましょう。
5-8. ゲッカビジンのふやし方
ゲッカビジンは挿し木で増やすことができます。
5月〜9月が挿し木の適期です。
茎を15〜30cm程度の長さに切り取り、2〜3日ほど風通しの良い日陰で切り口を乾燥させます。
赤玉土や鹿沼土など清潔で水はけの良い土に浅く挿し、10日ほど経ってから水を与えます。
風通しの良い明るい日陰で管理をしていると、2〜3週間で根が生えてきます。
6. ゲッカビジン(月下美人)の種類(原種、園芸品種・花言葉など)
日本のゲッカビジンは、もともとは1株の原種から増やされたものでしたが、近年では多くの園芸品種も作り出されています。
6-1. 歌麿呂美人(ウタマロビジン)
ゲッカビジンよりもやや小ぶりな白い花を咲かせます。
月下美人と宵待孔雀(ヨイマチクジャク)の交配により作り出された園芸品種です。
6-2. 宵待孔雀(ヨイマチクジャク)
白く細長い花びらが特徴で、雌しべの軸が薄いピンク色、雌しべの先端は黄色をしています。
直径17cmほどの大きな花を上向きに咲かせます。
6-3. 十三夜美人(ジュウサンヤビジン)
宵待孔雀とよく似た花姿で、ほっそりとした白い花びらを放射状に開きます。
すらっとした花は萼が淡いクリーム色、雌しべの軸は薄いピンク色をしています。
6-4. 姫月下美人(ヒメゲッカビジン)
ころんと丸みを帯びた白い花が可愛らしい小型の原種です。
一度にたくさんのつぼみを付け、開花すると翌日まで花が咲き続ける花の寿命の長い品種です。
ゲッカビジンよりも花は小ぶりですが、香りが強いのが特徴です。
6-5. 満月美人(マンゲツビジン)
月下美人と姫月下美人の交配種です。
丸みを帯びたふくよかな花びらの小輪の品種です。
美しい白い花をたくさん咲かせます。
6-6. 白眉孔雀(ハクビクジャク)
茎がギザギザした形をしており、低温にも比較的強い品種です。
白い花びらと、オレンジ色がかった黄色い萼とのコントラストが実に美しい品種で、甘酸っぱい香りが特徴です。
6-7. 食用月下美人(ショクヨウゲッカビジン)
ゲッカビジンと同様に白い大輪の花を咲かせます。
ドラゴンフルーツに似た鮮やかな赤い実を付け、白い果肉はさっぱりとした味でほんのり甘みがあります。
7. ゲッカビジン(月下美人)に似た植物(原種、園芸品種・花言葉など)
7-1. クジャクサボテン
クジャクサボテンは、サボテン科クジャクサボテン属(エピフィラム属)の園芸品種です。
赤、ピンク、オレンジ、黄、白など花色が豊富で、小振りの可愛らしい花を咲かせる品種や、30センチほどもある豪華な大輪の花を咲かせる品種があります。
羽を広げた孔雀のように美しいことから「孔雀サボテン(クジャクサボテン)」の名が付けられたと言われています。
又、花が蘭のように美しいことから「オーキッド・カクタス」とも呼ばれています。
花言葉「幸せをつかむ」「あでやかな美人」「儚い美」
7-2. 花盛丸(カセイマル)
サボテン科・エキノプシス属のサボテンです。
日本では大正時代から育てられており、日本の気候でも戸外でそだてられることから、古くから親しまれている品種です。
とても美しく華やかな白い大輪の花を咲かせます。
エキノプシス属は美しい花を咲かせるグループのサボテンとして知られています。
まとめ
ゲッカビジン(月下美人)が花を咲かせるのを1度でも見た人は、その幻想的な光景を忘れないといいます。
育てるのにコツは必要ですが、丹精込めて育てたゲッカビジンが美しく妖艶な花を咲かせた時の感動は何ものにも代えがたいものがあります。
ゲッカビジンの神秘的な美しさと、甘く優美な香りを堪能してみてはいかがでしょうか。
俗説が生まれる程の魅力が分かります。
3. ゲッカビジン(月下美人)について解説
ゲッカビジン(学名: Epiphyllum oxypetalum)サボテン科・クジャクサボテン属の着生サボテンの原種です。
背丈が1〜2メートルほどの大きさになると、葉のように見える平たい茎に花を付けます。
6月〜11月の夜に20センチ以上ある大輪の白い花を咲かせ、翌朝には萎んでしまいます。
下向きに付いたつぼみは徐々に持ち上がって開花します。
これらの特徴に加えて花には甘く強い香りがあることから、小型のコウモリが受粉の手助けをしやすいように進化してきたと考えられています。
3-1. 英語での呼び名
英語では「A queen of a night(夜の女王)」「Dutchmans pipe cactus(オランダ人のパイプのようなサボテン)」と呼ばれています。
3-2. 原産地
原産地はメキシコの熱帯雨林です。
ゲッカビジンが自生しているジャングルでは、朽木、老木の幹、腐葉土などに根を張って生長します。
3-3. ゲッカビジン(月下美人)の名前の由来
昭和天皇が皇太子だった時代に、台湾をご訪問されました。
その時ご覧になった月下美人の花が美しく、そばにいた駐在大使に名前を聞いたところ、「月下の美人です」と答えたことから、「月下美人」という名前が付けられたと伝えられています。
3-4. ゲッカビジン(月下美人)の誕生日花の日
7月19日、8月23日、10月29日の誕生花です。
花が咲いた状態で贈るのは難しいですが、鉢植えを贈って育ててもらいましょう。
開花した姿を目にした時の感動を贈ることにもなります。
4. ゲッカビジン(月下美人)のマメ知識
4-1. ゲッカビジンにまつわる俗説
暗闇に浮かびあがるゲッカビジンの白い花はとても幻想的で妖艶な美しさがあります。
そんな神秘的なイメージのあるゲッカビジンには独特な存在感があり、様々な俗説が生まれました。
全てのゲッカビジン(月下美人)は同じ日に花を咲かせる
ゲッカビジンが日本に入ってきて、1つの株から挿し木などで増やしたクローン株が普及していったことから、全ての花が同じ日に咲くという伝説があります。
しかし実際には、現在は複数の異なる株から作られたクローン株が存在しており、又、開花時期は生育環境にも由来することから、全てのゲッカビジンが同じ日に開花させるということはありません。
ゲッカビジン(月下美人)は1年に1回しか花を咲かせない
一夜で花が萎れてしまうという極めて短い花の寿命と、神秘的なイメージから、ゲッカビジンは、一年のうちでたった一回しか花を咲かせないと言われています。
しかし実際には、株が充実していて環境が良ければ、年に3〜4回花を咲かせることもあります。
株の状態が悪ければ、一度も花を咲かせないこともあります。
ゲッカビジン(月下美人)は新月や満月の日にしか花を咲かせない
ゲッカビジンには月の満ち欠けに合わせた開花のサイクルがあるわけではありませんので、月齢に関係なく花を咲かせます。
4-2. 薬草としてのゲッカビジン(月下美人)
ゲッカビジンは古くから解熱、解毒作用のある薬草として利用されてきました。
他にも便秘を解消したり、大腸熱症状、肺炎、血痰止め、喘息の症状を緩和する効果もあるとされています。
います。
ゲッカビジンはハーブティーとしても飲まれており、甘くフルーティーな香りがあります。
保湿、花粉症、咳、風邪、膀胱炎、便秘、口内炎に効果があると言われています。
4-3. 食用にもされているゲッカビジン(月下美人)
花
ゲッカビジンの花は、開花中のものも、開花後のしぼんだものも食べることができます。
生花は、雄しべごと縦に引き裂いてから茹でて和え物にしたり、天ぷらにしたりして食べられています。
台湾ではゲッカビジンの花を薬膳スープの具材として使っています。
このスープには、高血圧の改善や体脂肪を減らす効果があるとされています。
実
熟した実はドラゴンフルーツに似ていて、赤い果皮の中には白い果肉があって、黒い胡麻のような種子が数多くあります。
果肉はサクサクした食感で、ほんのりと甘みがあります。
そのため古くから日本で栽培されてきたもの以外のクローンを園芸業者が販売する際、家庭用果樹として宣伝し「食用月下美人」の商品名をつけることが多い
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