可憐な花を沢山咲かせるカンパニュラは、花色も豊富で夏の花壇を色とりどりに飾ってくれます。
育てやすい植物で、ガーデニングでもとても人気があります。
そんなカンパニュラについて花言葉や豆知識、育てるコツなどを解説します。
- カンパニュラとはどんな花?
- カンパニュラの花言葉
- カンパニュラについて解説
- カンパニュラのマメ知識
- カンパニュラを育てる時の注意点
- カンパニュラの種類(原種、園芸品種・花言葉など)
- カンパニュラに似た植物(原種、園芸品種・花言葉など)
- まとめ
1. カンパニュラとはどんな花?
カンパニュラは釣鐘型の花が特徴的で、可憐で清楚な花をいくつも咲かせる姿がとても人気があります。
品種が多いカンパニュラは、花の咲き方や花色のバリエーションが豊富です。
卓上で育てられる小型のものから、切り花向けの大型のものまで様々なサイズがあり、庭植えでも鉢植えでも楽しむことができます。
2. カンパニュラの花言葉
「感謝」「誠実な愛」「共感」「節操」「思いを告げる」
カンパニュラは釣鐘型の花をいくつも咲かせます。
その姿を教会の鐘になぞらえて、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
感謝という花言葉をもっているカンパニュラは、プレゼントにもよく使われています。
英語の花言葉は「gratitude(感謝)」「constancy(不変、節操)」です。
3. カンパニュラについて解説
カンパニュラ(学名:Campanula spp. )は、キキョウ科カンパニュラ属(ホタルブクロ属)の多年草です。
5月〜7月に釣鐘型のふっくらとした可愛らしい花を沢山咲かせ、青、紫、ピンク、白など、涼し気で優しい色合いが美しく人気があります。
カンパニュラは300以上の品種があると言われ、品種改良も盛んに行われており、育てやすい性質の園芸品種も多数流通しています。
下向きに花を咲かせる品種や、上向きに花を咲かせる品種があり、花姿のイメージは、品種によりかなり異なります。
ガーデニングだけでなく、切り花としてもよく利用されています。
3-1. 英語での呼び名
英名はBellflowerです。
特徴的なベルの形をした花を付けることから、この名が付けられたと考えられています。
学名のCampanulaは、釣鐘型の花を咲かせることから、ラテン語で鐘を意味する「campana」が語源となっています。
3-2. 原産地
原産地は東ヨーロッパで、北半球の温帯に約300種が自生していると言われています。
日本へは明治時代の初期に渡ってきたと伝えられています。
3-3. カンパニュラの名前の由来
和名は風鈴草(フウリンソウ)です。
風鈴のような形をした花を咲かせることからこの名が付けられたとされています。
釣鐘草(ツリガネソウ)とも呼ばれており、カンパニュラ、ベルフラワーの名称で流通することも多くあります。
3-4. カンパニュラの誕生日花の日
3月7日、4月23日、5月15日、7月8日の誕生花です。
鉢植えやアレンジメントを贈りましょう。
カンパニュラには「感謝」「思いを告げる」などの花言葉がありますので、花言葉を添えて贈るのがおススメです。
4. カンパニュラのマメ知識
カンパニュラにまつわるギリシャ神話
美しい精霊のカンパニュールは、黄金のりんごが実るオリンポスの果樹園を守っていました。
ある時、1人の兵士が果樹園に侵入し黄金のりんごを盗もうとしているのに気づきました。
カンパニュールは銀のベルを鳴らして助けを求めましたが、兵士に命を奪われてしまいました。
カンパニュールの死を悲しんだ花の女神フローラは、彼女をベルの形をした美しい花に変えました。
その花が、カンパニュラだと言われています。
5. カンパニュラを育てる時の注意点
5-1. 栽培環境
カンパニュラは寒さには比較的強いですが、高温多湿は苦手です。風通しが良く、日当たりの良い場所で育てましょう。
日当たりの悪い環境では花を咲かせません。
夏の強い日差しは避けて管理します。
耐寒性はありますが寒さで葉が茶色くなることがありますので、冬は霜に当たらないようにしておきましょう。
5-2. 水やり
鉢植えの場合は、鉢土が十分に乾いてから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
ただし、水の与え過ぎは根腐れをおこして枯れてしまう原因となりますので注意しましょう。
受け皿に水を溜めっぱなしにしておくのも禁物です。
暑くなる夏場の水やりは、気温の上がる時間帯は避けて朝か夕方の涼しい時間帯に行いましょう。
庭植えの場合は、水やりの必要はほとんどありません。
晴天が続いて乾燥し、葉に元気がなくなった時には、水を与えましょう。
5-3. 用土
カンパニュラは、水はけの良い中性〜弱アルカリ性の土を好みます。
鉢植えの場合は、赤玉土6:腐葉土4の割合で配合したものか、市販されている草花用培養土に、少量の石灰を混ぜたものを使用します。
庭植えの場合は、植える場所の土に堆肥と石灰を混ぜてよく耕しておきます。
5-4. 肥料
三要素等量配合の緩効性化成肥料を元肥として土に混ぜておきます。
3月〜9月の成長期には、1500〜2000倍に薄めた草花用の液体肥料を月に2〜3回を目安に与えます。
肥料が強すぎると根が傷んで株を弱らせてしまいますので、注意しましょう。
5-5. 植え付け
9月〜10月か3月〜4月に行います。
鉢植えの場合は、苗よりも一回り大きい鉢を用意して、鉢底石を鉢の高さの1割ほど敷き詰めます。
鉢に用土を入れ苗を置いたら、苗の周りに残りの用土を入れます。
割り箸などを使って、土が隙間なく入っていくようにしましょう。
庭植えの場合は、水はけが良くなるようにあらかじめ20〜30センチほど盛り土をした所に植え付けます。
株と株の間隔が30センチほど空くように植え付けましょう。
株が混みあっていると風通しが悪くなりますので注意しましょう。
5-6. 植え替え
花の咲いていない9月〜10月か3月〜4月に行います。
鉢植えにしている場合は、株の生長と共に鉢の中で根がいっぱい回ってきます。
そのままにしていると根詰まりを起こして生育が悪くなりますので、1〜2年に1度を目安に一回り大きな鉢に植え替えます。
その際には必ず新しい用土を使うようにしましょう。
5-7. 病気、害虫
風通しが悪く、水はけも悪い環境では、菌核病、斑点病、白絹病などが発生することがあります。
菌核病は6月〜9月ごろに発生しやすく、白絹病は5月〜9月ごろに発生しやすい病気です。
斑点病は季節に関わりなく発生します。
病気を発生させないために、風通しと水はけの良い環境で育てるようにしましょう。
春〜初夏と秋にはヨトウムシが付くことがあります。
大量に発生すると葉を食べつくしてしまいますので、早期発見が大切です。
見つけたらすぐに薬剤を散布するなどして駆除しましょう。
5-8. 増やし方
種まき
品種により適した時期は異なります。
素焼きの鉢に種まき用の清潔な用土を入れ、種をまきます。
種に覆土はしません。
乾燥しないように水やりをしながら日陰で管理をしていると、10日ほどで芽が出てきます。
間引きしながら苗を育てましょう。
株分け
花の咲いていない9月〜10月か3月〜4月に行います。
手やナイフで株を分け、それぞれ植え付けます。
あまり小さく分けすぎないようにしましょう。
6. カンパニュラの種類(原種、園芸品種・花言葉など)
6-1. ホタルブクロ
日本、中国、朝鮮半島、シベリアのなどに自生している野草です。
赤紫や白色の、ふっくらとした釣鐘型の花をうつむいたように咲かせます。
葉や花は食用にもなります。
「蛍袋(ホタルブクロ)」の名前は、花の中に蛍を入れて持ち歩いていたことに由来するとされています。
「チョウチンバナ」「ツリガネソウ」「トックリバナ」とも呼ばれています。
6-2. カンパニュラ・ベルフラワー
一般的には「ベルフラワー」として知られる品種です。
草丈は10〜20センチほどで、鉢植えとしてもよく利用されています。
花色は青や紫で、幾つもの小さな花を、ちりばめたように咲かせます。
「乙女桔梗(オトメギキョウ)」とも呼ばれています。
6-3. カンパニュラ・メディウム
最もポピュラーな品種で、「釣鐘草(ツリガネソウ)」とも呼ばれています。
5月〜7月に紫、青、ピンク、白などのふっくらとした釣鐘型の花を咲かせます。
花の大きさは5センチほどで、草丈は50〜150センチほどに生長します。
和名は「風鈴草(フウリンソウ)」です。
園芸品種も多数出回っており、花色のバリエーションが豊富なのも特徴です。
6-4. カンパニュラ・アルペンブルー
カンパニュラを代表する園芸品種で、草丈は20〜30センチとコンパクトで、5月〜7月に青、ピンク、白色の小さく可憐な花を沢山咲かせます。
6-5. カンパニュラ・グロメラータ
「リンドウ咲きカンパニュラ」とも呼ばれ、リンドウのように複数の花を上向きに咲かせます。
高草丈は30〜60センチほどです。
花色は濃い青紫色のほか、ピンクなどもあります。
庭植えにも鉢植えにも向いていることから人気の高い品種です。
和名は「八代草(ヤツシロソウ)」で、日本では熊本県八代市で発見されたことに由来しています。
6-6. カンパニュラ・パーシシフォーリア
葉がモモの葉に似ていることから、「桃葉桔梗(モモバギキョウ)」の和名があります。
美しい紫色や白色の花を咲かせす品種で、八重咲きの品種もあります。
6-7. カンパニュラ・ブルーワンダー
高山性の品種です。
4月〜6月に薄い青紫や白い花を咲かせ、草丈は10〜20センチと小型です。
花は八重咲きで、ミニバラのように可憐な花姿をしているのが特徴です。
7. カンパニュラに似た植物(原種、園芸品種・花言葉など)
7-1. リンドウ(学名:Gentiana scabra)
リンドウ科・リンドウ属の多年草です。
9月〜11月に釣鐘型の花を咲かせます。
青、紫、白、黄、ピンク色をした2センチほどの小さな花を、真っ直ぐに伸びた茎にいくつも付けます。
花は上を向いて咲き、晴れた日にしか開かないのが特徴で、漢字では「竜胆」と書きます。
花言葉「悲しんでいるあなたを愛する」「誠実」「正義」
7-2. キキョウ
科名 / 属名:キキョウ科 / キキョウ属の多年草です。
6月〜10月に白、ピンク、紫色の花を咲かせます。
日本でも草原などに自生していますが、環境の変化などにより、絶滅危惧種になっています。
日本では万葉の時代から観賞されていたと伝えられています。
和名は「桔梗(キキョウ)」で、「アリノヒフキ」、「ボンバナ」、「ヨメトリバナ」の別名もあります。
秋の七草の1つとして広く親しまれている花です。
キキョウ全般の花言葉「永遠の愛」「気品」
紫色のキキョウの花言葉「気品」
白色のキキョウの花言葉「清楚」
7-3. シラー
ユリ科・シラー属のユーラシア大陸・アフリカを原産とする植物で、2月〜6月に、ピンク、紫、青、白などの優しい色の花を多数咲かせます。
草丈は15〜80センチほどで、釣鐘型の花を付ける品種や、星型の小花を付ける品種などがあります。
「ワイルドヒヤシンス」、「オオツルボ」、「スキラ」といった別名で呼ばれることもあります。
花言葉 「変わらない愛」「隠れた価値」「冷静」「さびしさ」「しんぼう強さ」「多感な心」「不変」「哀れ」「恋の呼びかけ」
7-4. ハンショウズル
キンポウゲ科・センニンソウ属の蔓性落葉低木で、日本の固有種です。
本州から九州の山林などに自生しているのを見ることができます。
5月〜6月に、3センチほどの紅紫色をした釣鐘型の花を下向きに咲かせます。
花の形が火事を知らせる半鐘に似ていることから、「半鐘蔓(ハンショウヅル)」の和名が付けられたと考えられています。
ハンショウズルは毒になる成分を持っており、誤って口にすると神経が麻痺するなどの症状が出ます。
花言葉「心の美しさ」「感謝」
7-5. ツリガネニンジン
キキョウ科・ツリガネニンジン属の多年草です。
日本各地の土手や草原などで見ることができる野草で、薄い青紫色のふっくらとした釣鐘型の花を下向きに咲かせます。
根を乾燥させたものは漢方の生薬として利用されており、去痰、健胃の効果があるとされています。
和名の「釣鐘人参(ツリガネニンジン)」は、釣鐘型の花を咲かせ、根が太く朝鮮人参に似ている植物であることに由来していると言われています。
「トトキ」とも呼ばれており、若芽は、山菜のおひたしや天ぷらとして食べられています。
7-6. ハクサンシャジン
キキョウ科・リガネニンジン属の多年草で、ツリガネニンジンの高山型です。
薄い青色をした釣鐘型の花をいくつも咲かせます。
白山に自生するツリガネニンジン(沙参)であることから、「白山沙参(ハクサンシャジン)」の和名が付けられたとされています。
まとめ
園芸品種も多く育てやすいカンパニュラには、涼し気な色合いの花を咲かせる品種が多くあります。
夏の花壇に寄せ植えをして、爽やかなお庭を演出してみてはいかがでしょうか。
まとめ
園芸品種も多く育てやすいカンパニュラには、涼し気な色合いの花を咲かせる品種が多くあります。
夏の花壇に寄せ植えをして、爽やかなお庭を演出してみてはいかがでしょうか。
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