小さく、長いスイセンのような花が下向き加減に咲く、一風変わった花があります。
この花はキルタンサスといい、丈夫で日持ちがするため切り花のアレンジなどでよく見かける花です。
そのうつむきがちな見た目から、個性的な花言葉を持っている花でもあります。
- キルタンサスとはどんな花?
- キルタンサスの花言葉
- キルタンサスについて解説
- キルタンサスのマメ知識
- キルタンサスを育てる時の注意点
- キルタンサスの種類
- キルタンサスに似た植物
- まとめ
1. キルタンサスとはどんな花?
キルタンサスは、ヒガンバナ科キルタンサス属の球根植物です。
多年草で、冬咲きと夏咲きの種があり、それぞれ冬咲きは12月から2月くらいまで、夏咲きは5月から8月くらいまで咲くため、かなり長く楽しめる花と言えます。
分類が細かく、自生種、交配種もたくさんあるのですが、一般的で代表的なものはマッケニーと呼ばれる種です。
暑さに強いうえ、耐寒性もまずまずあり、ガーデニング初心者にも楽しみやすい花です。
1-1. キルタンサスの外見
キルタンサスは別名を笛吹水仙とも言い、その花はスイセンを思わせるものです。
しかし、そのスイセンに似た花は筒状に咲き、花の根元から先までが長く、花の根元が少々たわんで下向きに咲くという変わった花が付きます。
花の色は赤やオレンジ、黄色やピンクなど。
華やかで楽しい植物です。
草丈は20センチから50センチくらい。
これもスイセンに似た直立する長い葉を持ちます。
品種により常緑種であったり半常緑だったりします。
2. キルタンサスの花言葉
キルタンサスはその花の形状からのイメージの花言葉を持っています。
筒形に長く、下を向いて咲く花。
ほかにはあまり見られない、少し珍しい咲き方をする花だけに、花言葉もちょっと変わったものを持っています。
2-1. 「屈折した魅力」
キルタンサスの花は筒状に長くつくため、どうしても根元が弓なりに折れてしまいます。
その折れた状態でも、スイセンにも似た美しい花を咲かせることが由来です。
少しへそ曲がりなパートナーに、ジョークを交えたプレゼントとして贈るのもいいかもしれませんね。
2-2. 「屈折」
こちらも花の咲き方からの花言葉ですが、魅力という言葉が付かないと大変マイナスなイメージの花言葉になってしまいますね。
贈り物にするならこの花言葉については触れない方がよさそうです。
2-3. 「恥ずかしがりや」「はにかみや」
キルタンサスの花は、咲いた時には自らの重さでやや下を向いています。
そのため、そのうつむきがちな花の咲き方から照れたような印象の花言葉が付きました。
似たような花を咲かせ、同じヒガンバナ科のスイセンの花言葉は「うぬぼれ」です。
キルタンサスの小さく可憐な花のおかげかもしれませんね。
2-4. 「ロマンティック」
美しい花が地面を向いている様子は、まるで乙女が物思いにふけるようです。
「はにかみや」にも通ずる花言葉ですが、独特な見た目とは裏腹にかわいらしい花言葉。
キルタンサスを花束にして贈るなら、この言葉を添えて贈るのが一番かもしれません。
3. キルタンサスについて解説
キルタンサスの英名は、原産国南アフリカでの佇まいから来ています。
ロマンティックで雰囲気のある名前がキルタンサスにぴったりです。
また、和名の語源はその花の姿から取られています。
3-1. 英語での呼び名
キルタンサスの英名はファイアーリリーといいます。
その由来は原産国南アフリカにあります。
南アフリカでは、春に野火が多く、炎が収まった後の原野に忽然とキルタンサスが咲いているように見えるのだそうです。
咲いている姿はユリにも見えるため、キルタンサスはファイアーリリー(リリーとはユリのこと)と呼ばれるようになりました。
3-2. 原産地
キルタンサスは南アフリカを原産とします。
自生種としては45〜50種類ものキルタンサスが存在するようです。
日本へは明治の末期から大正期になって入ってきました。
3-3. キルタンサスの名前の由来
キルタンサスとは、ギリシャ語の組み合わせがその由来となっています。
ギリシャ語で「曲がった」を意味する「キュートス」という言葉と、花を意味する「アントス」を組み合わせたものあキルタンサスとなりました。
なお、別名として笛吹水仙、角笛草とも言います。
どちらも花の形のイメージからつけられた呼び名ですね。
3-4. キルタンサスが誕生日花の日
キルタンサスが誕生日花として指定されている日は11月28日と1月22日です。
その頃はちょうど、キルタンサスの花が終わったころ。
この誕生日にあたる人へ、キルタンサスの球根をプレゼントするのもいいかもしませんね。
4. キルタンサスのマメ知識
キルタンサスはヒガンバナ科。
しかし、このヒガンバナ科という分類は、学問上少々やっかいな問題を抱えています。
また、ヒガンバナ科特有の特徴はキルタンサスも持っています。
家庭で楽しむときには注意が必要な場合も。
4-1. 学術上の区分けはユリ科の場合も?
キルタンサスはヒガンバナ科とされていますが、このヒガンバナ科という分類は分類体系が様々にあります。
その分け方によっては、ユリ科に分類されるケースも。
そのため、一概に○○科と言えないのが本当のところです。
なお、キルタンサス以外のヒガンバナ科も、ものによってはネギの仲間とされたり、キジカクシ科の一種とされるなど非常にややこしいことになっています。
4-2. ユリ科はとっても美味しそう
もしキルタンサスがユリ科であるとすると、その仲間はガラッと変わってきます。
ヒガンバナ科であれば、仲間はヒガンバナやスイセン、アマリリスなど、少し独特で雰囲気のある観賞用植物が多くなりますが、ユリ科の代表的な植物はネギ(日本でいう長ネギ)、玉ねぎ、にんにく、ニラ、ラッキョウなど。
もちろんユリやチューリップなど、観賞の植物もありますがなんだかとてもおいしそうに見えてきますね。
4-3. キルタンサスには毒がある?
ヒガンバナ科の植物は毒を持つ花が多いですが、キルタンサスも例外ではありません。
有毒成分はアルカロイド、誤食によって食中毒を引き起こしたケースもあるそうです。
庭植えの際にはペットの誤食に注意しなければいけませんね。
5. キルタンサスを育てる時の注意点
キルタンサスは南アフリカ原産だけあって、日当たりと水はけのよさは必須条件です。
しかし、それさえ守っていればあまり手入れもいらず、初心者にも扱いやすい花と言えます。
寒さにもある程度耐性があり、-2度から-3度くらいまでであれば勝手に越冬する強い植物です。
5-1. 好む環境
庭植え、鉢植ともとにかく日当たりのいい場所を選びます。
土に関しても、水はけさえ良ければ特に手をかけなくても大丈夫です。
赤玉土7に腐葉土3の配合土、あるいは一般的な草花用培養土をそのまま使うのでもOKです。
もし用心するのであれば鹿沼土、軽石、くん炭などを2割程度混ぜ込みましょう。
5-2. 水やりや肥料について
土が乾いたタイミングでたっぷりと与えます。
むしろ加湿によって球根が腐ることがあるので、できる限り乾燥気味に育てるようにしましょう。
肥料もほぼ必要ありません。
ただし、花の開花を進ませるためであれば、新芽の様子を見ながら月に1回程度置き肥をするようにしましょう。
5-3. 気を付けたい病害虫
大変丈夫で、かかりやすい病気はほとんどありません。
つきやすい虫もいないため、室内で育てるのもいいですね。
5-4. ふやし方
生命力が旺盛で、自然に分球して気が付いてら増えているような状態になります。
芽が込み合ってきたら堀り上て株分けしましょう。
タネからふやすことも可能ですが、開花まで4年以上かかってしまいます。
5-5. その他、必要な作業
ほぼ手をかける必要はありません。
ただ、その生命力ゆえ混み合いすぎることも。
その場合花が咲きにくくなったりするので、芽を間引くなどして植えなおすと良く咲きます。
6. キルタンサスの種類
キルタンサスの品種は決して多くありません。
しかし、その独特の花の形と丈夫で栽培しやすい性質はガーデニングに最適。
花のサイズが小さめなので、群生させるように育てると大変見栄えのする庭になりますよ。
なお、品種により冬咲きと夏咲きが分かれます。
6-1. サンギウネウス
夏に咲くタイプの代表的な品種です。
オレンジとピンクを混ぜたような明るい色の花をつけます。
花の形は開きが大きいため、長い壺型というよりはろうとのような形になります。
6-2. バルビフロルス
原種より小さめの花をつける交配種です。
花のサイズこそ小さいですが、濃くハッとするようなピンクの花をつけます。
また、花の数も多いです。
パルビフローラと呼ばれていることもあり、扱う園芸店により表記には揺らぎがあります。
また、パルビフローラという別な植物もあるので注意が必要です。
6-3. エラタス
別名をエラツスとも呼びます。
アマリリスに似た葉と朱色の鮮やかな花をつける球根植物です。
そもそもはバロータ・スペシオサという植物で、学術上の分類が見直され、キルタンサスの仲間となったという変わった経歴があります。
しかし、もともとヒガンバナ科の植物でもあることから、キルタンサスの品種との種間雑種も作られています。
花の色が赤のビーナスや、ピンク色のサターンなどの品種があります。
6-4. マッケニー
キルタンサスの原種とされる品種です。
小さな長い壺状の花と、丈夫で育てやすく、ほのかな香りを漂わせる人気の観葉植物です。
切り花としても人気があり、また日持ちも良くするため花束などにも最適な品種です。
黄色のキングイエロー、純白のマッケニーホワイトなどがあります。
7. キルタンサスに似た植物
キルタンサスはヒガンバナ科で、この科は大変細かく分類され、また分類され直しています。
そのため、今回はキルタンサスと同じくヒガンバナ科の中で、特にキルタンサスに近い植物をご紹介します。
7-1. ヒガンバナ
キルタンサスと同じく、ヒガンバナ科の代表的な植物です。
リコリス、曼殊沙華とも呼ばれます。
その怪しい魅力は古くから園芸用植物として親しまれており、特に欧米では多数の品種が開発されています。
ただし、ヒガンバナは花、茎、葉、球根全てにおいて毒を持つ有毒植物。
最悪の場合死に至るほどの強い毒を有しています。
そんなヒガンバナの花言葉は「情熱」「独立」「再開」「転生」「悲しい思い出」など。
その赤い燃えるような色も相まって、死生観すら漂わせる意味深な花言葉です。
7-2. スイセン
キルタンサスの花とよく似た花を持つスイセン。
ヒガンバナ科スイセン属で、こちらもキルタンサスと同様分類次第でユリ科にもなります。
黄色や白の美しいラッパ状の花を咲かせ、またヒガンバナ科の特徴でもある毒性も持っています。
スイセンは学名をナルシサス、ギリシャ神話のナルキッソスという少年のエピソードから取られています。
ナルキッソスとはナルシストの語源になった少年。
そのため、スイセンも花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」です。
7-3. アマリリス
ヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物です。
ヒガンバナ科の中でもさらにややこしく、アマリリス属という属があるのにその外にいます。
アマリリスの花言葉は「誇り」「おしゃべり」「輝くばかりの美しさ」など。
ギリシャ神話に登場する美しい女羊飼いアマリリスにちなんだ花言葉です。
7-4. アガパンサス
同じヒガンバナ科の中でも特に近いと思われる花がアガパンサスです。
ヒガンバナ科アガパンサス属、原産国は南アフリカです。
アガパンサスはギリシャ神話に登場し、愛にまつわるエピソードを持っています。
そのため、花言葉も愛に関するものが多く、「恋の訪れ」「愛の始まり」「恋の便り」などロマンティックな言葉が並びます。
7-5. キツネノカミソリ
珍しい名前の植物ですが、ヒガンバナ科ヒガンバナ属に属するキルタンサスの仲間です。
尺のある花を広がりがちにつけ、茎は直立します。
キツネノカミソリの花言葉は「妖艶」。
暗がりに育ち、しっとりとした赤の色の花をつけるためにつけられた花言葉だそうです。
まとめ
キルタンサスはそのユニークでかわいらしい姿もさることながら、ほんのりとした甘い香りがあります。
充実した球根であれば6〜10輪くらいの花をつけることもありますし、花もちも3日〜7日程度と長め。
毒を持つという特徴はありますが、大人だけのご家庭にプレゼントとして贈るのには実は適した花でもあります。
ちょっと変わった花言葉と見た目を持つ花ですから、気心の知れたユニークな相手に贈ると喜ばれるかもしれませんね。
5. キルタンサスを育てる時の注意点
キルタンサスは南アフリカ原産だけあって、日当たりと水はけのよさは必須条件です。
しかし、それさえ守っていればあまり手入れもいらず、初心者にも扱いやすい花と言えます。
寒さにもある程度耐性があり、-2度から-3度くらいまでであれば勝手に越冬する強い植物です。
5-1. 好む環境
庭植え、鉢植ともとにかく日当たりのいい場所を選びます。
土に関しても、水はけさえ良ければ特に手をかけなくても大丈夫です。
赤玉土7に腐葉土3の配合土、あるいは一般的な草花用培養土をそのまま使うのでもOKです。
もし用心するのであれば鹿沼土、軽石、くん炭などを2割程度混ぜ込みましょう。
5-2. 水やりや肥料について
土が乾いたタイミングでたっぷりと与えます。
むしろ加湿によって球根が腐ることがあるので、できる限り乾燥気味に育てるようにしましょう。
肥料もほぼ必要ありません。
ただし、花の開花を進ませるためであれば、新芽の様子を見ながら月に1回程度置き肥をするようにしましょう。
5-3. 気を付けたい病害虫
大変丈夫で、かかりやすい病気はほとんどありません。
つきやすい虫もいないため、室内で育てるのもいいですね。
5-4. ふやし方
生命力が旺盛で、自然に分球して気が付いてら増えているような状態になります。
芽が込み合ってきたら堀り上て株分けしましょう。
タネからふやすことも可能ですが、開花まで4年以上かかってしまいます。
5-5. その他、必要な作業
ほぼ手をかける必要はありません。
ただ、その生命力ゆえ混み合いすぎることも。
その場合花が咲きにくくなったりするので、芽を間引くなどして植えなおすと良く咲きます。
6. キルタンサスの種類
キルタンサスの品種は決して多くありません。
しかし、その独特の花の形と丈夫で栽培しやすい性質はガーデニングに最適。
花のサイズが小さめなので、群生させるように育てると大変見栄えのする庭になりますよ。
なお、品種により冬咲きと夏咲きが分かれます。
6-1. サンギウネウス
夏に咲くタイプの代表的な品種です。
オレンジとピンクを混ぜたような明るい色の花をつけます。
花の形は開きが大きいため、長い壺型というよりはろうとのような形になります。
6-2. バルビフロルス
原種より小さめの花をつける交配種です。
花のサイズこそ小さいですが、濃くハッとするようなピンクの花をつけます。
また、花の数も多いです。
パルビフローラと呼ばれていることもあり、扱う園芸店により表記には揺らぎがあります。
また、パルビフローラという別な植物もあるので注意が必要です。
6-3. エラタス
別名をエラツスとも呼びます。
アマリリスに似た葉と朱色の鮮やかな花をつける球根植物です。
そもそもはバロータ・スペシオサという植物で、学術上の分類が見直され、キルタンサスの仲間となったという変わった経歴があります。
しかし、もともとヒガンバナ科の植物でもあることから、キルタンサスの品種との種間雑種も作られています。
花の色が赤のビーナスや、ピンク色のサターンなどの品種があります。
6-4. マッケニー
キルタンサスの原種とされる品種です。
小さな長い壺状の花と、丈夫で育てやすく、ほのかな香りを漂わせる人気の観葉植物です。
切り花としても人気があり、また日持ちも良くするため花束などにも最適な品種です。
黄色のキングイエロー、純白のマッケニーホワイトなどがあります。
7. キルタンサスに似た植物
キルタンサスはヒガンバナ科で、この科は大変細かく分類され、また分類され直しています。
そのため、今回はキルタンサスと同じくヒガンバナ科の中で、特にキルタンサスに近い植物をご紹介します。
7-1. ヒガンバナ
キルタンサスと同じく、ヒガンバナ科の代表的な植物です。
リコリス、曼殊沙華とも呼ばれます。
その怪しい魅力は古くから園芸用植物として親しまれており、特に欧米では多数の品種が開発されています。
ただし、ヒガンバナは花、茎、葉、球根全てにおいて毒を持つ有毒植物。
最悪の場合死に至るほどの強い毒を有しています。
そんなヒガンバナの花言葉は「情熱」「独立」「再開」「転生」「悲しい思い出」など。
その赤い燃えるような色も相まって、死生観すら漂わせる意味深な花言葉です。
7-2. スイセン
キルタンサスの花とよく似た花を持つスイセン。
ヒガンバナ科スイセン属で、こちらもキルタンサスと同様分類次第でユリ科にもなります。
黄色や白の美しいラッパ状の花を咲かせ、またヒガンバナ科の特徴でもある毒性も持っています。
スイセンは学名をナルシサス、ギリシャ神話のナルキッソスという少年のエピソードから取られています。
ナルキッソスとはナルシストの語源になった少年。
そのため、スイセンも花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」です。
7-3. アマリリス
ヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物です。
ヒガンバナ科の中でもさらにややこしく、アマリリス属という属があるのにその外にいます。
アマリリスの花言葉は「誇り」「おしゃべり」「輝くばかりの美しさ」など。
ギリシャ神話に登場する美しい女羊飼いアマリリスにちなんだ花言葉です。
7-4. アガパンサス
同じヒガンバナ科の中でも特に近いと思われる花がアガパンサスです。
ヒガンバナ科アガパンサス属、原産国は南アフリカです。
アガパンサスはギリシャ神話に登場し、愛にまつわるエピソードを持っています。
そのため、花言葉も愛に関するものが多く、「恋の訪れ」「愛の始まり」「恋の便り」などロマンティックな言葉が並びます。
7-5. キツネノカミソリ
珍しい名前の植物ですが、ヒガンバナ科ヒガンバナ属に属するキルタンサスの仲間です。
尺のある花を広がりがちにつけ、茎は直立します。
キツネノカミソリの花言葉は「妖艶」。
暗がりに育ち、しっとりとした赤の色の花をつけるためにつけられた花言葉だそうです。
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