ピラカンサ(Pyracantha spp. )という花(植物)の特徴と名前の由来(英語での呼び方・語源)を説明しながら、「ピラカンサの花言葉とその意味」について紹介していきます。
ピラカンサの花に関する「原産地・開花時期・育て方・種類・似た花」の参考情報を示して、ピラカンサの興味深いマメ知識も解説しています。
- ピラカンサとはどんな花なのか?
- ピラカンサの花言葉
- ピラカンサについての解説
- ピラカンサのマメ知識
- ピラカンサを育てる時の注意点
- ピラカンサの種類(原種・園芸品種の特徴)
- ピラカンサに似た花の特徴・花言葉
- まとめ
1. ピラカンサとはどんな花なのか?
ピラカンサ(Pyracantha spp. )はバラ科ピラカンサ属(トキワサンザシ属)に分類される花で、原産地は日本、中国、インド(ヒマラヤ)、ヨーロッパ南部になります。
ピラカンサは常緑低木で生垣や鉢植えに多用され、花と葉、果実を楽しめます。
春(5月〜6月)にユキヤナギに似た白くて小さな花を密集させて咲かせます。
秋には赤色や薄オレンジ色(橙色)の実を枝に沢山つけます。
日本では日本原産の「トキワサンザシ」が、一般的なピラカンサの「赤色種」として知られています。
橙色(柿色)の実をつける中国原産の「タチバナモドキ」は「柿色種」に分類されます。
2. ピラカンサの花言葉
ピラカンサには、以下のような花言葉があります。
ピラカンサの一般的な花言葉である「美しさはあなたの魅力」「愛嬌」「燃ゆる思い」「快活」「慈悲」「防衛」について、関連エピソードや花言葉の由来・解釈も挿入しながら分かりやすく説明していきます。
2-1. 「美しさはあなたの魅力」
ピラカンサの花言葉は「美しさはあなたの魅力」です。
ピラカンサの樹木を覆い尽くす美しい果実に由来した花言葉です。
「美しさはあなたの魅力」という花言葉を持つピラカンサは、美貌(容姿の美しさ)に優れた意中の人にプレゼントするのに最適の花でしょう。
ストレートに「相手の美」を賛美する花言葉になっています。
2-2. 「愛嬌」
ピラカンサの花言葉は「愛嬌」です。
春にたくさん咲くピラカンサの可愛らしい白い花に由来した花言葉です。
人間関係を円滑にしてくれる最大の武器の一つが「愛嬌」であり、ピラカンサのキュートな花を観賞しながら自分の愛嬌(可愛らしさ)を磨いてみるのも良いでしょう。
2-3. 「燃ゆる思い」
ピラカンサの花言葉は「燃ゆる思い」です。
全身を燃え立たせる炎のようなピラカンサの赤い果実に由来する花言葉です。
秋の季節に眺めるピラカンサは、正に樹木全体が「赤い果実」で燃えているようにも見えるのです。
ピラカンサの赤い実を観賞しながら、自分の中にある「燃ゆる思い(恋愛・仕事への情熱)」を再確認しましょう。
2-4. 「快活」
ピラカンサの花言葉は「快活」です。
生命力に溢れていて勢い良く枝を伸ばしていくピラカンサの特徴から「快活」という花言葉が生まれました。
ピラカンサの可憐な白い花、そして、どこまでも伸びていく元気な枝ぶりが、自分の人生を思いっきり楽しむために「快活さ」が必要なことを教えてくれているようです。
2-5. 「慈悲」
ピラカンサの花言葉は「慈悲」です。
仏教でマイトリーとも呼ばれる「慈悲」は、相手の存在を慈しんで、相手の悲しみ(苦しみ)を取り除いてあげようとする感情です。
人から慈悲の感情を掛けてもらえる事は非常にありがたいことです。
しかし、慈悲を「同情・哀れみ」と捉える人からすれば屈辱に感じられる事もあります。
ピラカンサの花は慈悲のありがたさと同時に、人に慈悲を掛ける難しさも伝えてくれています。
2-6. 「防衛」
ピラカンサの花言葉は「防衛」です。
ピラカンサの樹木は「鋭い棘(とげ)」に覆われていて、人を容易に寄せ付けません。
その棘がある特徴から「防衛」という花言葉が生まれました。
ピラカンサの樹木や果実を観賞しながら、自分が防衛すべきものや気をつけるべき危険なことについて考えてみるのもいいでしょう。
3. ピラカンサについての解説
ピラカンサの「各種情報(英語の呼び名と語源・原産地・名前の由来・エピソード・誕生日花など)」について解説していきます。
3-1. ピラカンサの英語・学名の呼び名と語源について
ピラカンサは英語では、「firethorn(ファイアーソーン)」の表記になります。
「firethorn」とは「fire(火・炎)+thorn(棘・とげ)」で、「火の棘」のことを意味しています。
ピラカンサが秋の季節に真っ赤に燃えるような果実をつけること、ピラカンサの樹木が棘(とげ)で覆われていることに由来しているのです。
ピラカンサの中国名は「火棘(カキョク)」であり、英語名の「firethorn」と同じ意味になっています。
英語も中国語も、ピラカンサの樹木全体を鈴なりに覆うように生る「真っ赤な木の実(火のような実+棘)」に由来しています。
3-2. ピラカンサの原産地と開花期
ピラカンサは学名を「Pyracantha spp. 」といい、原産地は日本や中国、インド(ヒマラヤ地方)、ヨーロッパ南部などの地域になります。
ピラカンサの開花期は「5月〜6月」であり、「白色の小さな花」を密集させた形で咲かせます。
ピラカンサの木の高さは約2〜6メートルで、光沢のある緑色の葉っぱ(線状長楕円形の葉っぱ)も観賞することができます。
秋の季節には、「真っ赤な実」や「橙色・柿色の実」を見て楽しむことができますが、実には毒性があるので食用には適していません。
3-3. ピラカンサの名前の由来
ピラカンサ(Pyracantha)という花の名前は、ギリシア語の「pyro(ピル,火)」と「akantha(アカンサ,棘)」に由来していて、火のように赤い色をした実と棘のある木を意味しているとされます。
ピラカンサの和名は「トキワサンザシ(常盤山査子、常盤山櫨子)」といいます。
常磐は「一年中」という意味で、トキワサンザシが常緑樹である事を示しています。
トキワサンザシは赤色の実をたくさん付けますが、黄色〜オレンジ色の実は「タチバナモドキ(橘擬)」という種類になります。
タチバナモドキは別名を「ホソバノトキワサンザシ」といいます。
3-4. ピラカンサの誕生日花
ピラカンサが誕生日花とされている日は「12月6日」です。
「12月6日」が誕生日の人に、ピラカンサの花言葉である「美しさはあなたの魅力」「愛嬌」「燃ゆる思い」「快活」「防衛」などの美しさや愛嬌の良さを讃える言葉を添えてプレゼントしてみましょう。
ただし、ピラカンサの花言葉である「慈悲」には、上から目線で相手に情けをかけるといった意味合いに取られる恐れもあるので、「慈悲」という花言葉を使う時には相手との関係性に一応注意した方が良いでしょう。
4. ピラカンサのマメ知識
ピラカンサのマメ知識を紹介していきます。
4-1. 日本で「ピラカンサ」と呼ばれる植物は3種類
日本で「ピラカンサ」と呼ばれている花・植物は主に以下の3種類になります。
日本原産で赤い木の実をつける「トキワサンザシ」、インド(ヒマラヤ地方)原産で大きめの赤い実をつける「カデンザマリ(ヒマラヤトキワサンザシ、インドトキワサンザシ)」、橙色(薄オレンジ色)の実をつける中国原産の「タチバナモドキ(ホソバノトキワサンザシ)」の3種類です。
ただし一般的に「ピラカンサ」とだけいう場合には、ヨーロッパ南部原産の「トキワサンザシ」を指示していることが多いのです。
ピラカンサは果実の色の違いで大きく「赤色種」と「柿色種」に分類される事もあります。
4-2. 蘭茂の「眞南本草」に挙げられたピラカンサの中国名の異名
中国雲南省の博物学者である蘭茂(らんも、1397年〜1476年)は、「眞南本(しんなんほんぞう)」という植物学・博物学の本を書き残しています。
「眞南本草」において蘭茂は、ピラカンサのことを「赤陽子(せきようし)」という漢方の生薬として記録しており、赤色あるいは橙色の実が「産後の子宮出血・視力低下・虫下し」などに効き目があるとしているのです。
ピラカンサの現在の中国名は「火棘(かきょく)」ですが、それ以外の当時の呼び名として、「火把果(ひはっか)・救軍粮(きゅうぐんろう)・赤果(せっか)・純陽子(じゅんようし)」などの異名を挙げています。
5. ピラカンサを育てる時の注意点
ピラカンサを育てる時の注意点について説明していきます。
5-1. ピラカンサ栽培に適した日当たり・置き場所
ピラカンサは日陰で栽培できないわけではありませんが、花や実があまりつかないという問題が起こりやすくなります。
そのため、ピラカンサは基本的に日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
ピラカンサの枝は全方向に長く伸びるので、できるだけ広い場所に植えるか、庭で「一本植え」をするようにしましょう。
ピラカンサには一定の耐寒性はありますが、日本の厳しい寒さで枯れる事もあります。
大雪で冷え込むこともある東北地方や北海道の屋外での栽培は困難です。
5-2. ピラカンサの水やり・肥料のポイント
ピラカンサ栽培に適した用土は、鉢植えであれば「赤玉土7:腐葉土3」で混ぜたものを用いますが、地植えで肥沃な土であれば特に土質は選びません。
鉢植えは、土の表面が乾燥したら多めに水やりをしますが、花付き(実付き)を良くするために特に春〜秋の生長期は水切れに気をつけましょう。
鉢植えの肥料は、花が咲く前の3〜4月、花が咲いた後の6〜7月、果実が熟す前の8〜9月の年に3回、化成肥料(あるいは油かす)を与えれば良いでしょう。
地植え(庭植え)の場合は、いったん根付いたら水やりも肥料も特に必要ありません。
5-3. ピラカンサの病気・害虫の注意点
ピラカンサは病気全般に罹りにくいと言われていますが、「春のアブラムシ・夏〜秋のハマキムシ」といった害虫による被害には一定の注意が必要になります。
特にハマキムシの幼虫(約2〜4センチ)は、その名前の通り、糸を吐き出して葉っぱを袋状に巻いてしまうので、ハマキムシがついた葉っぱごと幼虫を駆除するようにして下さい。
ピラカンサの生育を良くして病気・害虫を防ぐために、勢い良く長く伸びていく「徒長枝(とちょうえだ)」を定期的に切り落とす剪定も有効です。
6. ピラカンサの種類(原種・園芸品種の特徴)
ピラカンサの色々な種類・園芸品種とその特徴について紹介していきます。
これらの花の花言葉はピラカンサに準じて「美しさはあなたの魅力」「愛嬌」「燃ゆる思い」「快活」「慈悲」「防衛」などになります。
6-1. トキワサンザシ(P. coccinea)
トキワサンザシ(P. coccinea)はヨーロッパ南部やアジア西部が原産地であり、花期は5〜6月頃で直径8mmのユキヤナギに似た小さな花を咲かせ、秋の11月には燃えるような明るい赤色の実を木全体に大量に付ける特徴があります。
葉は長さ2〜4センチの倒卵形をしていて、先は丸くて縁に細かい鋸歯がついています。
ピラカンサという時には、このトキワサンザシ(P. coccinea)を意味していることが多いのです。
6-2. タチバナモドキ(P. angustifolia)
タチバナモドキ(P. angustifolia)は、中国南西部が原産で別名を「ホソバノトキワサンザシ」ともいいますが、秋の11月頃に「薄オレンジ色・橙色・柿色」の果実をつけます。
このオレンジ色(柿色)の果実の色が、一般的なトキワサンザシとの最大の違いになっています。
タチバナモドキの花期は4〜5月で、小さな白い花が密集して咲きます。
6-3. カデンザマリ(P. crenulata)
カデンザマリ(P. crenulata)は中国西部やインド(ヒマラヤ地方)が原産地であり、トキワサンザシよりも葉っぱの幅が狭くて、長楕円形の歯(約2〜5センチ)には鋸歯がついています。
カデンザマリの別名は、「ヒマラヤトキワサンザシ」「インドトキワサンザシ」になります。
カデンザマリ(P. crenulata)は秋の季節(11月頃)に平ぺったい感じの球形の赤い実をつけますが、直径が約7〜8mmあって、少し大きめの果実になります。
春に咲く花も、トキワサンザシよりも大きさが大きいという特徴を持っています。
7. ピラカンサに似た花の特徴・花言葉
ピラカンサに似たバラ科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
7-1. アンズ(Prunus armeniaca)
アンズ(学名Prunus armeniaca)はバラ科サクラ属に分類される中国原産の落葉樹で、春には薄い紅色のウメに似た可愛らしい花を咲かせます。
アンズの品種は大きく、朝鮮半島から日本に伝わった「東亜系」と中央アジア・ヨーロッパ方面に伝わった「欧州系」に分けられます。
東亜系はウメに近い酸味の強い酸っぱいアンズですが、欧州系はそのまま生で食べられる甘味の強さが特長になっています。
アンズの種から「杏仁霜(きょうにんそう)」という杏仁豆腐の風味付けの材料が作られます。
アンズの花言葉は、「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」になります。
7-2. ウメ(梅、Prunus mume)
ウメ・梅(学名Prunus mume)はバラ科サクラ属に分類される中国原産の花で、日本では奈良時代以前から「観賞用の美しく清楚な花」として愛されてきました。
江戸時代以降は日本の花といえば「サクラ(桜)」になってきますが、それ以前はこの「ウメ(梅)」の方が日本人にとってメジャーな花だったのです。
太宰府天満宮に祀られる学問の神様・菅原道真公がこよなく愛した花としても知られます。
ウメ(梅)の花言葉は、「高潔」「忠実」「忍耐」という高潔で硬派な内容になります。
7-3. ユキヤナギ(Spiraea thunbergii)
ユキヤナギ(学名Spiraea thunbergii)はバラ科シモツケ属に分類される花で、株元から沢山の枝を伸ばしながら柳のように枝垂れ、3〜5月の春に可憐な白い花を多く咲かせます。
ユキヤナギは昔から「庭園・生け花・切花」に利用されてきた花で、中国名を「噴雪花」といいます。
「雪柳(ユキヤナギ)」の名前は、柳のような細長い枝垂れた枝に、雪のような白い小花が降り積もったように見える事に由来しています。
ユキヤナギの花言葉は、「愛らしさ」「気まま」「殊勝」になります。
まとめ
ピラカンサ(英語名firethorn、学名Pyracantha)は、バラ科ピラカンサ属(トキワサンザシ属)に分類される日本、中国、インド、ヨーロッパ南部が原産の常緑低木です。
春の季節(5月〜6月)に、「白色の小さな花」が密集して咲きますが、秋の季節になると「赤色の果実」を観賞する事もできます。
ピラカンサは耐寒性も耐暑性もある程度高いので、日本の気候風土で育成しやすい樹木です。
ピラカンサの一般的な花言葉は、「美しさはあなたの魅力」「愛嬌」「燃ゆる思い」「快活」「慈悲」「防衛」になります。
ピラカンサの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
5. ピラカンサを育てる時の注意点
ピラカンサを育てる時の注意点について説明していきます。
5-1. ピラカンサ栽培に適した日当たり・置き場所
ピラカンサは日陰で栽培できないわけではありませんが、花や実があまりつかないという問題が起こりやすくなります。
そのため、ピラカンサは基本的に日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
ピラカンサの枝は全方向に長く伸びるので、できるだけ広い場所に植えるか、庭で「一本植え」をするようにしましょう。
ピラカンサには一定の耐寒性はありますが、日本の厳しい寒さで枯れる事もあります。
大雪で冷え込むこともある東北地方や北海道の屋外での栽培は困難です。
5-2. ピラカンサの水やり・肥料のポイント
ピラカンサ栽培に適した用土は、鉢植えであれば「赤玉土7:腐葉土3」で混ぜたものを用いますが、地植えで肥沃な土であれば特に土質は選びません。
鉢植えは、土の表面が乾燥したら多めに水やりをしますが、花付き(実付き)を良くするために特に春〜秋の生長期は水切れに気をつけましょう。
鉢植えの肥料は、花が咲く前の3〜4月、花が咲いた後の6〜7月、果実が熟す前の8〜9月の年に3回、化成肥料(あるいは油かす)を与えれば良いでしょう。
地植え(庭植え)の場合は、いったん根付いたら水やりも肥料も特に必要ありません。
5-3. ピラカンサの病気・害虫の注意点
ピラカンサは病気全般に罹りにくいと言われていますが、「春のアブラムシ・夏〜秋のハマキムシ」といった害虫による被害には一定の注意が必要になります。
特にハマキムシの幼虫(約2〜4センチ)は、その名前の通り、糸を吐き出して葉っぱを袋状に巻いてしまうので、ハマキムシがついた葉っぱごと幼虫を駆除するようにして下さい。
ピラカンサの生育を良くして病気・害虫を防ぐために、勢い良く長く伸びていく「徒長枝(とちょうえだ)」を定期的に切り落とす剪定も有効です。
6. ピラカンサの種類(原種・園芸品種の特徴)
ピラカンサの色々な種類・園芸品種とその特徴について紹介していきます。
これらの花の花言葉はピラカンサに準じて「美しさはあなたの魅力」「愛嬌」「燃ゆる思い」「快活」「慈悲」「防衛」などになります。
6-1. トキワサンザシ(P. coccinea)
トキワサンザシ(P. coccinea)はヨーロッパ南部やアジア西部が原産地であり、花期は5〜6月頃で直径8mmのユキヤナギに似た小さな花を咲かせ、秋の11月には燃えるような明るい赤色の実を木全体に大量に付ける特徴があります。
葉は長さ2〜4センチの倒卵形をしていて、先は丸くて縁に細かい鋸歯がついています。
ピラカンサという時には、このトキワサンザシ(P. coccinea)を意味していることが多いのです。
6-2. タチバナモドキ(P. angustifolia)
タチバナモドキ(P. angustifolia)は、中国南西部が原産で別名を「ホソバノトキワサンザシ」ともいいますが、秋の11月頃に「薄オレンジ色・橙色・柿色」の果実をつけます。
このオレンジ色(柿色)の果実の色が、一般的なトキワサンザシとの最大の違いになっています。
タチバナモドキの花期は4〜5月で、小さな白い花が密集して咲きます。
6-3. カデンザマリ(P. crenulata)
カデンザマリ(P. crenulata)は中国西部やインド(ヒマラヤ地方)が原産地であり、トキワサンザシよりも葉っぱの幅が狭くて、長楕円形の歯(約2〜5センチ)には鋸歯がついています。
カデンザマリの別名は、「ヒマラヤトキワサンザシ」「インドトキワサンザシ」になります。
カデンザマリ(P. crenulata)は秋の季節(11月頃)に平ぺったい感じの球形の赤い実をつけますが、直径が約7〜8mmあって、少し大きめの果実になります。
春に咲く花も、トキワサンザシよりも大きさが大きいという特徴を持っています。
7. ピラカンサに似た花の特徴・花言葉
ピラカンサに似たバラ科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
7-1. アンズ(Prunus armeniaca)
アンズ(学名Prunus armeniaca)はバラ科サクラ属に分類される中国原産の落葉樹で、春には薄い紅色のウメに似た可愛らしい花を咲かせます。
アンズの品種は大きく、朝鮮半島から日本に伝わった「東亜系」と中央アジア・ヨーロッパ方面に伝わった「欧州系」に分けられます。
東亜系はウメに近い酸味の強い酸っぱいアンズですが、欧州系はそのまま生で食べられる甘味の強さが特長になっています。
アンズの種から「杏仁霜(きょうにんそう)」という杏仁豆腐の風味付けの材料が作られます。
アンズの花言葉は、「臆病な愛」「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」になります。
7-2. ウメ(梅、Prunus mume)
ウメ・梅(学名Prunus mume)はバラ科サクラ属に分類される中国原産の花で、日本では奈良時代以前から「観賞用の美しく清楚な花」として愛されてきました。
江戸時代以降は日本の花といえば「サクラ(桜)」になってきますが、それ以前はこの「ウメ(梅)」の方が日本人にとってメジャーな花だったのです。
太宰府天満宮に祀られる学問の神様・菅原道真公がこよなく愛した花としても知られます。
ウメ(梅)の花言葉は、「高潔」「忠実」「忍耐」という高潔で硬派な内容になります。
7-3. ユキヤナギ(Spiraea thunbergii)
ユキヤナギ(学名Spiraea thunbergii)はバラ科シモツケ属に分類される花で、株元から沢山の枝を伸ばしながら柳のように枝垂れ、3〜5月の春に可憐な白い花を多く咲かせます。
ユキヤナギは昔から「庭園・生け花・切花」に利用されてきた花で、中国名を「噴雪花」といいます。
「雪柳(ユキヤナギ)」の名前は、柳のような細長い枝垂れた枝に、雪のような白い小花が降り積もったように見える事に由来しています。
ユキヤナギの花言葉は、「愛らしさ」「気まま」「殊勝」になります。
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