ワスレナグサ(勿忘草、学名Myosotis scorpioides)という花(植物)の特徴と名前の由来(英語での呼び方・語源)を説明しながら、「ワスレナグサの花言葉とその意味」について紹介していきます。
ワスレナグサの花に関する「原産地・開花時期・種類・似た花」の参考情報を示して、ワスレナグサの興味深いマメ知識も解説しています。
- ワスレナグサ(勿忘草)とはどんな花なのか?
- ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉
- ワスレナグサ(勿忘草)についての解説
- ワスレナグサ(勿忘草)のマメ知識
- ワスレナグサ(勿忘草)を育てる時の注意点
- ワスレナグサの種類(原種・園芸品種の特徴)
- ワスレナグサに似た花の特徴・花言葉
- まとめ
1. ワスレナグサ(勿忘草)とはどんな花なのか?
ワスレナグサ(勿忘草、英語名 forget-me-not、学名Myosotis scorpioides)は、ムラサキ科ワスレナグサ属に分類される一年草で、ヨーロッパ(暑すぎない世界の温帯)が原産地です。
夏の暑さが厳しくないヨーロッパでは、ワスレナグサは多年草として扱われますが、日本では夏を越せないので一年草の扱いです。
ワスレナグサは春の季節(4月〜6月)に、「青色・紫色・白色・ピンク色」などパステルカラーっぽい色調の可憐な花を沢山咲かせます。
鮮やかで柔らかいブルーのワスレナグサが一面に咲き誇っている景観は爽快です。
2. ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉
ワスレナグサ(勿忘草)には、以下のような花言葉があります。
ワスレナグサの一般的な花言葉である「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛(真実の愛)」について、関連エピソードや花言葉の由来・解釈も挿入しながら分かりやすく説明していきます。
2-1. 「私を忘れないで」
ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉は「私を忘れないで」です。
この花言葉は中世ドイツの悲恋伝説に登場する騎士の主人公が、恋人に残した言葉が元になっていますが、ワスレナグサはその植物の名前そのものが花言葉を示唆しています。
永遠に離れたくない特別なパートナーや親友に対して、「私を忘れないで」の切実なメッセージを持つ美しいワスレナグサを贈ってみて下さい。
きっとあなたの気持ちが伝わります。
2-2. 「真実の友情」
ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉は「真実の友情」です。
ワスレナグサの花言葉は「異性のパートナーとの深い愛情」だけではなく、「同性・異性の友達との深い友情」も意味しているのです。
長年の付き合いのある唯一無二の親友、そんなかけがえのない大切な友達があなたにいるのであれば、このワスレナグサを親友の誕生日や記念日に贈ってあげて下さい。
2-3. 「誠の愛(真実の愛)」
ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉は「誠の愛(真実の愛)」です。
ワスレナグサの花言葉は「私を忘れないで」と「誠の愛(真実の愛)」が一つに合わさることで、「永遠不変の愛」という素晴らしい意味合いを帯びることになるのです。
嘘偽りのない「誠の愛・真実の愛」を共有することができるパートナーと一緒に、ワスレナグサの花を観賞してみましょう。
2-4. ワスレナグサの西欧における花言葉:「true love(真実の愛)」「memories(思い出)」
ワスレナグサの西欧における花言葉は、「true love(真実の愛)」「memories(思い出)」です。
ワスレナグサ(勿忘草)は日本語名・和名に、「私を忘れないで下さい」という意味が込められていますが、ドイツ語や英語にも同様の意味があります。
ワスレナグサのドイツ名は「vergissmeinnicht(私を忘れないで)」であり、英名は「forget-me-not(私を忘れないで)」なのです。
決して相手を裏切ることのない「真実の愛」と関係して、「私を忘れないで」の強いメッセージが込められています。
3. ワスレナグサ(勿忘草)についての解説
ワスレナグサ(勿忘草)の「各種情報(英語の呼び名と語源・原産地・名前の由来・エピソード・誕生日花など)」について解説していきます。
3-1. ワスレナグサ(勿忘草)の英語・学名の呼び名と語源について
ワスレナグサの植物の名前は英語では「forget me not」といい、学名は「Myosotis scorpioide」といいます。
現在の英語で「私を忘れないで」を表現すれば「don’t forget me」になりますが、16世紀以前の中世ヨーロッパの英語では語順が入れ替わって「forget me not」になるのです。
学名「Myosotis」の語源は、ギリシア語の「mys(ハツカネズミ)」と「ous(耳)」にあるとされ、ワスレナグサの葉っぱの形がハツカネズミの耳のように見えることに由来しています。
3-2. ワスレナグサ(勿忘草)の原産地と開花期
ワスレナグサは学名を「Myosotis scorpioides」といい、原産地はヨーロッパや東アジアをはじめとする世界の温帯・亜寒帯地域になります。
日本ではワスレナグサの一種のエゾムラサキ(Myosotis sylvatica)が自生していて、エゾムラサキのことをワスレナグサと呼ぶことが多くなっています。
ワスレナグサの開花期は「3月〜6月」で花期が長く、「青色・紫色・ピンク色・白色」などの色鮮やかな小さな花(直径6〜9mm)をたくさん咲かせます。
草丈は約15〜50センチで種類によって背丈が変わり、ワスレナグサの花持ちは「約2〜5日間」になります。
3-3. ワスレナグサ(勿忘草)の名前の由来
ワスレナグサ(勿忘草)という花の名前は、英語名の「forget me not」よりもドイツ語名の「vergissmeinnicht(私を忘れないで)」のほうが歴史が古く、中世ドイツの悲恋伝説が由来になっています。
青年騎士のドルフは、恋人ベルタのためにドナウ川の岸辺に咲く美しい花を摘みに行きますが、足を滑らせて川の激流に流されました。
ドルフは最後の力を振り絞って、その美しい花を岸に投げ入れ、恋人ベルタに「私を忘れないで」という言葉だけを残して川の中に姿を消してしまったのです。
この悲しい恋の伝説が由来となって、「ワスレナグサ(勿忘草)」の名前が生まれたのです。
3-4. ワスレナグサ(勿忘草)の誕生日花
ワスレナグサ(勿忘草)が誕生日花とされている日は「2月7日、2月29日、3月15日、4月5日」です。
「2月7日、2月29日、3月15日、4月5日」が誕生日の人に、ワスレナグサの花言葉である「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛(真実の愛)」などの私のことを絶対に忘れないで愛してほしいという言葉を添えてプレゼントしてみましょう。
ワスレナグサは「愛情・友情・忘れないでいること(記憶)」に象徴される他者との深いつながりを思い出させてくれる花なのです。
4. ワスレナグサ(勿忘草)のマメ知識
ワスレナグサ(勿忘草)のマメ知識を紹介していきます。
4-1. ワスレナグサは日本では一年草として扱われる:ワスレナグサの花の特徴
ワスレナグサはヨーロッパやアジアの原種では「多年草」として扱われていますが、日本では「一年草」の扱いになっています。
それはワスレナグサは耐暑性が低くて暑さに弱いので、春に花を咲かせた後に枯れてしまうことが多いからです。
耐寒性があり、こぼれ種で増えるので育てやすい植物とされます。
春の花期には、伸びた茎の上部に花序を形成し、花径6〜9㎜の青色・紫色の小花を多く咲かせます。
ワスレナグサの花は先端が5つに分かれ、中心部に黄色(白色)の目が入る配色になっています。
花は蕾の段階では薄桃色、開花すると青色に変わります。
4-2. 園芸では「エゾムラサキ(Myosotis sylvatica)」がワスレナグサと呼ばれやすい
ワスレナグサは北半球の温帯・亜寒帯を中心に「約50種類」以上が存在する一年草・多年草です。
世界中の広い範囲にワスレナグサは自生していますが、日本にもワスレナグサの一種「エゾムラサキ」が自生して観賞用としても利用されています。
元々のワスレナグサの原種は、ヨーロッパやシベリアに分布するスコルピオイデス種のシンワスレナグサですが観賞用としては適さないため、園芸ではエゾムラサキやアルペストリス種(M. alpestris,アラスカ高山帯が原産)、ノハラワスレナグサ (M. alpestris)がワスレナグサと呼ばれています。
4-3. ワスレナグサは尾崎豊の楽曲「Forget-me-not」でも歌われている
若くしてこの世を去った悲劇・反骨のアーティストとして知られる尾崎豊(1965〜1992)ですが、尾崎豊が10代最後に書いた曲に「Forget-me-not」というタイトルの歌があります。
尾崎豊のバラード曲「Forget-me-not」のタイトルの意味は、そのまま「ワスレナグサ(勿忘草)」になっています。
この歌の歌詞に、「君がおしえてくれた花の名前は街にうもれそうな小さなわすれな草」という哀愁に満ちたフレーズが出てくるのです。
5. ワスレナグサ(勿忘草)を育てる時の注意点
ワスレナグサ(勿忘草)を育てる時の注意点について説明していきます。
5-1. ワスレナグサ栽培に適した日当たり・置き場所
ワスレナグサの栽培には日当たりが良くて水はけの良い場所が適していますが、日本では東北地方より北の寒冷な地域でなければ「夏越し」は難しいでしょう。
ワスレナグサの「花付き苗」であれば、日当たりがやや弱い「半日蔭の環境」でも栽培することはできます。
耐寒性が非常に強いので、日本では「霜対策(不織布・敷き藁を利用した霜対策)」をしっかりとやれば、北海道でも「冬越し」をすることが可能です。
5-2. ワスレナグサの水やり・肥料のポイント
ワスレナグサは「水切れ」に注意が必要な植物で、常に土を一定以上、湿らしておいた方がいいでしょう。
鉢植えの場合は、夏も冬も用土の表面が乾いたら、たっぷりと多めに水を与えるようにして下さい。
庭植え(地植え)の場合は、鉢植えのように頻繁な水やりは不要ですが、雨が降らず乾燥が続く時は水やりをしましょう。
肥料は「元肥」として緩効性化成肥料を用土に混ぜておき、「追肥」は薄めた液体肥料を施しますが、肥料をやりすぎると花付きが悪くなるので肥料の量を調整しながら与えましょう。
5-3. ワスレナグサの病気・害虫の注意点
ワスレナグサが罹りやすい病気には「灰色かび病」があります。
日照量が少なかったり風通しが悪くて「多湿な環境」になると、灰色カビが繁殖する病気のリスクが上がります。
傷んだ花や葉っぱにもカビがつきやすいので、早めに摘み取るようにしましょう。
ワスレナグサにつきやすい害虫に「アブラムシ」がいますが、風通しを良くすることで発生を防ぎやすくなります。
アブラムシが発生したら、早めに専用殺虫剤で防除しましょう。
6. ワスレナグサの種類(原種・園芸品種の特徴)
ワスレナグサの色々な種類・園芸品種とその特徴について紹介していきます。
これらの花の花言葉はワスレナグサに準じて「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛(真実の愛)」などになります。
6-1. シンワスレナグサ(Myosotis scorpioides)
シンワスレナグサ(Myosotis scorpioides)は、ヨーロッパ原産のワスレナグサの原種(基本種)であり、種類名の「scorpioides」は「サソリの尾に似た」という意味を持っています。
シンワスレナグサの花序はサソリの尾のように曲がった形状をしていることから、「Myosotis scorpioides」と命名されました。
3月から6月にかけて、薄青色の花をたくさん咲かせますが、ノハラワスレナグサなどの園芸品種と比較すると、花の青色が鮮やかではなく見栄えがしないので、観賞用としてはあまり向かないとされています。
6-2. ノハラワスレナグサ (M. alpestris)
ノハラワスレナグサ (M. alpestris)は、エゾムラサキと並んで日本の園芸業界で多く流通しているワスレナグサの一種で、3月から6月に咲く花には青みが強いという特徴があり、「薄青色(パステル調の青色)・鮮やかな青色」の花を咲かせてくれます。
種類名の「alpestris」には「亜高山の、草本帯の」という意味があります。
ノハラワスレナグサの英名は「alpine forget-me-not」となり、「高山・高原のワスレナグサ」という意味になります。
6-3. エゾムラサキ (M. sylvatica、ミヤマワスレナグサ、ムラサキグサ)
日本の園芸業界でワスレナグサとして多く流通しているのが、このエゾムラサキ (M. sylvatica)です。
エゾムラサキは別名をミヤマワスレナグサやムラサキグサともいいますが、種類名の「sylvatica」には「森の」という意味があります。
3月から6月に、パステル調の青色や薄紫色の鮮やかな花を咲かせますが、萼(がく)に鉤状の毛が生えています。
ワスレナグサ属の中では唯一の日本在来種であり、エゾムラサキの元々の自生地は「北海道根室付近」と「長野県の松本盆地」でした。
7. ワスレナグサに似た花の特徴・花言葉
ワスレナグサに似たムラサキ科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
7-1. ヘリオトロープ
ヘリオトロープ(学名Heliotropium arborescens)はムラサキ科キダチルリソウ属に分類される花で、南米のペルーが原産地です。
ヘリオトロープは5月〜7月の初夏に、バニラのような甘い香りがする紫色や白色の可憐な花を咲かせてくれます。
お菓子のような甘い香りがすることから、英語名を「Cherry pie」ともいいます。
属名の学名「Heliotropium(ヘリオトロビウム)」は、ギリシア語の「helios(太陽)」と「trope(向く)」が語源で、花が太陽に向かって咲く事に由来しています。
ヘリオトロープの花言葉は、「献身的な愛」「夢中」「熱望」になります。
7-2. シノグロッサム(シナワスレグサ)
シノグロッサム(シナワスレグサ、Cynoglossum amabile)はムラサキ科オオルリソウ属に分類される花で、原産地は東アジア・中央アジア・中国西部(チベット)になります。
シノグロッサムは草丈が約50センチで、一般的なワスレナグサよりも背丈が高いという特徴があり、5月〜6月の春に直径約5〜6mmの紫色や白色、ピンク色の可愛い小花をたくさん咲かせます。
シノグロッサム(シナワスレグサ)の花言葉は、「真実の愛」というワスレナグサとも重なる素晴らしいものになっています。
まとめ
ワスレナグサ(勿忘草、英語名 forget-me-not、学名Myosotis scorpioides)は、ムラサキ科ワスレナグサ属に分類される一年草で、ヨーロッパをはじめとする世界の温帯・亜寒帯が原産地になっています。
ワスレナグサは春の季節(3月〜6月)に、「青色・紫色・白色・ピンク色」などのパステルカラーに似た色調の可憐な花を咲かせてくれます。
ワスレナグサの一般的な花言葉は、「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛(真実の愛)」になります。
ワスレナグサの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
まとめ
ワスレナグサ(勿忘草、英語名 forget-me-not、学名Myosotis scorpioides)は、ムラサキ科ワスレナグサ属に分類される一年草で、ヨーロッパをはじめとする世界の温帯・亜寒帯が原産地になっています。
ワスレナグサは春の季節(3月〜6月)に、「青色・紫色・白色・ピンク色」などのパステルカラーに似た色調の可憐な花を咲かせてくれます。
ワスレナグサの一般的な花言葉は、「私を忘れないで」「真実の友情」「誠の愛(真実の愛)」になります。
ワスレナグサの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
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