アザレアは1800年代初頭にベルギーのプラントハンタがアジアのツツジ類をベルギーに持ちかえり、ヨーロッパで主に室内観賞用の鉢物として改良されたものです。
台湾のタイワンヤマツツジを母体に日本のサツキ、リュウキュウツツジ、ケマラツツジなどを複雑に交雑させて作られたものです。
日本には明治時代に新たな園芸種の「西洋ツツジ」として入ってきました。
- アザレアとはどんな花?
- アザレアの花言葉
- アザレアの色別の花言葉
- アザレアについて解説
- アザレアを育てる時の注意点
- アザレアの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- アザレアに似た植物(花言葉や特徴)
- まとめ
1. アザレアとはどんな花?
アザレアの花はツツジやアサガオと同じ合弁花(ごうべんか)で花弁の一部がつながっています。
花色はピンク、赤、白など明るい色が多く、また八重咲きやフリル咲きなどバラエティに富んだ花をつけます。
ツツジ類の中でもアザレアは特に花が大きく豪華で華やかです。
温室で開花調整されるため冬物の鉢物としてよく出回りますが、本来の開花期は春です。
2. アザレアの花言葉
2-1. 「禁酒」
アザレアが生まれたビクトリア朝の人々は禁酒を支持していることを表すためにアザレアの花を用いたと言われています。
これはアザレアの名前が「乾燥」に由来しているためです。
dry(ドライ)は乾燥するという意味のほかにも禁酒という意味を持っています。
2-2. 「節制」
ビクトリア朝時代に考えられた花言葉です。
アザレアは自ら整った状態に枝を伸ばしてくれるとイギリスの庭師が考えたため、自己管理ができるということから「節制」という花言葉がつけられたといわれています。
3. アザレアの色別の花言葉
3-1. 白色のアザレアの花言葉「充足」 「満ち足りた心」 「あなたに愛されて幸せ」 「愛を知った喜び」
白いアザレアはまるで純白のドレスを着ている花嫁のように見えます。
このアザレアの花姿が「愛され」「満ち足りた」「喜び」を感じて「充足」している結婚式当日の花嫁の心境を伝えているものですね。
3-2. 赤色のアザレアの花言葉「節制」「規律正しく」
こちらも全般のものと同じ「節制」が含まれます。
節制とはセルフコントロールできるということ。
「規律正しく」はそんな花言葉から広がったといわれています。
3-3. ピンク色のアザレアの花言葉「青春の喜び」
ピンク色のイメージは「春」「若い」「幸福」などのイメージがあります。
ひらひらとした花びらを持つアザレアは「青春の喜び」を花全身で表現しているかのようです。
4. アザレアについて解説
4-1. 英語での呼び名
ベルギーのツツジ類という意味の「Belgian azalea(ベルジアン・アザレア)」です。
4-2. 原産地
品種改良種のため原産地はありません。
4-3. アザレアのマメ知識
アザレアは毒がある
実はアザレアは他のツツジ科植物と同じく全体に毒を持っている有毒植物です。
その毒とはグラヤノトキシンとロードヤポニンで中毒症状は嘔吐、痙攣などがありますが、重症になると昏睡状態になることもあります。
戦時中のころに甘味に飢えていたこどもたちが花の蜜をのんだため、嘔吐や下痢になる子供が多かったといわれています。
アザレアとツツジ、サツキ、シャクナゲの見分け方
アザレアはツツジやサツキ、シャクナゲを交雑して作られた種でとてもよく似ている姿をしています。
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見分け方のポイント「葉の形」
ツツジの葉は全般的に柔らかく毛が密集して生えています。
サツキの葉は小さくかたくてツヤがあり、あまり毛は生えていません。
シャクナゲの葉は長楕円形で肉厚で、輪生してやや垂れ下がっています。
アザレアの葉は楕円形で厚みがありシャクナゲに少し似ていますが葉は小さめです。 -
見分け方のポイント「開花期」
ツツジの開花期は3月〜5月ごろです。
ツツジは1株で一斉に花をつけます。
シャクナゲとアザレアは4月〜5月ごろに開花期を迎えます。
アザレアはツツジと同じで1株で一斉に花をつけます。
一方サツキの開花期は5月〜6月頃と少し遅れて咲きます。
サツキは1株で1週間程度をかけて順次に咲いていきます。
またサツキの花色は赤や紅赤色が多いことも特徴です。
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見分け方のポイント「花」
アザレアの花は一重咲き、八重咲き、フリル咲きとたくさんありますが、ベースの花は5弁の合弁花です。
木の大きさにくらべて大輪の花を咲かせるのが特徴です。
ツツジも花は5弁の合弁花ですが木の大きさにくらべると花の大きさはアザレアほど大きくはありません。
花のつき方はひとつの枝先から3輪の花を咲かせます。
サツキの花はツツジよりもやや小型です。
花のつき方はひとつの枝先から1輪〜3輪の花を咲かせます。
シャクナゲもやはり合弁花で、枝先に球状にこんもりとした花5輪以上ものをつけます。
また球状になった花の下を囲むように輪状になった葉が長楕円形の葉がリボンのようにつくのが特徴です。
4-4. アザレアの名前の由来
「アザレア(Azalea)」とは英語でツツジ属全般を意味します。
日本では西洋で品種改良されたツツジ類を「アザレア」とよんでいます。
英名「Azalea」の名前の由来
英名のAzaleaはスウェーデンの植物学者で分類学者であるカール・フォン・リンネ(Carl von Linne )が命名した属名でギリシャ語の「azaleos(乾燥)」に由来しています。
学名「Rhododendron simsii cultivar」の名前の由来
学名の「Rhododendron(ロードデンドロン)」とはシャクナゲの学名です。
「rhodon(ロードン)」は薔薇(rose)、「dendron」とは木(tree)を意味します。
この二つの合成語で「薔薇の木」という意味です。
また「simsii(シムシー)」とは19世紀のイギリスの植物学者で分類学者John Sims(ジョン・シムズ)の名前からつけられました。
「cultivar(カルティヴァー)」とは園芸品種をさします。
4-5. アザレアの誕生日花の日
3月4日、3月7日、3月10日、3月25日、5月16日、8月4日、11月28日、11月29日、12月13日
白色のアザレアの誕生日花の日
1月8日、3月9日
赤色のアザレアの誕生日花の日
3月22日、8月8日、12月22日
ピンク色のアザレアの誕生日花の日
3月18日、3月19日
5. アザレアを育てる時の注意点
5-1. 場所
アザレアはおひさまが大好きです。
日当たりのよい場所で育てます。
ですが、真夏の直射日光に当たると葉が焼けてしまったり乾燥しすぎてしまうため、半日陰や木漏れ日が注ぐような場所に置きます。
環境を変えすぎるとストレスを感じて花が早く終わってしまうことがあるのであまり場所を変えないほうが長く花を楽しむことができます。
室内で育てている場合は乾燥した風にあたるとツボミが落ちたり花が傷んでしまうので、暖房機やクーラーの風に当たらないように気をつけましょう。
5-2. 水やり・肥料
水やり
水やりは基本的に土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
アザレアは花が咲いているときには水をよく吸うため土が乾きやすくなります。
水が切れるとアザレアの花はしおれてしまうため、開花中には土が乾燥しないよう注意します。
肥料
開花時期や9月以降に肥料を与えすぎると花つきが悪くなるため、花が咲いている間は肥料を与えません。
アザレアは夏に花芽をつけるため、花の咲き終わった後から9月頃まで液体肥料を週に1回与えます。
5-3. 植え付け・植え替え
用土
アザレアは酸性の土を好みます。
鹿沼土7、ピートモス3を混合した配合土かアザレア・ツツジの専用土か、ブルーベリーの土を使います。
一般的な「花と野菜の培養土」などは酸性じゃないので枯れてしまうことがあるので避けたほうがよいでしょう。
植え替え
大体2年に1回を目安に開花後に行います。
鉢を購入したばかりの場合は鉢に根が張っているものが多いため、花が終わったころに一回り大きな鉢に植え替えます。
花が咲いている間に植え替えをすると根が痛んで枯れてしまうことがあるためです。
5-4. 病気・害虫
病気「褐斑病(かっぱんびょう)」
葉に褐色の斑点ができる褐斑病にかかることがあります。
糸状菌(カビの仲間)によって起こる病気で、古い葉に発生しやすく斑点になった部分はやがて枯れてしまい、新芽にも感染していくと葉は全体が枯れたり、黄色くなって落葉したりします。
対策:感染しないようにするには日当たりや風通しを良くします。
病変部分は早めに取り除いてゴミとして処分し、薬剤を散布します。
害虫「ハダニ」「グンバイムシ」
ハダニ
葉の裏に寄生するハダニは吸われた部分は葉の葉緑素がなくなり、白いカスリ状の斑点になります。
梅雨明けから夏に多発します。
対策:薬剤をあまりしようしたくない場合は、ハダニは水に弱いので定期的に葉の裏に水を霧吹きなどでかけて寄生数を減らします。
薬剤を散布してもよいでしょう。
グンバイムシ
葉裏に群がって汁を吸い、ハダニと同じく葉の表には白いカスリ状の斑点が出ますが、グンバイムシの場合は葉の裏が黒く汚れています。
対策:風通しが悪いと発生しやすくなるので枝を剪定して風通しよくしてあげます。
薬剤で退治します。
5-5. 剪定
アザレアは夏に翌年の花芽が出来ます。
そのため、花が終わったらすぐに剪定します。
夏以降に剪定すると、せっかくできた花芽を切ることになり、翌年花が咲かなくなります。
長く伸びた枝を1/3くらいに切り詰めていき、ドーム状に整えると見栄えがよいものになります。
アザレアは枝数も多く、芽吹きもよいので多少短めに切り詰めても大丈夫ですが、必ず葉は残すようにします。
6. アザレアの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
アザレアはツツジ科ツツジ属の低木でベルギーを含むヨーロッパで主に品種改良された園芸種です。
6-1. タイワンヤマツツジ(Rhododendron simsii Pl. )
ツツジ科ツツジ属の半落葉低木です。
和名はトウヤマツツジで樹体は1m〜2mで花径は3cm〜4cmです。
アザレアの母体となった原種です。
原産地は日本では屋久島、沖縄、また中国で日本のヤマツツジの近縁種です。
開花期は3月〜5月で枝先に3輪〜5輪ほどの花を咲かせます。
花色は赤や赤紫で丈夫に濃い色の斑点があります。
6-2. アザレア・‘ロマンス・パール’(Rhododendron ‘Romance Pearl’)
ツツジ科ツツジ属。
大輪八重咲きで花色は淡い花が薄いピンク色です。
6-3. アザレア・‘越の淡雪’(Rhododendron ‘Koshi no Awayuki’)
新潟県農業総合研究所園芸研究センター作出。
大輪八重の白花です。
アザレアの中でも白い花はなかなか見られない花色です。
この品種はライムグリーンに黄緑色の模様が入る、ボリュームがあるアザレアの花を咲かせくれます。
6-4. アザレア・‘ロザリー’(Rhododendron ‘Rosalie’)
優しい淡いピンク色の大輪の一重の花を咲かせます。
花びらの上部には濃い色の斑点があります。
7. アザレアに似た植物(花言葉や特徴)
7-1. ツツジ(Rhododendron)花言葉「節度」「慎み」「恋の喜び」「初恋」など
ツツジ科ツツジ属の常緑または落葉性の低木です。
原産地は日本、中国を中心とした東アジアです。
日本に自生する野生種をもとに改良されているので比較的初心者でも育てやすい低木です。
開花期は3月〜5月で白、赤、ピンクや混色などの大きく美しい花をつけます。
公園などにもよく栽植される日本ではおなじみの低木です。
7-2. サツキ(Rhododendron indicum )花言葉「節制」「節約」「貞淑」「幸福」「協力を得られる」など
ツツジ科ツツジ属の常緑性の低木です。
原産地は日本で開花時期は5月〜6月です。
「サツキ」のほとんどは遅咲きの野生のサツキ(ロードデンドロン・インディカム)を改良したものです。
日本原産の植物なのでツツジ同様に育て易く、公園や庭などによく見かける低木です。
7-3. シャクナゲ(Rhododendron subgenus Hymenanthes)花言葉「威厳」「警戒」「警戒心」「危険」「荘厳」「注意せよ」など
ツツジ科ツツジ属の常緑性の低木です。
大きく豪華な花が特徴です。
原種の原産地は中国です。
シャクナゲの原種は高山に自生します。
まとめ
日本でも江戸時代に「ツツジブーム」が起こり、品種改良が盛んに行われていたそうです。
東洋のツツジ類の美しさと豪華さを見たベルギー人のプラントハンターによってヨーロッパで品種改良されたアザレアは、より絢爛華麗な花姿で「西洋ツツジ」として明治時代に戻ってきました。
アザレアの豪華で煌びやかな姿は見るものを圧倒するものがあります。
アザレアはどこの国でも愛されている花なのです。
3. アザレアの色別の花言葉
3-1. 白色のアザレアの花言葉「充足」 「満ち足りた心」 「あなたに愛されて幸せ」 「愛を知った喜び」
白いアザレアはまるで純白のドレスを着ている花嫁のように見えます。
このアザレアの花姿が「愛され」「満ち足りた」「喜び」を感じて「充足」している結婚式当日の花嫁の心境を伝えているものですね。
3-2. 赤色のアザレアの花言葉「節制」「規律正しく」
こちらも全般のものと同じ「節制」が含まれます。
節制とはセルフコントロールできるということ。
「規律正しく」はそんな花言葉から広がったといわれています。
3-3. ピンク色のアザレアの花言葉「青春の喜び」
ピンク色のイメージは「春」「若い」「幸福」などのイメージがあります。
ひらひらとした花びらを持つアザレアは「青春の喜び」を花全身で表現しているかのようです。
4. アザレアについて解説
4-1. 英語での呼び名
ベルギーのツツジ類という意味の「Belgian azalea(ベルジアン・アザレア)」です。
4-2. 原産地
品種改良種のため原産地はありません。
4-3. アザレアのマメ知識
アザレアは毒がある
実はアザレアは他のツツジ科植物と同じく全体に毒を持っている有毒植物です。
その毒とはグラヤノトキシンとロードヤポニンで中毒症状は嘔吐、痙攣などがありますが、重症になると昏睡状態になることもあります。
戦時中のころに甘味に飢えていたこどもたちが花の蜜をのんだため、嘔吐や下痢になる子供が多かったといわれています。
アザレアとツツジ、サツキ、シャクナゲの見分け方
アザレアはツツジやサツキ、シャクナゲを交雑して作られた種でとてもよく似ている姿をしています。
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見分け方のポイント「葉の形」
ツツジの葉は全般的に柔らかく毛が密集して生えています。
サツキの葉は小さくかたくてツヤがあり、あまり毛は生えていません。
シャクナゲの葉は長楕円形で肉厚で、輪生してやや垂れ下がっています。
アザレアの葉は楕円形で厚みがありシャクナゲに少し似ていますが葉は小さめです。 -
見分け方のポイント「開花期」
ツツジの開花期は3月〜5月ごろです。
ツツジは1株で一斉に花をつけます。
シャクナゲとアザレアは4月〜5月ごろに開花期を迎えます。
アザレアはツツジと同じで1株で一斉に花をつけます。
一方サツキの開花期は5月〜6月頃と少し遅れて咲きます。
サツキは1株で1週間程度をかけて順次に咲いていきます。
またサツキの花色は赤や紅赤色が多いことも特徴です。
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見分け方のポイント「花」
アザレアの花は一重咲き、八重咲き、フリル咲きとたくさんありますが、ベースの花は5弁の合弁花です。
木の大きさにくらべて大輪の花を咲かせるのが特徴です。
ツツジも花は5弁の合弁花ですが木の大きさにくらべると花の大きさはアザレアほど大きくはありません。
花のつき方はひとつの枝先から3輪の花を咲かせます。
サツキの花はツツジよりもやや小型です。
花のつき方はひとつの枝先から1輪〜3輪の花を咲かせます。
シャクナゲもやはり合弁花で、枝先に球状にこんもりとした花5輪以上ものをつけます。
また球状になった花の下を囲むように輪状になった葉が長楕円形の葉がリボンのようにつくのが特徴です。
4-4. アザレアの名前の由来
「アザレア(Azalea)」とは英語でツツジ属全般を意味します。
日本では西洋で品種改良されたツツジ類を「アザレア」とよんでいます。
英名「Azalea」の名前の由来
英名のAzaleaはスウェーデンの植物学者で分類学者であるカール・フォン・リンネ(Carl von Linne )が命名した属名でギリシャ語の「azaleos(乾燥)」に由来しています。
学名「Rhododendron simsii cultivar」の名前の由来
学名の「Rhododendron(ロードデンドロン)」とはシャクナゲの学名です。
「rhodon(ロードン)」は薔薇(rose)、「dendron」とは木(tree)を意味します。
この二つの合成語で「薔薇の木」という意味です。
また「simsii(シムシー)」とは19世紀のイギリスの植物学者で分類学者John Sims(ジョン・シムズ)の名前からつけられました。
「cultivar(カルティヴァー)」とは園芸品種をさします。
4-5. アザレアの誕生日花の日
3月4日、3月7日、3月10日、3月25日、5月16日、8月4日、11月28日、11月29日、12月13日
白色のアザレアの誕生日花の日
1月8日、3月9日
赤色のアザレアの誕生日花の日
3月22日、8月8日、12月22日
ピンク色のアザレアの誕生日花の日
3月18日、3月19日
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