慣用句の中には、あまり知られていないものもあれば一般的によく使用されているものもあります。
縁の下の力持ちという言葉は、小学生でも知っているポピュラーな慣用句のひとつだと言えます。
そんな縁の下の力持ちという慣用句について、もっと詳しく見ていきましょう。
- 縁の下の力持ちとは?
- 縁の下の力持ちの類語や反対語・英語
- 縁の下の力持ちになる人の心理
- 縁の下の力持ちの例文や使い方
- 縁の下の力持ちの特徴や傾向
- 縁の下の力持ちの由来
- 縁の下の力持ちになるには
- まとめ
1. 縁の下の力持ちとは?
縁の下の力持ちの意味は、目立たないけれど非常に重要な役割を果たしてくれている功労者のことです。
決して華やかな役割ではないですが、そういった人の存在がなければ物事が成り立たない、成功はないといっても過言ではありません。
人物そのものを表すこともあれば、役職や物事を指して縁の下の力持ちと言うこともあります。
通常は良い意味で使われる慣用句ですが、主役やメインにはならない為に場合によっては、この言葉を使うことが失礼にあたることもあるでしょう。
2. 縁の下の力持ちの類語や反対語・英語
縁の下の力持ちと似たような意味のある言葉である類語や正反対の意味となる反対語には、何があるでしょうか。
類語や反対語を覚えることによって、表現の幅が広がっていきます。
また、英語で縁の下の力持ちを表す単語や表現はあるのかどうかも併せて見ていきましょう。
2-1. 類語・影の立役者
影の立役者とは、縁の下の力持ちの類語になります。
意味は、物事を成功へ導く為に裏で支えてくれている人達のことを指します。
縁の下の力持ちと同じように、決して表に出ることも普段はスポットライトがあたることもありませんが、非常に重要な役割を担っていることに違いはありません。
2-2. 類語・簀の子の下の舞
簀の子の下の舞も縁の下の力持ちと同じような意味がある類語となります。
これは、主役を後ろから支えてくれる役割を意味した言葉です。
これも、地味で目立たない役割ではありますが、主役となる人物が成功をするには簀の子の下の舞となって支えてくれる人物がいなければ成し得ないという大切な役割を示す言葉なのです。
2-3. 類語・縁の下の掃除番
縁の下の力持ちと意味だけではなく言葉も似ているのが、縁の下の掃除番という慣用句です。
縁の下というのは、覗かない限り汚れていても分かりません。
そんな人が気がつかないところ、決して誉められないところまできちんと掃除をしているというところから生まれた言葉になります。
つまり、人に気がつかれないような地味な役割を果たしてくれる人の事を表す言葉になのです。
2-4. 対義語・主役
縁の下の力持ちが目立たない脇役だとすれば、その反対語には主役という言葉をあげることが出来るでしょう。
主役といえば、物事のメインであり一番スポットライトのあたる中心人物のことです。
そういったところが、縁の下の力もちとは反対の意味を持っていると言えます。
2-5. 対義語・花形
花形選手、会社の花形などといった使い方をする花形という言葉も縁の下の力持ちとは反対の位置にあると言えるでしょう。
花形と言えば、人から注目をされる華やかな存在です。
それに比べて縁の下の力持ちは、普段は人目をひくこともない地味な役割を指します。
こうした部分の意味合いが花形と縁の下の力持ちでは反対となっています。
2-6. 対義語・舵取り役
縁の下の力持ちは、決して人を引っ張るリーダー的な役割ではありません。
一方で舵取り役とは、物事の中心となる人物であり、大勢を先頭にたって引導する人物のことになります。
ですから、役割的な意味では舵取り役と縁の下の力持ちでは反対だと言えるでしょう。
2-7. 英語・backseat player
backseat playerのbackseat とは、後ろの座席という意味だけではなく目立たない位置という意味があります。
ですから、backseat playerとは縁の下の力持ちと同じように人に注目をされない立ち位置で動く人のことを指します。
もっと、簡単にいうと控えの選手という意味です。
2-8. 英語・unsung hero
直訳をすると称賛をされない英雄というunsung heroという英語も縁の下の力持ちと同じような意味を表すことが出来ます。
ただ縁の下の力持ちは、その人物を評価する言葉として使われることが多いものですが、unsung heroはその評価が正しくされていない人を指すものです。
ですから、意味合い的には少し違うと言えるでしょう。
2-9. 英語・Behind the scenes support
こちらの英語は、裏舞台でサポートを行う人を指す表現方法です。
縁の下の力持ちも裏方的な役割の意味がありますから、Behind the scenes supportという言い方で縁の下の力持ちと同じようなニュアンスを表すことが可能です。
3. 縁の下の力持ちになる人の心理
人は誰でも主役になりたいと願っているものだと思っていないでしょうか。
しかし、中には望んで縁の下の力持ちの役割を担っている人たちもいるのです。
またきちんと納得をして、縁の下の力持ちとしての役割を果たしている人も大勢います。
そういった縁の下の力持ちになる人の心理は、どうなっているのでしょう。
3-1. 自分の成功よりチームの成功を大切にする心理
縁の下の力持ち的な役割を果たす人というのは、自分一人が成功をするよりもチームの成功が大切だという心理が働いていると言えます。
そのため自分のことよりも、チームや仲間のために何が出来るのかということを考えて行動をするのです。
これが、縁の下の力持ちたる所以です。
3-2. 適材適所を重視する心理
誰でも物事には適材適所というものがあります。
縁の下の力持ちになる人は、この適材適所を重視するという心理を持っていると言えるでしょう。
ですから、自分の能力にあった場所を見極めて、そこで最高のパフォーマンスをすることがベストだと考えています。
ですから適材適所の心理を覆してまで、自分が目立とうとしたり上に立とうとはしないのです。
3-3. 人を支えたいという心理
縁の下の力持ちになる人物は、人を支えたいサポートをしたいという心理が強いと言えます。
人を支えることで自分の意義を見いだしたいという心理が、そこにはあります。
特にその力を認めた人物を自分がサポート出来ることに喜びや遣り甲斐を感じているのでしょう。
4. 縁の下の力持ちの例文や使い方
縁の下の力持ちという慣用句は、意外と様々な場面で頻繁に使うことが出来る言葉です。
使い方もとても簡単ではありますが、縁の下の力持ちという慣用句を使った例文をいくつか紹介します。
どんな場面でどんな風に用いると良いのか、参考にしてみてください。
4-1. 人物を評価
縁の下の力持ちは、人物を評価する際にも用いられらます。
例文で見てみましょう。
このプロジェクトが成功をしたのは、彼のような縁の下の力持ちがいてこそだ。
私が合格をしたのは、縁の下の力持ちとしてサポートをしてくれた両親がいるからだ。
最大の功労者は縁の下の力持ちであるスタッフ達です。
これらの例文のように、人物の努力や献身さ、普段はスポットライトがあたらない隠れた能力を良い意味で評価する際に縁の下の力持ちという言葉を用いると良いでしょう。
4-2. 自己アピール
縁の下の力持ちは、他人を評価する時にだけではなく、自己アピールにも用いることが出来ます。
例文をあげてみましょう。
部活動ではマネージャーとして縁の下の力持ちとして奮闘をしてきました。
私は目立つタイプではありませんが、縁の下の力持ちとして何事にも努力を惜しまず成功や仲間の為にサポートする事が出来ます。
このように中心物や主役ではなくても、他人や仲間の為に労を惜しまず影ながら支え続けることの出来る人間であると自分をアピールする際にも使用できます。
縁の下の力持ちという言葉は、第三者に対して傲慢な印象を与えず、それでいて自分が役立つ人間であるということをアピール出来るのです。
4-3. 物に対して
基本的に縁の下の力持ちという言葉は、人物に対して使うものですが時には物を評価する際に使用することもあります。
例えば、このパーツは縁の下の力持ちのような役割を果たしてくれている。
このように、意味は人物に使う場合と同じで目立たないけれど欠かせない役割を担っている物を表す時に使います。
5. 縁の下の力持ちの特徴や傾向
縁の下の力持ちとなる人物にはどのような特徴があるのでしょう。
実は縁の下の力持ちには、いくつかの共通してみられる特徴や傾向があるものです。
以下に紹介する特徴や傾向にあてはまる点が多い人は、縁の下の力持ちとしての素質が十分にあります。
5-1. 視野が広い
縁の下の力持ちとして働ける人は、他人よりも視野が広いという特徴を持っています。
縁の下の力持ちは、自分のことだけではなく周りを良く見て適切な行動をおこせなくてはいけません。
そのためには、視野が狭くては出来ないのです。
つまり、縁の下の力持ちは視野が広いからこそ周りを支えながら適切なサポートをするとが出来るのです。
5-2. 献身的
縁の下の力持ちは、献身的な性格をしているという特徴があります。
自分が注目されることや自身の成功を優先するのではなく、他人の為につくすことが出来るというのが縁の下の力持ちです。
もし、逆に自分が一番という考え方の人間ならば縁の下の力持ちとしての役割を望むことも果たすこともないでしょう。
献身的であるということは、縁の下の力持ちに共通する重要な特徴なのです。
5-3. 出世や権力に興味が薄い
縁の下の力持ちは、出世や権力に対しての興味が薄い人が多いものです。
出世をすることであったり、権力を手にいれたいという思いが薄いからこそ自分を表に出すことなく地味な作業や役割を他人のためにこなすことが出来るのです。
5-4. 努力家
縁の下の力持ちとは、能力がないということではありません。
それどころか、縁の下の力持ちという存在がなければ物事が成立しなかったり成功を得られない重要な存在なのです。
ですから、彼らは総じて努力家であるという特徴を持っています。
縁の下の力持ちが担う役割は、地道な作業や内容が多いものです。
そこで努力を続けられる人達だからこそ、縁の下の力持ちになれるという訳です。
5-5. まわりから愛される
縁の下の力持ちは、まわりの人々から愛されるという特徴があります。
自分のことよりも周りを優先するその考えや行動は、多くの人に愛されることでしょう。
スターのようにチヤホヤされることはなくても、周囲からの信頼は厚く本当の意味で頼りにされて愛されるのが縁の下の力持ちの特徴となります。
5-6. 目立つことが苦手
能力や才能はあっても縁の下の力持ちは、目立つことが苦手な人が多いというのも特徴です。
目立つことが苦手なので、自分ら積極手に表舞台に立ったりリーダーシップを取ることはありません。
そのため自分から望んで裏方作業や目立たないけれど大変な仕事を引き受けがちです。
このように目立つのが苦手というのは、縁の下の力持ちによく見られる特徴なのです。
5-7. 過小評価されがち
縁の下の力持ちになる人は、残念ながら過小評価されることも少なくありません。
人はどうしても目立つ物事に注目をし評価をするために、地味な縁の下の力持ちは適正な評価がなされない傾向にあるのも事実です。
6. 縁の下の力持ちの由来
縁の下の力持ちは、初めに説明をした通りで他人のために影ながら努力やサポートを惜しまない人という意味で使われます。
しかし、どうしてそういった人物のことを縁の下の力持ちといった言い方をするのでしょう。
もしかすると、縁の下の力持ちの本当の由来を知らずに普段から使っている人も多いかもしれません。
そこで縁の下の力持ちの由来について見ていきます。
6-1. 縁の下の舞が由来
縁の下とは、日本家屋の縁側の下の構造部分のことです。
今は縁の下のない家も増えましたが、昔の家屋では縁側を下から支えている重要な部分でありました。
こうした目立たないけれど縁の下を支える柱イコール重要な役割を果たす人という意味で縁の下の力持ちという言葉が生まれたと思われがちです。
こうした解釈も間違いではありませんが、実際は縁の下の力持ちの由来は縁の下の舞という言葉からきているようです。
6-2. 縁は椽を指す
縁の下の力持ちの由来となった縁の下の舞の縁は元々は椽という文字があてられていました。
椽というのは縁ではなく、軒先のことを指します。
そして、この舞とは聖徳太子が設立した大阪の天王寺の椽で毎年陰暦の2月22日に行われる舞楽を指しています。
これは、舞台にたたずに椽という目立たない部分で一生懸命に踊ることが他人を影で支えると解釈されているのです。
これが、いつ頃からか椽が縁に代わり、縁に変わったことで舞が力持ちという言葉に合わせて変わっていきました。
7. 縁の下の力持ちになるには
スターや主役といった立場に憧れる人いれば、中には影からひとを支えること出来る縁の下の力持ちのような人になりたいと思う人もいるものです。
そんな縁の下の力持ちは、主役に比べると簡単になれそうだと思っているかもしれません。
だとしたらそれは、大きな間違いです。
縁の下の力持ちになるためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
7-1. 周りに気を配る
縁の下の力持ちになりたいのなら、周りに気を配らなくてはいけません。
自分のことばかりに目がいっているようでは、とても他人を支えることは出来ないでしょう。
周りに気を配り、よく見ることが縁の下の力持ちになるためには大切なのです。
7-2. 努力を継続する
縁の下の力持ちになるには、すぐに諦めたり努力を止めることはNGです。
縁の下の力持ちの役割は地味ですし、すぐに結果があらわれるものでもありません。
だからこそ、努力を継続して行うことが大切なのです。
縁の下の力持ちになりたいのなら辛抱強く、地道な努力を評価されずとも続けていく必要があります。
7-3. 信念を持つ
縁の下の力持ちになりたいなら、自分なりの信念を持つようにしましょう。
信念を持っている人間は、他人が自分をどう評価するかを気にすることなく、権力や出世を気にすることもありません。
しかし、信念がない人間は自分の利益を追求してしまったり承認されなさいと直ぐに諦めてしまうものです。
ですから、縁の下の力持ちになりたいのなら信念を持って行動をしましょう。
7-4. 人と比べない
縁の下の力持ちになる為には、人と自分を比べることを止めましょう。
人と比べて自分のやっていることは地味だ、華やかではない等と気にしているうちは縁の下の力持ちにはなれません。
他人は他人、自分は自分と考え適材適所で出来ることを精一杯することが何よりも大切なのです。
7-5. 己を知る
一体自分は何が出来るのか、どんな場所で自分を行かすことが出来るのか己を知ることも縁の下の力持ちになるには必要なことです。
己を知らない人は、他人を支えたりすることは出来ません。
縁の下の力持ちのように自分の役割を全うするには、自分を知ることから始めてみましょう。
7-6. 小さなことから始めてみる
縁の下の力持ちといっても、その活躍をするステージは様々です。
例えば、国を変えるような革命の縁の下の力持ちもいれば、小さな会社の縁の下の力持ちもいるでしょう。
縁の下の力持ちになりたいなら、大きなステージだけを目指すのではなくまずは小さな舞台を支えることから始めてみましょう。
例えば、家族や友達など自分の側にいる人を支えることから始めてみることをオススメします。
まとめ
縁の下の力持ちがいなければ、世の中まわらないことが沢山あります。
それを分かっていない人も少なくありませんが、主役と同じくらい重要な役割が縁の下の力持ちなのです。
ですから基本的に縁の下の力持ちとは良い意味で使われます。
また、人の為に自分の力を惜しみ無く出せる縁の下の力持ちのような存在を目指すのも良いでしょう。
3. 縁の下の力持ちになる人の心理
人は誰でも主役になりたいと願っているものだと思っていないでしょうか。
しかし、中には望んで縁の下の力持ちの役割を担っている人たちもいるのです。
またきちんと納得をして、縁の下の力持ちとしての役割を果たしている人も大勢います。
そういった縁の下の力持ちになる人の心理は、どうなっているのでしょう。
3-1. 自分の成功よりチームの成功を大切にする心理
縁の下の力持ち的な役割を果たす人というのは、自分一人が成功をするよりもチームの成功が大切だという心理が働いていると言えます。
そのため自分のことよりも、チームや仲間のために何が出来るのかということを考えて行動をするのです。
これが、縁の下の力持ちたる所以です。
3-2. 適材適所を重視する心理
誰でも物事には適材適所というものがあります。
縁の下の力持ちになる人は、この適材適所を重視するという心理を持っていると言えるでしょう。
ですから、自分の能力にあった場所を見極めて、そこで最高のパフォーマンスをすることがベストだと考えています。
ですから適材適所の心理を覆してまで、自分が目立とうとしたり上に立とうとはしないのです。
3-3. 人を支えたいという心理
縁の下の力持ちになる人物は、人を支えたいサポートをしたいという心理が強いと言えます。
人を支えることで自分の意義を見いだしたいという心理が、そこにはあります。
特にその力を認めた人物を自分がサポート出来ることに喜びや遣り甲斐を感じているのでしょう。
4. 縁の下の力持ちの例文や使い方
縁の下の力持ちという慣用句は、意外と様々な場面で頻繁に使うことが出来る言葉です。
使い方もとても簡単ではありますが、縁の下の力持ちという慣用句を使った例文をいくつか紹介します。
どんな場面でどんな風に用いると良いのか、参考にしてみてください。
4-1. 人物を評価
縁の下の力持ちは、人物を評価する際にも用いられらます。
例文で見てみましょう。
このプロジェクトが成功をしたのは、彼のような縁の下の力持ちがいてこそだ。
私が合格をしたのは、縁の下の力持ちとしてサポートをしてくれた両親がいるからだ。
最大の功労者は縁の下の力持ちであるスタッフ達です。
これらの例文のように、人物の努力や献身さ、普段はスポットライトがあたらない隠れた能力を良い意味で評価する際に縁の下の力持ちという言葉を用いると良いでしょう。
4-2. 自己アピール
縁の下の力持ちは、他人を評価する時にだけではなく、自己アピールにも用いることが出来ます。
例文をあげてみましょう。
部活動ではマネージャーとして縁の下の力持ちとして奮闘をしてきました。
私は目立つタイプではありませんが、縁の下の力持ちとして何事にも努力を惜しまず成功や仲間の為にサポートする事が出来ます。
このように中心物や主役ではなくても、他人や仲間の為に労を惜しまず影ながら支え続けることの出来る人間であると自分をアピールする際にも使用できます。
縁の下の力持ちという言葉は、第三者に対して傲慢な印象を与えず、それでいて自分が役立つ人間であるということをアピール出来るのです。
4-3. 物に対して
基本的に縁の下の力持ちという言葉は、人物に対して使うものですが時には物を評価する際に使用することもあります。
例えば、このパーツは縁の下の力持ちのような役割を果たしてくれている。
このように、意味は人物に使う場合と同じで目立たないけれど欠かせない役割を担っている物を表す時に使います。
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