マトリカリアは和名を「ナツシロギク(夏白菊)」といいます。
また、「ワイルドカモミール」と呼ばれるほど生命力の強い植物です。
日本には明治時代に渡来しました。
白い菊のような可愛らしい花を沢山つける春から夏咲きの植物で、マトリカリアは古代ギリシャ時代より「フィーバーフュー」として民間薬として利用されてきました。
偏頭痛や婦人病や月経困難症の特効薬として用いられており、しみ、そばかすを薄くする効果があるため、17世紀ごろにはローションの材料として用いられていたとの記録もあります。
またハーブとしても優れているマトリカリアでその葉は薬臭いような香りがと強い苦味があるためハチはチョウも近寄らないといわれているため、その効果から虫除けとして長い間使われてきました。
- マトリカリアとはどんな花?
- マトリカリアの花言葉
- マトリカリアについて解説
- マトリカリアの名前の由来
- マトリカリアの誕生日花の日
- マトリカリアの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- マトリカリアに似た花(花言葉や特徴)
- マトリカリアのマメ知識
- まとめ
1. マトリカリアとはどんな花?
園芸ではマトリカリアと呼ばれる植物はキク科ヨモギギク属で「ナツシロギク(Tanacetum parthenium、タナセタム・パルセニウム)」です。
かつてはカモミールと同じ「シカギク属(Matricaria、マトリカリア属)」に分類されていた名残りで現在でも「マトリカリア」として流通しています。
マトカリアの草丈は15cm〜100cmで白い舌状花(ゼツジョウカ)と黄色の筒状花(トウジョウカ)を持ちます。
開花期は4月〜7月頃に白い可憐な小さな花をたくさん咲かせます。
花芯部分は盛り上がって球を半分に切ったようなぽっこりとした独特の花の形は可憐でとても愛らしいものです。
草丈が高い品種は切花としても流通しています。
花色は白が多いですが淡いクリーム色の花を咲かせる品種もあります。
2. マトリカリアの花言葉
2-1. 「集う喜び」
マトリカリアの花はこんもりと茂りたくさんの花をつける様子は、まるで大勢の乙女たちが集まって楽しそうに話をしているかのようです。
その花姿から「集う喜び」という花言葉がつけられたといわれています。
2-2. 「楽しむ」
こちらもマトリカリアが次から次へと可憐な花を咲かせることかに由来しているといわれています。
かわいらしい花を長い間「楽しむ」ことができますよ。
2-3. 「楽しむ心」
こちらも開花期が長いマトリカリアにちなんだ花言葉といわれています。
2-4. 「忍耐」
「忍耐」強く乾いた土地に根をはって花を咲かせるるマトリカリアは日当たりがよく水はけのよい場所などの環境が適した場所だとタネを落としながらどんどん広がってふえていき、いつの間にかマトリカリアで埋め尽くされるということになるくらい丈夫な植物です。
そんなマトリカリアにぴったりの花言葉ですね。
2-5. 「寛容」
寛容とは「心が広く、人の言動を受け入れること。他の罪や欠点などをきびしく責めないこと。また、そのさま」といいます。
かつてはシカギク属だったのにヨモギ属に分類されたマトリカリアはその変更を「寛容」に受け止めたのでしょう。
2-6. 「鎮静」
マトリカリアが鎮痛剤などの薬草として使われていたことに由来しています。
3. マトリカリアについて解説
3-1. 英語での呼び名
「Feverfew」「May weed(5月の雑草)」「Bachelor's buttons(学士のボタン)」
3-2. 原産地
西アジア,バルカン半島が原産地です。
世界中で栽培されているため、現在ではヨーロッパ、北アメリカやチリなどにも自生しています。
4. マトリカリアの名前の由来
4-1. 「マトリカリア」の名前の由来
「マトリカリア」はヨモギギク属(Tanacetum)のナツシロギク(夏白菊)を指します。
かつてマトリカリアがカモミールと同じ「マトカリア属(Matricaria、シカギク属)」に属していた名残でいまでも園芸上では「マトリカリア」と呼ばれています。
以前の属名マトリカ(Matricaria)はラテン語の「matrix(子宮)」に由来しており、マトリカリアの一種が婦人病の薬として用いられたことによります。
4-2. 和名「ナツシロギク(夏白菊)の名前の由来
「夏白菊」の文字通り、開花期が初夏から夏で、花色が白の菊なのでこの名前がつきました。
4-3. 英名「Feverfew(フィーバーフュー)」の名前の由来
マトリカリアは古くから薬草として解熱剤、頭痛や関節炎などの薬として利用されてきました。
その薬効からFeverfew(フィーバーフュー)はラテン語で「febris(熱病)」と「追放する」の合成語「febrifugia(フェブリフギア)」からつけられたそうです。
4-4. 学名「Tanacetum parthenium(タナセタム・パルセニウム)の名前の由来
ギリシャ語の「不死」を意味する「athanasia」から古ラテン語で「tanazita」変化したものが語源といわれています。
「parthenium」は「parthenos(若き乙女)」が語源ともパルテノン神殿から転落した人の命を救ったという逸話から、「Parthenium」と呼ばれたともいわれています。
4-5. その他の英語の名前の由来
「May weed(5月の雑草)」
その名のとおり5月ごろに雑草のように生えることから。
「悪臭を放つ雑草」といわれています。
「Bachelor's buttons(学士のボタン)」
マトリカリアの花芯が丸くふくらんでいてまるでボタンのように見えることからつけられたといわれています。
5. マトリカリアの誕生日花の日
5月27日、6月1日、6月22日、10月21日
6. マトリカリアの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
6-1. マトリカリア(Tanacetum parthenium)
一重咲きの多年草ですが、タネを秋まきにして防寒をして冬越しさせると、春に開花するので二年草として扱われています。
枝の上部でたくさん枝分かれをして枝先に花径2cmほどの白い小花を咲かせます。
葉はキクに似ています。
薬草やハーブとして使用されることが多く、ハーブとして使うときには「フィーバービュー」と呼ばれることが多くあります。
開花期は4月〜7月。
6-2. マトリカリア ‘サンタナ・イエロー’(Tanacetum parthenium ‘Santana Yellow’)
矮性で株のまとまりがよい園芸種です。
白い舌状花と、淡い黄色の筒状花なので、全体的な色合いは淡い黄色に見えます。
6-3. マトリカリア ‘シングル・ベグモ’(Tanacetum parthenium ‘Single Vegmo’)
一重咲きの多年草です。
草丈は60cm〜70cmで小さなマーガレットのような花を咲かせます。
切花としても人気の品種です。
6-4. マトリカリア ‘ベグモ・スノーボール・エキストラ’(Tanacetum parthenium ‘Vegmo Snowball Extra’)
ポンポン咲きの切り花用の品種です。
花びらが丸く集まって咲く花姿はとても愛らしいです。
6-5. ゴールデン・フィーバーフュー(Tanacetum parthenium 'Aureum')
葉の色が明るい黄緑色で、白い花を咲かせます。
草丈は低くコンパクトになるため寄せ植えにも適した品種です。
7. マトリカリアに似た花(花言葉や特徴)
同じキク科でも属が違う植物を集めてみました。
マトリカリアにとても似た花を持ちますが兄弟ではなくて従兄弟ほど違う植物ばかりです。
7-1. ジャーマン・カモミール(Matricaria chamomilla)花言葉「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」「清楚」「あなたを癒やす」
キク科キクシカギク属の一年草です。
草丈は30cm〜60cmで白い舌状花に黄色い花芯がマトリカリアとよく似ています。
リンゴのような香りがあり、風邪、頭痛、下痢などにハーブ茶として利用されています。
7-2. マーガレット(Argyranthemum )花言葉「恋を占う」「信頼」「誠実」「真実の愛」「私を忘れないで」「貞節」など
キク科モクシュンギク属の低木です。
草丈は30cm〜100cmで開花期は11月〜5月で長く花を楽しむことができます。
霜に当たらなければ屋外でも冬越しができます。
7-3. スプレーマム(Chrysanthemum)花言葉「私はあなたを愛する」「逆境の中で元気」「気持ちの探り合い」「高貴」「清らかな愛」
キク科キク属の中国が原産の多年草です。
草丈は10cm〜50cmで開花期は9月〜11月です。
1950年代にアメリカで矮性の園芸品種がつくられて「ポットマム」という名前で販売されました。
7-4. デイジー(Bellis perennis)花言葉「純潔」「美人」「平和」「希望」「無邪気」など
キク科ヒナギク属の原産地はヨーロッパの多年草です。
和名はヒナギク。
開花時期は2月〜5月で花持ちがよく、花壇やプランターで人気のある花です。
7-5. ノースポール(Chrysanthemum paludosum)花言葉「誠実」「冬の足音」「高潔」
キク科キク属で原産地はアフリカ北部で、日本へは1960年代に伝えられました。
比較的寒さに強いため、冬の期間に園芸店ではパンジーと並ぶ人気のある花です。
マトリカリアと同じく白い舌状花と、淡い黄色の筒状花を持ちます。
8. マトリカリアのマメ知識
8-1. 舌状花の花の形
マトリカリアの花は外側の花びら部分、花芯部分の花部分と二重構造になっています。
同じような咲き方をする花はヒマワリ、ガーベラなどがあります。
8-2. 「頭状花序(トウジョウカジョ)」
マトリカリアの花はヒマワリやタンポポと同じ「頭状花序(トウジョウカジョ)」です。
枝の先端についている花は一見すると一輪の花に見えますが実はたくさんの花の集合体なのです。
花びら一枚一枚に雄しべと雌しべがついていて花の形になっています。
キク科によくみられる花のつきかたです。
8-3. 筒状花(トウジョウカ)とは
別名を管状花(かんじょうか)ともいいます。
花びらが筒状になったもので、マトリカリア花の中心部の黄色い部分がそうです。
他にはヒマワリやガーベラの中心部がこの筒状花になります。
8-4. 「舌状花(ゼツジョウカ)」とは
構造は筒状花と同じですが、花びらの先端が外側に大きく伸びて広がることが筒状花との違いです。
マトリカリアの場合、外側の花びらがこの舌状花です。
タンポポはすべてが舌状花です。
8-5. 薬としてのマトリカリア
古代ギリシャとエジプトで解熱剤、頭痛や関節炎や消化器異常の薬としてマトリカリアを使用してきました。
しかし、その薬効は科学的に十分には支持されていないということです。
8-6. ハーブとしてのマトリカリア
ハーブで使用されるときはマトリカリアは「フィーバーフュー」という名で使用されることが多いです。
1978年に片頭痛予防のハーブとしてさらに注目されるようになりました。
マトリカリアにはパルテノライドという成分が含まれていて、セロトニンの分泌を促進して、セロトニン不足を防いでくれる効果があるといわれています。
さらに脳の血流をスムーズに一定に保ってくれる効果があるともいわれています。
ただ、副作用として長期間マトリカリアを摂取していた人が摂取をやめると逆に頭痛がひどくなったり、筋肉痛や節痛をともなう離脱症候群を引き起こすことがあるともいわれています。
また、生の葉は皮膚炎と、口に入れると口内潰瘍を起こす事があります。
8-7. 防虫草としてのマトリカリア
マトリカリアは葉から独特の青臭い香りがします。
ハチやチョウだけではななく蚊も寄せ付けないため防虫草として利用されることも多いです。
ただ残念なことにアブラムシには効果がないため、マトリカリアを育てるときにはアブラムシに注意が必要です。
手作りの虫除けスプレーも簡単に作ることができますよ。
虫除けスプレーを作るには葉を乾燥させたものを使用します。
鍋などに薬水200mlと乾燥させたマトリカリアの葉3g位を10分程度ひたして置きます。
臭いが残るので鍋は口に入れるものとは別にした方がベターです。
その後10分〜15分ほど火にかけ成分を煮出します。
冷えてからスプレーボトルに入れたら手作りの防虫スプレーの出来上がりです。
まとめ
学名の「Tanacetum parthenium」のpartheniumは若き乙女という意味です。
古来ギリシャ、エジプトで民間医療薬として使用されてきたマトリカリアは婦人病(月経の異常、出産時の苦痛など)や胃痛、喘息にも効くとされていました。
また、砂糖やハチミツと混ぜた煎じ薬は、咳、息切れ、呼吸困難に効能があるといわれていたそうです。
その薬効は医学的根拠にはまだ乏しいといわれていまし、副作用もあることや飲み合わせがあわないと偏頭痛が生じることもあるので安易にとらない方がいいようです。
ですが、ぽっこりとした花芯が可愛いその姿は鑑賞するだけでも十分わたしたちを楽しませてくれます。
また、その独特な香りから防虫草としても役立ちますし、コンパニオンプランツ(他の植物の害虫よけ)や葉を乾燥させたものを匂い袋にいれて防虫剤として利用することができますよ。
3. マトリカリアについて解説
3-1. 英語での呼び名
「Feverfew」「May weed(5月の雑草)」「Bachelor's buttons(学士のボタン)」
3-2. 原産地
西アジア,バルカン半島が原産地です。
世界中で栽培されているため、現在ではヨーロッパ、北アメリカやチリなどにも自生しています。
4. マトリカリアの名前の由来
4-1. 「マトリカリア」の名前の由来
「マトリカリア」はヨモギギク属(Tanacetum)のナツシロギク(夏白菊)を指します。
かつてマトリカリアがカモミールと同じ「マトカリア属(Matricaria、シカギク属)」に属していた名残でいまでも園芸上では「マトリカリア」と呼ばれています。
以前の属名マトリカ(Matricaria)はラテン語の「matrix(子宮)」に由来しており、マトリカリアの一種が婦人病の薬として用いられたことによります。
4-2. 和名「ナツシロギク(夏白菊)の名前の由来
「夏白菊」の文字通り、開花期が初夏から夏で、花色が白の菊なのでこの名前がつきました。
4-3. 英名「Feverfew(フィーバーフュー)」の名前の由来
マトリカリアは古くから薬草として解熱剤、頭痛や関節炎などの薬として利用されてきました。
その薬効からFeverfew(フィーバーフュー)はラテン語で「febris(熱病)」と「追放する」の合成語「febrifugia(フェブリフギア)」からつけられたそうです。
4-4. 学名「Tanacetum parthenium(タナセタム・パルセニウム)の名前の由来
ギリシャ語の「不死」を意味する「athanasia」から古ラテン語で「tanazita」変化したものが語源といわれています。
「parthenium」は「parthenos(若き乙女)」が語源ともパルテノン神殿から転落した人の命を救ったという逸話から、「Parthenium」と呼ばれたともいわれています。
4-5. その他の英語の名前の由来
「May weed(5月の雑草)」
その名のとおり5月ごろに雑草のように生えることから。
「悪臭を放つ雑草」といわれています。
「Bachelor's buttons(学士のボタン)」
マトリカリアの花芯が丸くふくらんでいてまるでボタンのように見えることからつけられたといわれています。
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