本末転倒という言葉がありますが、どういった意味があるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
- 本末転倒とは?
- 本末転倒の反対語・英語
- 本末転倒する原因
- 本末転倒の例文や使い方
- 本末転倒の由来
- 本末転倒になりやすい人の特徴
- まとめ
1. 本末転倒とは?
本末転倒とは、当初の目的とは離れて、全く違う目的で物事をすすめているときなどに使います。
もっと分かりやすく言えば、本来抱いていた目的があったのに、いつ間にか、別の目的を達成するために躍起になっていることを現しています。
例えば、勉強の成績を上げるために毎日遅くまで勉強しているのに、いざ授業中となると眠くて眠ってしまい、結果、勉強がおろそかになっているときなどが本末転倒の状態であるといえます。
毎日深夜まで勉強し、努力を積み上げているのに、肝心な授業で寝てしまっては努力が無駄になってしまいます。
このように、努力しているのも関わらず、本来予定していた目的が達成できない状態を本末転倒と呼んでいます。
2. 本末転倒の反対語・英語
本末転倒の反対語と英語をみていきましょう。
2-1. 本末転倒の反対語
本末転倒とは反対の意味の言葉といえば、なんでしょう。
あえて挙げるとするならば、初志貫徹(しょしかんてつ)といった言葉が妥当かもしれません。
初志貫徹とは、初めに抱いていた志を、最後まで貫き通すという意味です。
まさに、当初予定していた目的とは違った結果を生んでしまっている意味の本末転倒とは意味が反対になっています。
初志貫徹の使い方としては、「デビュー当時のこの想いを胸に、初志貫徹を貫きます」「初志貫徹の精神で最後までやり抜きます」などが挙げられます。
2-2. 本末転倒の英語
本末転倒を英語でいうならば、どのような言葉になるのでしょう。
英語にも本末転倒に似た言葉はあります。
「put the cart before the horse」です。
意味を訳すと、「馬の前に荷馬車を持ってくる」という意味になります。
馬の前に荷馬車を持っていく状態は、まさに本末転倒の状態だといえるでしょう。
3. 本末転倒する原因
本末転倒する原因はなんでしょう。
詳しく解説していきます。
3-1. 目的を達成する手段として違うことを行っているのが原因
本末転倒する原因として挙げられるのは、本来の目的を達成するために違う行為を行わなくてはいけないことが起因していると考えられます。
何も当初予定していた目的をそのまま遂行すれば別の道にそれずにいられるものを、他の行為をしなくてはいけないことで、ついつい自分の道を誤った方向に導きやすくなるからです。
自分の本来の目的を忘れ、目の前にクリアする課題があると、そればかりにとらわれて集中してしまうのが原因だと言えます。
3-2. 物事の大事な部分を意識していない
本末転倒になる原因として挙げられるのは、常に物事の大事な部分を意識していないことが原因であると言えます。
本来の目的達成のために手段して利用している行為についつい熱が入り、その手段を達成することをゴールとみなしてしまいがちだと、本末転倒になりやすくなります。
しかし、物事の大事な部分を常に意識していないと、これに気付きません。
結果、うまくいかなくなって本末転倒状態にならないと、気付かないという人はたくさんいるのではないでしょうか。
「手段がうまく達成できなくてもかまわない」「手段ではなく本来の目的を達成することがゴール」ということをしっかりと気持ちに意識させることが必要です。
3-3. 単純な考え方に支配されている
単純な考え方に支配されやすいと、本末転倒になりやすくなります。
単純な考え方とは、自分のこれから起こす行動によって、どのような結果が導かれるのか予測できる力が足りないという意味です。
例えば、本来の目的を達成するためにと、単純にその行動をとることに何も不安を抱かずに遂行してしまうと、後で後悔することになるかもしれません。
その行動をとることで、違ったことが起きたり、自分の不利な状態になってしまうことは十分にあり得る話です。
それを懸念することなく、単純に目的を達成したいからと行動を起こしては、本末転倒になる可能性が高いです。
常に自分がこれからとる行動で、どのような結果が導かれてしまうのか、意識することが大事になります。
4. 本末転倒の例文や使い方
4-1. 「アルバイトをして学業を怠ってしまうのは本末転倒だよ」
大学に入りたいけど、家にお金がなく、仕方なくアルバイトをして大学に行く入学金を得ようと考えたA君。
しかし、いざ、アルバイトをすると、仕事がとても楽しく、時給も良くて、ついついアルバイトの時間を入れてしまいます。
家に帰っても、仕事でぐったりで勉強に身が入りません。
大学の入試を受けるために、予備校で模擬試験を行いましたが、結果はA判定からC判定という悪い結果に落ちてしまいました。
C判定では、大学入試を受けても受かるかどうか分かりません。
これに対して一言。
「アルバイトをして学業を怠ってしまうのは本末転倒だよ」といった状態となります。
4-2. 「集客しようと激安にしたけど、これではお店が潰れて本末転倒になりそうだよ」
なかなかお客さんが入らない中華屋さんを営むご主人。
これでは店が潰れてしまうと決心して、今よりも安く料理を提供することを決意。
結果、どんどんお客さんが来て、お店が賑やかになっていきます。
ところが、近くに激安の中華料理店ができると、再びお店は閑古鳥が鳴く状態に。
誰もお客が入らない状態が続き、仕方なく、そのお店に対抗すべく、ご主人も料理をさらに安く提供していきます。
しかし、激安では、利益が薄く、働いても働いても利益がでません。
これでは、何のために努力して安くしているのか訳が分からなくなってしまいます。
この状態に対してご主人が一言。
「集客しようと激安にしたけど、これではお店が潰れて本末転倒になりそうだよ」まさにこの状態を現しています。
4-3. 「お金を貯めようとインスタント食品ばかり食べているけど、病気になってお金がかかっては本末転倒だよ」
世界の放浪の旅に出たくて、お金を必死で貯めていたA君。
アルバイトを何社もかけもち、食事は安いインスタント食品に変えて、お金をきりつめた生活を送ります。
おかげでお金は順調にたまり、もう少しで当初予定していた金額に手が届きそうなところまできました。
ところが、インスタント食品ばかり食べていたせいか、体調を崩しやすくなり、倒れて長期入院するはめに。
おかげで入院費がかさみ、せっかく稼いだお金も、全てなくなってしまいそうです。
この状態に対して友達が一言。
「お金を貯めようとインスタント食品ばかり食べているけど、病気になってお金がかかっては本末転倒だよ」この状態を現しています。
5. 本末転倒の由来
もともと本末転倒という言葉は、本山の寺院と、末端の寺院の立場が逆転してしまったことを由来にしています。
本来ならば、本山の寺院がメインであるべきなのに、いつの間にか末端の寺院がメインとなってしまうといったイメージです。
今でも、子会社がいつのまにか主事業者になってしまうといったことがありますが、これこそ、本末転倒が意味している状態だといえます。
主となり、活躍すべきものが活躍せず、その活躍の手立てとなる予定だったものの方が活躍してしまうといった状況は、様々なシーンで現代でも見受けられます。
6. 本末転倒になりやすい人の特徴
本末転倒になりやすい人はどのような特徴を持つのでしょう。
詳しく見ていきます。
6-1. 失敗することを想定していない人
自分が失敗したときのことを考えていない人は本末転倒になりやすくなります。
自分が起こす行動が、成功することしか頭にないと、自分の予測していない結果に導かれてしまうことが多々あります。
失敗することが想定できると、その失敗をしないようにと避けて通ることができますが、失敗が予測できないと、その非常事態に対応できず、結果として本末転倒の状態になってしまいやすくなります。
本末転倒の状態にならないためには、失敗を想定してそれを防ぐための行動、そして失敗しても対応できる用意周到さが必要です。
これができていないと、失敗したときにその状況に飲み込まれてしまうだけで、本来の目的を達成できないまま終わることになるでしょう。
6-2. 執着しやすい人
物事に執着しやすい人は本末転倒になりやすい人だと言えるでしょう。
執着しやすい人は、つい今、自分が行っていることに対して、こだわって生きてしまう傾向があるからです。
それが本当の目的ではなくても、意味のないことにこだわり、執着してしまいます。
これでは、いつまでたっても本当の目的を達成することはできません。
執着しやすい自分の性質に気付き、そうならないように心がけて生きていくことが大切です。
本来の目的を達成されないことにいつまでもとらわれ続けていても、無駄な努力になってしまいます。
6-3. 真面目な人
真面目な人は本末転倒になりやすい人だと言えます。
真面目な人はその性格ゆえに、いい加減なことができない人だからです。
例えば、学業のために始めたアルバイトにもかかわらず、いざアルバイトで責任のある仕事を任せられると、それをないがしろにできず、つい熱が入ってしまいがちになります。
いい加減に仕事のできる人であれば、どのような責任のある仕事を任せられても、適当にあしらって、本来の目的を遂行することにだけ集中することができます。
しかし、真面目な人はそうはいきません。
仕事をないがしろにすることができず、いい加減に仕事をすることに苦しさを感じてしまいます。
でも、だからといって仕事に熱が入ってしまっては、本来の目的が達成できなくなる恐れが高く、本末転倒になりやすくなってしまいます。
まとめ
本末転倒はよく耳にする四字熟語の一つです。
意味をしっかりと知ることができると、今よりもさらに使いやすくなるはずです。
普段の生活に本末転倒の言葉を取り入れてみてはいかがでしょう。
5. 本末転倒の由来
もともと本末転倒という言葉は、本山の寺院と、末端の寺院の立場が逆転してしまったことを由来にしています。
本来ならば、本山の寺院がメインであるべきなのに、いつの間にか末端の寺院がメインとなってしまうといったイメージです。
今でも、子会社がいつのまにか主事業者になってしまうといったことがありますが、これこそ、本末転倒が意味している状態だといえます。
主となり、活躍すべきものが活躍せず、その活躍の手立てとなる予定だったものの方が活躍してしまうといった状況は、様々なシーンで現代でも見受けられます。
6. 本末転倒になりやすい人の特徴
本末転倒になりやすい人はどのような特徴を持つのでしょう。
詳しく見ていきます。
6-1. 失敗することを想定していない人
自分が失敗したときのことを考えていない人は本末転倒になりやすくなります。
自分が起こす行動が、成功することしか頭にないと、自分の予測していない結果に導かれてしまうことが多々あります。
失敗することが想定できると、その失敗をしないようにと避けて通ることができますが、失敗が予測できないと、その非常事態に対応できず、結果として本末転倒の状態になってしまいやすくなります。
本末転倒の状態にならないためには、失敗を想定してそれを防ぐための行動、そして失敗しても対応できる用意周到さが必要です。
これができていないと、失敗したときにその状況に飲み込まれてしまうだけで、本来の目的を達成できないまま終わることになるでしょう。
6-2. 執着しやすい人
物事に執着しやすい人は本末転倒になりやすい人だと言えるでしょう。
執着しやすい人は、つい今、自分が行っていることに対して、こだわって生きてしまう傾向があるからです。
それが本当の目的ではなくても、意味のないことにこだわり、執着してしまいます。
これでは、いつまでたっても本当の目的を達成することはできません。
執着しやすい自分の性質に気付き、そうならないように心がけて生きていくことが大切です。
本来の目的を達成されないことにいつまでもとらわれ続けていても、無駄な努力になってしまいます。
6-3. 真面目な人
真面目な人は本末転倒になりやすい人だと言えます。
真面目な人はその性格ゆえに、いい加減なことができない人だからです。
例えば、学業のために始めたアルバイトにもかかわらず、いざアルバイトで責任のある仕事を任せられると、それをないがしろにできず、つい熱が入ってしまいがちになります。
いい加減に仕事のできる人であれば、どのような責任のある仕事を任せられても、適当にあしらって、本来の目的を遂行することにだけ集中することができます。
しかし、真面目な人はそうはいきません。
仕事をないがしろにすることができず、いい加減に仕事をすることに苦しさを感じてしまいます。
でも、だからといって仕事に熱が入ってしまっては、本来の目的が達成できなくなる恐れが高く、本末転倒になりやすくなってしまいます。
まとめ
本末転倒はよく耳にする四字熟語の一つです。
意味をしっかりと知ることができると、今よりもさらに使いやすくなるはずです。
普段の生活に本末転倒の言葉を取り入れてみてはいかがでしょう。
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