コルチカムの花を知っていますか?コルチカムの和名は「イヌサフラン」といいます。
サフランに似た花を咲かせますが、サフランがアヤメ科であるのに対しコルチカムはイヌサフラン科の植物です。
以前はユリ科に分類されていたこともありました。
コルチカムはとても丈夫な植物で土や水がなくても球根に蓄えた養分だけで根もはやさずに花をつけることができます。
サフランに似ていてもサフランではない、コルチカムの花についてご紹介します。
- コルチカムとはどんな花?
- コルチカムの花言葉
- コルチカムについて解説
- コルチカムの名前の由来
- コルチカムの誕生日花の日
- コルチカムの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- コルチカムに似た花(花言葉や特徴)
- コルチカムのマメ知識
- まとめ
1. コルチカムとはどんな花?
コルチカムはヨーロッパから北アフリカにかけて分布するユリ目イヌサフラン科の多年生球根植物です。
コルチカムは花が終わった後に葉を出して、冬、春を過ごし、夏になると葉は枯れて落ちてしまい、地上部には何もなくなってしまいます。
秋になると根も葉もはえていない球根からにょきっとツボミをつけ、花茎の先端に花径4cm〜7cmほどの大きさの、サフランやクロッカスによく似た花を咲かせます。
秋咲きのものが多いコルチカムですが、春咲き種もあり、春咲きのコルチカム・ルテウムは黄色の花を咲かせるコルチカムでも珍しい品種です。
また、コルチカムは通常花びらの数は6枚ですが、品種改良によって八重咲き、大輪咲き、小輪咲きなど多種多様の花をつけ、花色はピンクや紫がかったピンク、白色のものがあります。
土や水がなくても花を咲かせることができるが特徴でテーブルの上に置いただけでも時期がくると美しいピンクや白色の花を咲かせてくれます。
2. コルチカムの花言葉
2-1. 「私の最良の日は過ぎた」
眩しく活動的な夏が終わり、涼やかな風の吹く秋。
緑に輝いていた木の葉も赤や黄色に染まり、はらはらと落ちていきます。
そんな秋に咲くコルチカムの花には、夏の楽しかった日々が過ぎ去ったことを名残惜しむことから由来しているそうです。
2-2. 「危険な美しさ」
コルチカムはとても美しい花を持ちますが、人を死に至らしめるほどの猛毒を持っています。
このコルチカムの毒性がこの花言葉の由来になっているといわれています。
2-3. 「悔いなき青春」
こちらも秋に咲くことに由来しているといわれています。
思いっきり青春を満喫して実りのある人生を過ごす、秋に大きな美しい花を咲かせるコルチカムに例えているのです。
2-4. 「永続」
こちらも花が終わった後に葉をつけ、一度葉が枯れ落ちて何もなくなった後に花をつける特徴から、終わったようにみえても命は続いていることに由来しているといわれています。
2-5. 「楽しい思い出」
こちらも秋に咲くことに由来しています。
夏の楽しかった日々を思い出すと少し寂しくもありますが、楽しい日々は次へ向かう大きな力になるものです。
2-6. 「嫉妬」
ギリシャ神話の「王女メディア」に由来します。
権力と金のために自分と子どもを捨て、コリントス王の娘と結婚することになった元夫。
嫉妬と悲しみに暮れるコルキスの王女メディアは新しい花嫁に毒を送り殺してしまいます。
コルチカム(colchicum)は、残忍な王女メディアの出身地「コルキス Colchis」(アルメニアの古都市)にたくさん咲いていたといわれています。
2-7. 「華美」
花茎からすっくと立ち繊細で美しい花を咲かせることから「華美」という花言葉がつけられたといわれています。
3. コルチカムについて解説
3-1. 英語での呼び名
「autumn crocus(秋のクロッカス)」「meadow saffron(草地のサフラン)」「naked ladies(裸のレディー)」
3-2. 原産地
原産地はヨーロッパ中南部から北アフリカにかけて約60種が分布する球根植物です。
4. コルチカムの名前の由来
4-1. コルチカムの学名「Colchicum autumnale」の由来
コルチカムColchicum)の名前の由来は、黒海に隣接していたアルメニアの古都コルキス(Colchis)地方に多く咲いていたことが由来します。
また、「autumnale」は「秋の」という意味です。
4-2. 和名「イヌサフラン」の名前の由来
コルチカムの花はサフランによく似ています。
サフランはハーブやスパイスとして昔から利用されてきた植物ですが、コルチカムは毒を持っています。
日本では役に立たない植物に「イヌ○○」とイヌという名前をつけることがよくあります。
毒を持つコルチカムは「イヌサフラン」といわれるようになったそうです。
4-3. 英名のコルチカムの名前の由来
「autumn crocus(秋のクロッカス)」
秋にクロッカスのような花を咲かせることに由来します。
「meadow saffron(草地のサフラン)」
サフランではないものの花姿がサフランに似たことから
「naked ladies(裸のレディー)」
裸の女性とはドキッとするような名前です。
葉もつけずにすっくと伸びた茎に花だけをつけることに由来します。
5. コルチカムの誕生日花の日
9月8日、9月21日、10月8日、10月9日、10月19日、11月5日、12月21日
6. コルチカムの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
6-1. コルチカム・オータムナーレ・アルバ(Colchicum autumnale ‘Album’)
コルチカムの園芸品種で一重咲きの白い花を咲かせます。
小型の種で花茎も白、雌しべ、花柱も柱頭も白の純白の花を咲かせます。
6-2. ‘ウォーター・リリー’(Colchicum ‘Waterlily’)
コルチカムの園芸品種です。
華やかな桃色の八重咲きの大輪種です。
その名の通りスイレンによく似た美しい花を咲かせます。
6-3. ‘ザ・ジャイアント’(Colchicum ‘The Giant’)
コルチカムの園芸品種です。
草丈は約24cm。
紫桃色の一重咲きの大輪の花をつけます。
6-4. ‘アルボプレナム’(Colchicum ‘Alboplenum’)
コルチカムの園芸品種です。
白い八重咲きの花をつけます。
6-5. コルチカム・ルテウム(Colchicum L. )
コルチカムの春咲きの品種。
ピンク系の花が多いコルチカムの中では珍しい黄色い花を咲かせます。
7. コルチカムに似た花(花言葉や特徴)
コルチカムには科が違うのによく似た花を持つものが多くあります。
7-1. サフラン(Crocus sativus)花言葉「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」
アヤメ科クロッカス属。
クロッカスの秋咲きの品種です。
開花期は10月から11月。
赤い雌しべを乾燥したもの「サフラン」は香りづけと色づけとしてパエリアやブイヤベースのスパイスとしてよく利用されています。
7-2. クロッカス(Crocus )花言葉「青春の喜び」「切望」「切実」「裏切らないで」「あなたを待っています」
アヤメ科クロッカス属。
クロッカスは原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジアのアヤメ科クロッカス属の総称です。
開花期は春咲きのものと秋咲きのものがありますが、主なクロッカスは春咲きのものです。
春咲きの開花期は2月から4月です。
7-3. スイレン(Nymphaea)花言葉「清純な心」「信仰」「清浄」「信頼」
スイレン科スイレン属の水に浮かんで花を咲かせる水生植物です。
スイレンの花は朝に咲き夕方には眠るように閉じてしまいます。
スイレンは日本を含め世界各国に分布しています。
開花期は5月〜10月。
コルチカムの八重咲きのものとよく似た花を咲かせます。
7-4. ミョウガ(Zingiber mioga)花言葉「忍耐」
ショウガ科ショウガ属の多年草です。
ミョウガの新芽を遮光して軟白化したものは「ミョウガタケ」といいます。
ミョウガは素麺や味噌汁などの薬味によく使われる和食には欠かせない食材のひとつです。
「花みょうが」、「みょうが」と呼ばれるものは花穂で、内部には開花前のツボミが3〜12個入っています。
開花期は7月〜8月。
薄い花びらがコルチカムと似ているため誤食され中毒になることがあるので注意が必要です。
7. コルチカムのマメ知識
7-1. 薬としてのコルチカム
コルチカムは猛毒を持っていますが、毒は薬にもなるということ。
コルチカムのタネや球根からとれるコルヒチンは薬事法で認可されていて痛風の治療などに利用されています。
古代エジプトではコルチカムを鎮痛剤として用いたといわれていますが、危険性が高いためその後は使用することはありませんでした。
コルチカムの薬用として注目されたのは18世紀以降で、フランスでコルチカムを使った薬用酒が通風の特効薬として売り出されてからです。
ヨーロッパではチンキ剤として通風の治療に用いられています。
日本では精製された品が利用されています。
7-2. 品種改良に役立つコルチカム
コルヒチンは植物細胞中の染色体を増やす作用があることから、コルチカムからとれるコルヒチンは種なしスイカなどの農作物の品種改良にも利用されています。
7-3. 有毒のコルチカムと間違えられやすい植物
コルチカムの葉はギョウジャニンニクによく似ているため間違えられることがあります。
球根は外側が茶色の外皮に包まれていて中が白いため、タマネギやジャガイモに間違えられることがあるので注意しましょう。
また薄い花びらを持つコルチカムの花をミョウガの花と誤ってしまった例もあるそうです。
また、サフランによく似ていることから誤って雄しべを採取して中毒になったというケースもあります。
7-4. コルチカムと山菜ギョウジャニンニクとの見分け方
冬から春は葉のみをつけるコルチカムですが、その葉は山菜の「ギョウジャニンニク」の葉とよく似ているため誤って食べて中毒を引き起こすことがあります。
誤って口にいれると下痢、嘔吐、皮膚の知覚麻痺、呼吸困難を発症し、重症の場合は死亡することもある猛毒です。
見分け方はまず葉の臭い。
ギョウジャニンニクの葉をもむとニンニクの様な強い臭いがしますがイヌサフランは臭いません。
また、芽の葉のつき方も違いがあります。
ギョウジャニンニクの芽は、葉が1枚から2枚ですが、イヌサフランの芽は、葉が多数重なり合っています。
山菜をとるときはコルチカムと間違えないように注意しましょう。
7-5. コルチカムとサフランの見分け方
スパイスに利用されるサフランの花もコルチカムとよく間違えられる植物です。
見分け方はサフランの雄しべは3個ありますが、コルチカムは6個です。
また赤い雌しべを持つサフランに対し、コルチカムの雌しべは赤くありません。
雄しべ、雌しべをよく観察して見分けましょう。
7-6. エアプランツとしてのコルチカムの育て方
エアプランツとは土にない空中で育つ植物のこと。
コルチカムは球根に蓄えた栄養や水分だけで花を咲かせられる性質があります。
土のないところで根もはらずに花を咲かせるコルチカムは開花するまでの間はエアプランツと同じように育てることができます。
そのままテーブルにコロンと転がしているだけでも花をつけてくれますが、おしゃれなカゴやお皿の上にそのまま置くとインテリアとして楽しむこともできますよ。
水がなくても大丈夫ですが、あまりに乾燥して球根がしわしわになってきた場合は霧吹きで水をかけてあげます。
日当たりが多少悪くても花は咲きますが、おひさまによく当ててあげると発色のよい花になります。
逆に日当たりが悪いと白っぽい花になります。
「エアプランツとして」といっても花が終わった球根には栄養はなくなってしまっています。
花が終わったら土中に植えて肥料と光合成をたっぷり与えれば翌年もきれいな花を楽しむことができます。
まとめ
美しい花には毒がある。
コルチカムはその繊細で端麗な花とはうらはらに猛毒を持った植物です。
和紙のような薄いその花びらは華奢でとても優雅。
根もはらずに土も水もいらないコルチカムはとても丈夫で強い植物です。
一見清楚に見える美しい女性の内面には毒が潜んでいるかもしれません。
しかしその毒は芯にある強い意志によって支えられていて、恐ろしいものではなく、優れた価値のあるものかもしれないですね。
7. コルチカムのマメ知識
7-1. 薬としてのコルチカム
コルチカムは猛毒を持っていますが、毒は薬にもなるということ。
コルチカムのタネや球根からとれるコルヒチンは薬事法で認可されていて痛風の治療などに利用されています。
古代エジプトではコルチカムを鎮痛剤として用いたといわれていますが、危険性が高いためその後は使用することはありませんでした。
コルチカムの薬用として注目されたのは18世紀以降で、フランスでコルチカムを使った薬用酒が通風の特効薬として売り出されてからです。
ヨーロッパではチンキ剤として通風の治療に用いられています。
日本では精製された品が利用されています。
7-2. 品種改良に役立つコルチカム
コルヒチンは植物細胞中の染色体を増やす作用があることから、コルチカムからとれるコルヒチンは種なしスイカなどの農作物の品種改良にも利用されています。
7-3. 有毒のコルチカムと間違えられやすい植物
コルチカムの葉はギョウジャニンニクによく似ているため間違えられることがあります。
球根は外側が茶色の外皮に包まれていて中が白いため、タマネギやジャガイモに間違えられることがあるので注意しましょう。
また薄い花びらを持つコルチカムの花をミョウガの花と誤ってしまった例もあるそうです。
また、サフランによく似ていることから誤って雄しべを採取して中毒になったというケースもあります。
7-4. コルチカムと山菜ギョウジャニンニクとの見分け方
冬から春は葉のみをつけるコルチカムですが、その葉は山菜の「ギョウジャニンニク」の葉とよく似ているため誤って食べて中毒を引き起こすことがあります。
誤って口にいれると下痢、嘔吐、皮膚の知覚麻痺、呼吸困難を発症し、重症の場合は死亡することもある猛毒です。
見分け方はまず葉の臭い。
ギョウジャニンニクの葉をもむとニンニクの様な強い臭いがしますがイヌサフランは臭いません。
また、芽の葉のつき方も違いがあります。
ギョウジャニンニクの芽は、葉が1枚から2枚ですが、イヌサフランの芽は、葉が多数重なり合っています。
山菜をとるときはコルチカムと間違えないように注意しましょう。
7-5. コルチカムとサフランの見分け方
スパイスに利用されるサフランの花もコルチカムとよく間違えられる植物です。
見分け方はサフランの雄しべは3個ありますが、コルチカムは6個です。
また赤い雌しべを持つサフランに対し、コルチカムの雌しべは赤くありません。
雄しべ、雌しべをよく観察して見分けましょう。
7-6. エアプランツとしてのコルチカムの育て方
エアプランツとは土にない空中で育つ植物のこと。
コルチカムは球根に蓄えた栄養や水分だけで花を咲かせられる性質があります。
土のないところで根もはらずに花を咲かせるコルチカムは開花するまでの間はエアプランツと同じように育てることができます。
そのままテーブルにコロンと転がしているだけでも花をつけてくれますが、おしゃれなカゴやお皿の上にそのまま置くとインテリアとして楽しむこともできますよ。
水がなくても大丈夫ですが、あまりに乾燥して球根がしわしわになってきた場合は霧吹きで水をかけてあげます。
日当たりが多少悪くても花は咲きますが、おひさまによく当ててあげると発色のよい花になります。
逆に日当たりが悪いと白っぽい花になります。
「エアプランツとして」といっても花が終わった球根には栄養はなくなってしまっています。
花が終わったら土中に植えて肥料と光合成をたっぷり与えれば翌年もきれいな花を楽しむことができます。
まとめ
美しい花には毒がある。
コルチカムはその繊細で端麗な花とはうらはらに猛毒を持った植物です。
和紙のような薄いその花びらは華奢でとても優雅。
根もはらずに土も水もいらないコルチカムはとても丈夫で強い植物です。
一見清楚に見える美しい女性の内面には毒が潜んでいるかもしれません。
しかしその毒は芯にある強い意志によって支えられていて、恐ろしいものではなく、優れた価値のあるものかもしれないですね。
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