ヤドリギは、クリスマスの時期になると良く耳にする人も多いでしょう。
ガーデニングで使用されることは少なく、フラワーショップにも出回っていません。
基本的には山の中に自生しているので、一体どんな植物なのか良く分からないという人も多いでしょう。
実はヤドリギは希少性の高い植物で、ちゃんと花言葉もあるのです。
ヤドリギの花言葉や豆知識などについて紹介します。
- ヤドリギとはどんな花?
- ヤドリギの花言葉
- ヤドリギについて解説
- ヤドリギの名前の由来
- ヤドリギの誕生日花の日
- ヤドリギの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- ヤドリギのマメ知識
- まとめ
1. ヤドリギとはどんな花?
1-1. ヤドリギとはどんな花?1
ヤドリギは「ビャクダン科ヤドリギ属」の植物です。
茶色いイメージがするのですが、常緑低木です。
ヤドリギの最も大きな特徴は、他の樹木の枝や幹にからみついて生長する「寄生植物」であるという点です。
ヤドリギの実は非常に粘り気があり、鳥が食べると体内で消化されずに粘り気と共にフンとして体外に排出されます。
この粘り気が役立ち、種が他の大木の枝にしっかりとくっつくのです。
発芽すると根を幹に食い込ませ、その樹木から水分や養分をたっぷりと吸収して生長していくのです。
このことから、ヤドリギは山の中でも野鳥が多く、しかも背の高い樹木の上の方で良く見られるので、一般的に入手が難しいと言われています。
1-2. ヤドリギとはどんな花?2
寄生植物というと、樹木を枯らしてしまう悪い植物というイメージがありますが、ヤドリギは違います。
寄生主の樹木を枯らすことはなく、自分が必要なだけ養分をちゃっかり貰いながら共生していくのです。
ヤドリギの葉っぱは、濃い緑色で非常に肉厚です。
寄生をして生きているのですが、ちゃんと自ら光合成をして必要な栄養を賄っています。
その為、古くからヤドリギの葉っぱは乾燥させて煎じて飲むなど、漢方薬として使われてきました。
「ヤドリギ」は特定の品種名ですが、多くの人が他の品種も含めて全体的に「ヤドリギ」と言っています。
これは、主なヤドリギがどれも良く似ていて区別がつかないことと、いつも他の植物に寄生しているので個性が目立たないからです。
そしてヤドリギにはちゃんと花が咲きます。
木の上に生息ししていることが多く中々直接見る機会はありませんが、花は小さくて黄色です。
2月~3月にかけて木の下から見え上げて黄色っぽくなっていれば、ヤドリギの花の可能性が高いです。
2. ヤドリギの花言葉
ヤドリギは非常に地味な花を咲かせますが、意外と多くの花言葉があります。
2-1. 「困難に打ち克つ」
これは、昔のヨーロッパにいたケルト民族が、高い木の上に寄生しながらも生長していくヤドリギを見て、神聖な力を感じたことに由来しています。
人は人生において様々な困難に立ち向かう必要があります。
それは金銭的なことや人間関係など様々ですが、どの時代にも生きていればそれなりの苦労はありました。
高い場所でも頑張って生きるヤドリギを見て、人々は勇気づけられたのでしょう。
2-2. 「克服」
ヤドリギは、他の木の養分を吸収して生長していく様子が、大きな相手を征服して自分のものにした様に見えることから付けられました。
自分よりも遥かに強そうな相手に寄生している様子を、困難を克服して成功していることに結びつけたのです。
2-3. 「忍耐強さ」
ヤドリギは、他の植物の様に地面に根を生やすのではなく、大木に寄生してまるで空中に浮かんでいる様に生長していきます。
寄生主である樹木の多くは秋には葉の色が変わり、冬には落葉するのにも関わらわず、ヤドリギは一年中緑色の葉を茂らせています。
しかもヤドリギは、冬の雪が積もった中でも相変わらず緑の葉を保っていることで、人々はその強いパワーに感じ入りました。
高いところでベストな状態を維持する、これはかなりの忍耐が必要なことであるという様に見られたのです。
2-4. 「キスしてください」
これはかなりユニークな花言葉です。
現在でも「クリスマスにヤドリギの下でキスをする」という風習があります。
しかも、ヤドリギの下にいる女性ならば誰でもキスして良いとされているので、女性はたまったものではありません。
ヤドリギはクリスマスリースの材料に使われていることから、海外では「クリスマスリースの下を通った女性にはキス出来る」と拡大解釈をする国もあります。
キスをしないと残念ながらご縁が無かったことになってしまう、という落ちまでついています。
花言葉の伝説
これは、以下のスカンジナビアの神話に因んだものです。
昔、バルドルという非常に美しい男性の神がいました。
彼は毎晩自分が誰かに殺される夢を見て苦しんでいました。
それを聞いて心配した彼の母親の愛と美の女神フリッグが、地上のあらゆる生物や植物に対してバルドルを絶対に近づいてはいけないと誓わせました。
ところが、ロキという意地悪な神が、ヤドリギが誓いを立てていないことに気付いたのです。
そこで、ロキはヤドリギを使って矢を作ります。
ヤドリギで作った矢
バルドルにはヘズという盲目の兄弟がいたのですが、ロキはヘズをそそのかして、ヤドリギで作った矢をバルドルに投げつける様に仕向けました。
ヤドリギの矢はたちまちバルドルを射抜き、彼はあっという間に命を落としてしまいました。
母親のフリッグは非常に悲しみ、その真珠の様な涙がヤドリギの粘り気のある実になりました。
それを見て憐れんだ他の神々が、神聖な力を使って彼女の息子を生き返らせたのです。
女神フリガアは非常に喜び、感謝の気持ちを表しました。
ヤドリギを平和と友情のシンボルとして、下を人が通る度にキスを贈ったのです。
ヤドリギを持った女性にキスをする風習の訳
このことから、クリスマスいんはヤドリキの下にいる女性にキスしても良い、という風習が生まれました。
どんなに仲が悪くても、ヤドリギの下を通ってしまったらキスに応じなければならないと言われています。
片思いの相手にキスが出来る都、二人は一生結ばれるとも言われています。
しかし、キスをする度にヤドリギの実を一つずつ取って行くので、実がなくなるとヤドリギのパワーも失われると言われています。
3. ヤドリギについて解説
ヤドリギには伝説やエピソードが多く、それだけ花言葉に神秘性が加わっています。
3-1. 英語での呼び名
ヤドリギの英語名は「Mistletoe(ミッスルトウ)」「European Mistletoe(ヨーロピアン ミッスルトウ)」「Common Mistletoe(コモン ミッスルトウ)」です。
3-2. 原産地
ヤドリギの原産地は、ヨーロッパと東南アジアで、寒さに強いので樹木があるところに自生しています。
3-3. ヤドリギの実
ヤドリギの実は、種類により様々な色があります。
「白・黄色・オレンジ」等があり、秋が深まる頃6ミリ~8ミリ位の大きさに熟します。
他の植物がすっかり葉が落ちて枯れてしまっても、ヤドリギだけは青々と葉を茂らせて、しかも実を付けるのですから、エサに困った鳥たちがやってきて、種を運んでくれるのです。
特にレンジャクという鳥の仲間はヤドリギの実が大好きです。
粘着性がある為に、フンに混じって途中でしっかりと新しい寄生主の枝に引っかかります。
3-4. ヤドリギを栽培する
自分の家の大木にヤドリギを寄生させたいと思う人もいるでしょう。
ヤドリギは基本的に、「ポプラ・桜・ミズナラ・ブナ・ケヤキ・モミジ」などの山にある樹木を好んで寄生します。
幹の中に根を伸ばして水や栄養を吸収するのですが、基本的に太陽の光を浴びて発芽します。
葉が落ちない常緑樹だとヤドリギの種子に日が当たらず、発芽しくいと思われます。
ヤドリギを栽培したいのならば、寄生主としては落葉樹が良いでしょう。
また、ヤドリギは発芽してから約4年経ってやっと最初の枝分かれをします。
基本的に1年に1度枝分かれをして、フィッシュボーンの様になっていきます。
込み入った枝のヤドリギに生長するまでには20年~30年かかると思いましょう。
ヤドリギを栽培するには、かなりの年季が必要になります。
3-5. ヤドリギの見分け方
ヤドリギは基本的に落葉樹に寄生します。
ヤドリギを見つけようと思ったら、冬に探してみましょう。
寄生主の葉っぱが全て落ちてしまった後に、ヤドリギの枝と葉っぱが、こんもりと丸い茂みになって浮かんでいます。
3-6. ヤドリギの実は甘い?
ヤドリギの実はベトベトしていて、野鳥が好んで食べます。ということは、かなり「甘い」とされていて、実際に食べた人が「甘かった」と記述しています。
但し、ベタベタの実が喉の奥から取れずに困ったとあったり、体質によってはアレルギーが心配されるので、鳥に任せた方が良いでしょう。
4. ヤドリギの名前の由来
ヤドリギは言葉通り、寄生主である樹木に宿って生長していくことから名づけられました。
日本名では「寄生木」「宿り木」等と表記されます。
5. ヤドリギの誕生日花の日
ヤドリギはクリスマスに非常に関連がある植物で、12月24日の誕生日花です。
6. ヤドリギの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
ヤドリギは街中で見かけることは滅多になく、種類としても単な「ヤドリギ」で表現されることが多くなります。
以下は日本でも見かけることのできるヤドリギの種類です。
花言葉は全てヤドリギと同じです。
6-1. アカミノヤドリギ
北海道から九州でブナに寄生するヤドリギです。
大きさは約70センチ程、花が咲いてもまず誰にも気づかれません。
実の色が赤いことから最も特徴的として命名されています。
人により実が赤くないものは種類に関わらず名前はない、ただのヤドリギと言うこともあります。
6-2. ヒノキバヤドリギ
ヒノキを好んで寄生するヤドリギです。
葉が肉厚で、サボテンの様にも見えます。
6-3. オオバヤドリギ
関東地方~沖縄にかけて幅広く見られます。
「ツバキ・モチノキ・マサキ・スギ」などの常緑樹を好んで寄生します。
高さは1メートル位になるものがあり、枝には赤っぽい産毛の様なものが生えています。
開花時期は9月~12月で、花はおしべとめしべがあるのではなく、両性です。
6-4. マツグミ
こちらは名前通りマツ等の針葉樹を好んで寄生しています。
花は真っ赤でサルビアの様にも見えます。
開花時期は8月ですが、針葉樹の中とあり、はっきりと目立つことはありません。
マツグミを見つけようと思ったら、上を見上げながら探すよりは、落ちている花を目安に探した方が良いでしょう。
6-5. ホザキノヤドリギ
東北から中部地方にかけて生育していて、常緑樹や針葉樹に寄生しています。
高さは20センチ~40センチほどで、枝は若干紫色ですべすべしています。
6月~7月頃に、枝の先に3センチ程の黄緑色の花を咲かかせます。
実は大きさが5ミリ程で、熟しても薄い黄色のままです。
7. ヤドリギのマメ知識
7-1. クリスマスに欠かせない訳
北ヨーロッパでは、キリスト教が広まる前には太陽崇拝の「ドルイド教」教徒が多くいました。
彼等の中では冬になると、寒さを防ぐ為に森の精霊がヤドリギの中に隠れ棲む伝えられていました。
ヤドリギを部屋の中に入れておけば、妖精たちが家を守ってくれると信じていたのです。
このことから、ヤドリギは「幸福・安全・幸運」をもたらす聖なる木とされていました。
現在でもこの風習が残っていて、ヤドリギを丸くしてリボンや様々なデコレーションを施し、玄関や家の中に飾っています。
海外ではヒイラギのリースと同じ位ヤドリギのリースが用いられています。
クリスマスカードのデザインにもなっていて、欠かせないアイテムなのです。
7-2. ヤドリギを足元に置いてはダメな訳
先に紹介した北欧神話の続きで、ヤドリギは神々に対して「地面に触れない限りは誰も傷つけません」と誓いました。
そこで人々は、ヤドリギを決して地面に置かずに、リースにして壁やドアに吊るす様になったのです。
7-3. キリストの十字架の材料だった説
ヤドリギには宗教と関連の深いエピソードもあります。
元々ヤドリギは大木でした。
しかしイエス・キリストの十字架の材料にされてしまったのです。
そこでヤドリギは自分を恥じて、小さな木となり、他の樹木の陰に隠れてひっそり生きる様になったとのことです。
木の上の方で人目を避ける様に生育していくことから言われる様になったのでしょう。
まとめ
ヤドリギは種類が少なく、あっても学術名であり、普通に名前を付けて区別されることはありません。
神話の影響もあってかかなり神秘的な植物です。
また、ヤドリギは花言葉は素晴らしいのですが、人にプレゼントしにくい植物です。
ヤドリギに興味がある人は、クリスマスのリースを取り寄せるか、山の中を散策して野生のヤドリギを観察してみた方が良いでしょう。
3. ヤドリギについて解説
ヤドリギには伝説やエピソードが多く、それだけ花言葉に神秘性が加わっています。
3-1. 英語での呼び名
ヤドリギの英語名は「Mistletoe(ミッスルトウ)」「European Mistletoe(ヨーロピアン ミッスルトウ)」「Common Mistletoe(コモン ミッスルトウ)」です。
3-2. 原産地
ヤドリギの原産地は、ヨーロッパと東南アジアで、寒さに強いので樹木があるところに自生しています。
3-3. ヤドリギの実
ヤドリギの実は、種類により様々な色があります。
「白・黄色・オレンジ」等があり、秋が深まる頃6ミリ~8ミリ位の大きさに熟します。
他の植物がすっかり葉が落ちて枯れてしまっても、ヤドリギだけは青々と葉を茂らせて、しかも実を付けるのですから、エサに困った鳥たちがやってきて、種を運んでくれるのです。
特にレンジャクという鳥の仲間はヤドリギの実が大好きです。
粘着性がある為に、フンに混じって途中でしっかりと新しい寄生主の枝に引っかかります。
3-4. ヤドリギを栽培する
自分の家の大木にヤドリギを寄生させたいと思う人もいるでしょう。
ヤドリギは基本的に、「ポプラ・桜・ミズナラ・ブナ・ケヤキ・モミジ」などの山にある樹木を好んで寄生します。
幹の中に根を伸ばして水や栄養を吸収するのですが、基本的に太陽の光を浴びて発芽します。
葉が落ちない常緑樹だとヤドリギの種子に日が当たらず、発芽しくいと思われます。
ヤドリギを栽培したいのならば、寄生主としては落葉樹が良いでしょう。
また、ヤドリギは発芽してから約4年経ってやっと最初の枝分かれをします。
基本的に1年に1度枝分かれをして、フィッシュボーンの様になっていきます。
込み入った枝のヤドリギに生長するまでには20年~30年かかると思いましょう。
ヤドリギを栽培するには、かなりの年季が必要になります。
3-5. ヤドリギの見分け方
ヤドリギは基本的に落葉樹に寄生します。
ヤドリギを見つけようと思ったら、冬に探してみましょう。
寄生主の葉っぱが全て落ちてしまった後に、ヤドリギの枝と葉っぱが、こんもりと丸い茂みになって浮かんでいます。
3-6. ヤドリギの実は甘い?
ヤドリギの実はベトベトしていて、野鳥が好んで食べます。ということは、かなり「甘い」とされていて、実際に食べた人が「甘かった」と記述しています。
但し、ベタベタの実が喉の奥から取れずに困ったとあったり、体質によってはアレルギーが心配されるので、鳥に任せた方が良いでしょう。
4. ヤドリギの名前の由来
ヤドリギは言葉通り、寄生主である樹木に宿って生長していくことから名づけられました。
日本名では「寄生木」「宿り木」等と表記されます。
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