カミツレは、可憐な花を咲かせる植物で、カモミールとも呼ばれ、ハーブティーなどに広く利用されています。
その効能や品種、花言葉など、カミツレについて解説します。
- カミツレとはどんな花?
- カミツレの花言葉
- カミツレについて解説
- カミツレの名前の由来
- カミツレの誕生日花の日
- カミツレの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- カミツレに似た花(花言葉や特徴)
- カミツレを育て収穫しよう
- まとめ
1. カミツレとはどんな花?
カミツレ(学名:Matricaria chamomilla)は、キク科・コシカギク属(シカギク属)の一年草です。
原産地はヨーロッパ、中央アジア、モンゴル、中国東部、朝鮮半島で、草丈は30~60cm程になります。
3月~6月に直径2cm程の可愛らしい花を咲かせます。
花は成熟するにつれて純白の花弁が反り返り、中心の黄色い部分が盛り上がってきます。
黄色い部分は中が空洞になっていて、甘い香りがします。
カモミール、カモマイル、ワイルドカモミール、ジャーマンカモミール、ドイツカミツレとも呼ばれています。
マザーズハーブ(母の薬草)と呼ばれて、人気のハーブです。
古くからハーブティーなどに幅広く使われており、特にドイツでは薬用にされています。
カモミールと呼ばれるものには、ローマンカモミール、ダイヤーズカモミール、コシカギクなどがあります。
カミツレは、こぼれ種で増えるくらい丈夫な植物で、簡単に栽培できるハーブとして大変人気があります。
2. カミツレの花言葉
「逆境に耐える」「苦難の中の力」
カミツレは可憐な白い花を咲かせる植物で、大変丈夫な性質を持っています。
こぼれた種がそのまま発芽し成長してどんどん増えていきます。
そんな強い性質から、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
英語の花言葉も同じ意味です。
「patience in adversity(逆境に耐える)」「energy in adversity(逆境で生まれる力)」
3. カミツレについて解説
3-1. 英語での呼び名
英名: Chamomile, German chamomile
Chamomileは、ギリシア語で大地のリンゴを意味する「chamaimelon」を語源としています。
カミツレの花にはリンゴにも似たフルーティーで甘い香りがあることに由来します。
3-2. 原産地
原産地はヨーロッパ、西アジアです。
ヨーロッパでは古くから薬草として広く親しまれてきました。
カミツレは最も古くから利用されているハーブの1つとも言われています。
3-3. カミツレのマメ知識
ハーブとしてのカモミール
カモミールと呼ばれるものは、ジャーマンカモミール(カミツレ)、ローマンカモミール、ダイヤーズカモミール、コシカギクなどがありますが、ハーブとして利用されているのは主にジャーマンカモミールとローマンカモミールです。
古くから薬草として利用されてきました。
日本でも大変ポピュラーなハーブで、ハーブティーをはじめとして、化粧品、アロマオイル、ハンドクリーム、入浴剤など、薬効とともに良い香りを楽しむことができます。
ハーブに詳しい人だけでなく一般的にも知名度が高く人気があります。
カモミールの効能
ヨーロッパでは4000年以上前から消炎、発汗に効果のある民間薬として親しまれてきました。
特にドイツでは、風邪や下痢、頭痛などに薬用茶として利用されており、薬用植物の評価委員会では、治療目的での使用が承認されています。
抗炎症作用があるカマズレン、アピゲニンといった成分を含んでいるため、ストレスによる胃の痛みなどに効果があるハーブティーとして飲用されています。
日本でも、カモミールティーは安眠を促す効果があるとしてよく知られています。
カモミールティー
カモミールティーは、大変人気のあるハーブティーです。
鎮静、安眠、発汗、消化促進に効果があるとされています。
主に、ジャーマンカモミールが使われています。
さっぱりとして飲みやすいのが特徴です。
アロマテラピー
カモミールは、アロマテラピーに使われる代表的な植物でもあります。
カモミールのエッセンシャルオイルには、安眠やストレス解消などの効能があるとされています。
乾燥した花から水蒸気蒸留によって精油を抽出します。
含有量が少ないため大変に貴重です。
主に、甘い香りが強いローマンカモミールが使われています。
カモミールのエッセンシャルオイルは化粧品、香水、食品にも利用されています。
害虫予防
カモミールは、除虫菊(キク科)などと同じ様に、近くに生えている植物を害虫や病気から守る働きがあるといわれています。
野菜などのそばに植えておくと害虫の予防になり、カモミールの浸出液は、立ち枯れ病を防ぐとされています。
また、ハーブティーや入浴剤として使用した後の花を土に混ぜても、同じ効果あると言われています。
ヨーロッパの国々では
6月23日、24日、聖ヨハネの日とその前日には、かがり火を焚く習慣があったといい、カモミールなどの香りのよい植物がくべられました。
この煙には厄除けの力があると信じられていたといわれています。
又、イギリスの一部の地域では、聖ヨハネの日に、戸口にカモミールのリースを飾る習慣があります。
ヨーロッパの国々では、小さなブーケを持って教会へ行く習慣がありました。
カモミールは聖アンナの祝日(7月26日)によく利用されていたといわれています。
4. カミツレの名前の由来
カミツレは、漢字では「加密列」と書きます。
オランダ語名のカーミレ(kamille)がなまったものといわれています。
日本には、日本には19世紀の初めに蘭学とともにオランダから渡来し、その後鳥取県や岡山県などで栽培が始められたと言われています。
5. カミツレの誕生日花の日
カミツレは2月14日、3月14日、11月3日の誕生花です。
開花時期なら、育てたカミツレの可憐な白い花を使ったブーケをプレゼントするのがおススメです。
ハーブティーやアロマオイルなど加工したものは一年中手に入りますので、可愛らしくラッピングをして贈りましょう。
6. カミツレの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
6-1. コシカギク(オロシャギク)(学名:Matricaria matricarioides)
ジャーマンカモミールの近縁種で一年草です。
原産地はアジア北部、北アメリカで、北海道から本州の道端などでも見ることができる帰化植物です。
欧米では、パイナップルウィード、ワイルドカモミールとも呼ばれています。
ジャーマンカモミールから花びらを取ったような花を咲かせます。
草丈生えて15~30cm程になります。
葉と花にはパイナップルのような香りがあり、ネイティブアメリカンは、葉と花を薬草として利用したり、香料にも使用していました。
6-2. ダイヤーズカモミール(学名:Anthemis tinctoria)
カミツレモドキ属の多年草です。
原産地はヨーロッパと西アジアで、寒さに強い品種です。
6月~7月に、長い茎に黄色い花を咲かせます。
和名はコウヤカミツレといい、イエローカモミール、ゴールデンマーガレットとも呼ばれています。
花は染料として利用されています。
7. カミツレに似た花(花言葉や特徴)
7-1. ローマンカモミール(学名:Anthemis nobilis)
キク科・カマエメルム属の多年草です。
原産地は地中海沿岸で、6月~7月に3センチ程の小さく可憐な白い花を咲かせます。
草丈は30~60cmになり、茎は地面を這うように伸びて行く大変丈夫で生命力の強い品種です。
日本では全国で広く栽培されています。
ローマカミツレとも呼ばれています。
英名はRoman chamomileです。
花名は、16世紀にイタリアを訪れたドイツの作家がローマでこの植物を最初に発見したことに由来していると言われています。
古くから薬草として親しまれており、古代エジプトでは太陽神への捧げものにされたといいます。
丈夫な品種で全草に甘い香りがあるので、グランドカバーにも利用されています。
花言葉は「逆境にも負けない強い生命力や精神力」
ローマンカモミールは、可憐な花の姿からは想像もつかない程に大変生命力が強く、地を這うようにして茎を伸ばして成長していく性質があることから、この花言葉が付けられたと考えられています。
7-2. ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い
ジャーマンカモミールとローマンカモミールは見た目がとても似た品種です。
その違いをまとめると、ジャーマンカモミールは小型の品種で一年草です。
ローマンカモミールは大型の品種で多年草です。
又、ジャーマンカモミールは花の中央の黄色い部分が、ローマンカモミールよりも盛り上がっています。
ジャーマンカモミールは主にハーブティーに利用されます。
ローマンカモミールは、茎、葉、花に甘く強い香りがあり、主にエッセンシャルオイルなどに利用されます。
ジャーマンカモミールはハーブティーにするとさっぱりとして飲みやすいのですが、ジャーマンカモミールは苦みが出ます。
8. カミツレを育て収穫しよう
8-1. 栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所で育てましょう。
肥えた軟らかい土に植えるとよく育つので、庭植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜてよく耕しておきます。
8-2. 水やり
乾燥させすぎないように管理しましょう。
とう立ちが早まります。
株が十分に良く育たないまま花が咲いてしまうことがあり、花の収穫量も減ってしまいます。
庭植えの場合は、成長期に晴天が続くときは水を与えます。
鉢植えの場合は、乾燥させすぎるとハダニが発生しやすくなります。
霧吹きで葉に水をかけましょう。
毎日水やりをしていてもすぐに乾燥する場合は、少し大きめの鉢に植え替えましょう。
ただし、水の与え過ぎには注意しましょう。
鉢内が過湿になっている状態が続くと根腐れを起こします。
8-3. 肥料
庭植えの場合は、植えつけの1か月前に、植える場所の土に有機質肥料を混ぜておきましょう。
鉢植えの場合は、用土に元肥として緩効性肥料を混ぜておきます。
花つきをよくしたい時には、庭植えの場合も鉢植えの場合も、3月にリン酸分が多めの液体肥料を与えると、花の収穫量が増えます。
肥料の与え過ぎはかえって株を弱らせますので、用量を守って与えるようにしましょう。
8-4. 病気と害虫
高温になる時期には、うどんこ病が出ることがあります。
蕾や花にアブラムシがつくことがあります。
鉢植えの場合は、夏の暑くて乾燥している時期には、ハダニが発生することがあります。
8-5. 用土(鉢植え)
水はけ、水もちが良い肥えた土を使いましょう。
赤玉土小粒1:腐葉土1の割合で混合した土を用意するか、市販されている野菜用培養土を用意しましょう。
植えつけ、 植え替え
植えつける時は、苗が5~10cmくらいに育ったら、苗と苗の間を30cmほど開けて定植します。
株が大きくなったときに風通しが悪くならないように、株間は広めにしておきましょう。
直まきの場合は芽を間引いて、混み合いすぎないようにします。
株が密集しすぎると風通しが悪くなります。
病気の原因にもなりますので注意しましょう。
8-6. ふやし方
カミツレは、種で増やします。
種は秋にまきます。
開花までの期間が長いので株が大きく育ち、花が沢山付きます。
春に種をまくと、開花までの期間が短くなるので、秋まきに比べて花の収穫量は少なくなります。
秋に作業ができなかった場合は、2月頃に種をまいて室内で管理します。
暖かくなったら外に出して育てましょう。
種は15~20度くらいで発芽します。
カミツレの種は小さいので、覆土はほとんど必要ありません。
種の発芽率は良いですが、発芽した直後の成長はやや遅いです。
カミツレはこぼれ種でもよく増えます。
小さな種は風で運ばれやすく、予想もしなかった所から発芽することがありますので、そのような時には、育てたい場所に移植しましょう。
8-7. 手入れ
苗が15~20cmくらいに育ったら、茎の先端を摘心します。
枝数が増えて花数も多くなりますので、収穫量が増えます。
花の収穫を続けて茎だけの部分ができたら、その部分を切り戻します。
8-8. 収穫
花の中心の黄色い部分がふくらんできたら、花弁が反り返る前に花を収穫します。
晴れた日の午前中に1輪ずつ収穫しましょう。
花は、種ができる前にこまめに収穫するようにします。
花期が長くなります。
多数の株を栽培している場合は、株の7割くらいが開花したら、茎ごと収穫します。
小さな蕾はなるべく残して茎を切るようにしましょう。
一度に使いきれない量が収穫できた場合は、冷凍保存で半年程もちます。
乾燥させて保存させるよりも香りがよく残ります。
完全に乾燥させたものを、空気に触れないよう密封して冷蔵庫で保存しても、色や香りが長もちします。
まとめ
カミツレは薬草として古くから親しまれてきた植物です。
丈夫で育てやすい植物ですので、自家栽培をすれば、フレッシュなカモミールティーを楽しむことができます。
可愛らしい花を咲かせたら切り花にしてプレゼントにしても喜ばれます。
カミツレはいろいろな楽しみ方ができる魅力的な植物です。
3. カミツレについて解説
3-1. 英語での呼び名
英名: Chamomile, German chamomile
Chamomileは、ギリシア語で大地のリンゴを意味する「chamaimelon」を語源としています。
カミツレの花にはリンゴにも似たフルーティーで甘い香りがあることに由来します。
3-2. 原産地
原産地はヨーロッパ、西アジアです。
ヨーロッパでは古くから薬草として広く親しまれてきました。
カミツレは最も古くから利用されているハーブの1つとも言われています。
3-3. カミツレのマメ知識
ハーブとしてのカモミール
カモミールと呼ばれるものは、ジャーマンカモミール(カミツレ)、ローマンカモミール、ダイヤーズカモミール、コシカギクなどがありますが、ハーブとして利用されているのは主にジャーマンカモミールとローマンカモミールです。
古くから薬草として利用されてきました。
日本でも大変ポピュラーなハーブで、ハーブティーをはじめとして、化粧品、アロマオイル、ハンドクリーム、入浴剤など、薬効とともに良い香りを楽しむことができます。
ハーブに詳しい人だけでなく一般的にも知名度が高く人気があります。
カモミールの効能
ヨーロッパでは4000年以上前から消炎、発汗に効果のある民間薬として親しまれてきました。
特にドイツでは、風邪や下痢、頭痛などに薬用茶として利用されており、薬用植物の評価委員会では、治療目的での使用が承認されています。
抗炎症作用があるカマズレン、アピゲニンといった成分を含んでいるため、ストレスによる胃の痛みなどに効果があるハーブティーとして飲用されています。
日本でも、カモミールティーは安眠を促す効果があるとしてよく知られています。
カモミールティー
カモミールティーは、大変人気のあるハーブティーです。
鎮静、安眠、発汗、消化促進に効果があるとされています。
主に、ジャーマンカモミールが使われています。
さっぱりとして飲みやすいのが特徴です。
アロマテラピー
カモミールは、アロマテラピーに使われる代表的な植物でもあります。
カモミールのエッセンシャルオイルには、安眠やストレス解消などの効能があるとされています。
乾燥した花から水蒸気蒸留によって精油を抽出します。
含有量が少ないため大変に貴重です。
主に、甘い香りが強いローマンカモミールが使われています。
カモミールのエッセンシャルオイルは化粧品、香水、食品にも利用されています。
害虫予防
カモミールは、除虫菊(キク科)などと同じ様に、近くに生えている植物を害虫や病気から守る働きがあるといわれています。
野菜などのそばに植えておくと害虫の予防になり、カモミールの浸出液は、立ち枯れ病を防ぐとされています。
また、ハーブティーや入浴剤として使用した後の花を土に混ぜても、同じ効果あると言われています。
ヨーロッパの国々では
6月23日、24日、聖ヨハネの日とその前日には、かがり火を焚く習慣があったといい、カモミールなどの香りのよい植物がくべられました。
この煙には厄除けの力があると信じられていたといわれています。
又、イギリスの一部の地域では、聖ヨハネの日に、戸口にカモミールのリースを飾る習慣があります。
ヨーロッパの国々では、小さなブーケを持って教会へ行く習慣がありました。
カモミールは聖アンナの祝日(7月26日)によく利用されていたといわれています。
4. カミツレの名前の由来
カミツレは、漢字では「加密列」と書きます。
オランダ語名のカーミレ(kamille)がなまったものといわれています。
日本には、日本には19世紀の初めに蘭学とともにオランダから渡来し、その後鳥取県や岡山県などで栽培が始められたと言われています。
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