エーデルワイスは歌や映画でもよく知られているヨーロッパの高地に咲く花です。
白い花と思っている人が多いでしょうが、実はエーデルワイスの花は花弁の様に見える白い苞葉(ホウヨウ:葉が変化した物)の中心部にあり、黄色です。
ヨーロッパでエーデルワイスと言えば、1つの花を差しますが、日本には本種が渡来していないので、ウスユキソウ属に分類される高山植物は総てエーデルワイスと呼ばれるのが一般的です。
日本産でヨーロッパのエーデルワイスに最も近いのは「ハヤチネウスユキソウ」だとされています。
- エーデルワイスとはどんな花?
- エーデルワイスの花言葉
- エーデルワイスについての解説
- エーデルワイスの名前の由来
- エーデルワイスが誕生日花の日
- 種類(原種・園芸種)
- エーデルワイスに似た花(花言葉や特徴)
- まとめ
1. エーデルワイスとはどんな花?
エーデルワイスは、ヨーロッパの山岳地帯に分布しているキク科ウスユキソウ属の多年草です。
海抜1500~3400mの石灰岩地帯を好んで自生している花です。
草丈は20~30cm程で、花は苞葉が長く伸びている所為で、星の形に見えます。
一時はアルプスに登山した証として登山家が「アルプスの星」として持ち帰ったものですが、数が減少し、現在では野生のエーデルワイスの採集は規制されています。
1-1. エーデルワイスの花の特徴
エーデルワイスは真っ白な花、と思いがちですが、実は先述の通り、花は中心の筒状の細い10本ほどの黄色の部分となります。
しかし、5枚の苞葉とその内側は雪が積もったようにふわふわしており、いかにも雪山に咲く花、といった見栄えをしています。
白と緑のコントラストがとても上品な感じを醸し出しています。
また、5枚の苞葉が星を連想させるので「アルプスの星」とも呼ばれたのです。
日本で流通しているエーデルワイスの苗は平地で育てられた物から取った物なので、ある程度耐暑性に優れています。
しかし、やはり温かい地方では花が綺麗に白くならなかったり、暑さに負けて開花しないこともあります。
栽培するなら、関東以北の方が良いでしょう。
1-2. エーデルワイスは薬草としても有名
エーデルワイスは13世紀頃からヨーロッパでは薬草として使われてきました。
また、家畜小屋の燻蒸にも使われていました。
薬草としては、バウホヴェーブレーム(腹痛草)、ブルートゥンゲンクラウト(肺血草)、ルールクロイテル(赤痢草)と、効果のある病気の名前で呼ばれることもありました。
高地での放牧が一般的になると、エーデルワイスは家畜に食べられ、自生種は徐々に減少していきました。
そして、18世紀にチロル地方で同じく薬草であったヨモギの一種であるエーデルラウテににせて”エーデルワイス”の名が定着しました。
2. エーデルワイスの花言葉
2-1. 「大切な思い出」
エーデルワイスにはある恋のエピソードがあります。
ある登山家が地上に舞い降りた天使に恋をしてしまいました。
しかし、天上の天使と地上の人間との恋は叶うはずもありません。
登山家は天に向かって「どうかこの苦しみから救って下さい」と祈りました。
すると、天使はエーデルワイスの花を地上に残して、天に帰っていったということです。
この話から、エーデルワイスには天使との悲しくも何物にも代えがたい、大切な思い出を表す花言葉が付いたと言われています。
2-2. 「尊い思い出」
こちらは天使との恋から付いた花言葉であるとも言えますが、その他にも高い山の上の危険な場所でしかエーデルワイスの花に出会えないので、貴重なことを尊い思い出として捉えたのでしょう。
2-3. 「勇気」
エーデルワイスは徐々に数が減って、19世紀にはかなり危険な場所でしか見ることが出来なくなりました。
それでもエーデルワイスを愛する人に捧げたいと願った人は、相当な勇気を持って行ったことでしょう。
そういう理由から、勇気と言う花言葉が付いたのではないでしょうか。
2-4. 「忍耐」
この花言葉は、エーデルワイは人間の乱獲にも負けず、今でも密やかに高地で咲いている様子から付いたものでしょうか。
それとも、登山家の天使への叶わぬ想いを、エーデルワイスの花を見ることで慰めたことから付いたものでしょうか。
3. エーデルワイスについての解説
3-1. 英語での呼び名
エーデルワイスは元々ドイツ語ですが、英語でも、エーデルワイスは「edelweiss」と綴り、”エ”にアクセントを持ってきて”エーデルワイス”と発音します。
3-2. 原産地
原産地はヨーロッパアルプスの広範囲で、特に高山の石灰岩地を好んで生息しています。
3-3. エーデルワイスのマメ知識
エーデルワイスはスイスとオーストリアの国花に指定されています。
「スイスアルプスの妖精」と呼ばれ、人々に愛されている花なので2つの国が国花に指定したのでしょう。
スイスでは国内で販売される雑貨やお菓子の包装紙のデザインに使われたり、航空会社の名前(エーデルワイス航空)になったりと、日本の桜と同じくらい国民の日常に溶け込んでいます。
また、エーデルワイスはドイツ語名ですが、オーストリアは国民の98%がドイツ語を話します。
また、チロル地方で「エーデルワイス」とこの花を名付けましたが、チロル地方はドイツ、オーストリア、スイス、イタリアの4か国に跨っていますが、基本的にはドイツ語が通じる地域を差しますので、オーストリア人にとっては古来から馴染みの深い花でしょう。
エーデルワイスの学名である「Leontopodium(レオントポディウム)」はギリシャ語で「ライオンの足」を意味します。
あの可愛く純潔な花がどうして「ライオンの足」なのか不思議ですが、過酷な環境に育つ花であればこそ、ライオンを支える足の様な強さを感じたのでしょうか。
4. エーデルワイスの名前の由来
エーデルワイスはドイツ語で「edel(高貴な)」「weiβ(白)」、つまり「高貴な白い花」という意味です。
高山で見る純白の美しい花は”純潔の象徴”として捉えられていて、ヨーロッパでは音楽、美術、物語・・・と様々な場面に名前が見られ、身近に感じられている花です。
また、別名として「セイヨウウスユキソウ」「ハナウスユキソウ」「アルペン・エーデルワイス」「ステラ・アルピナ」「エトワール・ダルジアン」等があります。
5. エーデルワイスが誕生日花の日
エーデルワイスが誕生花である日は、2月13日、5月1日、8月18日となっています。
6. 種類(原種・園芸種)
エーデルワイスは高山植物なので、自生している場所が平地とは違う為、園芸品種を育てるのは難しいとされています。
6-1. エーデルワイス(原種)
ヨーロッパアルプスに自生する品種。
近年は数が増えず、登山をしても自生種を見ることはめったにないそうです。
その為、ホテルや観光店がエーデルワイスを平地で見られるように栽培しています。
6-2. ウスユキソウ(日本の原種)
野生では7月~9月にかけて開花しますが、栽培の場合は3月下旬~5月の上旬までに植え付けをし、6月~10月にかけて開花します。
北海道から九州にかけての山地で見られます。
日当りが良く、風通しの良い環境を好みますが、耐暑性にはやや弱いので、真夏は50%くらいは遮光をしてやり、春と秋は西日は避けます。
冬は寒風に晒すと芽が傷むので風よけをしましょう。
ウスユキソウは多湿に弱く、根腐れを起こしやすい花です。
葉が萎れたら脱水しているので、傷んだ根をすぐに切り落として植え替えてやりましょう。
6-3. ハヤチネウスユキソウ
岩手県の早池峰山の蛇紋岩地帯に生えている、とても珍しい塩基性植物(アルカリ性で重金属濃度が高い岩や土に生えることが出来る植物)です。
「日本のエーデルワイス」と呼ばれています。
6-4. ヒナウスユキソウ(ミヤマウスユキソウ)
東北地方の高山に見られる小型のウスユキソウです。
芽が出ると同時に花芽も伸びてきます。
全体が1つの花の様に見える8~13枚の白い花が付きます。
高山植物らしい姿なので人気が高い花です。
6-5. ホソバヒナウスユキソウ(変種)
ヒナウスユキソウの変種で、上越国境の蛇紋岩地帯に生える、ハヤチネウスユキソウと同じく塩基性植物です。
全体的に他のウスユキソウより細目で締まった感じを受けます。
6-6. チシマウスユキソウ(原種)
南千島産と言われる小型のウスユキソウです。
ところが、花は大輪で全体が白い毛で覆われています。
細い葉は互い違いに生えています。
丈夫で美しいので人気がある品種です。
現在流通している花が基本種かどうかはわかっていません。
6-7. ミネウスユキソウ(変種)
ウスユキソウの変種と見られています。
本州中部の高山で見られます。
7. エーデルワイスに似た花(花言葉や特徴)
7-1. フランネルフラワー
花の質感がネルの様なので、見た目が雪を被ったようなエーデルワイスと似ています。
ただ、苞葉はなく、花弁の中央に黄色の花が立っていることはありません。
花言葉:「高潔」、「誠実」、「いつも愛して」
誕生花:6月18日
7-2. オオヒラウスユキソウ
エーデルワイスの仲間ですが、苞葉の中央に黄色い丸い球が5~6個付くところがエーデルワイスとは違っています。
苞葉も5枚では無く10枚ほどあるので、星の形には見えませんが、全体的な感じはエーデルワイスに似ています。
花言葉:「大切な思い出」、「勇気」、「忍耐」
7-3. コウテイウスユキソウ
こちらは日本のミヤマウスユキソウの仲間だそうです。
0花の中心には黄色の塊がありますが、その周りに黒い粒状の物が10個以上付いているのが特徴でしょうか。
花言葉:「尊い思い出」、「初恋の感動」
誕生花:6月17日
※日本ではウスユキソウの種類は皆エーデルワイスに似ていると捉えられています。
まとめ
エーデルワイスは日本でもとてもよく知られた花ですね。
そして、高山に咲く白く可憐で、かつ高潔な感じをうける花でもあります。
エーデルワイスの歌でも、「(略) 小さなほほえみ そっと白く きらめく花よ 永遠に アルプスの雪 消えないように (略)」 訳詞:山川 啓介と、アルプスの雪の中できらめく星のイメージをよく表しています。
日本の温暖な地方ではやや栽培が困難なので、夏の開花時期に上記の植物園に行ってエーデルワイスの咲く環境も体験しつつ、その可憐な姿を見に行くのも良いですね。
昔から何とかこの花を摘もうと命を懸けた人達までいた花です。
その為に自生種が減少してしまったのは残念ですが、雪が積もったようなふわふわした花の感じは独特のもので、是非一度は自分の目で見てみると良いでしょう。
3. エーデルワイスについての解説
3-1. 英語での呼び名
エーデルワイスは元々ドイツ語ですが、英語でも、エーデルワイスは「edelweiss」と綴り、”エ”にアクセントを持ってきて”エーデルワイス”と発音します。
3-2. 原産地
原産地はヨーロッパアルプスの広範囲で、特に高山の石灰岩地を好んで生息しています。
3-3. エーデルワイスのマメ知識
エーデルワイスはスイスとオーストリアの国花に指定されています。
「スイスアルプスの妖精」と呼ばれ、人々に愛されている花なので2つの国が国花に指定したのでしょう。
スイスでは国内で販売される雑貨やお菓子の包装紙のデザインに使われたり、航空会社の名前(エーデルワイス航空)になったりと、日本の桜と同じくらい国民の日常に溶け込んでいます。
また、エーデルワイスはドイツ語名ですが、オーストリアは国民の98%がドイツ語を話します。
また、チロル地方で「エーデルワイス」とこの花を名付けましたが、チロル地方はドイツ、オーストリア、スイス、イタリアの4か国に跨っていますが、基本的にはドイツ語が通じる地域を差しますので、オーストリア人にとっては古来から馴染みの深い花でしょう。
エーデルワイスの学名である「Leontopodium(レオントポディウム)」はギリシャ語で「ライオンの足」を意味します。
あの可愛く純潔な花がどうして「ライオンの足」なのか不思議ですが、過酷な環境に育つ花であればこそ、ライオンを支える足の様な強さを感じたのでしょうか。
4. エーデルワイスの名前の由来
エーデルワイスはドイツ語で「edel(高貴な)」「weiβ(白)」、つまり「高貴な白い花」という意味です。
高山で見る純白の美しい花は”純潔の象徴”として捉えられていて、ヨーロッパでは音楽、美術、物語・・・と様々な場面に名前が見られ、身近に感じられている花です。
また、別名として「セイヨウウスユキソウ」「ハナウスユキソウ」「アルペン・エーデルワイス」「ステラ・アルピナ」「エトワール・ダルジアン」等があります。
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