マグノリア(モクレン,木蓮)という花・植物の特徴と名前の由来を詳しく説明しながら、「マグノリアの花言葉の意味」について紹介していきます。
マグノリアの花・植物に関する参考になる情報やエピソードも紹介します。
マグノリアは約1億年も前から存在しているとされる樹木・花であり、春になると「紫色・白色・赤色・ピンク色」などの味わいのある花(6枚の花びらを持つ花)を咲かせてくれます。
このマグノリアにはどのような花言葉や花・木(植物)の特徴があるのでしょうか。
- マグノリアとはどんな花・植物なのか?
- マグノリアの花言葉
- マグノリアについての解説
- マグノリアの名前の由来
- マグノリアが誕生日花とされている日
- マグノリアの種類(原種・園芸品種の特徴・花言葉)
- マグノリアに似た花の特徴・花言葉
- まとめ
1. マグノリアとはどんな花・植物なのか?
マグノリアの花や樹木・植物としての特徴について解説していきます。
1-1. マグノリアはモクレン科モクレン属の遥か昔からある花:シモクレンとハクモクレン
マグノリア(Magnolia liliiflora,Magnolia quinquepeta)はモクレン科モクレン属に分類される約9500万年も前の時代から存在しているとされる歴史の古い樹木・花です。
モクレン科モクレン属の植物の持つ原始的な特徴として、萼(がく)と花弁が区別できないという事があります。
マグノリアは日本では「木蓮(モクレン)」と同じ種類の花・植物を指していますが、一般的なモクレンは紫色の花を咲かせる「シモクレン(紫モクレン)」で、根元から複数の幹が伸びてきて、樹高は約4~5メートルにまで生長する中高木です。
シモクレンの花びらは「6枚」で、開花中に下部から葉っぱが出てきて、花が終わる時期には花は旺盛に茂った葉に隠れてしまう事になります。
シモクレン以上に最近人気が出てきているのが「ハクモクレン(白モクレン)」で、春先に紫色ではなく白色の清楚な趣きのある花を咲かせてくれます。
ハクモクレンは幹が複数に分かれておらず単一で太い幹が上方に向かってぐんぐん伸びていきます。
ハクモクレンは樹高が約20mにまで成長する高木であり、白色のハクモクレンの花の花びらは「9枚」もあり、シモクレンと同様に開花後に葉っぱが茂ってきて花を覆い隠してしまいます。
1-2. マグノリアには多くの別名がある:漢方薬「厚朴」としての利用と柑橘系の上品な花の香り
マグノリア(モクレン)の別名には、「木蘭(モクラン)・木蓮華(モクレンゲ)・紫木蓮(シモクレン)・辛夷(シンイ)・ハネズ・コンパスフラワー」などのたくさんの種類があります。
「コンパスフラワー」という別名は、マグノリアの花の蕾(つぼみ)がいつも北を向いていてコンパスのような役割を果たせることに由来しています。
和名の「木蓮(モクレン)」の由来は花がハス(蓮)に似ていることにあり、それ以前は花がラン(蘭)に似ていることから「木蘭(モクラン)」ともいいました。
マグノリアの花からは、柑橘系の上品な甘い香りや華やかで爽やかな香りが漂っています。
香りの強度は強くありませんが、マグノリアの花の下に立つと、程よい強さの花の甘い香りによって気持ちが癒されてきます。
マグノリア(木蓮)の一種である「M. officinalis(日本におけるホオノキ)」の樹皮は、「厚朴(こうぼく)」という漢方薬として活用されていて、アレルギー性疾患のアレルギー反応(免疫応答反応)を抑える一定の薬理効果が認められています。
2. マグノリアの花言葉
マグノリアには、以下のような花言葉があります。
2-1. 「自然への愛」
マグノリアの花言葉は「自然への愛」です。
マグノリアという樹木は春が訪れると花と葉を一気に芽吹かせてエネルギッシュな姿を見せてくれますが、そのエネルギーに満ち溢れた姿が「自然への強烈な愛」として解釈されたのでしょう。
自然の花木や山野、河川を愛する心を持っているのであれば、「自然への愛」という素敵な花言葉を持つマグノリア(木蓮)の花を、身近なスペースに飾ってみるのも良いでしょう。
ゴミゴミとした都会の喧騒・人混みにばかり飲み込まれていると、人の心は殺伐としてしまいますから、時には「マグノリアの花見」も兼ねて自然豊かな田舎・山野に繰り出してみましょう。
上品さと華やかさを兼ね備えたマグノリアの花を見ることで、殺伐としたあなたの気持ちは癒され、ストレスも和らぐことでしょう。
2-2. 「崇高・高貴」
マグノリアの花言葉は「崇高・高貴」です。
マグノリア(木蓮)の花が仏教で神聖さや崇高さ(高貴さ)を象徴する「蓮の花」にどこか似ていることから、「崇高・高貴」という素晴らしい花言葉が生まれたのかもしれません。
世俗の欲望(煩悩)に溺れて心が汚れたように感じられる時には、崇高な風情を漂わせているマグノリアの美しい花を観賞して「心のクリーニング」を行ってみるのも良いでしょう。
高貴な雰囲気を持っている礼儀正しい貴婦人・紳士が知り合いにいるのであれば、春の季節にマグノリアの花見物に一緒に出かけてみてはいかがでしょうか。
2-3. 「持続性」
マグノリアの花言葉は「持続性」です。
恐竜がまだ生きていたとされる約9500万年前から、地球上の生物の自然淘汰(自然選択)を生き延びてきたマグノリアは、まさに「持続性」に優れた花・植物なのです。
「石の上にも三年・継続は力なり」といった、物事を諦めずに継続することの大切さを伝えることわざ(諺)が多く残されていますが、マグノリアの美しくて生命力に満ちた花も、あなたに「持続するエネルギー」を分け与えてくれることでしょう。
仕事や学業、結婚生活などを諦めずに持続してほしい、そんな願いを込めてマグノリア(木蓮)の花を贈ってみてもいいでしょう。
2-4. 「忍耐」
マグノリアの花言葉は「忍耐」であり、長い歴史を生き延びてきたマグノリアの耐久力・環境適応力を象徴するものになっています。
日常生活や仕事環境などで、「今の自分にはちょっと忍耐や我慢が足りないな」と感じるような時に、マグノリアの紫色や白色の花を観賞してみると良いかもしれません。
マグノリアの花のたたずまいを通して、「忍耐心によって成し遂げられることの多さ」に改めて気づかされることでしょう。
2-5. マグノリアの英語の花言葉は「Love of nature・perseverance・nobility・dignity」
マグノリアの英語の花言葉は、「Love of nature(自然への愛)・perseverance(忍耐)・nobility(崇高・高貴)・dignity(威厳)」になります。
西洋の花言葉においても、マグノリアの花言葉は「自然に対する愛情の深さ」や「精神の高貴さ・威厳」を伝える自然や崇高な雰囲気と親しみが深いものになっています。
3. マグノリアについての解説
マグノリアの基本的な情報(英語の呼び名と語源・原産地)について紹介していきます。
3-1. マグノリアの英語での呼び名と英語の語源について
マグノリアは英語では、「Magnolia、Lily magnolia」と呼ばれています。
“Magnolia”はフランスの植物学者ピエール・マニョル (Pierre Magnol) の名前にちなんだ英語であり、“lily”には百合(ユリ)の花の意味があり、キリスト教圏ではユリは「清純・純潔」の象徴でした。
マグノリアは、アメリカのミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されています。
ミシシッピ州は、マグノリアの花が多く自生していて州の人々からも愛されていることから、「マグノリアの州 (Magnolia State)」という俗称まで作られているのです。
3-2. マグノリアの原産地と開花期
マグノリア(木蓮)の原産地は中国と南米ですが、現在ではマグノリアの植生は北米東部、中米、西インド諸島、東アジア、東南アジアへと幅広く広がっています。
モクレン属の種を掛け合わせたマグノリアの交配種は非常に数が多く、観賞用樹木として人気があることから、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどで植栽されています。
マグノリアの開花期は「3月~5月」で、春先に「紫色・白色・赤色・ピンク色」の柑橘系の爽やかな香りがする花を咲かせてくれます。
マグノリアの花の花持ちは、「4~5日」になります。
3-3. マグノリアの豆知識:マグノリアに似たモクレン科のタイザンボク(泰山木)は精油・香水の材料
「マグノリア」という名称・銘柄で精油(エッセンス)が製造販売されていますが、春の花らしい爽やかで甘い香りが漂う精油・香水に仕上げられています。
マグノリアという名称になっていますが、マグノリア(木蓮)の花そのものを材料にしているのではなく、タイザンボク(泰山木)というマグノリアに似たモクレン科の植物の花からエッセンスを抽出しています。
4. マグノリアの名前の由来
マグノリア(Magnolia)という植物の名前は、17~18世紀に植物の博物学・分類学で活躍したフランスのモンペリエの植物学者ピエール・マニョル (Pierre Magnol) の人名に由来していますが、命名したのはシャルル・プリュミエという植物学者です。
1703年にシャルル・プリュミエ (Charles Plumier) が、「Genera(植物分類学)」にマルティニーク島の花木について記録を残しましたが、地元で「Talauma」と呼ばれていた花・植物に、シャルル・プリュミエはピエール・マニョル (Pierre Magnol) に由来する「Magnolia」と名付けたのです。
5. マグノリアが誕生日花とされている日
マグノリアが誕生日花とされている日は、「3月9日」です。
6. マグノリアの種類(原種・園芸品種の特徴・花言葉)
マグノリアの色々な種類とその特徴・花言葉について紹介していきます。
6-1. ハクモクレン(白木蓮)
ハクモクレン(白木蓮)は、モクレン(シモクレン)より樹高が高いという特徴があり、約10~15mにまで大きくなります。
シモクレンの高さは約3~5メートルです。
シモクレンよりも早い3月の早春に花を咲かせて、春の到来を待ち望んでいるようにも見えるので、中国では「望春花(ぼうしゅんか)」という別名もあります。
ハクモクレンの可憐な白い花は、必ず上向きに咲き、日が落ちて暗くなると花が閉じる習性を持っています。
ハクモクレンの花言葉は、「高潔な心」「慈悲」になります。
6-2. サラサモクレン(更紗木蓮)
サラサモクレン(更紗木蓮)は、シモクレンとシロモクレンを交配させて作った種類で、紫色と白色の花を咲かせる二つの木蓮の特徴が混ざっています。
サラサモクレンは、樹高は約6~10メートルで、4~5月頃に薄いピンク色の花を咲かせます。
サラサモクレンの花言葉は、「自然への愛」「崇高・高貴」「持続性」「忍耐」になります。
6-3. オオヤマレンゲ
オオヤマレンゲ(Magnolia sieboldii)は、日本の本州と中国南部に自生している落葉低木・落葉小高木でマグノリアの一種です。
オオヤマレンゲの樹高は約2~4mであまり高くはなく、5~6月の春先に少しうつむいたような形で可憐な白い花を咲かせます。
オオヤマレンゲの花びらは清楚な感じの白色であり、花芯は赤みを帯びていて、清楚さの中に潜む情熱のようなものを感じさせてくれます。
オオヤマレンゲの花言葉は、「変わらぬ愛」です。
6-4. ガールマグノリア
ガールマグノリアはアメリカ原産のマグノリアの種類で、モクレン(シモクレン)とコブシを交配させて作られた樹高2~3メートルの小ぶりなマグノリアです。
園芸品種には「スーザン」「アン」「ベティ」など女性の名前がつけられており、鮮やかで深みのあるピンク色の花を咲かせます。
7. マグノリアに似た花の特徴・花言葉
マグノリアに似たモクレン科の花の特徴・花言葉について紹介していきます。
7-1. コブシ(辛夷)
コブシ(辛夷)は日本に自生しているモクレン科の植物で、マグノリアのハクモクレンに似た清楚な趣きがある白い花(約4~5センチ)を3月~5月の春に咲かせます。
コブシは別名を「田打ち桜」といい、田植えをする春先の季節に、桜の代わりになるような美しい白い花を咲かせてくれることからこの名前で呼ばれるようになったようです。
コブシは漢方薬としても活用されており、コブシの樹皮を煎じて健康維持や胃腸の回復に効くお茶にしていました。
あるいは、風邪薬のように感染症(流行性感冒)に対する漢方薬として処方されることもありました。
コブシの花言葉は、「友情」「友愛」「愛らしさ」となっています。
7-2. タイサンボク(泰山木)
タイサンボク(泰山木)は北アメリカ原産の種類で、樹高は約20~30メートルにまで大きくなる特徴があります。
日本には明治時代に渡来しましたが、タイサンボクは大木に育つだけあって、6~7月に咲く花も大ぶり(直径約20センチ)になっています。
世界各地でタイサンボクは街路樹・公園樹として利用されていますが、タイサンボクの花から取った精油・香水は「マグノリア」という銘柄で商品化されています。
タイサンボクの花言葉は、「前途洋洋」「壮麗」となっています。
まとめ
マグノリア(Magnolia)はモクレン科モクレン属の中国原産・南米原産の植物であり、約9500万年前から地上に存在していたとされるとても歴史の古い花です。
日本には平安時代に中国・朝鮮半島からもたらされたと推測されていますが、春の季節に「紫色・白色・赤色・ピンク色」の花を咲かせます。
マグノリアの花は春の3月~5月に味わいのある質素な花を咲かせますが、マグノリアの花は柑橘系のフルーツを思わせる甘い香りがする特徴を持っています。
マグノリアの一般的な花言葉は、「自然への愛」「崇高・高貴」「持続性」「忍耐」などになります。
マグノリアの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
3. マグノリアについての解説
マグノリアの基本的な情報(英語の呼び名と語源・原産地)について紹介していきます。
3-1. マグノリアの英語での呼び名と英語の語源について
マグノリアは英語では、「Magnolia、Lily magnolia」と呼ばれています。
“Magnolia”はフランスの植物学者ピエール・マニョル (Pierre Magnol) の名前にちなんだ英語であり、“lily”には百合(ユリ)の花の意味があり、キリスト教圏ではユリは「清純・純潔」の象徴でした。
マグノリアは、アメリカのミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されています。
ミシシッピ州は、マグノリアの花が多く自生していて州の人々からも愛されていることから、「マグノリアの州 (Magnolia State)」という俗称まで作られているのです。
3-2. マグノリアの原産地と開花期
マグノリア(木蓮)の原産地は中国と南米ですが、現在ではマグノリアの植生は北米東部、中米、西インド諸島、東アジア、東南アジアへと幅広く広がっています。
モクレン属の種を掛け合わせたマグノリアの交配種は非常に数が多く、観賞用樹木として人気があることから、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどで植栽されています。
マグノリアの開花期は「3月~5月」で、春先に「紫色・白色・赤色・ピンク色」の柑橘系の爽やかな香りがする花を咲かせてくれます。
マグノリアの花の花持ちは、「4~5日」になります。
3-3. マグノリアの豆知識:マグノリアに似たモクレン科のタイザンボク(泰山木)は精油・香水の材料
「マグノリア」という名称・銘柄で精油(エッセンス)が製造販売されていますが、春の花らしい爽やかで甘い香りが漂う精油・香水に仕上げられています。
マグノリアという名称になっていますが、マグノリア(木蓮)の花そのものを材料にしているのではなく、タイザンボク(泰山木)というマグノリアに似たモクレン科の植物の花からエッセンスを抽出しています。
4. マグノリアの名前の由来
マグノリア(Magnolia)という植物の名前は、17~18世紀に植物の博物学・分類学で活躍したフランスのモンペリエの植物学者ピエール・マニョル (Pierre Magnol) の人名に由来していますが、命名したのはシャルル・プリュミエという植物学者です。
1703年にシャルル・プリュミエ (Charles Plumier) が、「Genera(植物分類学)」にマルティニーク島の花木について記録を残しましたが、地元で「Talauma」と呼ばれていた花・植物に、シャルル・プリュミエはピエール・マニョル (Pierre Magnol) に由来する「Magnolia」と名付けたのです。
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