気後れするとは？気後れする人の心理や特徴・使い方・類語・反対語・英語 | SPITOPI

「気後れする」とは「相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心がひるむこと、心が怖気づいて行動できないこと」を意味していますが、気後れする人の特徴・傾向にはどのようなものがあるのでしょうか? この記事では、気後れするの「類語(同義語)・反対語(対義語)・英語表現」を紹介して、「気後れする人の心理」「気後れする人に多い特徴・傾向、気後れしないための対策」を分かりやすく説明していきます。

1. 気後れするとは?

「気後れする(きおくれする)」には、「何かをしようとした時に、相手や環境の条件などによって心がひるんで自信が無くなること」や「相手の勢いに押されたりその場の雰囲気に呑まれたりして、心が怖気(おじけ)づいて何も行動できなくなること。

畏縮(いしゅく)すること」といった意味があります。

自分で「自分の能力・魅力・実績」について十分ではないと思い込んでいる時に、気後れする状態になりやすくなります。

客観的には自分に相当の実力があったとしても、「相手が明らかに自分よりも優れた能力・魅力を持っている時」や「自分が参加しようとしている勝負(競争)の場のレベルがあまりにも高い時」などには、多くの人が気後れしやすくなってしまいます。

「気後れする時」というのは、「今の自分の能力や魅力ではその相手(その環境)には通用しない」と思ってしまったことで、不安感や自信の無さが募った時なのです。

1-1. 気後れするは、「自信の無さ・不安感・不適切感」によって心が怯むことである

そのため、自分に自信が無かったり不安感・緊張感が強かったりする人ほど、気後れしやすくなります。

気後れするとは、「何らかの行動をしようとする時に、相手の実力・勢いに押されたり自分に自信が持てなかったりすることで、心がひるんでしまうこと」なのです。

自分に自信が持てないことには、「自分はその場にふさわしくないと思うこと」も含みます。

相手の勢い・実力や環境の条件などに対して心が怯んだ(ひるんだ)結果として、消極的になって行動(発言)できなくなるのが「気後れする」ということです。

2. 気後れするの類語・反対語

気後れするの「類語・反対語」について紹介していきます。

2-1. 気後れするの類語(同義語)

気後れするの類語には、以下のようなものがあります。

「自信の無さや不安感によって消極的になること」を意味する気後れするの類語

「自信の無さや不安感によって消極的になること」を意味する気後れするの類語(同義語)には、「畏縮する(いしゅくする)・臆する(おくする) ・臆す・萎縮する・消極的になる・怖気づく(おじけづく)・怖じ気づく・及び腰になる・自分が小さく感じる・尻込みする・積極性を失う・怖ける(おじける)・ひるむ(怯む)・びくびくする・意欲がなくなる・腰が引ける・堂々とできない・内向きになる・気おじする・気持ちがくじける・物怖じする」などがあります。

「臆する」は、臆病という言葉があるように相手や状況を恐れて行動できないことを意味します。

「萎縮する」は、心が小さくしおれて縮むことでおどおどすることを意味します。

「及び腰になる・腰が引ける」は、恐怖や不安によって積極的に行動できない状態を意味してます。

「内向きになる」は、自分に自信がないために欲求や関心が外の世界・他者に向かわずに、自分自身の内面にばかり向いていることを意味します。

「自信不足で決断できずに優柔不断になること」を意味する気後れするの類語

「自信不足で決断できずに優柔不断になること」を意味する気後れするの類語には、「気が引ける・躊躇する(躊躇う,ためらう)・(一歩が)踏み出せない・臆する・遠慮する・怯む・おどおどする・怖気づく・なかなか踏み切れない・優柔不断の・決意できない・決断できない・すぐにできない・思い切れない・決心できない・実行できない・行動に移せない」などがあります。

これらは、自分に自信がなかったり不安で迷ったりして決めきれないことを意味する類語になっています。

「劣等感が強くて人前に出られないこと」を意味する気後れするの類語

「劣等感が強くて人前に出られないこと」を意味する気後れするの類語には、「劣等感を感じる・引け目を感じる・気が引ける・目立たないでおこうと思う・前に出にくい・劣等感がある」などがあります。

これらは、自分が相手よりも劣っているという劣等感や自分にはその場にふさわしいだけの実力がないという劣等感が根底にある類語です。

劣等コンプレックスによって、自分が行動しても恥をかくだけだとか周囲に迷惑を掛けるだけだとかいう認識があるので、人前に出て行動しづらくなるのです。

「相手の勢いや実力に押されていること」を意味する気後れするの類語

「相手の勢いや実力に押されていること」を意味する気後れするの類語には、「勢いに呑まれる・気圧される(けおされる)・ひるむ(怯む)・気を呑まれる・たじろぐ・威圧される」などがあります。

これらは、自分の実力(能力・魅力・影響力)が相手よりも劣っている時に感じる自信の無さや劣等感に由来している類語です。

この気後れするの類語に当てはまる状況では、正に「相手の勢いに呑まれて気圧されている状況」にあると言えるでしょう。

「積極的に物事を成し遂げる意志が失われること」を意味する気後れするの類語

「積極的に物事を成し遂げる意志が失われること」を意味する気後れするの類語には、「怯む・逃げ腰になる・怖気づく・へっぴり腰になる・物怖じする・怖じ恐れる(おじおそれる)・腰が引ける・たじろぐ・たじたじになる・尻込みする・及び腰になる・腰を引く・後ずさる・及び腰となる・浮き足立つ・弱腰になる・弱気になる・浮き腰になる」などがあります。

これらは何かをしようとしている時に、「相手が強すぎる時」や「目的達成が難しすぎる時」に起こりやすい「意志・意欲・自信の喪失」を意味している類語です。

2-2. 気後れするの反対語(対義語)

気後れするの反対語(対義語)は、「自信がある・堂々としている・決断力がある・決定力がある・迷わない・度胸がある・覚悟がある・積極性がある・前に出る・腰が座っている・肝っ玉が強い・意欲的である・積極的である・自己評価が高い・思い切りが良い・挑戦的である・優越感がある・優位に立つ」などになります。

これらの反対語(対義語)は、自分に自信を持って迷わずに決断する、物事に対して積極的で行動力がある、自己評価が高くて物怖じせずに人前に出られる(挑戦できる)といった意味を持っています。

3. 気後れする人の心理

気後れする人には、どのような心理状態が働いているのでしょうか?

3-1. 実力不足で自分に自信がない

気後れする人の典型的な心理状態として、相手や状況と比較して自分の実力が大きく不足しているために、自信を失ってしまっていることがあります。

例えば、運良く東京大学にギリギリの成績で合格できたものの、周囲にいる地域の天才・秀才の東大生(明らかに平均的な人とは異なる地頭の良い東大生)と比較すると、どうしても自分の知的能力や学業のセンスが劣っているように見えてしまう時には、自信喪失によって気後れしてしまいやすいのです。

自分の好きな人が、その人が通るだけでみんなが振り向くような圧倒的な美人・イケメンである場合にも、「自分の異性としての魅力」がまったくその好きな人に及ばないという実力不足によって自信を失ってしまうこと、結果的に気後れしてしまうことになりやすいのです。

3-2. 自意識過剰で失敗を恐れて緊張しやすい

気後れする人の心理として多いのは、自意識過剰であるということです。

自意識過剰ということは、「自分自身が他人にどのように見られているか」を気にし過ぎているということです。

気後れする人は、実際には他人が自分のことを何も悪く思っていないのにも関わらず、自分自身で勝手に「私はみんなから馬鹿にされていて能力や価値がないと思われている」というような感じで、ネガティブな思い込みに陥りやすいのです。

自意識過剰で人の目を気にしすぎるので、過度に失敗することを恐れて、緊張感や不安感が強まりやすいのです。

その結果、すべての失敗や挫折の可能性を必死に避けようとして、実際の行動・発言を何もできないようになってしまいやすいのです。

3-3. 相手に気を遣いすぎて自分の言動すべてが迷惑になると思っている

気後れする人の代表的な心理として見られるのは、「大して実力がない自分が下手に積極的に動いたら、みんなに迷惑をかけるだけだからやめておこう」や「能力も魅力もない自分が人に無理に関わろうとしても、逆に迷惑・負担になるだけだからやめておこう」というものです。

気後れする人の心理として、「他人(相手)に気を遣いすぎる」や「他人(相手)に迷惑・負担をかける可能性を過度に恐れる」があります。

自分の実力(能力・魅力)に対する自信がなくて劣等感が強いため、「自分の行動・発言にはほとんど価値がない」というネガティブな信念を持ちやすくなっています。

相手に絶対に迷惑を掛けてはいけない、相手に少しでも心理的負担を掛けてはいけないという思いが強いと、相手と関わること自体が後ろめたくなって、気後れすることになります。

3-4. 見栄っ張りで自分のダメな部分を見せたくない

気後れする人の心理として、人から自分のことを実際以上に良く見られたいという意味で「見栄っ張り・虚栄心が強い」ということがあります。

気後れする人は、他人に対して「自分の優れている部分+自分の良い部分」だけをいつも見せていたいという承認欲求・見栄があるので、「自分よりも優れていそうな人(自分の実力では通用しそうにない状況)」に遭遇すると、どうしても気後れしやすいのです。

気後れする人が相手の勢いや場の雰囲気にひるんでしまうのは、「自分の劣っている部分+自分のダメな部分」を他人に見られたくないからであり、「自分の負けの結果+自分が劣っている状況」に直面することを何が何でも避けようとする心理が働いているからなのです。

4. 気後れするの英語

「気後れする」を英語で表現すると、「become diffident(自信がなくなる)、lose one's nerve(気後れする、うろたえる)、be(feel) daunted(気後れする)」になります。

「気後れ」を名詞で表現すると、「nervousness、diffidence」になりますが、diffidenceの方がやや形式ばった表現です。

「気後れを感じている」を英語で表現すると、「feel nervous、feel hesitant」になります。

5. 気後れするの使い方「例文」

気後れするの使い方を示す「例文」をいくつか紹介します。

自分よりも圧倒的に魅力があると思っている異性に対する気後れを示す例文として、「美しい彼女と向き合うと気後れしてしまい、どうしてもいつもの調子でコミュニケーションを取ることができない」「容姿端麗な彼の完璧な笑顔を前にしてしまうと、緊張感が強まって気後れしてしまう」があります。

自分みたいなお金持ちでも権力者でもない凡庸な人間が特別に豪華な式典・ホテルなどに行った時に感じる気後れを示す例文として、「社長の誕生日を祝う食事会で三ツ星ホテルの高級レストランに招待されたのだが、気後れしてしまって何を食べたのか全く記憶に残らなかった」があります。

自分たちよりも圧倒的に実力がある選手・チームが集まっているスポーツ大会(競技会)に参加して気後れを感じた例文として、「県内でもそれほど強いチームではない私たちは、甲子園出場経験のある強豪校の自信に溢れた選手たちの姿を見て、気後れしてしまった」があります。

6. 気後れする人に多い特徴・傾向・対策

気後れする人に多い特徴・傾向には、以下のようなものがあります。

気後れしないようにするための対策についても説明しています。

6-1. 苦手なことが多くて他人に対する劣等感が強い

気後れする人に多い特徴としては、仕事にしても勉強にしてもコミュニケーション(対人関係)にしても、「苦手なこと+上手くできない活動や作業+自信がないジャンル」が多いということがあります。

能力・魅力・成果を客観的に評価すれば、人並みか普通よりやや劣るくらいのレベルであっても、自分で「自分は苦手なことが多い」と思い込んでいるだけで、気後れしてしまう相手や場面が自然に増えてしまうのです。

自分には苦手なこと(上手くできないこと)が多いという自己認識によって、他人に対する劣等コンプレックスが強まっていき、ますます気後れする性格になってしまうのです。

6-2. 自分の能力・魅力に対する自己評価が低い

気後れする人に多い傾向として、客観的な目線で見れば「そんなに能力(魅力)がない人ではない」のに、自分に対する自己評価が極端に低いということがあります。

「自分には人に誇れるような能力がほとんどない」とか「自分には多くの人から好かれるだけの魅力がない」とかいうような自己評価の低さがあるために、自分よりも少し優れているように見える相手とまともに向き合うことができなくなり、気後れする行動パターンがいつの間にか身についてしまうのです。

6-3. 他人から自分がどう見られているかを気にし過ぎる

気後れする人に多い特徴として、「自分の意志で自分のやりたい活動にのめり込むこと」が少なく、「他人から自分がどのように見られているか(他人が自分のことをどれくらい高く評価しているか)」といった事ばかりを気にしているということがあります。

他人から少しでも悪く見られること(自分がダメな人間と思われること)を恐れているので、「自分よりも優れているように見える相手」や「自分の実力では達成できるかどうか分からない目標」に対しては逃げ腰になって気後れしてしまうのです。

6-4. 気後れに対する対策:自分と他人を比較しない

気後れに対する最優先すべき対策は、「自分と他人を比較しない」ということです。

「自分の能力・魅力」と「他人の能力・魅力」を比較して、どちらが優れていてどちらが劣っているかという競争的な視点を持っている限り、気後れしてしまうリスクは高くなります。

自分と他人を比較して優越感や劣等感に浸るのではなく、「自分の能力・魅力・意欲」を使って何をしたいのかということに意識を向けることで、気後れする場面は減っていくでしょう。

6-5. 気後れに対する対策:ありのままの自分を受け入れる

気後れに対する有効な対策として、「ありのままの自分を受け入れる+見栄っ張りな価値観を捨てる」ということがあります。

気後れしてしまう理由として、「自分を実際以上に素晴らしい存在として見てもらいたい」や「自分のことをダメな失敗した人間として見られたくない」という見栄・体裁を前提とした承認欲求があります。

しかし、どんなに背伸びしたって格好つけたって、「自分は自分以外の何者でもないという現実」は変わりません。

ありのままの自分を受け入れて、そんな自分でも良いと言ってくれる相手や環境を見つけていくことが、人生を有意義に楽しむための近道なのです。

6-6. 気後れに対する対策:失敗(ミス)や負けを過度に恐れない

気後れに対する日常的な対策として、「失敗(ミス)や負けを過度に恐れない」ということがあります。

気後れする人は、「絶対に失敗(ミス)をしてはいけない=一回でも失敗すれば人生が台無しになる」や「自分は誰にも負けてはいけない=一回でも他人に負けたら惨めな人生に苦しめられる」といった非現実的な認知(考え方)を持っていることが多いのです。

しかし実際には、何度失敗をしてもやり直しはできるし、他人との勝負に負けたとしてもそこから新たに学べることは多いのです。

失敗・負けを必要以上に恐れずに、「自分がやりたいこと」に対して積極的にチャレンジすることで、気後れする相手・状況は減ってくるはずです。

まとめ

この記事では、「気後れする」の意味を説明して、「気後れする」の類語や反対語、英語を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

気後れする人の心理・特徴・傾向には、「実力不足で自分に自信がない」「自意識過剰で人の目を気にしすぎる」「自分のダメな部分を見せたくない」「他人に対する劣等感が強い」「自己評価が低い」などがあります。

「気後れする」の意味や類語・反対語・英語、気後れする人の特徴・傾向、気後れしないための対策について調べたい時には、この記事を参考にしてみて下さい。