ハナニラは庭や道端でよく見かけるで、花の名前は知らなくても、多くの人がその姿を一度は目にしている植物です。
道端に咲く可憐な姿に元気をもらうこともあります。
そんな馴染みの深いハナニラについて解説します。
- ハナニラとはどんな花?
- ハナニラの花言葉
- ハナニラを育てる時のポイント
- ハナニラの名前の由来
- ハナニラの見ごろ時期
- ハナニラの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
- ハナニラに似た花(花言葉や特徴)
- まとめ
1. ハナニラとはどんな花?
ハナニラ(学名:Ipheion uniflorum)は、ネギ科(ユリ科に分類されることも)ハナニラ属(イフェイオン属)の多年草で、中央アメリカからメキシコ、アルゼンチンなどの南アメリカなどの広い地域が原産です。
和名は「花韮」です。
草丈は15~25cm程で、白、黄色、ピンク、青などの花を咲かせます。
花びらの先が尖っていて花の形は星型に見えます。
開花時期は品種によって様々です。
日本で良く見かけるのはユニフロルム(Ipheion uniflorum)という品種です。
ハナニラは植えっぱなしでもよく花を咲かせます。
大変丈夫で手がかからないので、ガーデニング初心者にも育てやすい植物です。
日本へは明治時代に園芸用植物として入ってきたと伝えられています。
2. ハナニラの花言葉
2-1. 「愛しい人」「星に願いを」
ハナニラの花は星の形をしており、とても可憐な花姿をしています。
花を上向きに咲かせる様子が、愛しい人を思って星に願いごとをする乙女を連想させることから、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
2-2. 「悲しい別れ」
ハナニラは青みがかった白い花を咲かせます。
その花色が物悲しく寂しい印象を与えることと、花の咲き方に派手さや華やかさはなく控えめなイメージがあることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-3. 「耐える愛」「卑怯」「恨み」
野草であるハナニラは、大変丈夫で強い植物です。
大抵のことでは枯れることはなく、放置しておいてもどんどん増えていきます。
過酷な状況にも耐えて生き残るタフさがありますが、一方で、その旺盛な繁殖力で他の植物を押しのけてしぶとく生えています。
そんな性質から、これらの花言葉が付けられたと考えられています。
3. ハナニラを育てる時のポイント
3-1. 栽培環境
屋外の日当たりの良い場所か、半日陰で育てます。
どんな土質でも良く育ち、乾燥にも非常に強い性質がありますので、鉢植えだけでなく、道端の空き地やロックガーデンなどでも育てることができます。
3-2. 水やり
乾燥に非常に強いので、庭植えの場合は水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、屋外に置いていればほとんど水を与える必要はありません。
雨の降らない日が続いて鉢の土がカラカラに乾いた時だけ、鉢から水が出てくるまでたっぷりと水を与えましょう。
3-3. 肥料
植え付けの時に、元肥として緩効性化成肥料(N-P-K=6-40-6)を与えます。
庭植えの場合も、鉢植えの場合も、液体肥料など追肥を与える必要はありません。
肥料の与え過ぎはかえって株を弱らせてしまいます。
3-4. 用土(鉢植え)
市販されている草花用培養土で植えつけます。
赤玉土5:腐葉土3:酸度調整済みピートモス2の割合で混合した用土でも良いです。
元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきます。
土質を選ばない植物ですので、水はけの良い土であれば大丈夫です。
3-5. 植えつけ、植え替え
庭植えの場合は、植えっぱなしでも良く増えますが、数年に一度植え替えをするとよく育ちます。
鉢植えの場合は、株が鉢いっぱいになって水が浸透しにくくなってきたら、球根を掘り出して一回り大きな鉢に植え替えます。
3-6. ふやし方
ハナニラは、増えた球根を分けると簡単に増やせます。
植え替え時に球根を掘り出し、球根を分割して植え付けます。
又、花が咲いた後にできた種からも増やすことができます。
種をまいたら乾燥させないように注意しながら発芽を待ちましょう。
苗が大きくなったら植え替えをします。
種をまいてから3年程で花が咲き始めます。
花が咲くようになるまでに時間はかかりますが、種から育てると花の色に個体差が出ることがあり、色の濃い花や薄い花が咲くことがあります。
種から育てないと味わえない楽しさがあります。
4. ハナニラの名前の由来
和名の花韮は、葉と球根を傷つけるとニラ(韮)のようなにおいがすることに由来しています。
食用のニラはニラ科の植物で、ハナニラとは別の分類です。
英名のSpring starflowerは、ハナニラが、春に星の形をした花をさかせる性質をもつことから名づけられました。
5. ハナニラの見ごろ時期
ハナニラは品種によって開花の時期は様々です。
日本でハナニラと呼ばれ最も一般的な品種はユニフロルム(Ipheion uniflorum)は、3月~4月に開花します。
黄色い花を咲かせる黄花ハナニラ(Nothoscordum sellowianum)は、2月~4月に開花します。
白い花を咲かせるパルビフローラ(I. parviflora /Tristagma recurvifolium)は、11月~12月に開花します。
開花時期の異なる品種を揃えておけば、長い間星型の可愛い花を鑑賞することができます。
6. ハナニラの種類(原種、園芸品種の花言葉や特徴)
6-1. ウィズレー・ブルー(学名:Ipheion uniflorum ‘Wisley Blue’)
ユニフロルムの中で特に美しい花を咲かせる人気の園芸品種です。
薄い紫と白色のコンビネーションが上品な印象の2~3cmの花です。
花は良い香りがします。
草丈は5~10cm程で、庭植えでも鉢植えでも栽培できます。
非常に丈夫で長期間花を楽しむことができます。
初心者にも育てやすい品種です。
6-2. ロルフ・フィードラー(学名:Ipheion ‘Rolf Fiedler’)
花びらが丸みを帯びており、コロンとした可愛らしい印象の青い花を咲かせます。
形の整った大輪の花を咲かせます。
一般的なユニフロルムよりも葉が短く草丈は5~10cm程。
花茎が短く、倒れにくい品種です。
6-3. 黄花ハナニラ(学名:Nothoscordum sellowianum)
ウルグアイなど南米原産で、3月~4月にクロッカスにも似た黄色い花を咲かせます。
草丈は10~20cm程で、花の大きさは5cm程です。
葉が細く尖っているのが特徴です。
黄色いクロッカスに似ていることから、英名では、false yellow crocus と呼ばれています。
学名のsellowianumは、ドイツの植物学者であるF. Sellowの名に由来しています。
6-4. イフェイオン・パルビフローラ(学名:Ipheion parviflora/ Tristagma recurvifolium)
11月~12月に可憐で上品な純白い花を咲かせます。
花には香りがあります。
ユニフロルムと同じような平たい葉をしています。
非常に丈夫で長期間花を楽しむことができます。
初心者にも育てやすい品種です。
6-5. ユニフローラアルバ
春に綺麗な白い花を咲かせるハナニラです。
楚々として上品な印象の花が人気です。
草丈が高めなのが特徴で、庭植えでも鉢植えでも栽培できます。
暑さにも寒さにも大変強く
非常に丈夫で長期間花を楽しむことができます。
初心者にも育てやすい品種です。
6-6. ピンクスター
この品種は、ウィズレーブルーが突然変異して生まれました。
ピンクと白のグラデーションが美しい花を咲かせます。
優しいピンク色はとても可愛らしく、ピンクスターの名前のとおり、ピンク色の星を思わせる花です。
暑さにも寒さにも大変強く非常に丈夫で長期間花を楽しむことができます。
初心者にも育てやすい品種です。
6-7. ジェシー
濃い青紫色の綺麗な形の花を咲かせます。
ロルフフィドラーの選抜種と言われています。
和の趣も感じさせる花姿で、日本庭園や和室にも良く合います。
庭植えでも鉢植えでも栽培できます。
暑さにも寒さにも大変強く非常に丈夫で長期間花を楽しむことができます。
初心者にも育てやすい品種です。
7. ハナニラに似た花(花言葉や特徴)
7-1. アマナ(学名:学名:Amana edulis)
アマナは、ユリ科アマナ属の多年草です。
福島県以西の本州・四国・九州に分布し、日当たりの良い草原に自生しています。
2枚の葉の間から茎を伸ばして茎の先端に花を1つ付けます。
白い花は可愛らしく、野草の趣があります。
日が良く当たると花が良く開き、日が陰ると閉じる特徴があります。
夏になると地上部は枯れて次の春まで姿を消してしまう性質があり、春の妖精と呼ばれている植物の1つです。
和名の「甘菜」は、球根を煮て食べると甘みがあることに由来しています。
現在は食用にされていません。
根茎を干したものは山慈姑(さんじご)という解熱薬として利用されています。
学名のAmanaはアマナを指し、edulis には「食用の」という意味があります。
花言葉:「運が向いてくる」「お天気屋」
7-2. タイリンオオアマナ(学名:Ornithogalum narbonense)
ユリ科(ヒアシンス科で分類される場合もあります。)オオアマナ属(オルニトガルム属)の多年草です。
原産地はヨーロッパの地中海沿岸地域で、湿った草地で見ることができます。
草丈は20~40cm程で、4月~6月頃に白い可憐な花を咲かせます。
和名は「大輪大甘菜」といい、アマナ(甘菜)に似ていることから付けられました。
学名のOrnithogalumはギリシャ語で鳥を意味するOrnithosと乳を意味するgalaから付けられました。
乳白色の花を咲かせることに由来しています。
Umbellatumは散形花序のという意味です。
英名をスターオブベツレヘム(star of Bethlehem)といい、キリストの誕生を知らせたというベツレヘムの星に由来しています。
茎が長くなる品種は、ウエディングブーケ用として人気があります。
花言葉「純粋」
7-3. トリテレイア(学名:Triteleia)
ユリ科トリテレイア属(ネギ科で分類される場合もあります。)の多年草です。
北アメリカ西部が原産です。
草丈は30~70cm程で、5月下旬~7月頃に白、紫、ピンク、赤、黄色、緑色の花を咲かせます。
ヒメアガパンサス、ブローディアという別名もあります。
ヒメアガパンサスは、アガパンサスを小さくしたような花をさかせることに由来しています。
庭植えや切り花として人気があります。
ブローディアはスコットランドの植物学者ブローディ(James Brodie)の名前に由来しています。
花言葉「受け入れる愛」「淡い恋」「好意」「守護」「大切に守る」
7-4. キバナノアマナ(学名:Gagea lutea)
花色が黄色のものが“黄花甘菜(キバナノアマナ)”です。
キバナノアマナは、ユリ科キバナノアマナ属の多年草です。
中国、シベリア東部、ヨーロッパなどで広く見られ、日本では、北海道、本州、九州・四国の山地や平地などによく見られます。
4月~5月頃に黄色の可愛らしい花を咲かせます。
草丈は20cm前後です。
茎の先に1. 2cm~1. 5cmの小さな花を数個~10個程付けます。
開花直後は黄緑色だった花が、徐々に綺麗な黄色になります。
夏になると地上部は枯れて次の春まで姿を消してしまう性質があり、春の妖精と呼ばれている植物の1つです。
英名をイエロースターオブベツレヘム(yellow Star of Bethlehem)、黄色いベツレヘムの星といいます。
和名は「黄花甘菜(キバナノアマナ)」といいます。
球根を煮て食べると甘く、黄色い花が咲くことから、この名前が付けられました。
現在は食用にされていません。
花言葉「前途洋々」
7-5. シラー(学名:Scilla)
シラーは、ユリ科シラー属(ヒアシンス科、ユリ科で分類される場合もあります。)の多年草です。
原産地はユーラシア大陸、アフリカで、100種類以上の原種があると言われています。
一般に流通しているのは大型のペルビアナ種、草丈が低いシベリカ種などの原種と、園芸品種です。
草丈は5~80cm 程。
3月~6月上旬に白、青、紫、ピンクなどの花を咲かせます。
シラーは品種によって花の形や付き方が様々ですが、釣鐘形の花を咲かせる品種や、星型の小花を咲かせる品種が人気です。
庭植えやコンテナ植え、切り花として利用されています。
ワイルドヒヤシンス・蔓穂(ツルボ)・大蔓穂(オオツルボ)とも呼ばれています。
シラーの花言葉「寂しさ」「悲しみ」「変わらない愛」
原種・シラー・ペルビアナ(学名:Scilla peruviana)
青紫の小花が傘状に固まって咲きます。
シラーのなかではやや大型になる品種で、白花を咲かせるものもあります。
原種・シラー・シベリカ(学名:scilla siberica)
小アジア〜コーカサス地方、ヨーロッパ南東部が原産です。
草丈は10〜20cm程と小型で、ロックガーデンなどでも育てることができます。
園芸品種もあり、青い花を咲かせるものの他に、白い花を咲かせるものもあります。
よく増える品種です。
まとめ
ハナニラには多くの品種があり、どれも大変育てやすい初心者向けの植物です。
これからガーデニングを始めようと考えている人は、色々な品種をミックスして色とりどりの花壇を作ってみてはいかがでしょうか。
3. ハナニラを育てる時のポイント
3-1. 栽培環境
屋外の日当たりの良い場所か、半日陰で育てます。
どんな土質でも良く育ち、乾燥にも非常に強い性質がありますので、鉢植えだけでなく、道端の空き地やロックガーデンなどでも育てることができます。
3-2. 水やり
乾燥に非常に強いので、庭植えの場合は水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、屋外に置いていればほとんど水を与える必要はありません。
雨の降らない日が続いて鉢の土がカラカラに乾いた時だけ、鉢から水が出てくるまでたっぷりと水を与えましょう。
3-3. 肥料
植え付けの時に、元肥として緩効性化成肥料(N-P-K=6-40-6)を与えます。
庭植えの場合も、鉢植えの場合も、液体肥料など追肥を与える必要はありません。
肥料の与え過ぎはかえって株を弱らせてしまいます。
3-4. 用土(鉢植え)
市販されている草花用培養土で植えつけます。
赤玉土5:腐葉土3:酸度調整済みピートモス2の割合で混合した用土でも良いです。
元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきます。
土質を選ばない植物ですので、水はけの良い土であれば大丈夫です。
3-5. 植えつけ、植え替え
庭植えの場合は、植えっぱなしでも良く増えますが、数年に一度植え替えをするとよく育ちます。
鉢植えの場合は、株が鉢いっぱいになって水が浸透しにくくなってきたら、球根を掘り出して一回り大きな鉢に植え替えます。
3-6. ふやし方
ハナニラは、増えた球根を分けると簡単に増やせます。
植え替え時に球根を掘り出し、球根を分割して植え付けます。
又、花が咲いた後にできた種からも増やすことができます。
種をまいたら乾燥させないように注意しながら発芽を待ちましょう。
苗が大きくなったら植え替えをします。
種をまいてから3年程で花が咲き始めます。
花が咲くようになるまでに時間はかかりますが、種から育てると花の色に個体差が出ることがあり、色の濃い花や薄い花が咲くことがあります。
種から育てないと味わえない楽しさがあります。
4. ハナニラの名前の由来
和名の花韮は、葉と球根を傷つけるとニラ(韮)のようなにおいがすることに由来しています。
食用のニラはニラ科の植物で、ハナニラとは別の分類です。
英名のSpring starflowerは、ハナニラが、春に星の形をした花をさかせる性質をもつことから名づけられました。
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