イトスギという木・植物の特徴と名前の由来を詳しく説明しながら、「イトスギの花言葉の意味」について紹介していきます。
イトスギの木に関する関連情報やエピソードも紹介します。
イトスギは欧米はじめ世界各地で「街路樹・公園樹」として多く植えられているポピュラーな樹木ですが、このイトスギにはどのような花言葉や木(植物)の特徴があるのでしょうか。
- イトスギとはどんな木・植物なのか?
- イトスギの花言葉
- イトスギについての解説
- イトスギ(サイプレス)の名前の由来
- イトスギはヨーロッパでは身近な存在の樹木
- イトスギの種類(原種・園芸品種の特徴・花言葉)
- イトスギに似た木の特徴
- まとめ
1. イトスギとはどんな木・植物なのか?
イトスギの木や植物としての特徴について解説していきます。
1-1. イトスギはヒノキ科イトスギ属の樹木:街路樹・公園樹・墓地の木として多用
イトスギ(糸杉、学名:Cupressus)はヒノキ科イトスギ属の木の総称であり、イトスギは「サイプレス(Cypress)・セイヨウヒノキ(西洋檜)・ホソイトスギ(細糸杉)」と呼ばれることも多くなっています。
イトスギは複数の科を横断する常緑性の針葉樹林を意味する「コニファー」の一種です。
コニファーには、イトスギの他にマツ(松)、ヒノキ(檜)、モミ(樅)、ニオイヒバなどが含まれます。
イトスギはアメリカやヨーロッパ諸国をはじめとする世界各地で、「街路樹・公園樹・造園樹」としてたくさん植えられているありふれた樹木です。
「死」という花言葉を持っていることから「墓地の周辺」に植える木の定番にもなっています。
イトスギの枝はあまり横には大きく広がらず、幹は上方へと真っ直ぐに高く成長していきます。
イトスギは直径約1メートル、高さは約30~45メートルで非常に細長い形状となり、イトスギに独特の樹冠を形成することになります。
1-2. イトスギの「樹木・木材」としての利用方法
イトスギは植樹される木としては「街路樹・公園樹・造園樹」などに多用されていて、どこの国・地域でも頻繁に見かけることのできる針葉樹になっています。
イトスギの木材としての性質は、頑丈で防水性と耐腐敗性(耐腐蝕性)に優れているので、イギリスの邸宅ではドアをイトスギの一枚板で作成することも少なくありません。
イトスギは木材として「建築材・彫刻材・棺(棺桶)」などの用途で広く利用されてきたこともあり、ヨーロッパでは特に日常生活に馴染みの深い樹木なのです。
耐久性のある頑丈なフラメンコギターの側板や裏版にもイトスギが使用されたといいます。
紀元前3000年の古代エジプト、紀元前数百年の古代ローマの時代から、イトスギは「神聖な木」として崇拝されていた宗教性・神秘性を帯びた樹木でもあるのです。
宗教的な意味としては、ゴルゴタの丘でイエス・キリストが磔刑(たっけい)にされた時の木製の十字架が、このイトスギ(サイプレス)の木で作られていたと伝えられています。
サイプレスはキプロス島(Kypros, Cyprus)の語源にもなった木なのです。
画家のフィンセント・ファン・ゴッホも、「糸杉と星の見える道」などの絵画のテーマとしてサイプレスを使用していました。
2. イトスギの花言葉
イトスギには、以下のような花言葉があります。
2-1. 「死」
イトスギには宗教的な死生観と関連する花言葉が多くなっているのですが、それはキリスト教の創始者・神(三位一体の神)であるイエス・キリストの磔刑(たっけい)に関係している木だからです。
イエス・キリストはゴルゴダの丘で磔刑に処されたのですが、その時に木製の十字架の原材料になっていたのがイトスギ(サイプレス)だったのです。
そういったキリスト教、イエス・キリストのエピソードからイトスギの花言葉である「死」が生まれました。
この「死」というイトスギの花言葉は、必ずしも自分や誰かの死を不吉に予言しているのではなく、どちらかといえば「スピリチュアルな生きがい・再生」への転換可能性を秘めている「死」なのです。
イトスギを贈られた時には、自分の死生観を見直す良いきっかけにしてみましょう。
2-2. 「哀悼(あいとう)」
イトスギの花言葉は、神であるイエス・キリストが磔刑で死刑にされた悲しみの思いからの連想で「哀悼」になっています。
家族親族や誰か親しくして頂いていた人が亡くなった時には、イトスギの木やイトスギの花を贈ってみるのも良いでしょう。
葬儀・葬式に捧げる樹木や花としても使用できるのがイトスギであり、キリスト教にちなんだ宗教的なエピソードも持っているイトスギには、「死と哀悼」の花言葉の意味が込められているのです。
誰か大切な人やお世話になった人が亡くなった時には、自分が感じている「深い悲しみの気持ち+敬虔な哀悼の思い」を分かりやすい花言葉のメッセージで伝えるために、このイトスギの木・花を送り届けてみて下さい。
2-3. 「絶望」
イトスギの花言葉には、三位一体の神様でもあるイエス・キリストが不当に処刑されてしまったということからの想像で「絶望」があります。
現世の救世主(メシア)であるイエス・キリストがユダヤ人らの謀略で殺されてしまったことで、この世界にはもう夢も希望もないと考える人が急増しました。
イトスギは「絶望」という花言葉を示すことで、私たちが生きていくこの先の日常生活や人間関係が安楽で簡単なものではないことを意味しています。
ただし、イトスギの花言葉が「絶望」であるからといって、イトスギの木を見たり花を見つけたりした時に、暗くて落ち込んだ気持ちになる必要はありません。
「絶望」を受け止めながらも「希望のきっかけ」を探すことがあなたに課せられた一つの使命なのです。
2-4. 「永遠の悲しみ」
イトスギの花言葉は哀悼や絶望にもつながっている「永遠の悲しみ」になります。
自分自身にとって大切な誰かが亡くなってしまった時、あるいは自分が今までの人生で積み上げてきたものが崩れてしまった時に、人は「永遠の悲しみ」を感じ取りやすいセンシティブな心理状態になってしまうのです。
「永遠の悲しみ」から逃れるために、今の自分が実行できるコミュニケーションや人間関係の取り方を見直してみて、「自分の存在・貢献を強く必要としてくれる誰か」のために改めて生きていきましょう。
「死の絶望」から抜け出した時に希望の光が差し込むように、あなたが「永遠の悲しみ」から抜け出せた時には最高の充実感・満足感を味わうこともできるでしょう。
いつまでも終わらない永遠の雨などないように、延々と終わらない永遠の悲しみというものもないのです。
2-5. 「不死・再生」
イトスギの花言葉は、「死」の反対語の位置づけにある「不死・再生」になります。
「不死・再生」というイトスギの花言葉は、磔刑で殺されたはずのイエス・キリストが、七日後に土の中から再生(復活)したという奇跡的エピソードに由来しています。
イトスギの花言葉には「死・哀悼」の強いメッセージ性が込められていますが、それとは対極的な意味を持つ「不死・再生」という花言葉もあります。
花言葉が奇跡のような「不死・再生」であるからといって、イトスギの木・花で「不老不死の肉体+永遠に朽ちない魂」を奇跡的に手に入れられるわけでは当然ありません。
しかし、「死・哀悼・絶望」というネガティブなニュアンスの強いイトスギの花言葉を、ポジティブに打ち消してくれるような作用が「不死・再生」にはあるのです。
3. イトスギについての解説
イトスギの基本的な情報(英語の呼び名・原産地)やイトスギに関連する伝説について紹介していきます。
3-1. イトスギの英語での呼び名
イトスギは英語では「サイプレス(Cypress)」と呼ばれています。
イトスギはヒノキ科の模式となる樹木ですが、英語でヒノキ科は「Cypress family(サイプレス科)」と表記されます。
3-2. イトスギの原産地と開花期
イトスギの原産地は、北米大陸をはじめとする北半球です。
気候帯としては、「温帯から冷帯」までが含まれます。
イトスギの開花期は、種類・品種によって異なりますが、概ね「4月~9月」になります。
3-3. イトスギに関連する古代ギリシア神話の伝説
古代ギリシア神話では、太陽神アポロンに愛されたケイオス島の美少年キュパリッソスが、イトスギにその姿を変えたというエピソードが残されています。
美少年のキュパリッソスはケイオス島で崇められていた金色の角を持つ牡鹿ととても仲良く過ごしていましたが、ある日、間違って自分の投げた槍でその牡鹿を殺してしまったのです。
この牡鹿を殺した自分の過ちを嘆き悲しんだキュパリッソスは、オリュンポスの神々に対して「この悲しみを永遠に忘れない」という誓いを立てました。
この誓いを聞き入れた神々が、キュパリッソスを「永遠の悲哀」の象徴とされたイトスギ(サイプレス)に姿を変えてしまったのです。
4. イトスギ(サイプレス)の名前の由来
サイプレス(Cypress)と呼ばれるイトスギの名前の由来は、上記した古代ギリシア神話に登場するケイオス島の美少年「キュパリッソス(kyparissos)」にあります。
「キュパリッソス(kyparissos)」がラテン語の「Cuparessus」に変化して、さらに英語の「サイプレス(Cypress)」に変化したと考えられています。
5. イトスギはヨーロッパでは身近な存在の樹木
イトスギはヨーロッパでは「日常生活の木材の用途」と「宗教的・文化的な意味合い」において、身近な存在の樹木として認識されています。
腐敗に強いイトスギはヨーロッパ人の日常生活において、「ドア・建築材・彫刻・フラメンコギター・棺桶」の制作に用いてきました。
更に、キリスト教の創始者であり神でもあるイエス・キリストが、磔(はりつけ)にされた十字架もイトスギの木材で作られていたことから、イトスギには宗教的・文化的な意味合いも付け加えられていったのです。
6. イトスギの種類(原種・園芸品種の特徴・花言葉)
イトスギの色々な種類とその特徴・花言葉について紹介していきます。
6-1. コニファー
コニファーはイトスギやマツ、モミ、ヒノキなどを包摂する針葉樹林の総称で、ほとんど花を咲かせることがないという特徴があります。
原産地が北半球の寒冷な気候帯であるため、コニファーは一般的に耐寒性が強くて寒帯気候でも背丈を30メートル近い高さにまで伸ばしていきます。
その生命力の強さやたくましさからの連想で、コニファーの花言葉は「不変・永遠」になっています。
6-2. モントレーイトスギ ゴールドクレスト
モントレーイトスギ ゴールドクレスト(Cupressus macrocarpa “Goldcrest”)は日本でも屋内観賞用として人気のイトスギの種類であり、端正な円錐形の樹形と黄緑色の尖った葉っぱが特徴になっています。
生命力が強くて大きくなりやすいので、定期的に剪定(せんてい)して樹形を好みの大きさに維持していきます。
モントレーイトスギの花言葉は、「死・哀悼・永遠の悲しみ」などになります。
6-3. アリゾナイトスギ ブルー・アイス
アリゾナイトスギ ブルー・アイス(Cupressus arizonica “Blue Ice”)は、青みがかった美しい葉っぱを持つイトスギの一種であり、その灰青色の葉は「雪の結晶の美しさ」に喩えられることもあります。
切り戻しや剪定を定期的に行うことで、青みがかった葉っぱの色彩がいっそう引き立つようになります。
「モントレーイトスギ ゴールドクレスト」よりも「アリゾナイトスギ ブルー・アイス」のほうが耐寒性が高くなっています。
アリゾナイトスギの花言葉は、「死・不死・再生・哀悼」などになります。
7. イトスギに似た木の特徴
イトスギに似た木の特徴について紹介していきます。
これらの花言葉は、基本的にイトスギの「死」「絶望」「哀悼」「永遠の悲しみ」「不死・再生」などに依拠していると考えられています。
7-1. コニファー・エメラルド(コニファー・エメラルドグリーン)
コニファー・エメラルド(コニファー・エメラルドグリーン)はヒノキ科クロベ属の樹木であり、学名を「Thuja occidentalis ‘Emeraud’」といいます。
コニファー・エメラルドは樹高が約4メートルほどにまで大きくなりますが、環境変化にも強い丈夫な品種であることから生垣に向いていると言われる樹木です。
コニファー・エメラルドの枝や葉からは「トロピカルフルーツ」にも似た爽やかで甘い柑橘系の香りが漂ってきますが、春から夏にかけては光沢のある鮮やかな緑色の葉っぱをしています。
冬になるとその緑色の葉っぱはベージュがかった色へと変色してくるのです。
7-2. コニファー・ブルーヘブン
コニファー・ブルーヘブンはヒノキ科ビャクシン属の樹木であり、学名を「Juniperus scopulorum ‘Blue Heaven’」といいます。
コニファー・ブルーヘブンは樹高が約6メートルまで大きくなりますが、耐寒性がやや弱く乾燥にも弱いという特徴を持っています。
狭円錐形をしたイトスギであり、「庭木のシンボルツリー」として評価されているブルー系の代表的な品種とされています。
コニファー・ブルーヘブンは春先になると、美しい青銀色の葉っぱで彩られることになります。
まとめ
イトスギ(学名Cupressus)はヒノキ科イトスギ属の木の総称であり、細長くて樹高の高い形状(樹高約30~45メートル)をしています。
欧米をはじめとする世界各地で、イトスギは「街路樹・公園樹」として計画的に幅広い範囲で植えられているのでとても馴染みの深い樹木です。
イトスギの一般的な花言葉は、「死」「絶望」「哀悼」「永遠の悲しみ」「不死・再生」などになります。
イトスギの花言葉や植物・木の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
5. イトスギはヨーロッパでは身近な存在の樹木
イトスギはヨーロッパでは「日常生活の木材の用途」と「宗教的・文化的な意味合い」において、身近な存在の樹木として認識されています。
腐敗に強いイトスギはヨーロッパ人の日常生活において、「ドア・建築材・彫刻・フラメンコギター・棺桶」の制作に用いてきました。
更に、キリスト教の創始者であり神でもあるイエス・キリストが、磔(はりつけ)にされた十字架もイトスギの木材で作られていたことから、イトスギには宗教的・文化的な意味合いも付け加えられていったのです。
6. イトスギの種類(原種・園芸品種の特徴・花言葉)
イトスギの色々な種類とその特徴・花言葉について紹介していきます。
6-1. コニファー
コニファーはイトスギやマツ、モミ、ヒノキなどを包摂する針葉樹林の総称で、ほとんど花を咲かせることがないという特徴があります。
原産地が北半球の寒冷な気候帯であるため、コニファーは一般的に耐寒性が強くて寒帯気候でも背丈を30メートル近い高さにまで伸ばしていきます。
その生命力の強さやたくましさからの連想で、コニファーの花言葉は「不変・永遠」になっています。
6-2. モントレーイトスギ ゴールドクレスト
モントレーイトスギ ゴールドクレスト(Cupressus macrocarpa “Goldcrest”)は日本でも屋内観賞用として人気のイトスギの種類であり、端正な円錐形の樹形と黄緑色の尖った葉っぱが特徴になっています。
生命力が強くて大きくなりやすいので、定期的に剪定(せんてい)して樹形を好みの大きさに維持していきます。
モントレーイトスギの花言葉は、「死・哀悼・永遠の悲しみ」などになります。
6-3. アリゾナイトスギ ブルー・アイス
アリゾナイトスギ ブルー・アイス(Cupressus arizonica “Blue Ice”)は、青みがかった美しい葉っぱを持つイトスギの一種であり、その灰青色の葉は「雪の結晶の美しさ」に喩えられることもあります。
切り戻しや剪定を定期的に行うことで、青みがかった葉っぱの色彩がいっそう引き立つようになります。
「モントレーイトスギ ゴールドクレスト」よりも「アリゾナイトスギ ブルー・アイス」のほうが耐寒性が高くなっています。
アリゾナイトスギの花言葉は、「死・不死・再生・哀悼」などになります。
7. イトスギに似た木の特徴
イトスギに似た木の特徴について紹介していきます。
これらの花言葉は、基本的にイトスギの「死」「絶望」「哀悼」「永遠の悲しみ」「不死・再生」などに依拠していると考えられています。
7-1. コニファー・エメラルド(コニファー・エメラルドグリーン)
コニファー・エメラルド(コニファー・エメラルドグリーン)はヒノキ科クロベ属の樹木であり、学名を「Thuja occidentalis ‘Emeraud’」といいます。
コニファー・エメラルドは樹高が約4メートルほどにまで大きくなりますが、環境変化にも強い丈夫な品種であることから生垣に向いていると言われる樹木です。
コニファー・エメラルドの枝や葉からは「トロピカルフルーツ」にも似た爽やかで甘い柑橘系の香りが漂ってきますが、春から夏にかけては光沢のある鮮やかな緑色の葉っぱをしています。
冬になるとその緑色の葉っぱはベージュがかった色へと変色してくるのです。
7-2. コニファー・ブルーヘブン
コニファー・ブルーヘブンはヒノキ科ビャクシン属の樹木であり、学名を「Juniperus scopulorum ‘Blue Heaven’」といいます。
コニファー・ブルーヘブンは樹高が約6メートルまで大きくなりますが、耐寒性がやや弱く乾燥にも弱いという特徴を持っています。
狭円錐形をしたイトスギであり、「庭木のシンボルツリー」として評価されているブルー系の代表的な品種とされています。
コニファー・ブルーヘブンは春先になると、美しい青銀色の葉っぱで彩られることになります。
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