サクラソウは、その名の通りまるで地面に咲いた桜の様に可愛らしい植物です。
鮮やかなピンク色で、春の花としてガーデニング用にする人も多くいます。
野山にじゅうたんの様に咲き誇るサクラソウは乙女チックなイメージですが、実は江戸時代に武士の間で人気がありました。
見ているだけで心が弾む様なサクラソウの花言葉や育て方などを紹介します。
- サクラソウとはどんな花?
- サクラソウの花言葉4選
- サクラソウの色別花言葉
- サクラソウの名前の由来
- サクラソウの開花時期
- サクラソウを育てる時のポイント
- サクラソウの原種や品種
- まとめ
1. サクラソウとはどんな花?
サクラソウは、「サクラソウ科・サクラソウ属」の植物です。
世界中に約400種類以上もあるのですが、あまり大きな違いが無い為に全部を総称して「サクラソウ」と呼ばれています。
春になると成長して20センチ程の高さになり、小さな花を咲かせます。
花の色は濃いピンクが多いのですが、中には白や黄色、混色などの花もあります。
高原や山地の湿原を好む多年草で、6月になると枯れて夏から秋にかけて休眠期に入ります。
2. サクラソウの花言葉4選
日本ではサクラソウの花言葉は良い意味になります。
2-1. 「純潔」
小さく可愛らしい花を咲かせることから、清らかでけがれのないイメージで付けられています。
2-2. 「憧れ」
尊敬の意味に近く、春になるといつの間にか花を咲かせる几帳面さに由来していると思われます。
2-3. ギリシャ神話より「青春の始まりと悲しみ」
ギリシャ神話には以下の様な少し悲しい物語があります。
花の女神フローラには、パラリソスという息子がいました。
パラリソスはフローラに似て非常に美青年で人気がありました。
彼は妖精のメルセリタに恋をするのですが、残念ながらフラれてしまいます。
パラリソスは失恋のショックから立ち直れず、悲しみのあまり痩せ衰えてとうとう命を落としてしまうのです。
女神フローラは最愛の息子を失ったことを悲しみました。
そこでパラリソスを春一番に咲くサクラソウに替えて、毎年愛でる様にしたのです。
その為にサクラソウは「青春の始まりと悲しみ」を象徴する花とされているのです。
2-4. ドイツの伝説より「鍵の花」
昔ドイツの片田舎に、リスベスという少女がいました。
リスベスは病気の母と一緒に細々と暮らしていました。
心の優しいリスベスは、病気の母をなぐさめたいと思い、野原に咲いているサクラソウを摘みに出かけたのです。
野原でサクラソウを見つけたリスベスは「途中から折って傷つけてしまうのは可哀相」と思いました。
そこで心優しい彼女は、根を掘り起こして持ち帰り、自宅で植え替えようとしたのです。
すると、突然目の前に妖精が現れて「今からサクラソウが咲いている道を辿って行きなさい。
お城に着いたら門の鍵穴にサクラソウを差し込むと扉が開いて中に入れます」と言いました。
リスベスは妖精の言葉通りにお城へ行き、サクラソウで扉を開きました。
お城の中にはたくさんの宝物があり、妖精は「これらを持ち帰りなさい」と言ったのです。
リスベスは言われた通り宝物を持ち帰って病気の母親に見せると、母親は驚きと喜びで元気を取り戻したのです。
この伝説により、サクラソウは「鍵の花」と呼ばれる様になりました。
そして春になると真っ先にキレイな花を咲かせることと関連付けられて、「春を迎える鍵となる花」という意味になっていったのです。
3. サクラソウの色別花言葉
サクラソウには、「ピンク・白・赤」という色のバリエーションがあり、色別に花言葉もあるのです。
3-1. ピンク色のサクラソウの花言葉: 「長続きする愛情・永遠の愛・真心」
ピンク色は、優しさや温かな愛情をイメージする色です。
サクラソウは多年草で、毎年同じ場所に自生して、春になるとピンクの花を咲かせます。
このとことから長く永遠に続く愛情と付けられていると思われます。
また、サクラソウの中には花びらの形がハート型になっている種類もあります。
これが心よりの親愛の気持を連想させる為に、真心と言われる様になっているのです。
3-2. 白色の桜草の花言葉:「初恋」「神秘な心」
真っ白なサクラソウが一面に咲いている光景は、恋の始まりを予感させます。
これからどの様に染まって行くのか分からない純真な恋心を意味しているのです。
そして純白で上品な白は、神聖なイメージもあり、信仰深い心を表しているのです。
3-3. 赤色の桜草の花言葉は:「秘密の美・若い時代の悲しみ」
サクラソウといえば、ピンクの種類が多くなります。
しかし中には赤いサクラソウもあるのです。
赤い花と言うと、情熱的で華やかなイメージがしますが、サクラソウは花が小ぶりなので、決して派手はイメージにはなりません。
むしろ内に秘めた芯の強さや美しさを感じることから、秘密の美しさに例えているのでしょう。
また、サクラソウは小さくて可愛らしいことから未熟さや若さも象徴しています。
赤い色は感情が豊かな状態を表すので、若気のいたりでトラブルを起こしてしまい、後悔したり悲しんだりする感情を表す花言葉なのです。
4. サクラソウの名前の由来
サクラソウの名前の由来は、文字通り花びらの形が桜にそっくりなことから来ています。
桜は高い木に咲き、サクラソウは地面に咲くことで、人が上を向いても下を向いても楽しめる様になっています。
5. サクラソウの開花時期
サクラソウの開花時期は、種類により違ってきます。
品種の章で紹介しますが、日本サクラソウの開花時期は4月~5月で、西洋サクラソウは12月~4月となっています。
多年草なので寒さには強いのですが、夏の猛暑は苦手で休眠期に入ります。
6. サクラソウを育てる時のポイント
サクラソウは園芸品種として親しまれていて、比較的簡単に育てることができます。
以下のポイントを押えておきましょう。
6-1. 苗植え
苗植えのタイミングは、10月~12月・2月~3月の2回があります。
庭植えをするならば、夏の暑さには弱いので大木の下など夏に木陰ができる様な場所に植えるのがコツです。
鉢植えをするならば、ホームセンターで用土を購入してきます。
植え付ける時には、芽を上にして上から2センチ~3センチ土が被る位にします。
6-2. 肥料
植え付けの時には土の中に肥料を施します。
緩効性化成肥料がおすすめで、3月頃芽が出始めてから、6月に花が咲き終るまで、月に1回~2回液体肥料を薄めてあげる様にします。
6-3. 増やし方
サクラソウは株分けができます。
土から株を掘り起し、手やナイフでそれぞれに芽が付くように配分して分けます。
古くなったり枯れたりしている根や茎は取り除いておきましょう。
株分けのタイミングは10月~11月・2月~3月が適しています。
6-4. 植え替え
サクラソウの植え替えは、毎年行う必要はありません。
最低3年に1度を目安にして、10月~2月に行います。
1つ~2つ芽が付いている様に株分けを行い、古い根や茎を取り除いて植え替えをします。
植え替えをすると一時的に茎が弱くなりますので、霜が当たらない様にシートなどで保護してあげましょう。
6-5. 日頃のケア
サクラソウは春が終ると花が枯れます。
そのままにしておくと、種ができてしまい根の栄養が取られてしまいます。
来年も花を楽しみたかったら、花が枯れた時点で切り落とす様にします。
花が終ったタイミングで根元に土を盛ると、新しい根を張るので元気に翌年も花を咲かせてくれます。
6-6. 水やり
庭植えの場合は水やりは特に必要ありません。
鉢植えの場合、水気がなくなると枯れてしまうので、土の表面が乾いてきたら水をやる様にします。
6-7. 置き場所
サクラソウは日光を好みますが、夏の直射日光にはさすがに弱くなります。
夏は明るめの日陰に置くか、木陰に移動させてあげましょう。
逆に冬の寒さには強い植物です。
サクラソウは乾燥と多湿の両方に弱いので、霧吹きを用意しておきましょう。
土が水を含んでいるけれども葉っぱが乾燥しているなと思ったら、霧吹きで水を吹きかけるてあげます。
6-8. 病害虫
サクラソウは病害虫が付き易いので、しっかりとお手入れをしてあげましょう。
アブラムシ
いつの間にか茎や葉っぱにびっしりと付いて株を弱らせます。
短期間に大量に発生するので、1匹でも見つけたら早目に駆除することが大切です。
アブラムシの成虫は反射光を嫌いますので、周囲にアルミホイルを張ったり反射板を置いたりするのも有効です。
ハダニ
葉の裏に寄生する害虫で、葉っぱや土が乾燥している状態を好みます。
こまめ霧吹きで葉っぱに水を吹きかけると虫がつきにくくなります。
灰色カビ病
葉っぱや花に灰色のカビが発生する病気です。
低温多湿の状態の時に発病し易いので、風通しの良いところに置く様にします。
一度カビが発生すると元に戻らないので、切り落として広がるのを防ぎます。
7. サクラソウの原種や品種
サクラソウは非常に種類が多く、世界中に400種類もあると言われています。
サクラソウには大きく分けて以下の2種類があります。
・日本サクラソウ
日本サクラソウは、濃いピンクや白の花で、花びらに切れ目が入っています。
最近では西洋サクラソウが主流になり、日本サクラソウは中々見られなくなっています。
・西洋サクラソウ
西洋サクラソウは、「プリムラ」と呼ばれています。
日本サクラソウに比べて色が非常に鮮やかで、ピンクや赤、白の他に黄色や青、オレンジという品種があります。
混色で咲くものも多く、単色で一面に咲くサクラソウとはまた違った華やかさがあります。
7-1. 日本サクラソウの種類
日本サクラソウは、花びらの形がキレイなのが特徴です。
花言葉はサクラソウの全体的なものと、色別のものを参考にして下さい。
赤蜻蛉(あかとんぼ)・白蜻蛉(しろとんぼ)
まるでとんぼが羽を開いて入る様な平たい花びらをしていることから名づけられました。
花の形がしっかりと見えることから観賞用としても絵画デッサン用としても利用されています。
冬の寒さに強く、開花時期は4月~5月です。
鬼ごっこ
八重咲きのサクラソウで、見た目にもボリュームがあり、とても華やかです。
おしべが変化することでこの様な花の形になりますが、全てが八重咲きになる訳ではありません。
気候や育て方により、キレイに八重咲きにならない場合もあります。
株が小さく弱いうちは花びらが少ない傾向にあり、生長してくると花びらが増えてくると言われています。
南京小桜
日本サクラソウの中で最も古い品種で、しかも最も小さな花を咲かせます。
濃いピンク色の花びらで、くっきりと白い縁取りがあるのが特徴です。
開花時期は3月~5月と前倒しですが、乾燥と湿度に弱いので上手に育てる必要があります。
五大州
他のサクラソウと比べて花が大きく、少し丸みがあり、下を向いて咲くのが特徴です。
花の色は表は白いのですが、裏がピンクと非常に上品です。
よく生長するので育て易いのですが、水をやりすぎたり湿気が多いと根腐れを起こすこともあります。
田島ヶ原サクラソウ
埼玉県の「田島ヶ原サクラソウ自生地」に咲き、国の天然記念物に指定されています。
ピンクの花と緑の葉っぱのコントラストが美しく、多くの観光客が訪れています。
7-2. 西洋サクラソウの種類
西洋サクラソウは「プリムラ」と呼ばれていて、非常に親しみのある品種です。
それぞれに花言葉がありますので、紹介します。
プリムラ・オブコニカ
中国のヒマラヤ産で、日本名は「常磐桜(トキワザクラ)」「四季咲き桜草(シキザキサクラソウ)」です。
開花時期が早く、冬から春にかけて見頃になります。
丸みを帯びた何とも愛らしい花びらですが、葉の裏にある毛にアレルギー性の物資が含まれていて、皮膚の弱い人が触れるとかぶれることあります。
アレルギー性ですので、何度も触れる度にドンドン症状が悪化してくので注意が必要です。
花言葉は「富貴(フウキ)」です。
言葉通り裕福なお金持ちで、しかも地位や身分が高い状態を意味していて、大変縁起が良いとされています。
起業家やこれから大きなビジネスをしたいと思う人が育てるのに向いています。
プリムラ・ポリアンサ
ヨーロッパ産で、大輪の花を咲かせる品種として非常に人気があります。
とにかく色が鮮やかで、ピンクの花びらに中心が黄色など、賑やかな色合いです。
実は多年草ですが夏の直射日光に弱く、一年草と言われることもあります。
花言葉は「可憐」「神秘な心」「うぬぼれ」です。
濃いピンクの花びらは可憐であり、しかも内側が黄色いことから神秘性があることに由来しているのでしょう。
そして見た目が鮮やかで他のサクラソウよりも目立つことから、ちょっと自尊心が高くなっている状態を表しています。
プリムラ・ジュリアン
プリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリエを交配させて作った品種です。
花の色はピンクからオレンジまで色とりどりで、見ているだけで華やいだ気持ちになります。
花言葉は「青春の喜びと悲しみ」です。
これは、プリムラ・ジュリアンは暑さに弱く、夏を待たずに枯れてしまう為に付けられました。
プリムラ・マラコイデス
中国四川省産のサクラソウで、日本名は「化粧桜(ケショウザクラ)」「乙女桜(オトメザク ラ)」と言います。
花はピンク~薄ピンクで、開花時期が早く、1月~4月ですが、花も葉も長持ちするという特徴があります。
花言葉は「素朴」「気取らない愛」「運命を開く」です。
小ぶりであまり主張しない花びらから素朴で気取らない美しさを感じさせます。
花は小さいのですが、中国の厳しい冬を乗り越えて美しい花を咲かせることから、昔の人は自分で運命を切り開くことを教わってきたのでしょう。
プリムラ・シネンシス
こちらも中国産のサクラソウで、日本名は「寒桜(カンザクラ)」です。
プリムラ・シネンシスには更に2つの品種があり、ピンクや赤、オレンジや青などの色合いのある花びらの品種と、白の花びらの品種です。
白い花びらの方が有名なのは、こちらの品種の方が暑さと寒さに強く、育て易いからです。
花言葉は「永遠の愛」です。
キレイなハート型の花びらが丸く輪になって付き、しかも同じ場所に毎年咲いてくれます。
白くて純真な色からも染まらずに続く永遠の愛を象徴していると言えます。
プリムラ・オーリキュラ
こちらは交配種で、日本名は「厚葉桜草(アツバサクラソウ)」といいます。
他のサクラソウとは違い、花びらが丸くて飛び出さずに、重なる様に咲いています。
色合いも濃い赤~紫のものがあり、高貴な印象がします。
園芸種としては育てにくく、一般的家庭ではあまりお目にかかりません。
花言葉は「貪欲」です。
イギリス産のサクラソウですので、特に悪い意味ではなく、歴史的背景があるものと思われます。
一説には、プリムラ・オーリキュラは水肥性が良いことから名づけられているそうです。
まとめ
サクラソウは、小さな花びらが集まって咲くので、集団行動が得意な日本人向きと言われています。
か弱そうに見えてもしっかりと冬を越し、翌年にキレイなピンクの花を咲かせてくれるところに、日本人の芯の強さを見ている人も多いでしょう。
毎年庭先に植えて、春を待ちわびるのも風流ですね。
5. サクラソウの開花時期
サクラソウの開花時期は、種類により違ってきます。
品種の章で紹介しますが、日本サクラソウの開花時期は4月~5月で、西洋サクラソウは12月~4月となっています。
多年草なので寒さには強いのですが、夏の猛暑は苦手で休眠期に入ります。
6. サクラソウを育てる時のポイント
サクラソウは園芸品種として親しまれていて、比較的簡単に育てることができます。
以下のポイントを押えておきましょう。
6-1. 苗植え
苗植えのタイミングは、10月~12月・2月~3月の2回があります。
庭植えをするならば、夏の暑さには弱いので大木の下など夏に木陰ができる様な場所に植えるのがコツです。
鉢植えをするならば、ホームセンターで用土を購入してきます。
植え付ける時には、芽を上にして上から2センチ~3センチ土が被る位にします。
6-2. 肥料
植え付けの時には土の中に肥料を施します。
緩効性化成肥料がおすすめで、3月頃芽が出始めてから、6月に花が咲き終るまで、月に1回~2回液体肥料を薄めてあげる様にします。
6-3. 増やし方
サクラソウは株分けができます。
土から株を掘り起し、手やナイフでそれぞれに芽が付くように配分して分けます。
古くなったり枯れたりしている根や茎は取り除いておきましょう。
株分けのタイミングは10月~11月・2月~3月が適しています。
6-4. 植え替え
サクラソウの植え替えは、毎年行う必要はありません。
最低3年に1度を目安にして、10月~2月に行います。
1つ~2つ芽が付いている様に株分けを行い、古い根や茎を取り除いて植え替えをします。
植え替えをすると一時的に茎が弱くなりますので、霜が当たらない様にシートなどで保護してあげましょう。
6-5. 日頃のケア
サクラソウは春が終ると花が枯れます。
そのままにしておくと、種ができてしまい根の栄養が取られてしまいます。
来年も花を楽しみたかったら、花が枯れた時点で切り落とす様にします。
花が終ったタイミングで根元に土を盛ると、新しい根を張るので元気に翌年も花を咲かせてくれます。
6-6. 水やり
庭植えの場合は水やりは特に必要ありません。
鉢植えの場合、水気がなくなると枯れてしまうので、土の表面が乾いてきたら水をやる様にします。
6-7. 置き場所
サクラソウは日光を好みますが、夏の直射日光にはさすがに弱くなります。
夏は明るめの日陰に置くか、木陰に移動させてあげましょう。
逆に冬の寒さには強い植物です。
サクラソウは乾燥と多湿の両方に弱いので、霧吹きを用意しておきましょう。
土が水を含んでいるけれども葉っぱが乾燥しているなと思ったら、霧吹きで水を吹きかけるてあげます。
6-8. 病害虫
サクラソウは病害虫が付き易いので、しっかりとお手入れをしてあげましょう。
アブラムシ
いつの間にか茎や葉っぱにびっしりと付いて株を弱らせます。
短期間に大量に発生するので、1匹でも見つけたら早目に駆除することが大切です。
アブラムシの成虫は反射光を嫌いますので、周囲にアルミホイルを張ったり反射板を置いたりするのも有効です。
ハダニ
葉の裏に寄生する害虫で、葉っぱや土が乾燥している状態を好みます。
こまめ霧吹きで葉っぱに水を吹きかけると虫がつきにくくなります。
灰色カビ病
葉っぱや花に灰色のカビが発生する病気です。
低温多湿の状態の時に発病し易いので、風通しの良いところに置く様にします。
一度カビが発生すると元に戻らないので、切り落として広がるのを防ぎます。
7. サクラソウの原種や品種
サクラソウは非常に種類が多く、世界中に400種類もあると言われています。
サクラソウには大きく分けて以下の2種類があります。
・日本サクラソウ
日本サクラソウは、濃いピンクや白の花で、花びらに切れ目が入っています。
最近では西洋サクラソウが主流になり、日本サクラソウは中々見られなくなっています。
・西洋サクラソウ
西洋サクラソウは、「プリムラ」と呼ばれています。
日本サクラソウに比べて色が非常に鮮やかで、ピンクや赤、白の他に黄色や青、オレンジという品種があります。
混色で咲くものも多く、単色で一面に咲くサクラソウとはまた違った華やかさがあります。
7-1. 日本サクラソウの種類
日本サクラソウは、花びらの形がキレイなのが特徴です。
花言葉はサクラソウの全体的なものと、色別のものを参考にして下さい。
赤蜻蛉(あかとんぼ)・白蜻蛉(しろとんぼ)
まるでとんぼが羽を開いて入る様な平たい花びらをしていることから名づけられました。
花の形がしっかりと見えることから観賞用としても絵画デッサン用としても利用されています。
冬の寒さに強く、開花時期は4月~5月です。
鬼ごっこ
八重咲きのサクラソウで、見た目にもボリュームがあり、とても華やかです。
おしべが変化することでこの様な花の形になりますが、全てが八重咲きになる訳ではありません。
気候や育て方により、キレイに八重咲きにならない場合もあります。
株が小さく弱いうちは花びらが少ない傾向にあり、生長してくると花びらが増えてくると言われています。
南京小桜
日本サクラソウの中で最も古い品種で、しかも最も小さな花を咲かせます。
濃いピンク色の花びらで、くっきりと白い縁取りがあるのが特徴です。
開花時期は3月~5月と前倒しですが、乾燥と湿度に弱いので上手に育てる必要があります。
五大州
他のサクラソウと比べて花が大きく、少し丸みがあり、下を向いて咲くのが特徴です。
花の色は表は白いのですが、裏がピンクと非常に上品です。
よく生長するので育て易いのですが、水をやりすぎたり湿気が多いと根腐れを起こすこともあります。
田島ヶ原サクラソウ
埼玉県の「田島ヶ原サクラソウ自生地」に咲き、国の天然記念物に指定されています。
ピンクの花と緑の葉っぱのコントラストが美しく、多くの観光客が訪れています。
7-2. 西洋サクラソウの種類
西洋サクラソウは「プリムラ」と呼ばれていて、非常に親しみのある品種です。
それぞれに花言葉がありますので、紹介します。
プリムラ・オブコニカ
中国のヒマラヤ産で、日本名は「常磐桜(トキワザクラ)」「四季咲き桜草(シキザキサクラソウ)」です。
開花時期が早く、冬から春にかけて見頃になります。
丸みを帯びた何とも愛らしい花びらですが、葉の裏にある毛にアレルギー性の物資が含まれていて、皮膚の弱い人が触れるとかぶれることあります。
アレルギー性ですので、何度も触れる度にドンドン症状が悪化してくので注意が必要です。
花言葉は「富貴(フウキ)」です。
言葉通り裕福なお金持ちで、しかも地位や身分が高い状態を意味していて、大変縁起が良いとされています。
起業家やこれから大きなビジネスをしたいと思う人が育てるのに向いています。
プリムラ・ポリアンサ
ヨーロッパ産で、大輪の花を咲かせる品種として非常に人気があります。
とにかく色が鮮やかで、ピンクの花びらに中心が黄色など、賑やかな色合いです。
実は多年草ですが夏の直射日光に弱く、一年草と言われることもあります。
花言葉は「可憐」「神秘な心」「うぬぼれ」です。
濃いピンクの花びらは可憐であり、しかも内側が黄色いことから神秘性があることに由来しているのでしょう。
そして見た目が鮮やかで他のサクラソウよりも目立つことから、ちょっと自尊心が高くなっている状態を表しています。
プリムラ・ジュリアン
プリムラ・ポリアンサとプリムラ・ジュリエを交配させて作った品種です。
花の色はピンクからオレンジまで色とりどりで、見ているだけで華やいだ気持ちになります。
花言葉は「青春の喜びと悲しみ」です。
これは、プリムラ・ジュリアンは暑さに弱く、夏を待たずに枯れてしまう為に付けられました。
プリムラ・マラコイデス
中国四川省産のサクラソウで、日本名は「化粧桜(ケショウザクラ)」「乙女桜(オトメザク ラ)」と言います。
花はピンク~薄ピンクで、開花時期が早く、1月~4月ですが、花も葉も長持ちするという特徴があります。
花言葉は「素朴」「気取らない愛」「運命を開く」です。
小ぶりであまり主張しない花びらから素朴で気取らない美しさを感じさせます。
花は小さいのですが、中国の厳しい冬を乗り越えて美しい花を咲かせることから、昔の人は自分で運命を切り開くことを教わってきたのでしょう。
プリムラ・シネンシス
こちらも中国産のサクラソウで、日本名は「寒桜(カンザクラ)」です。
プリムラ・シネンシスには更に2つの品種があり、ピンクや赤、オレンジや青などの色合いのある花びらの品種と、白の花びらの品種です。
白い花びらの方が有名なのは、こちらの品種の方が暑さと寒さに強く、育て易いからです。
花言葉は「永遠の愛」です。
キレイなハート型の花びらが丸く輪になって付き、しかも同じ場所に毎年咲いてくれます。
白くて純真な色からも染まらずに続く永遠の愛を象徴していると言えます。
プリムラ・オーリキュラ
こちらは交配種で、日本名は「厚葉桜草(アツバサクラソウ)」といいます。
他のサクラソウとは違い、花びらが丸くて飛び出さずに、重なる様に咲いています。
色合いも濃い赤~紫のものがあり、高貴な印象がします。
園芸種としては育てにくく、一般的家庭ではあまりお目にかかりません。
花言葉は「貪欲」です。
イギリス産のサクラソウですので、特に悪い意味ではなく、歴史的背景があるものと思われます。
一説には、プリムラ・オーリキュラは水肥性が良いことから名づけられているそうです。
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