シンビジウムは、観賞用の洋ランの中では丈夫で育てやすく、とても人気があります。
沢山の花をたわわに付けた姿はとても華やかで、鉢植えは、新築祝いや開業祝いなど、お祝いの贈答花として、胡蝶蘭と並んで人気があります。
又、切り花としても流通しており、豪華なイメージの花束やアレンジメントにもよく利用されています。
風水的にも良いとされています。
4大洋ランの1つです。
- シンビジウムとはどんな花?
- シンビジウムの花言葉
- シンビジウムの色別の花言葉
- シンビジウムの名前の由来
- 四大洋ラン
- シンビジウムの開花時期
- シンビジウムを見られる観光スポット
- シンビジウムの育てる時のポイント
- シンビジウムの原種や品種
- まとめ
1. シンビジウムとはどんな花?
学名をCymbidium といい、ラン科シュンラン属(シンビジウム属)多年草です。
アジア、オセアニアが原産です。
現在の交配種のもとになった品種は、主にインド、ネパール、ミャンマー、中国、タイを原産としたものです。
草丈は30~80cm程で、12月~4月に開花します。
大型種、中型種、小型種があり、花色のバリエーションが豊富で、白、オレンジ、黄色、ピンク、茶系、緑があり、中には複色の品種もあります。
良い香りがあるランです。
洋ランを育てるのは難しいイメージがありますが、シンビジウムは丈夫なので初心者にも育てやすい洋ランです。
1859年に日本に持ち込まれた最初の洋ランです。
2. シンビジウムの花言葉
シンビジウムは「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」「華やかな恋」「壮麗」という花言葉を持っています。
華やかで色鮮やかな花色が多い洋ランの中で、シンビジウムには鮮やかな原色の花が少なく、優しい印象の花が多いことから、「飾らない心」「素朴」という花言葉がつけられたと考えられています。
「高貴な美人」「華やかな恋」「壮麗」という花言葉は、気品のある優雅な花を沢山付ける華やかな姿が魅力的であることに由来していると言われています。
英語の花言葉には、壮麗を意味する「magnificence」、華やかな恋を意味する「gorgeous love」があります。
3. シンビジウムの色別の花言葉
3-1. 白色のシンビジウムの花言葉は「深窓の麗人」です
上品で清らかで美しい花姿が、気品があって清純で容姿端麗な女性を連想させることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
3-2. 黄色のシンビジウム花言葉は「飾らない心」「誠実な愛情」です
シンビジウムの黄色は落ち着いた色合いをしていることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
3-3. ピンク色のシンビジウムの花言葉は「上品な女性」「素朴」です
シンビジウムの優しいピンク色は、品があり、又、とても純朴な印象を与えます。
そんなイメージから、この花言葉がつけられたと考えられています。
3-4. 緑色のシンビジウムの花言葉は「野心」です
緑色の花は、独特で、大胆で、ありきたりではないイメージがあります。
そんなイメージから、この花言葉がつけられたと考えられています。
4. シンビジウムの名前の由来
学名は、ギリシア語で舟を意味する「kymbes」と、形を意味する「edios」が語源となっています。
リップ(くちびる状の花びら)の形状が正面から見ると舟底の形に見えることから、この名前が付けられています。
5. 四大洋ラン
洋ランの中で特に有名なシンビジウム、カトレア、デンドロビウム、パフィオペディルムは四大洋ランと呼ばれています。
「カトレヤ」は春咲きから冬咲きまであります。
「デンドロビウム」は2月~5月に花を咲かせます。
「パフィオペディルム」は12月~6月に花を咲かせます。
6. シンビジウムの開花時期
12月~4月に花を咲かせます。
花を沢山つけ、花持ちが良いのが特徴です。
栽培環境がシンビジウムに合っていれば、2ヶ月近くもの長い期間、美しい花を楽しむことができます。
洋ランを育てるのが初めてという人にも洋ランを育てる楽しさを実感してもらえる品種です。
このような特徴を持っていることから、贈答花として人気があります。
7. シンビジウムを見られる観光スポット
7-1. あんみつ館(徳島県美馬市)
シンビジウムのショールームと直売所を兼ねた施設です。
ガラス張りの館内では11月~3月に最高品質のシンビジウムを見ることができます。
シンビジウムのオフシーズンには、胡蝶蘭やデンファレを見ることができます。
高級ラン、貴重なランを見ることもできます。
季節ごとに開催されているイベントも魅力的です。
施設では、ランを使ったハンドクリームやラン入りワインをはじめとしたオリジナルグッズも販売しています。
7-2. 洋ラン団地(三重県伊賀市)
40種類15万鉢以上が栽培されています。
温室栽培としては国内最大級で、デンファレ・シンビジウム・パフィオ・リカステなどを見ることができます。
10月初旬~3月下旬の開花最盛期にはランの花が咲き競い、とても見応えがあります。
7-3. 道の駅ららん藤岡(群馬県藤岡市)
ららん藤岡内にある「花の交流館」は、藤岡市特産のシンビジウムの他、四季折々の花を観賞できるアトリウムガーデンです。
毎年3月上旬~中旬の約10日間、シンビジウムを中心とした「ららん藤岡ぐんまの洋らん展」を開催しています。
フラワーアレンジメント教室、ハンギングバスケット教室、押し花教室などの各種教室も行っています。
合同展示会や、個展、コンサートなどのイベントも年間を通して開催されています。
8. シンビジウムの育てる時のポイント
8-1. 栽培環境
年間を通して日当たり良く長い時間日が当たる場所が適しています。
真冬以外は屋外で育てましょう。
ただし、強い日差しに当てると葉焼けを起こしてしまいますので、5月上旬から9月上旬は半日陰か室内に移動させるか、遮光率の低い遮光ネットなどを張りましょう。
風通しが良い環境で育てることも大切なポイントです。
株と株との間隔をあけて、風が良く通るようにしましょう。
寒さに強いので、冬場は室内の10度以下にならない場所であれば冬越しさせることができます。
シンビジウムは、気候に応じて移動させやすい鉢植えの方が育てやすいでしょう。
8-2. 鉢植え
シンビジウムには、水はけの良い用土が適しています。
軽石8:バークチップ2か、日向土6:パーライト4の割合で混ぜた用土を作るか、市販のラン用土でも大丈夫です。
プラスチック製か陶器製の鉢が向いています。
シンビジウムは根を真っ直ぐ下へ伸ばしますので、乱用の縦長の鉢を用意しましょう。
サイズは5~8号が最適です。
鉢の底に鉢底石を2cm程敷いてから、用土をいれます。
8-3. 庭植え
冬場に霜と凍結の心配がない温暖な地域なら、庭植えで育てることもできます。
庭土を苗より一回り大きく掘り起こし、腐葉土を混ぜ込んでおきます。
庭植えで育てる場合は、鉢植えよりも管理が難しくなります。
初心者の人は、育てやすい鉢植えの方がおススメです。
8-4. 水やり
春から秋にかけての生育期には水を切らさないように、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。
特に夏場は根が水を良く吸収しますので、1日に1~2回、水やりをしましょう。
つぼみが付いていない秋から冬にかけては、週に1~2回程度、水を与えましょう。
つぼみが膨らみ始めたら、水やりの頻度を増やして水を切らさないように管理します。
8-5. 肥料
植え付けの時に、元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜておきましょう。
花が咲いている期間と真夏は、肥料を与えません。
花が終わった3月下旬から9月頃までは、骨粉や油かすなどを1~2ヵ月に1回程度与え、液体肥料も併用します。
液体肥料は、2週間に1回程度水の代わりにたっぷりと与えましょう。
8-6. 植え替え
植え付えは4月頃に行います。
2年に1度位の頻度で行いましょう。
植え付けて2年たった頃には株が鉢からはみ出しています。
植え替える鉢のサイズは、2年後に株がはみ出すと予想される程度の鉢が理想です。
鉢が大きすぎると根が湿り過ぎてしまい、花付きが悪くなります。
又、植え替えの時期が遅すぎると株の生育も遅れ、翌年花を付けないことがあります。
8-7. ふやし方
株分けとバックバルブ吹きという方法で増やすことができます。
株分けは4月に行うのが最適です。
バルブの数が増えてきたら、株を土ごと抜きます。
根を見ずに浸しながら用土をきれいに落とします。
1株につきバルブが2~4個付くようにして、良く切れる園芸バサミやナイフで切り分けます。
切り分けた株を植え付けるのは、5~6号鉢が適しています。
株分けを行わなければ、大きな株に仕立てることもできます。
バックバルブ吹きというのは、葉がなくなって1年以上経過している古いバルブ(バックバルブ)を切り取って植え付ける方法です。
バルブの付け根から新芽が出てきます。
この時も5~6号鉢に植え付けます。
すかすかになってしまった古いバルブでは新芽は出てきません。
8-8. 病気
黒斑病というウイルス病にかかることがあります。
葉に黒い斑点がまだらに出ます。
黒斑病にかかると花が咲きにくくなります。
感染力が非常に強く、感染すると治りません。
周りの株にもすぐに感染してしまうため、日頃から良く葉の観察をして、異常を発見した株はすぐに廃棄しましょう。
8-9. 害虫
アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ
植物の汁を吸い、株を弱らせる害虫です。
見つけたらすぐに薬剤を散布して駆除しましょう。
アブラムシは、つぼみが大きくなってきた頃に発生します。
ハダニは、暖かく乾燥した環境で発生しやすくなります。
カイガラムシは、成虫になると硬い殻で覆われているため薬剤が効きにくくなります。
見つけたらすぐに歯ブラシで擦り落とします。
ナメクジ
ナメクジは、植物の新芽やつぼみのように柔らかい部分を食べてしまいます。
忌避剤を置いたり罠を仕掛けたりして、被害に遭わないように気を付けましょう。
これから育つ部分が食べられてしまわないように予防することが大切です。
ナメクジを発見した場合は、すぐに駆除しましょう。
8-10. 手入れ
花芽が伸びてきたら、花茎が真っ直ぐに育つように支柱を立てて誘引しましょう。
無理にまっすぐにしようとすると茎が折れてしまいますので、少しずつ、2~3回に分けて誘引します。
花もちがとても良いシンビジウムは、2か月以上も花を咲かせ続けます。
しかし、長い期間花を咲かせ続けると株が弱ってきますので、花が満開になってから1か月程で切り取りましょう。
花芽と葉芽の生育が旺盛な期間には、沢山の新芽を出します。
そのままにしておくと栄養が分散してしまい、花付きが悪くなってしまいます。
1つのバルブにつき花芽1つを残して、あとの芽はかき取りましょう。
これは「芽かき」と呼ばれる作業で、シンビジウムを育てる上で欠かせない作業です。
バルブとは、シンビジウムの茎のことです。
根元が膨らんでいて、養分や水分を貯えておくことができます。
9. シンビジウムの原種や品種
9-1. シンビジウムの分類
シンビジウムは、花の大きさによって3タイプに分けられています。
大型種:
花の大きさ10cm以上、葉の長さ100cm以上のものを指します。
インドを原産とするものから作られた品種です。
小型種:
花の大きさ5~6cm程、葉の短いものを指します。
大型種にキンリョウヘンやシュンランといった、小型の品種をかけあわせて作られました。
中型種:
大型種と小型種の中間の性質を持つ品種を指します。
9-2. シンビジウムの品種
シンビジウムは世界的にも人気が高いランで、品種改良が盛んに行われています。
現在は3,000種以上あります。
原種
シンビジウム・デボニアナム(学名:Cymbidium devonianum)
小型の品種で、茶褐色の花を咲かせる原種です。
下垂性といって、花が垂れ下がる性質があります。
下垂性シンビジウムの多くは、この原種との交配によって作出されています。
シンビジウム・トラシヤナム(学名:Cymbidium tracyanum)
大輪の花を咲かせる原種です。
花は強い香りを持っています。
栽培しやすく花立ちが良い性質があります。
園芸種
シンビジウム メロディーフェア マリリンモンロー
1970年代に作出され、日本でのシンビジウム人気に火をつけた品種です。
品のあるホワイト系の花を咲かせます。
大輪の花が優雅で見栄えがすることと、清々しい花色が誰からも愛されることから、贈答花の定番として現在でも根強い人気があります。
シンビジウム グレードキャティ ピンクエンゼル
優しい印象を与える淡いピンクの花を咲かせます。
草丈は低めですが大きな花を付けるので、ボリュームがあります。
星のような形の花が特徴的で、小型の品種ですが、優雅さと華やかさがあり、その存在感は大型種にも引けを取りません。
シンビジウム エンザンスプリング インザムード
中~大輪種で、上品なピンクの花を咲かせます。
花びらは丸みを帯びています。
全体のバランスがとても美しく、栽培もしやすい品種です。
贈答花に利用される機会も多く、多くの人から愛されています。
シンビジウム サザナミ
1963年にキンリョウヘンを交配に使って日本で作出された小型の品種です。
小型シンビジウムの草分け的存在です。
ピンクがかった紫色の美しい花を咲かせます。
花の中心に赤紫色の模様がある優しい色合いが魅力です。
シンビジウム ホワイトレディ ほの香
緑色の花びらで、中心が白いグリーン系の品種です。
落ち着いた雰囲気がありますので、男性への贈り物としても人気があります。
グリーン系の洋ラン特有の爽やかで気品を感じさせる花姿は、ピンクやレッド系とはまた違った魅力があります。
シンビジウム シャルテ レッドハート
赤ワインのような深みのあるボルドーカラーの花を咲かせる品種です。
大人好みな落ち着いた華やかさが魅力です。
深みのある花色のシンビジウムはインテリアのアクセントにもなり、大人の女性への贈り物としても人気があります。
シンビジウム サラジーン アイスキャスケード
花が垂れ下がって咲くタイプの下垂性シンビジウムを代表する品種です。
清らかで可憐な純白の花を咲かせます。
花つきが良く、優雅で上品な雰囲気を醸し出す花姿から、人気の高い品種です。
シンビジウム シーサイド プリンセスマサコ
皇太子様と雅子様のご成婚を記念して作出された品種です。
上品なホワイトの花びらで、中心が淡いピンク色をした花を咲かせます。
優しく柔らかい色合いと、ランの花が持つ優雅で高貴なイメージが見事に融合した非常に美しい品種です。
シンビジウム ワインシャワー
赤ワインのような高級感のあるボルドー色の花を咲かせる小振りな品種です。
ワインシャワーの名前の通り、ワインが降り注ぐように沢山の花を咲かせた姿は、人の心を惹きつけます。
赤ワインをこよなく愛する方への贈り物におススメの品種です。
10. まとめ
シンビジウムは人気が高く、多くの品種が流通しています。
お気に入りの品種を見つけて、育ててみましょう。
贈答品として贈る場合には、差し上げる人をイメージに合った品種を贈ると喜んでいただけます。
育てやすいランで、もらった人の手を煩わせずに済むのも、贈答品として人気がある理由の1つです。
8. シンビジウムの育てる時のポイント
8-1. 栽培環境
年間を通して日当たり良く長い時間日が当たる場所が適しています。
真冬以外は屋外で育てましょう。
ただし、強い日差しに当てると葉焼けを起こしてしまいますので、5月上旬から9月上旬は半日陰か室内に移動させるか、遮光率の低い遮光ネットなどを張りましょう。
風通しが良い環境で育てることも大切なポイントです。
株と株との間隔をあけて、風が良く通るようにしましょう。
寒さに強いので、冬場は室内の10度以下にならない場所であれば冬越しさせることができます。
シンビジウムは、気候に応じて移動させやすい鉢植えの方が育てやすいでしょう。
8-2. 鉢植え
シンビジウムには、水はけの良い用土が適しています。
軽石8:バークチップ2か、日向土6:パーライト4の割合で混ぜた用土を作るか、市販のラン用土でも大丈夫です。
プラスチック製か陶器製の鉢が向いています。
シンビジウムは根を真っ直ぐ下へ伸ばしますので、乱用の縦長の鉢を用意しましょう。
サイズは5~8号が最適です。
鉢の底に鉢底石を2cm程敷いてから、用土をいれます。
8-3. 庭植え
冬場に霜と凍結の心配がない温暖な地域なら、庭植えで育てることもできます。
庭土を苗より一回り大きく掘り起こし、腐葉土を混ぜ込んでおきます。
庭植えで育てる場合は、鉢植えよりも管理が難しくなります。
初心者の人は、育てやすい鉢植えの方がおススメです。
8-4. 水やり
春から秋にかけての生育期には水を切らさないように、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。
特に夏場は根が水を良く吸収しますので、1日に1~2回、水やりをしましょう。
つぼみが付いていない秋から冬にかけては、週に1~2回程度、水を与えましょう。
つぼみが膨らみ始めたら、水やりの頻度を増やして水を切らさないように管理します。
8-5. 肥料
植え付けの時に、元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜておきましょう。
花が咲いている期間と真夏は、肥料を与えません。
花が終わった3月下旬から9月頃までは、骨粉や油かすなどを1~2ヵ月に1回程度与え、液体肥料も併用します。
液体肥料は、2週間に1回程度水の代わりにたっぷりと与えましょう。
8-6. 植え替え
植え付えは4月頃に行います。
2年に1度位の頻度で行いましょう。
植え付けて2年たった頃には株が鉢からはみ出しています。
植え替える鉢のサイズは、2年後に株がはみ出すと予想される程度の鉢が理想です。
鉢が大きすぎると根が湿り過ぎてしまい、花付きが悪くなります。
又、植え替えの時期が遅すぎると株の生育も遅れ、翌年花を付けないことがあります。
8-7. ふやし方
株分けとバックバルブ吹きという方法で増やすことができます。
株分けは4月に行うのが最適です。
バルブの数が増えてきたら、株を土ごと抜きます。
根を見ずに浸しながら用土をきれいに落とします。
1株につきバルブが2~4個付くようにして、良く切れる園芸バサミやナイフで切り分けます。
切り分けた株を植え付けるのは、5~6号鉢が適しています。
株分けを行わなければ、大きな株に仕立てることもできます。
バックバルブ吹きというのは、葉がなくなって1年以上経過している古いバルブ(バックバルブ)を切り取って植え付ける方法です。
バルブの付け根から新芽が出てきます。
この時も5~6号鉢に植え付けます。
すかすかになってしまった古いバルブでは新芽は出てきません。
8-8. 病気
黒斑病というウイルス病にかかることがあります。
葉に黒い斑点がまだらに出ます。
黒斑病にかかると花が咲きにくくなります。
感染力が非常に強く、感染すると治りません。
周りの株にもすぐに感染してしまうため、日頃から良く葉の観察をして、異常を発見した株はすぐに廃棄しましょう。
8-9. 害虫
アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ
植物の汁を吸い、株を弱らせる害虫です。
見つけたらすぐに薬剤を散布して駆除しましょう。
アブラムシは、つぼみが大きくなってきた頃に発生します。
ハダニは、暖かく乾燥した環境で発生しやすくなります。
カイガラムシは、成虫になると硬い殻で覆われているため薬剤が効きにくくなります。
見つけたらすぐに歯ブラシで擦り落とします。
ナメクジ
ナメクジは、植物の新芽やつぼみのように柔らかい部分を食べてしまいます。
忌避剤を置いたり罠を仕掛けたりして、被害に遭わないように気を付けましょう。
これから育つ部分が食べられてしまわないように予防することが大切です。
ナメクジを発見した場合は、すぐに駆除しましょう。
8-10. 手入れ
花芽が伸びてきたら、花茎が真っ直ぐに育つように支柱を立てて誘引しましょう。
無理にまっすぐにしようとすると茎が折れてしまいますので、少しずつ、2~3回に分けて誘引します。
花もちがとても良いシンビジウムは、2か月以上も花を咲かせ続けます。
しかし、長い期間花を咲かせ続けると株が弱ってきますので、花が満開になってから1か月程で切り取りましょう。
花芽と葉芽の生育が旺盛な期間には、沢山の新芽を出します。
そのままにしておくと栄養が分散してしまい、花付きが悪くなってしまいます。
1つのバルブにつき花芽1つを残して、あとの芽はかき取りましょう。
これは「芽かき」と呼ばれる作業で、シンビジウムを育てる上で欠かせない作業です。
バルブとは、シンビジウムの茎のことです。
根元が膨らんでいて、養分や水分を貯えておくことができます。
9. シンビジウムの原種や品種
9-1. シンビジウムの分類
シンビジウムは、花の大きさによって3タイプに分けられています。
大型種:
花の大きさ10cm以上、葉の長さ100cm以上のものを指します。
インドを原産とするものから作られた品種です。
小型種:
花の大きさ5~6cm程、葉の短いものを指します。
大型種にキンリョウヘンやシュンランといった、小型の品種をかけあわせて作られました。
中型種:
大型種と小型種の中間の性質を持つ品種を指します。
9-2. シンビジウムの品種
シンビジウムは世界的にも人気が高いランで、品種改良が盛んに行われています。
現在は3,000種以上あります。
原種
シンビジウム・デボニアナム(学名:Cymbidium devonianum)
小型の品種で、茶褐色の花を咲かせる原種です。
下垂性といって、花が垂れ下がる性質があります。
下垂性シンビジウムの多くは、この原種との交配によって作出されています。
シンビジウム・トラシヤナム(学名:Cymbidium tracyanum)
大輪の花を咲かせる原種です。
花は強い香りを持っています。
栽培しやすく花立ちが良い性質があります。
園芸種
シンビジウム メロディーフェア マリリンモンロー
1970年代に作出され、日本でのシンビジウム人気に火をつけた品種です。
品のあるホワイト系の花を咲かせます。
大輪の花が優雅で見栄えがすることと、清々しい花色が誰からも愛されることから、贈答花の定番として現在でも根強い人気があります。
シンビジウム グレードキャティ ピンクエンゼル
優しい印象を与える淡いピンクの花を咲かせます。
草丈は低めですが大きな花を付けるので、ボリュームがあります。
星のような形の花が特徴的で、小型の品種ですが、優雅さと華やかさがあり、その存在感は大型種にも引けを取りません。
シンビジウム エンザンスプリング インザムード
中~大輪種で、上品なピンクの花を咲かせます。
花びらは丸みを帯びています。
全体のバランスがとても美しく、栽培もしやすい品種です。
贈答花に利用される機会も多く、多くの人から愛されています。
シンビジウム サザナミ
1963年にキンリョウヘンを交配に使って日本で作出された小型の品種です。
小型シンビジウムの草分け的存在です。
ピンクがかった紫色の美しい花を咲かせます。
花の中心に赤紫色の模様がある優しい色合いが魅力です。
シンビジウム ホワイトレディ ほの香
緑色の花びらで、中心が白いグリーン系の品種です。
落ち着いた雰囲気がありますので、男性への贈り物としても人気があります。
グリーン系の洋ラン特有の爽やかで気品を感じさせる花姿は、ピンクやレッド系とはまた違った魅力があります。
シンビジウム シャルテ レッドハート
赤ワインのような深みのあるボルドーカラーの花を咲かせる品種です。
大人好みな落ち着いた華やかさが魅力です。
深みのある花色のシンビジウムはインテリアのアクセントにもなり、大人の女性への贈り物としても人気があります。
シンビジウム サラジーン アイスキャスケード
花が垂れ下がって咲くタイプの下垂性シンビジウムを代表する品種です。
清らかで可憐な純白の花を咲かせます。
花つきが良く、優雅で上品な雰囲気を醸し出す花姿から、人気の高い品種です。
シンビジウム シーサイド プリンセスマサコ
皇太子様と雅子様のご成婚を記念して作出された品種です。
上品なホワイトの花びらで、中心が淡いピンク色をした花を咲かせます。
優しく柔らかい色合いと、ランの花が持つ優雅で高貴なイメージが見事に融合した非常に美しい品種です。
シンビジウム ワインシャワー
赤ワインのような高級感のあるボルドー色の花を咲かせる小振りな品種です。
ワインシャワーの名前の通り、ワインが降り注ぐように沢山の花を咲かせた姿は、人の心を惹きつけます。
赤ワインをこよなく愛する方への贈り物におススメの品種です。
10. まとめ
シンビジウムは人気が高く、多くの品種が流通しています。
お気に入りの品種を見つけて、育ててみましょう。
贈答品として贈る場合には、差し上げる人をイメージに合った品種を贈ると喜んでいただけます。
育てやすいランで、もらった人の手を煩わせずに済むのも、贈答品として人気がある理由の1つです。
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