ガマズミ(莢迷)という花・植物の特徴と名前の由来を詳しく説明しながら、「ガマズミの花言葉の意味」について紹介していきます。
ガマズミの樹木・花に関する有益な情報やエピソードも紹介します。
ガマズミの花色は基本的に「白色」のみであり、ガマズミは山林に自生している樹木であるため、白色以外のカラフルな花色が品種改良で作られているわけではありません。
このガマズミにはどのような花言葉や花(植物)の特徴があるのでしょうか。
- ガマズミとはどんな花・植物(樹木)なのか?
- ガマズミの花言葉
- ガマズミの花の色別の花言葉
- ガマズミの名前の由来
- ガマズミの開花時期
- ガマズミの育て方のポイントや注意点
- ガマズミの種類(原種・品種など)
- まとめ
1. ガマズミとはどんな花・植物(樹木)なのか?
ガマズミの花や植物・樹木としての特徴について解説していきます。
1-1. ガマズミはスイカズラ科(レンプクソウ科)・ガマズミ属の落葉低木:花・果実・紅葉を楽しめる樹木
ガマズミ(莢迷、学名Viburnum dilatatum)は、日本各地の山林・草原・丘陵地に自生している落葉低木です。
原産地は「日本、朝鮮半島、中国中部」とされています。
ガマズミは樹高が約2~3mにまで生長します。
ガマズミは若いうちは灰緑色の枝をしていますが、年月を経るに従って灰黒色の枝に変色していきます。
葉は卵型をしていて細かい鋸状の凹凸があります。
ガマズミの白くて小さいフワフワとした花が咲くのは5~6月の初夏であり、8~9月にかけて約3~5mmの真っ赤な果実をつけます。
秋が深まると濃紅色の果実は食べごろとなり、ガマズミの紅葉も見ごろになってきます。
ガマズミという落葉低木(あるいは常緑低木)は、春の季節にフワフワの白い花を咲かせ、晩夏の季節に赤い実(濃紅色の果実)を実らせ、秋に葉っぱが紅葉するという樹木であり、冬場を除いて年中観賞して楽しめる樹木でもあるのです。
1-2. ガマズミには「別名・地方名」が多い
ガマズミは日本の全国各地や中国・朝鮮半島に自生している落葉低木であり、ガマズミの有名な品種だけでも、トキワガマズミ、コバノガマズミ(福島県の自生種)、オオチョウジガマズミ(長崎県対馬の自生種)、風鈴ガマズミ(中国の自生種)などが知られています。
日本各地におけるガマズミの方言的な呼び方は「約200種類以上」とも言われていて、近世以前から日本人の日常生活や山林の風景の一部として馴染み深いものであったことが分かります。
ガマズミの地方名・別名として知られている代表的なものには、「ヨツズミ、ヨツドメ(関東地方)」「ジュミ、ゾーミ(東北地方)」「ヨーゾメ、カメガラ(中部地方)」「ナベトーシ、イセビ(九州・四国地方)」などがあります。
1-3. ガマズミの濃紅色の果実は食用・薬用になる
ガマズミの赤色の果実は「天然クエン酸(りんご酸)」を豊富に含んでいて酸味があり、疲労回復に効果があると言われています。
そのため、ガマズミの赤色(濃紅色)の実は、全国のマタギたちの間で神の実とも言われ、「疲労回復・胃痛の緩和(健胃)」に効果のある薬用の実として食べられることもあったといいます。
ガマズミの実はそのまま生で食べることもできますが、11月頃になると熟して甘味が増してきます。
「ガマズミ酒(焼酎にガマズミの実を漬け込んだもの)」という酸味の強い果実酒の材料にしたり、赤い染料に使ったりすることもできます。
ガマズミの枝も柔軟性があって折れにくいので、杖・輪カンジキの材料として使用されてきた歴史があります。
2. ガマズミの花言葉
ガマズミには、以下のような花言葉があります。
2-1. 結合
ガマズミの花言葉の「結合」は、ガマズミの樹木の「木材としての柔軟性・利用価値の高さ」に由来していると言われています。
ガマズミの樹木は、どんな目的や用途にも結合しやすい柔軟性(応用性)を持っているというわけですが、「愛する二人の結合」という花言葉として解釈することで、夫婦・恋人のカップルに贈るのにふさわしい花ということになるでしょう。
「恋愛関係・夫婦関係における結合」とスタンダードに解釈することもできますし、「どんな状況や問題にも結合できる応用性」と解釈することもできます。
ガマズミの白い花は、柔軟性や応用性に優れている人に対する贈り物にしても良いでしょう。
2-2. 私を無視しないで(無視したら私は死にます)・私を見て
ガマズミが秋の季節に実らせる「赤色の実・濃紅色の実」は、人の視線を強力に引き付ける目立つ色合いをしています。
ガマズミの赤い木の実がまるで「私にもっと注目して・もっと興味関心をこっちに向けて」と訴えかけてきているようにも感じられるのです。
そういったガマズミの赤い実からの連想もあって、ガマズミの花言葉には「私を無視しないで・私を見て」という恋の執着心や承認欲求(愛情欲求)を感じさせる恋心の花言葉が生まれたのです。
「無視したら私は死にます」といった半ば脅迫とも取れるような狂気的な恋愛をイメージさせる花言葉まであります。
恋愛関係における「執着心・承認欲求・愛情飢餓」を意識させる怖い雰囲気の花言葉が並んでいますので、「今の時点で恋愛や男女関係で悩んでいる人(ストーカー的な執着心の強い恋愛心理に落ち込んでいる人)」には、ガマズミの花をプレゼントするのはやめておいた方がいいでしょう。
2-3. 愛は死より強し(愛は強し)
ガマズミの花言葉には、「愛は死より強し(愛は強し)」というものがあります。
このガマズミの花言葉は「愛は強し」というシンプルな言葉として解釈すれば、交際している恋人や結婚している配偶者にプレゼントするのにぴったりの情熱的な花ということになるでしょう。
一方で、「愛は死より強し」という「愛の情念の深さ」を「死」と比較しているような花言葉は、「恋愛関係がこじれている時」や「一方だけの執着心・嫉妬心が燃え上がっている時」には、少し恐ろしさを感じさせるものになっています。
「愛という感情が何ものよりも強い・愛があれば死をも恐れるに足りず」という愛情至上主義を伺わせる花言葉ですが、今後の運命をがっちり共有する真のパートナーに対して贈るのであれば問題はないでしょう。
2-4. 未来
ガマズミの花言葉には、「未来」というシンプルな響きを持つポジティブなものもあります。
恋愛の狂気や執念を思わせるガマズミの恐ろしい感じの花言葉として、「無視したら私は死にます」や「愛は死よりも強し」が注目されやすいのですが、ガマズミには「適切な愛情・恋愛・人生設計」に基づいて「明るい未来」に向かっていくといった前向きな花言葉もあるのです。
「明るく楽しい未来・二人で一緒に過ごす未来」を共有したいと思っている配偶者や恋人、親友に贈るのにうってつけの花がガマズミの花であり、「未来を信じる心+未来に期待する心」を強めてくれるでしょう。
ガマズミの可愛らしい白い花を観賞しながら、「自分とパートナーがこれから協力して進んでいく未来」について前向きなイマジネーションを働かせてみて下さい。
2-5. 恋の焦り
ガマズミの花言葉は、恋愛関係・男女関係において落ち着いた心理状態になりづらくなっていることを示す「恋の焦り」です。
恋愛がいまいち上手くいっていない状態で、相手の気持ちが自分から離れかけているような時には、ガマズミの花を贈ったり観賞したりすることは控えた方が良いのかもしれません。
恋愛の苦境・悩みや男女関係の心理的な対立などが予兆されているガマズミの花言葉が「恋の焦り」になります。
ガマズミの花言葉には色々な種類がありますが、「恋の焦り」だけではなく「私を無視しないで(無視したら私は死にます)・恋は死よりも強し」といったネガティブな感じの花言葉も多くあります。
そのため、「現在進行形で恋愛・結婚・異性関係で悩んでいる人」に対しては、ガマズミの花のプレゼントはやめておくべきでしょう。
3. ガマズミの花の色別の花言葉
ガマズミの花は基本的に「白色」のみの花色になります。
ガマズミは日本各地の山域に広く自生している野生種の樹木であり、園芸品種として花色のバリエーションを増やすための品種改良を受けたりはしていないために、白色以外の花色が無いのです。
山に自生するガマズミは「種子」も園芸量販店では販売されていません。
そのため、ガマズミを栽培して育てたい人は、原則として自分自身でガマズミが自生している山に入って、種子を採取してこなければならないのです。
ガマズミの花色は「白色」であり、花言葉は「結合・私を無視しないで(無視したら私は死にます)・私を見て・愛は死より強し・未来・恋の焦り」となります。
4. ガマズミの名前の由来
ガマズミ(莢迷)の名前の由来は、秋にできる赤い木の実の利用価値が高かったことから「神の実」とされていて、「かみつみ(神つ実)」「かみすみ(噛み酢実)」が転化してそう呼ばれるようになったのではないかと言われています。
山の神の贈り物としてガマズミの赤い実が与えられ、マタギたちが「かみつみ(神つ実)」と呼んでいたという説があります。
「かみすみ(噛み酢実)」は、クエン酸を多く含むガマズミの実が噛むと酸っぱいことに由来しています。
昔、ガマズミの樹木を「鍬の柄」の材料として使用していたことから、「鎌(かま)の柄」の意味から「ガマ」となり、ガマズミは染料としても使われていたことから「染め=ズミ」になったとも言われています。
この語源・由来の仮説は、「ガマ(鎌)+ズミ(染)=ガマズミ」になったという仮説になっています。
赤く輝く実という意味のある「カガツミ」が、ガマズミに音韻変化したという説もあります。
属名の「Viburunum(ビバーナム、ウィブルヌム)」は、ラテン語のガマズミの古い呼び方が語源とされています。
4-1. ガマズミの花言葉の由来
ガマズミの花言葉である「結合」の由来は、ガマズミの柔軟性のある木材の性質によって、ガマズミの木材は実用的な利用範囲が広く、どんな用途ともガマズミの木を結び付けられることに由来しています。
「無視したら私は死にます・私を見て」の由来は、秋に成熟する「ガマズミの赤い実(濃紅色の実)」が人目を強く引きつけて、「自分に対する興味関心・注意を強制しているように感じられること」に由来していると言われています。
5. ガマズミの開花時期
ガマズミの開花時期は「5月~6月」で、独特な良い香りがする白くて小さな花(直径5mm程度)を大量に咲かせてくれます。
ガマズミは白い花だけではなくて濃紅色(赤色)の果実も見所になっている樹木であり、「9月~10月」に人の目を引きつける色鮮やかな赤い実を実らせます。
ガマズミが誕生花の人は、「6月22日、11月24日」になります。
6. ガマズミの育て方のポイントや注意点
ガマズミの育て方のポイントや注意点について説明していきます。
6-1. ガマズミの育成に適した条件・種まきの時期のポイント
ガマズミの木の育成に適している場所は、日当たりが良くて風通しも良い場所になります。
ガマズミは「耐陰性(日陰に耐える能力)」に優れているので、日照量の少ない日陰でも育つことは育つのですが、「花付き・実付き」はどうしても悪くなってしまいます。
細い枝が乱れた形状で伸びて樹形を崩すことにもなるので、できるだけ日照量のある日当たりの良い場所で育てるのがポイントになります。
自生するガマズミの種子は一般に市販されていないことが多いので(種類によっては市販されている種もありますが)、成熟した実から種を採取して植えます。
種まきに適している時期は「3~4月」か「9~10月」になりますが、花が咲くまでには「約5~6年以上」の年月が必要になります。
果実から取り出した種は、赤玉土などの清潔な土に植え、発芽するまで土が乾燥しないように水やりをしていきます。
芽が伸びて樹高約10~15cmになったら、大きめの鉢か地面に植え替えをします。
6-2. ガマズミの水やりの方法と注意点
ガマズミを「鉢植え」にした時は、2~3年に1回、植え替えが必要になってくるので注意して下さい。
鉢植えのガマズミは、土の表面が乾いたらたっぷりと多めに水を与えるようにします。
ただし、乾燥する前に大量の水を上げすぎると、根に悪影響が及びやすくなります。
地植えのガマズミの場合は、根が地面にしっかり張るまでは土の表面が乾いた時に多めの水やりをしていきますが、根が地面に根付いてしまえば基本的に水やりは不要です。
6-3. ガマズミの肥料のやり方の方法と剪定(せんてい)する場合の注意点
ガマズミの栽培においては肥料を頻繁に与える必要はなく、肥料を与えなくても生長することは可能です。
肥料を与える場合は、5月と11月(12月)に、肥料の効き目がゆっくりのタイプである「緩効性化成肥料」を株元に少量与えるくらいで大丈夫でしょう。
ガマズミの枝を剪定する場合は、「12月~3月」が適期になりますが、剪定せずに自然の枝ぶりのままにしておいても問題はありません。
剪定する場合の注意点としては、必ず枝が分かれている部分の根元から切り落とすようにして下さい。
余計な枝を簡単に切り落としていくレベルの剪定で十分ですが、多すぎる枝を減らす剪定をすることによって、「ガマズミの幹に対する日照量の増加・風通しの良さ」によって成育が良くなってきます。
6-4. ガマズミの病害虫に対する注意点
ガマズミは、基本的に病害虫に対して強い樹木ですが、日当たりや風通しが悪い環境で生育していると「カイガラムシ」という害虫が発生するリスクはあります。
カイガラムシは幼虫の段階なら殺虫剤の散布でも駆除しやすいのですが、その名前が示すように、成虫はカイガラのような硬い殻に覆われているので殺虫剤の効果は限定的になってしまいます。
成虫のカイガラムシが発生した場合には、歯ブラシなどを用いて物理的に地道に擦り落としていく必要があります。
7. ガマズミの種類(原種・品種など)
ガマズミはスイカズラ科(レンプクソウ科)ガマズミ属の植物・樹木で、初夏に直径5mmほどの小さな白いフワフワの可愛い花をたくさん咲かせます。
ガマズミ属には約150種ほどがあるとされていますが、日本で自生しているガマズミ属の植物(樹木)は約15~16種になります。
この項目では、ガマズミの花・樹木の種類・品種について紹介します。
7-1. トキワガマズミ
トキワガマズミ(常盤莢迷、学名Viburnum tinus)は、樹高が2~3mほどに生長する耐寒性のある落葉樹(常緑低木)で、春(5~6月)に甘い香りのする白い花をたくさん咲かせます。
トキワガマズミは秋の季節に、丸い青紫色(青色)の実を付けるのが特徴となっており、一般的なガマズミの赤い実とは異なっています。
花屋・園芸品店でも「ビバーナム・ティナス、ビバーナム・ティヌス」という品種名で販売されていることがあります。
トキワガマズミの花言葉は、ガマズミと同じく「結合・愛は死より強し・未来・恋の焦り」とされることもありますが、トキワガマズ独自の花言葉として「茶目っ気・誓い・私を見て」が当てられていることもあります。
トキワガマズミの実は青紫色(青色)であり、ガマズミのように人の注目を惹きつける赤色ではないので、「私を無視しないで(無視したら私は死にます)・私を見て」という花言葉の意味合いは弱くなるという解釈がされることもあります。
7-2. ミヤマガマズミ
ミヤマガマズミ(深山莢迷、学名Viburnum wrightii)は、樹高が約4~5mほどに生長するガマズミよりも少し大きめの落葉樹(常緑低木)ですが、花・葉の大きさはやや小さめになります。
ミヤマガマズミは、葉脈の形が明瞭な細長い葉を持っていて、4~6月の春先に一般的なガマズミと同じ小さな白い花をたくさん咲かせます。
一般的なガマズミよりも標高が高い山林に多く自生していることから、深山(みやま・しんざん)のガマズミと命名されました。
北海道から九州まで日本各地の山林で見られる常緑低木であり、「白い花・濃紅色の実・紅葉」の全てを楽しめる観賞価値の高い樹木になっています。
ミヤマガマズミの花言葉は、「結合・私を無視しないで・愛は強し」などになります。
まとめ
ガマズミはスイカズラ科(レンプクソウ科)・ガマズミ属の植物で、5~6月の初夏に小さな白い花を咲かせ、9~10月に真っ赤な果実を実らせます。
ガマズミは日本各地の山野に多く自生する樹高2~3mに達する樹木であり、園芸品種として品種改良されたものではありません。
そのため、ガマズミの花色は基本的に「白色」となります。
ガマズミの一般的な花言葉は、「結合・私を無視しないで(無視したら私は死にます)・私を見て・愛は死より強し・未来」などになります。
ガマズミの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
まとめ
ガマズミはスイカズラ科(レンプクソウ科)・ガマズミ属の植物で、5~6月の初夏に小さな白い花を咲かせ、9~10月に真っ赤な果実を実らせます。
ガマズミは日本各地の山野に多く自生する樹高2~3mに達する樹木であり、園芸品種として品種改良されたものではありません。
そのため、ガマズミの花色は基本的に「白色」となります。
ガマズミの一般的な花言葉は、「結合・私を無視しないで(無視したら私は死にます)・私を見て・愛は死より強し・未来」などになります。
ガマズミの花言葉や植物・花の特徴、種類について知りたい方は、この記事を参考にしてみて下さい。
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