プリムラという花をご存知でしょうか?
園芸市場には大量に出回っているポピュラーな花です。
その大多数は愛らしく、小さめの花を色とりどりに咲かせる人気のある園芸種です。
しかし、その種類は実に600以上。
また、学術上は違う花もお花屋さんで「プリムラ」と販売していることもあり、大変ややこしい花でもあります。
しかしそのため、豊富な花言葉を持つ花でもあります。
特にプリムラ自体の花言葉は、冬に咲くという習性からつけられた素晴らしいもの。
贈り物にしても喜ばれる美しい花言葉です。
今回は、プリムラをご紹介します。
- プリムラとはどんな花?
- プリムラの花言葉
- プリムラの品種別花言葉
- プリムラの名前の由来
- プリムラの開花時期
- プリムラの育てる時のポイント
- プリムラの原種や品種
- 育てる以外のプリムラ
- まとめ
1. プリムラとはどんな花?
プリムラと一口で言っても、どの花のことを言うのか簡単には識別できません。
それもそのはず、プリムラはある一種の植物の名を指すのではなく、そこから枝分かれした植物のことをひっくるめていう言い方だからです。
プリムラの詳細についてご紹介します。
1-1. プリムラの品種が多い理由
プリムラとは、サクラソウ科サクラソウ属の園芸植物です。
しかし、その種類は煩雑で多岐にわたっています。
日本でのプリムラという言葉が指すのは、ヨーロッパにおいて品種改良された品種のことを指すことが多いのですが、生産園芸、官署園芸の園芸ジャンルにおいても少々異なってきます。
また、上記でご紹介したプリムラのほかに、サクラソウ属に属している園芸植物に「プリムラ」という名前が付けられている場合がありますが...その場合日本の古典園芸植物である二ホンサクラソウ、和名をサクラソウという植物の場合もあります。
そもそもプリムラはヨーロッパやアジアに自生するサクラソウ属の原種や変種、また品種改良などされた品種などを総括して示しています。
その数は莫大で、さらに品種改良が加えられたものが誕生し続けているため、その正確な数は把握できていません。
現在は約600程度の品種があるとは言われていますが、年々増えているためもっと多い可能性の方が高いです。
1-2. 一般的なプリムラの植生
プリムラの代表的な品種であり、園芸店でもよく見かける品種としてプリムラ・ポリアンサの例をとりご紹介します。
プリムラ・ポリアンサは多年草で、草丈は5センチから20センチと低めの花です。
原産地はヨーロッパで、寒さ暑さにやや弱い傾向があります。
そのため、日本の湿度の高い夏に耐えきれず、枯れてしまうことの多いいわゆる「実質一年草」のひとつです。
しかし、直接日光を避ける場所で育成していた場合は翌年に再度花をつけることもあります。
花の色は豊富で、紫や赤紫、黄色、オレンジやピンクなど色とりどりの花を楽しむことができます。
また、品種改良により複色で模様のあるものなどもあります。
開花時期は11月から4月くらいで、冬に花を楽しむことができます。
2. プリムラの花言葉
プリムラは数多くの品種を持ち、その品種ごとに花言葉を持っています。
また、プリムラとしての花言葉も持っているため、その花言葉は大変数多くなりますね。
冬に咲く性質を持つプリムラは、一人孤独に咲く気高い花言葉を持ちます。
2-1. 「青春のはじまりと悲しみ」
春と言っても早春にほころび始めるプリムラは、ほかに咲くもののない時期にその美しい姿を見せます。
その孤独で凛とした姿は、しかしほかの花が開く夏前には終わってしまいます。
駆け足で過ぎ去ってしまう青春を思わせる、ほろ苦い花言葉です。
2-2. 「あなたなしでは生きられない」
これも夏前に落ちてしまうプリムラの花のことを指しているといわれます。
夏を待ちわびながら、その姿を見ることのできないプリムラ。
想い人に恋い焦がれるような気持ちを、プリムラから感じるのでしょう。
2-3. 赤のプリムラの花言葉「後援のない功績」
プリムラは寒さの中でも花を咲かせます。
その強さに、誰の援助がなくとも成功をつかむ気迫を感じさせる花言葉です。
2-4. 紫のプリムラの花言葉「信頼」
ほかの花が咲いていなくても凛と咲いているプリムラは、どこはかとなく強い信念を感じます。
そのような強い精神性を信頼できると思うのも納得です。
2-5. 西洋の花言葉「young love(青春の恋)」「early youth(青春のはじめ)」
欧米でも、プリムラはその早い時期に咲く習性から青春の象徴として扱われています。
プリムラは特に北半球に生まれ、自生する花。
早春、まだ寒いうちから咲くけなげな花に青春を想うのは、人種を超えて共通する気持ちでしょう。
3. プリムラの品種別花言葉
プリムラは品種別にも花言葉を持っています。
そもそも学術上違う植物の場合もあるので、様々な花言葉を持つにいたりました。
3-1. プリムラ・ジュリアン「青春の喜びと悲しみ」
流通数の多い品種のジュリアンは、プリムラ全体と似たような花言葉を持っています。
ポリアンサと比較して小型の花であるジュリアン。
より幼く、若いイメージでの青春を意味しているようです。
3-2. プリムラ・ポリアンサ「可憐」「富貴」「無言の愛」
ベーシックなプリムラとして流通数の多いポリアンサですが、少し系統の違う花言葉をいくつか持っています。
花の見た目が美しいため、可憐という花言葉を持っていますが、花の数が多く富める様子から「富貴」という言葉も併せ持っています。
3-3. プリムラ・マラコイデス「気取らない愛/素朴」
小さめの花を咲かせるマラコイデス。
葉にお化粧のような白い粉をつけており、その可憐な淡い花色と相まってお化粧をした乙女のようです。
3-4. プリムラ・オブコニカ「初恋」「しとやかな人」
紫やサーモンピンクなど淡い色合いの花をたくさん咲かせるオブコニカ。
可憐な一重咲きは初々しい乙女のような恋を連想させます。
4. プリムラの名前の由来
プリムラとは、ラテン語の「primos(最初の)」を語源とし、まだ冬も明けない早い春にその花を咲かせることに由来しています。
なお、プリムラという惑星があり、それは発見された小惑星形がプリムラの花の形に似ていることから名付けられました。
また、花びらの形がまるで鍵の束のようなので、ドイツでは「鍵の花」とも呼ばれることもあります。
5. プリムラの開花時期
プリムラの開花時期は早春から夏前です。
ただ、品種により実に様々な開花時期を持っています。
とは言え暑さに弱いというのはどの種もほぼ同じなので、長く見積もっても11月から4月までが開花時期と言えます。
6. プリムラの育てる時のポイント
プリムラは様々な種類があり、どの品種を選ぶかで注意すべきポイントも変わってきます。
ここでは、代表的な品種のプリムラ・ポリアンサを例に育て方をご紹介します。
6-1. 日当たりや環境
冬は日当たり良く、夏は半日陰で管理するのが基本です。
鉢で育てる場合には、夏に種を蒔いて育った苗を秋の半ばころまで半日陰で管理し、冬に入ったらひなたで管理します。
風に当てすぎなければ戸外に置くのも大丈夫ですが、凍ると花が痛みます。
戸外で育てるなら霜の当たらない場所においてあげましょう。
真冬にすでに開花した状態で購入した場合には、室内の日当たりのよい場所においてあげます。
室温が高すぎると早く散ってしまいますので、日中は風通しが良く、外気と同じくらいの気温の場所に置くと花もちが良くなります。
また、開花している最中にしっかりと肥料などを与えて育て、夏に雨の当たらない半日陰で管理してあげると、また秋以降に楽しむことができます。
庭に植える場合、夏に日陰になる場所でできれば落葉樹の葉の落ちる場所に植えると越冬の成功率が上がります。
6-2. 水やりや肥料
鉢で育てている場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
開花した後は、花や葉に水をかけず、土に直接かけるように水を与えるのがポイントです。
また、庭に植えた場合は特に水やりをする必要はありません。
肥料は開花時期に緩効性化成肥料を与えてください。
液体肥料も与え、肥料が切れないように注意すると花つきがよくなります。
夏越をする場合、休眠期は既定の濃度より薄めの液体肥料を与えるようにします。
6-3. 用土と植え付け、植え替え方法
水はけがよく、また水もちも良い有機物が多い土を用意してあげます。
赤玉土中粒5に腐葉土3、酸性度調整済みのピートモス2などをブレンドした土に、リン酸分の多い緩効性化成肥料を適量混ぜて調合します。
植え付けを行う時期は9月ごろが最適です。
夏越した株であればお彼岸の頃に植え替えを行うようにします。
鉢から抜いた株を、もとの用土を落として1~3芽ずつに分け、新しい用土を用意して植え替えます。
その後1~2週間は日陰におき、新しい芽が伸びてきたらひなたへ移動して育てます。
6-4. ふやし方
種蒔きに良いのは6月から7月ごろです。
赤玉土とバーミキュライトの等量配合土などの水もちの良い用土に蒔きます。
種同士が重ならないように配置し、発芽の際光が必要な植物のため土はかぶせずそのまま置いておきます。
芽が出てきた後の柔らかい新芽にはナメクジがつくことがあるため、食害に注意します。
芽が育った秋ごろには3号程度の鉢に植え替え、薄めの液体肥料を与えます。
6-5. 気を付けたい病害虫
秋以降発生しやすい灰色かび病に注意が必要です。
低温多湿が発病条件ですので、落ちかけた花は適宜取り除き、風通しをよくしてやると発生を抑えることができます。
また、葉が密集することにより発生しやすくなるので、小さな鉢で育てている場合には秋から冬にかけて大きな鉢に移し替えるとよりベターです。
害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、ナメクジに狙われやすいです。
アブラムシは冬の間に取り除き、殺虫剤で予防しておくと春以降につきにくくなります。
ヨトウムシは春から秋にかけての休眠期に発生します。
大きくなると日中用土の中に隠れてしまうので見つけづらくなるため、葉の食害を見たら夜にチェックして見つけ次第駆除しましょう。
ナメクジも夜行性なので、ヨトウムシ同様夜に見つけ次第取り除きます。
6-6. ほか、必要な作業
花がら摘みは灰色かび病の予防に役立ちます。
12月から4月くらいまで、弱った花は摘んで風通しを良くするようにしましょう。
また、秋から初夏にかけては鉢増しをすることで花をたくさんつけます。
寒い時期に鉢増しした場合、霜で株が持ち上げられてしまうことがあります。
その場合は土ごと株を手で押さえ、植えなおしを行います。
7. プリムラの原種や品種
プリムラには600以上と呼ばれる品種、亜種があります。
その一部をご紹介します。
7-1. プリムラ・ポリアンサ
ベーシックなプリムラと言える品種です。
ヨーロッパ原産で、クリンザクラという別名も持っています。
イギリスの野生植物から園芸化された品種で、あまり例のない植物です。
17世紀にはすでにいくつか品種が出そろっていて、19世紀初めにはゴールドレースド・ポリアンサスという品種が生み出されました。
これはフローリスツ・フラワーの一つとなりました。
鉢植え、展示用だったゴールドレースド・ポリアンサスですが、19世紀後半から庭園用の系統も作られ、第二次世界大戦後にはアメリカでパシフィック系が生まれます。
パシフィック系からさらに多くの系統が生まれ、花壇用の種として広く流通しています。
愛好家から好まれる「カウチン系」やダブル・プリムローズなどの品種もポリアンサの系列です。
7-2. プリムラ・ジュリアン
ポリアンサ種とジュリエ種の交配でできた品種です。
日本では1972年に園芸品種として発売されています。
ポリアンサと並んでプリムラの代表的な種で、ポリアンサとジュリアンを併せてプリムラ・プルホニケンシス・ハイブリッドと呼ぶこともあります。
7-3. プリムラ・マラコイデス
中国原産のプリムラです。
別称をケショウザクラ、オトメザクラと呼ぶこともあります。
別称の由来は株全体にうっすらと白い粉がつくところから化粧桜と名づけられました。
ポリアンサ種などと同様暑さに弱く、秋蒔きして早春に花をつけます。
7-4. プリムラ・オブコニカ
中国西部原産のプリムラで、トキワザクラという名称で呼ばれることもあります。
花色が豊富で開花時期が長く、また日当たりが悪くても花を咲かせるという丈夫な花です。
なお育てる際に注意が必要なのはプリミンと呼ばれる成分です。
アルカロイドを多く含み、触ってしまうとかぶれを引き起こすことがあります。
かぶれやすい人は手袋をするか触った後にアルコールでふき取るなどの対処が必要です。
7-5. プリムラ・アリオニイ
学術上、プリムラの本流ではありませんが、園芸上はプリムラと扱われています。
ヨーロッパのアルプス南部に自生しています。
比較的小型の品種で、アリオニイから更に品種の改良が加えられてたくさんの種類に枝分かれしています。
山草として人気があり、ヨーロッパの山草園芸界ではナンバーワンの人気を誇っています。
7-6. プリムラ・マルギナタ
アリオニイと似た種がマルギナタです。
淡い紫色ですが葉に鋸葉を持ち、ふちに白い粉がつくさまが美しいと園芸界で人気があります。
アリオニイとの交配種もあります。
7-7. プリムラ・アウリクラ
ヨーロッパの山岳に広く分布するアウリクラは、マルギナタのように葉に白い粉が付着している品種です。
黄色く明るい色の花を付けます。
和名をアツバサクラソウと呼びます。
7-8. プリムラ・アルピコラ
ヒマラヤ~中国雲南省にかけて自生するプリムラです。
7-9. プリムラ・プルウェルレンタ
日本の自生種で、中国原産です。
学術上はクリンソウという植物の近縁種とになります。
7-10. プリムラ・デンティクラタ
ヒマラヤ原産です。
花が手毬状に咲く品種で、見た目に美しいため日本でも流通しています。
8. 育てる以外のプリムラ
8-1. プリムラをドライフラワーに
色も様々で見栄えのするプリムラは、ドライフラワーにしても楽しめます。
花が次々と咲くので、たくさんのドライフラワーを作れるのも楽しいですね。
まだ生き生きとしたプリムラを、室内の乾燥した場所に吊るしておきましょう。
次第に乾燥してドライフラワーになってくれます。
プリムラの開花時期である冬は、本来ドライフラワーづくりには向かない季節ですが、エアコンを入れている室内は別。
低めの温度で乾燥した環境を作れば、冬でもドライフラワーづくりが楽しめますよ。
8-2. プリムラを押し花で楽しむ
押し花を作る時、普通に本に挟んで経過を楽しむのもいいのですが、電子レンジであれば簡単に作ることができます。
段ボールにティッシュペーパーを重ね、その中にプリムラの花を挟み込みます。
何重か重ねた後、輪ゴムできつめに留めて電子レンジで1分加熱してください。
様子を見てさらに過熱し、花がパリッとすれば出来上がりです。
まとめ
プリムラはたくさんの種類があり、色も形も様々です。
しかし、夏の暑さに弱いことを除けばそれほど育てにくい花ではありません。
冬に寂しくなってしまう花壇に最適な花とも言えます。
また、気は使いますが夏越ができないわけではありません。
うまくすれば多年草として、また次の冬に凛とした花を咲かせてくれますよ。
5. プリムラの開花時期
プリムラの開花時期は早春から夏前です。
ただ、品種により実に様々な開花時期を持っています。
とは言え暑さに弱いというのはどの種もほぼ同じなので、長く見積もっても11月から4月までが開花時期と言えます。
6. プリムラの育てる時のポイント
プリムラは様々な種類があり、どの品種を選ぶかで注意すべきポイントも変わってきます。
ここでは、代表的な品種のプリムラ・ポリアンサを例に育て方をご紹介します。
6-1. 日当たりや環境
冬は日当たり良く、夏は半日陰で管理するのが基本です。
鉢で育てる場合には、夏に種を蒔いて育った苗を秋の半ばころまで半日陰で管理し、冬に入ったらひなたで管理します。
風に当てすぎなければ戸外に置くのも大丈夫ですが、凍ると花が痛みます。
戸外で育てるなら霜の当たらない場所においてあげましょう。
真冬にすでに開花した状態で購入した場合には、室内の日当たりのよい場所においてあげます。
室温が高すぎると早く散ってしまいますので、日中は風通しが良く、外気と同じくらいの気温の場所に置くと花もちが良くなります。
また、開花している最中にしっかりと肥料などを与えて育て、夏に雨の当たらない半日陰で管理してあげると、また秋以降に楽しむことができます。
庭に植える場合、夏に日陰になる場所でできれば落葉樹の葉の落ちる場所に植えると越冬の成功率が上がります。
6-2. 水やりや肥料
鉢で育てている場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
開花した後は、花や葉に水をかけず、土に直接かけるように水を与えるのがポイントです。
また、庭に植えた場合は特に水やりをする必要はありません。
肥料は開花時期に緩効性化成肥料を与えてください。
液体肥料も与え、肥料が切れないように注意すると花つきがよくなります。
夏越をする場合、休眠期は既定の濃度より薄めの液体肥料を与えるようにします。
6-3. 用土と植え付け、植え替え方法
水はけがよく、また水もちも良い有機物が多い土を用意してあげます。
赤玉土中粒5に腐葉土3、酸性度調整済みのピートモス2などをブレンドした土に、リン酸分の多い緩効性化成肥料を適量混ぜて調合します。
植え付けを行う時期は9月ごろが最適です。
夏越した株であればお彼岸の頃に植え替えを行うようにします。
鉢から抜いた株を、もとの用土を落として1~3芽ずつに分け、新しい用土を用意して植え替えます。
その後1~2週間は日陰におき、新しい芽が伸びてきたらひなたへ移動して育てます。
6-4. ふやし方
種蒔きに良いのは6月から7月ごろです。
赤玉土とバーミキュライトの等量配合土などの水もちの良い用土に蒔きます。
種同士が重ならないように配置し、発芽の際光が必要な植物のため土はかぶせずそのまま置いておきます。
芽が出てきた後の柔らかい新芽にはナメクジがつくことがあるため、食害に注意します。
芽が育った秋ごろには3号程度の鉢に植え替え、薄めの液体肥料を与えます。
6-5. 気を付けたい病害虫
秋以降発生しやすい灰色かび病に注意が必要です。
低温多湿が発病条件ですので、落ちかけた花は適宜取り除き、風通しをよくしてやると発生を抑えることができます。
また、葉が密集することにより発生しやすくなるので、小さな鉢で育てている場合には秋から冬にかけて大きな鉢に移し替えるとよりベターです。
害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、ナメクジに狙われやすいです。
アブラムシは冬の間に取り除き、殺虫剤で予防しておくと春以降につきにくくなります。
ヨトウムシは春から秋にかけての休眠期に発生します。
大きくなると日中用土の中に隠れてしまうので見つけづらくなるため、葉の食害を見たら夜にチェックして見つけ次第駆除しましょう。
ナメクジも夜行性なので、ヨトウムシ同様夜に見つけ次第取り除きます。
6-6. ほか、必要な作業
花がら摘みは灰色かび病の予防に役立ちます。
12月から4月くらいまで、弱った花は摘んで風通しを良くするようにしましょう。
また、秋から初夏にかけては鉢増しをすることで花をたくさんつけます。
寒い時期に鉢増しした場合、霜で株が持ち上げられてしまうことがあります。
その場合は土ごと株を手で押さえ、植えなおしを行います。
7. プリムラの原種や品種
プリムラには600以上と呼ばれる品種、亜種があります。
その一部をご紹介します。
7-1. プリムラ・ポリアンサ
ベーシックなプリムラと言える品種です。
ヨーロッパ原産で、クリンザクラという別名も持っています。
イギリスの野生植物から園芸化された品種で、あまり例のない植物です。
17世紀にはすでにいくつか品種が出そろっていて、19世紀初めにはゴールドレースド・ポリアンサスという品種が生み出されました。
これはフローリスツ・フラワーの一つとなりました。
鉢植え、展示用だったゴールドレースド・ポリアンサスですが、19世紀後半から庭園用の系統も作られ、第二次世界大戦後にはアメリカでパシフィック系が生まれます。
パシフィック系からさらに多くの系統が生まれ、花壇用の種として広く流通しています。
愛好家から好まれる「カウチン系」やダブル・プリムローズなどの品種もポリアンサの系列です。
7-2. プリムラ・ジュリアン
ポリアンサ種とジュリエ種の交配でできた品種です。
日本では1972年に園芸品種として発売されています。
ポリアンサと並んでプリムラの代表的な種で、ポリアンサとジュリアンを併せてプリムラ・プルホニケンシス・ハイブリッドと呼ぶこともあります。
7-3. プリムラ・マラコイデス
中国原産のプリムラです。
別称をケショウザクラ、オトメザクラと呼ぶこともあります。
別称の由来は株全体にうっすらと白い粉がつくところから化粧桜と名づけられました。
ポリアンサ種などと同様暑さに弱く、秋蒔きして早春に花をつけます。
7-4. プリムラ・オブコニカ
中国西部原産のプリムラで、トキワザクラという名称で呼ばれることもあります。
花色が豊富で開花時期が長く、また日当たりが悪くても花を咲かせるという丈夫な花です。
なお育てる際に注意が必要なのはプリミンと呼ばれる成分です。
アルカロイドを多く含み、触ってしまうとかぶれを引き起こすことがあります。
かぶれやすい人は手袋をするか触った後にアルコールでふき取るなどの対処が必要です。
7-5. プリムラ・アリオニイ
学術上、プリムラの本流ではありませんが、園芸上はプリムラと扱われています。
ヨーロッパのアルプス南部に自生しています。
比較的小型の品種で、アリオニイから更に品種の改良が加えられてたくさんの種類に枝分かれしています。
山草として人気があり、ヨーロッパの山草園芸界ではナンバーワンの人気を誇っています。
7-6. プリムラ・マルギナタ
アリオニイと似た種がマルギナタです。
淡い紫色ですが葉に鋸葉を持ち、ふちに白い粉がつくさまが美しいと園芸界で人気があります。
アリオニイとの交配種もあります。
7-7. プリムラ・アウリクラ
ヨーロッパの山岳に広く分布するアウリクラは、マルギナタのように葉に白い粉が付着している品種です。
黄色く明るい色の花を付けます。
和名をアツバサクラソウと呼びます。
7-8. プリムラ・アルピコラ
ヒマラヤ~中国雲南省にかけて自生するプリムラです。
7-9. プリムラ・プルウェルレンタ
日本の自生種で、中国原産です。
学術上はクリンソウという植物の近縁種とになります。
7-10. プリムラ・デンティクラタ
ヒマラヤ原産です。
花が手毬状に咲く品種で、見た目に美しいため日本でも流通しています。
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