すっくと長い花茎を伸ばしたその先端に柔らかなヴェールを被っているかのような花、カラー。
その立ち姿は美しく、シンプルで清楚なカラーは切花としてフラワーアレンジメントやブーケなどで数多く利用されている花のひとつです。
カラーの特徴はなんといってもそのヴェルヴェットを思わせるくるりと包みこむようにした花と素朴でいて凛とした花姿です。
花に見える部分は仏炎苞(ブツエンホウ)というツボミを守る役割を持った葉の一種。
実は、花はその中にある肉穂花序(ニクスイカイジョ:柄のない花が穂状になって花軸についているもの)と呼ばれる棒状にみえる部分なのです。
カラーというと「白」というイメージが強いですがその花色も数々あります。
どの色もナチュラルで落ち着いた色なので大人の女性にふさわしい花です。
そんなエレガントでスタイリッシュな花、カラーについてご紹介します。
- カラーとはどんな花?
- カラーの花言葉
- カラーの色別の花言葉
- カラーの名前の由来
- カラーの開花時期
- 湿地性のカラーを育てる時のポイント
- 畑地性のカラーを育てる時のポイント
- カラーに合うウェディング・ブーケ
- まとめ
1. カラーとはどんな花?
南アフリカ原産のサトイモ科オランダカイウ属の多年草です。
同じサトイモ科の湿地に自生するミズバショウ(水芭蕉)によく似ていますが、ミズバショウはミズバショウ属ですので異なる植物になります。
南アフリカに6~8種類の原種がありますがそのほとんどが水はけのよい草地や岩場などに自生する畑地性のものが多く、その代表的な種は「モモイロカイウ」「シロボシカイウ」「キバナカイウ」です。
湿地性の種類は1種のみで「エチオピカ」だけが川や池などの湿地帯を好みます。
その美しい花はエチオピアの国家にもつかわれています。
花茎が長いため切花としても大変人気があります。
そのシックな美しい花を束ねたブーケは女性なら誰でも心惹かれるものではないでしょうか。
またウェディングにぴったりの花言葉もたくさんあるのでウェディング・ブーケとしてもとても人気があります。
2. カラーの花言葉
やはりカラーといえば白を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
白いカラーとカラー全般の花言葉をご紹介します。
2-1. 「華麗なる美」
白から緑へのグラデーションがはまさに華麗な美しさ。
すらりとしたスタイルのよい立ち姿であるカラーにふさわしい花言葉ですね。
2-2. 「乙女のしとやかさ」
カラーの清楚な花姿が、きれいな女性を連想させることからこの花言葉がつけられたそうです。
2-3. 「清浄」
「乙女のしとやかさ」と同じく清楚でその白い姿から「純粋」「無垢」「清浄」というイメージでつけられました。
2-4. 「歓喜」
ハート形の仏炎苞と葉は愛の象徴そのものです。
カラーは結婚式のブーケとしてもよく利用されています。
「歓喜」はそんな花嫁たちの喜びにちなんでつけられたそうです。
2-5. 「素晴らしい美」「素敵な美しさ」
「素晴らしい美」「素敵な美しさ」ともその眉目よい美しさがからつけられたそうです。
白いドレスを纏っているような花姿は輝くばかりの美しさですよね。
2-6. 「夢」
緑の葉と白い花のコントラストが美しく、まるで夢を見ているかのようだということからつけられたようです。
3. カラーの色別の花言葉
白色のイメージがあるカラーですが実は「カラー」の名の通り色数も豊富なんですよ。
色別のカラーの花言葉をご紹介します。
3-1. ピンク色のカラーの花言葉「情熱」
「情熱」という花言葉を持つ花は赤い花が多いのですがカラーではピンク色の花言葉です。
ピンクには「女性的」「華麗」のほかにも「艶やか」「欲情」などのイメージがあります。
またピンク色のカラーの花の形には炎のように見えるものもあります。
ピンク色のカラーはその艶やかさがと炎のように見えることから「情熱」とされたようです。
3-2. エレガント・ピンク色のカラーの花言葉「素敵な恋人」
エレガント・ピンクとは濃色の落ち着いた色のことをいいます。
エレガント・ピンク色のカラーを恋人に見立ててつけられたそうです。
大切な人への贈り物にぴったりです。
3-3. 黒色のカラーの花言葉「贅沢の美」
カラーといえば白をイメージされるかもしれませんが、黒色のカラーもあるんです。
黒は黒でも深い紫色なのでとても趣のある色です。
黒のイメージといえば「威厳」「高級」「上質」などがあります。
その贅沢なその美しさを讃えている花言葉ですね。
3-4. 紫色のカラーの花言葉「夢見る美しさ」
紫色のイメージは「感性」「エキゾチック」「神秘」などがあります。
紫色のカラーはそんな神秘的なイメージから「夢見る美しさ」とつけられたようです。
3-5. 黄色のカラーの花言葉「壮大な美」
黄色のイメージは「華やか」「活発」などがあります。
黄色は自然界にも多くある色です。
太陽の光も黄色く見えますよね。
そんな大自然に包まれているというイメージがあるようです。
4. カラーの名前の由来
カラーの名前の由来には諸説あります。
カラーの凛とした美しい姿からギリシャ語で美しいを意味する「カロス」とつけられたといわれています。
またサトイモ科の花の特徴である大きな白い仏炎苞が修道女の襟(カラー)に似ていることにちなんでつけられたともいわれています。
また。
ギリシャ神話では、全能の神ゼウスの妻である女神ヘラが我が子のヘラクレスに母乳を与えていた時にこぼれたところから出来た花と伝えられています。
その他には美の女神ヴィーナスが女神ヘラの美しさに嫉妬してカラーの中心に棒の様なものを作り、今の花姿になったのとも言われています。
5. カラーの開花時期
湿地性のカラーの開花期:6月から7月
畑地性のカラーの開花期:6月から7月
切花として流通しているカラーは湿地性のものも多いのですが、栽培種としては畑地性のカラーのほうが多く流通しているそうです。
6. 湿地性のカラーを育てる時のポイント
湿地性のカラーの特徴:球根を持ちません。
6-1. 場所
日当たりと風通しのよい開けたところが適します。
真夏の直射日光の強い時期は、直射日光を避けてあげるようにします。
本来は水辺などの湿地で育つカラーなので、乾燥に弱いですが、寒さには耐性があって、土が凍らない限りは、腐葉土で根元をカバーしてあげれば露地植えでも越冬可能です。
6-2. 植えつけ
長年育てていると、育てている土の質が悪くなったり、成長するカラーのサイズに適さない大きさになることがあります。
また芽数がふえて込んでくると花立ちが悪くなるので、1~2年ごとに株分けをして植え直しをします。
6号鉢に1~3芽が目安です。
作業の適期は成長が始まる直前の3月から4月の間です。
深さは、球根の頭が地表と同じくらいの位置になるように浅植えするようにします。
6-3. 水やり
水辺に育つ植物なので、乾燥に弱いです。
土が乾きかけたら、水をタップリとやります。
鉢植えのものは、受け皿に水をためて腰水栽培にするとよいでしょう。
ただし水が腐らないように注意します。
春の成長期に水切れさせると花が咲きにくくなります。
夏は日陰へ移動させ、水温が上がるようなら腰水にしないで水はけをよくしておきます。
カラーに水をやるときは葉っぱや花や茎に水が掛からないようにしてください。
水が掛かるととても傷みやすく、グニャリと曲がって倒れてしまうので注意します。
6-4. 肥料
庭植えや水辺ではほとんど不要です。
鉢植えは春の成長の初期段階で液体肥料を少量与えます。
湿度が高い時に肥料分が残っていると、球根が腐りやすいので注意します。
6-5. ふやし方
基本のふやし方は株分けです。
タネをまいて育てることもできますが、通常は株分けでふやします。
いつ株分けを行ってもいいのですが、早春に行うのが一番成功しやすいです。
株分けするときには葉を半分以下に切り詰めて球根の切り口には石灰などを塗っておくと傷口から腐るのを防ぐことができます。
6-6. 害虫
コガネムシ類:開花中に花の中にもぐり込んで食害するので注意します。
対策:払い落とすか捕殺します。
6-7. 病気
軟腐病:軟腐病は細菌性の病気で茎や葉がぶよぶよと軟化して腐敗してしまいます。
急速に広がって枯死してしうことがあるので注意しましょう。
7. 畑地性のカラーを育てる時のポイント
畑地性のカラー:球根を持ちます。
7-1. 場所
畑地性のカラーもまた日当たりと風通しのよい開けたところが適します。
水はけがよく、温暖で夏は比較的乾燥する場所が適します。
春の生育期はやや多湿でもよいのですが、開花後高温期の多湿は病気が出やすくなり、球根が腐る原因となります。
これを防ぐには、水はけをよくして肥料分が抜けやすくするようにしておきマルチングなどで地温の上昇を防いであげるとよいでしょう。
鉢植えの場合、夏の間は明るい日陰や半日陰へ移動させて鉢の中が高温にならないようにしておきます。
秋以降は休眠期間なので乾燥させて、凍らないところで冬越しさせます。
庭植えの場合、植えっぱなしにもできますが、地中まで凍結する心配のあるときは秋に掘り上げ、鉢に入れて鉢植えの場合と同様に乾燥させておきます。
7-2. 植えつけ
霜が降りなくなってから植えます。
4月下旬でも地方によっては霜が降りることがあるので注意しましょう。
市販されている花と野菜の培養土で植えてもいいですが、一般的な培養土では水もちが良すぎるため、水やりを調節する必要があります。
庭植えの場合、粘土質の水はけの悪い土で植えつけると球根が腐って枯れてしまうので注意します。
腐葉土とパーライトなどを混ぜて水はけを良くしてから植えます。
また、カラーは同じ場所で育てていると育ちが悪くなるので4年に一回は場所を移しましょう。
7-3. 水やり
湿地性カラーは乾燥に弱く、水をしっかりとあげないといけませんが、畑地性カラーは水をやり過ぎると逆に球根が痛んでしまいます。
春の芽出しから開花中は、用土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
新しい根が伸びて盛んに成長する時期なので水切れに注意します。
しっかり成長させることがよい花を咲かせるポイントです。
とはいえ、土が湿っているうちは水やりしてはいけません。
土が濡れている状態が長く続くと腐って枯れてしまうことがあるからです。
「大事にしていたカラーが枯れてしまった!」という場合、その多くの原因は「水のあげすぎ」といわれています。
秋以降の休眠期間は乾燥させます。
7-4. 肥料
鉢植えの場合、生育する春に液体肥料を2週間に1回程度やるとよく生育します。
葉っぱが黄色くなるまで肥料をやります。
ただし夏に元気がないようであれば肥料はあげません。
緩効性固形肥料でもいいのですが休眠期間に肥料が残ると病気の元になるので、調節ができる液体肥料がベターです。
庭植えの場合、肥料はほとんど不要です。
7-5. ふやし方
球根の分球でふやします。
くびれた部分、簡単に折れる部分で分けます。
無理に分けたり、切り口の面積が大きいと腐りやすいので注意して分けましょう。
7-6. 病気
湿地性のカラーと同じく高温多湿の条件下では細菌性の病気の軟腐病が発生しがちです。
軟腐病に気をつけましょう
7. カラーの種類(原種、園芸品種)など
湿地性のカラーは1種です。
7-1. ザンテデスキア・エチオピカ(Zantedeschia aethiopica)和名:オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
原産国:南アフリカ、レソト、スワジランド
花期:6月から7月
草丈は40cmから100cmほどになります。
海岸から標高2250mまでの湿地帯に自生しています。
17世紀にヨーロッパに紹介され、美しい花を咲かせることから世界で広く栽培されるようになりました。
エチオピカとして流通しているのは、オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)の変種で四季咲き性のチルドシアナ種を元に作りだされた園芸品種が主流です。
エチオピカは畑地性のカラーに比べると、苞の先が広く開いているのが特徴です。
花色は白だけです。
7-2. ザンテデスキア・レーマニー(Zantedeschia rehmannii)和名:モモイロカイウ(桃色海芋)畑地性のカラー
原産地:南アフリカのナタール地方
草丈約30cmの矮性種です。
葉は細長く葉柄は短いのが特徴です。
一般的には葉に緑色か白色の斑点があります。
淡いピンクの仏炎苞は長さが約12cmで紫紅色のものもあります。
7-3. サンテデスキア・ エリオチアナ( Zantedeschia elliottiana)和名:キバナカイウ(黄花海芋)畑地性のカラー草丈80cm
">
夏の高温を嫌うので注意が必要です。
黄色い花を咲かせます。
7-4. ザンテデスキア・アルボマクラータ(Zantedeschia albomaculata)和名:シラホシカイウ(白星海芋)畑地性のカラー
草丈は約60cm。
濃い緑色の葉は先端が尖っています。
葉の表面に白色班点がはいっています。
湿地性カラーに比べると細長い苞です。
8. カラーに合うウェディング・ブーケ
もしウェディング・ブーケにカラーを選ぶときのブーケの形をご紹介します。
8-1. アームブーケ
アームブーケは茎の部分を自然に束ね、腕で抱えるように持つスタイルです。
細く長く、縦に流れるように咲くカラーの特徴を生かせます。
持ち方としては左腕に抱えて持ち、下に向けて流すようにするときれいです。
腰骨に沿わせるようにすると、よりエレガントに見えますよ。
花の向きは上向きも下向きでもどちらでも素敵です。
長身の方やマーメイド形のドレス、細身のスレンダーなドレスを着る花嫁さんによく似合います。
8-2. クラッチブーケ
花の茎を束ねてそのまま手に持つクラッチブーケは、茎もデザインのひとつ。
茎までスタイリッシュなカラーだからこそ、クラッチ型もとても素敵です。
持ち方のコツは茎は握りしめるのではなく、親指と人差し指で軽く握るくらいの方が、ブーケがきれいに見えます。
8-3. ラウンドブーケ
丸いフォルムにまとめたラウンド型のブーケです。
束ねられたカラーは1本の時とはまた違った表情を見せてくれます。
可愛らしさ、元気さを感じるデザインなので背が低い方や可愛らしいドレスによく似合います。
ラウンドブーケの美しい持ち方は肘を軽く曲げ、ウェストのラインがあまり隠れないように、おへそのあたりの高さで持つときれいです。
8-4. キャスケードブーケ
滝のように流れるラインのキャスケードブーケはブーケの形の定番のひとつです。
形としてはラウンドブーケに近いですが、下のほうを少し垂らしたようなデザインは水が流れるようなラインを作り華やかでとても人気のあるデザインです。
キャスケードブーケで使われる花材は、ユリやカサブランカのイメージが強いですが、カラーで作るキャスケードブーケもとても素敵です。
持ち方としてはブーケの最もボリュームのある部分をウェストに持ってくることがポイントです。
ボリュームがある分、重さを感じさせないように持つと素敵ですよ。
まとめ
Calla lily(カラ・リリー)と親しまれているこの花は西洋でも日本の花言葉と同じく「magnificent beauty(華麗なる美)」「feminine modesty(女性のしとやかさ)」という意味があるそうです。
世界中で愛されるカラーはその花言葉の通り「夢」のような「素晴らしい美」を持った花です。
ギリシャ神話では棒状の花の中に美の女神ヴィーナスに嫉妬されるほどの美しい女神が閉じ込めらているというカラー。
細く長い緑の茎の先端についている花はエレガントで無垢な美しさを持っています。
ヴェルヴェットのようなつややかなその花はまさに「スタイリッシュで華麗な淑女」を思わせます。
5. カラーの開花時期
湿地性のカラーの開花期:6月から7月
畑地性のカラーの開花期:6月から7月
切花として流通しているカラーは湿地性のものも多いのですが、栽培種としては畑地性のカラーのほうが多く流通しているそうです。
6. 湿地性のカラーを育てる時のポイント
湿地性のカラーの特徴:球根を持ちません。
6-1. 場所
日当たりと風通しのよい開けたところが適します。
真夏の直射日光の強い時期は、直射日光を避けてあげるようにします。
本来は水辺などの湿地で育つカラーなので、乾燥に弱いですが、寒さには耐性があって、土が凍らない限りは、腐葉土で根元をカバーしてあげれば露地植えでも越冬可能です。
6-2. 植えつけ
長年育てていると、育てている土の質が悪くなったり、成長するカラーのサイズに適さない大きさになることがあります。
また芽数がふえて込んでくると花立ちが悪くなるので、1~2年ごとに株分けをして植え直しをします。
6号鉢に1~3芽が目安です。
作業の適期は成長が始まる直前の3月から4月の間です。
深さは、球根の頭が地表と同じくらいの位置になるように浅植えするようにします。
6-3. 水やり
水辺に育つ植物なので、乾燥に弱いです。
土が乾きかけたら、水をタップリとやります。
鉢植えのものは、受け皿に水をためて腰水栽培にするとよいでしょう。
ただし水が腐らないように注意します。
春の成長期に水切れさせると花が咲きにくくなります。
夏は日陰へ移動させ、水温が上がるようなら腰水にしないで水はけをよくしておきます。
カラーに水をやるときは葉っぱや花や茎に水が掛からないようにしてください。
水が掛かるととても傷みやすく、グニャリと曲がって倒れてしまうので注意します。
6-4. 肥料
庭植えや水辺ではほとんど不要です。
鉢植えは春の成長の初期段階で液体肥料を少量与えます。
湿度が高い時に肥料分が残っていると、球根が腐りやすいので注意します。
6-5. ふやし方
基本のふやし方は株分けです。
タネをまいて育てることもできますが、通常は株分けでふやします。
いつ株分けを行ってもいいのですが、早春に行うのが一番成功しやすいです。
株分けするときには葉を半分以下に切り詰めて球根の切り口には石灰などを塗っておくと傷口から腐るのを防ぐことができます。
6-6. 害虫
コガネムシ類:開花中に花の中にもぐり込んで食害するので注意します。
対策:払い落とすか捕殺します。
6-7. 病気
軟腐病:軟腐病は細菌性の病気で茎や葉がぶよぶよと軟化して腐敗してしまいます。
急速に広がって枯死してしうことがあるので注意しましょう。
7. 畑地性のカラーを育てる時のポイント
畑地性のカラー:球根を持ちます。
7-1. 場所
畑地性のカラーもまた日当たりと風通しのよい開けたところが適します。
水はけがよく、温暖で夏は比較的乾燥する場所が適します。
春の生育期はやや多湿でもよいのですが、開花後高温期の多湿は病気が出やすくなり、球根が腐る原因となります。
これを防ぐには、水はけをよくして肥料分が抜けやすくするようにしておきマルチングなどで地温の上昇を防いであげるとよいでしょう。
鉢植えの場合、夏の間は明るい日陰や半日陰へ移動させて鉢の中が高温にならないようにしておきます。
秋以降は休眠期間なので乾燥させて、凍らないところで冬越しさせます。
庭植えの場合、植えっぱなしにもできますが、地中まで凍結する心配のあるときは秋に掘り上げ、鉢に入れて鉢植えの場合と同様に乾燥させておきます。
7-2. 植えつけ
霜が降りなくなってから植えます。
4月下旬でも地方によっては霜が降りることがあるので注意しましょう。
市販されている花と野菜の培養土で植えてもいいですが、一般的な培養土では水もちが良すぎるため、水やりを調節する必要があります。
庭植えの場合、粘土質の水はけの悪い土で植えつけると球根が腐って枯れてしまうので注意します。
腐葉土とパーライトなどを混ぜて水はけを良くしてから植えます。
また、カラーは同じ場所で育てていると育ちが悪くなるので4年に一回は場所を移しましょう。
7-3. 水やり
湿地性カラーは乾燥に弱く、水をしっかりとあげないといけませんが、畑地性カラーは水をやり過ぎると逆に球根が痛んでしまいます。
春の芽出しから開花中は、用土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
新しい根が伸びて盛んに成長する時期なので水切れに注意します。
しっかり成長させることがよい花を咲かせるポイントです。
とはいえ、土が湿っているうちは水やりしてはいけません。
土が濡れている状態が長く続くと腐って枯れてしまうことがあるからです。
「大事にしていたカラーが枯れてしまった!」という場合、その多くの原因は「水のあげすぎ」といわれています。
秋以降の休眠期間は乾燥させます。
7-4. 肥料
鉢植えの場合、生育する春に液体肥料を2週間に1回程度やるとよく生育します。
葉っぱが黄色くなるまで肥料をやります。
ただし夏に元気がないようであれば肥料はあげません。
緩効性固形肥料でもいいのですが休眠期間に肥料が残ると病気の元になるので、調節ができる液体肥料がベターです。
庭植えの場合、肥料はほとんど不要です。
7-5. ふやし方
球根の分球でふやします。
くびれた部分、簡単に折れる部分で分けます。
無理に分けたり、切り口の面積が大きいと腐りやすいので注意して分けましょう。
7-6. 病気
湿地性のカラーと同じく高温多湿の条件下では細菌性の病気の軟腐病が発生しがちです。
軟腐病に気をつけましょう
7. カラーの種類(原種、園芸品種)など
湿地性のカラーは1種です。
7-1. ザンテデスキア・エチオピカ(Zantedeschia aethiopica)和名:オランダカイウ(阿蘭陀海芋)
原産国:南アフリカ、レソト、スワジランド
花期:6月から7月
草丈は40cmから100cmほどになります。
海岸から標高2250mまでの湿地帯に自生しています。
17世紀にヨーロッパに紹介され、美しい花を咲かせることから世界で広く栽培されるようになりました。
エチオピカとして流通しているのは、オランダカイウ(Zantedeschia aethiopica)の変種で四季咲き性のチルドシアナ種を元に作りだされた園芸品種が主流です。
エチオピカは畑地性のカラーに比べると、苞の先が広く開いているのが特徴です。
花色は白だけです。
7-2. ザンテデスキア・レーマニー(Zantedeschia rehmannii)和名:モモイロカイウ(桃色海芋)畑地性のカラー
原産地:南アフリカのナタール地方
草丈約30cmの矮性種です。
葉は細長く葉柄は短いのが特徴です。
一般的には葉に緑色か白色の斑点があります。
淡いピンクの仏炎苞は長さが約12cmで紫紅色のものもあります。
7-3. サンテデスキア・ エリオチアナ( Zantedeschia elliottiana)和名:キバナカイウ(黄花海芋)畑地性のカラー草丈80cm
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夏の高温を嫌うので注意が必要です。
黄色い花を咲かせます。
7-4. ザンテデスキア・アルボマクラータ(Zantedeschia albomaculata)和名:シラホシカイウ(白星海芋)畑地性のカラー
草丈は約60cm。
濃い緑色の葉は先端が尖っています。
葉の表面に白色班点がはいっています。
湿地性カラーに比べると細長い苞です。
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