丁度秋のお彼岸の頃に咲く彼岸花。
曼珠沙華(マンジュシャゲ・マンジュシャカ)という名でも知られていますね。
田んぼの畦道等に群生して咲いているので、お馴染でしょう。
関東地方では埼玉県日高市の「ひだか巾着田」と横瀬町にある寺坂棚田、また神奈川県の日向薬師辺りが、彼岸花の名所として知られています。
そんなヒガンバナについて今回はみていきましょう。
- 彼岸花とはどんな花?
- 彼岸花の花言葉
- 彼岸花の色別の花言葉
- 彼岸花の名前の由来
- 彼岸花の開花時期
- 彼岸花の怖い(不吉)な別名
- 種類(原種・園芸品種)
- まとめ
1. 彼岸花とはどんな花?
彼岸花は中国が原産のヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
学名は「Lycoris radiate Herb」で、意訳すると「放射状のハーブ」となります。
確かに花弁が外に向かって放射線状に広がっていますね。
彼岸花の最も珍しい特徴は、蕾が付き、花が開いて枯れた後に葉が出て来る点にあります。
普通は葉が出て茎が伸び、その先に蕾が付くのですが彼岸花は茎の上に5~6個の蕾が付き、それがそれぞれ開いてまるで1つの花の様に見えるのです。
そして、花が枯れた後に初めて葉が出てきます。
1-1. 日本における彼岸花
日本ではシロバナマンジュシャゲ、キツネノカミソリ、ナツズイセン、ショウキラン等が自生したり、栽培されたりしています。
日本では彼岸花に毒があることから忌み嫌う風習と、仏教では曼珠沙華が「天界に咲く花」とされていることから、縁起の良い花と捉える2つの考え方が存在しています。
1-2. 毒性
彼岸花の毒は球根や葉にあります。
「リコリン」という有毒成分が含まれている為、モグラやネズミ等の動物も彼岸花の球根だけは食べません。
それで、モグラやメズミ除けに、田んぼの畦道によく植えられているのですね。
ただ、この毒素は水に晒すと無毒化する性質を持っているので、戦時中や戦後の食糧難の時期には水に晒した後、食用に用いられたこともありました。
死亡する確率がとても高い程毒素が強いのです。
また、葉だけになると、ノビルやアサツキに似ている為、誤食することもあるので注意が必要です。
2. 彼岸花の花言葉
彼岸花には色々な色がありますが、全体としては以下の様な花言葉があります。
2-1. 「情熱」
真っ赤な彼岸花の色、そして独特の形を見ただけで「情熱」を感じますね。
2-2. 「想うはあなた一人」
愛の強さを感じさせる花言葉です。
やはり上の「情熱」と同じく、個性的な赤い色が人間の情念を表すように見えるのでしょう。
2-3. 「悲しい思い出」
以下2つの花言葉は、彼岸花がお彼岸頃に咲く為、亡くなった方への気持ちから付いたものと思われます。
お彼岸に咲くだけに、彼岸花を見た人は亡くなってしまった大事な人を思い出すでしょう。
その中には楽しかった思い出もあるでしょうが、そんなことを思い出してももうその人はこの世にいません。
それが余計悲しみを増すことからも、この花言葉が付けられたのではないでしょうか。
2-4. 「あきらめ」
いくら慕っていても、人には寿命があります。
それが、長くても、突然であっても、いつかは人間は死ななければならない生き物です。
「人間は死へ向かって生きる生き物だ」と定義する
哲学者もいるくらいです。
愛する家族、親せき、兄弟、友人等を失えば、誰でも失意のどん底に突き落とされます。
しかし、いつかはその辛さを乗り越え、自分の人生を歩んで行かなければならないのが人間です。
恐らくこの「あきらめ」という花言葉は、ネガティブな意味では無く、何時かは亡くなった人のこともまた、それ以外の悲しい出来事も心の中で整理をつけ、前へ進みましょう、というポジティブな意味かと思われます。
そして、あきらめても忘れる必要はないのです。
亡くした人の事はいつまでも胸の中で想っていましょう。
忘れないでいてあげて下さい。
そして、辛かった思い出などは人生の良い勉強と捉えて前に進みましょう。
2-5. 「また会う日を楽しみに(再会)」
これもお彼岸から連想されます。
人間、遅かれ早かれ彼岸へと旅立つのです。
ですから、あの世でまた会えるのを楽しみにしています、という意味でしょう。
そして、これは現実の世界でも言えることです。
人間、生きてさえいればまた会う機会は必ずあるでしょう。
そこで、お引越しや転勤をされる方に贈る時に適した花と言えるでしょう。
2-6. 「 独立」
これは彼岸花が葉も無くすっくと地面から茎だけが伸び、その先に花を咲かせる様から付いたものでしょう。
実際の彼岸花は群生しますが、1本1本の形は葉を持つ他の植物と比べると異様です。
茎も太いことから、1人で行きていく様子を見て取ったのでしょう。
2-7. 「転生」
お彼岸に因んだ意味ばかりとなりましたが、花の名前が名前だけにそうなるのも仕方の無いことでしょう。
しかも、この花言葉が一番あの世とこの世の関係を言い表しているようですね。
輪廻転生という言葉が仏教ではありますが、多くの宗教でも転生はあると言っています。
お彼岸にこの花を見た人はこのことを思い出すでしょう。
3. 彼岸花の色別の花言葉
3-1. 赤い彼岸花の花言葉
赤い彼岸花の花言葉は、彼岸花全体の花言葉と同じです。
3-2. 白い彼岸花
「思うはあなた一人」
これも赤い彼岸花と同じですが、こちらは白い花なので情熱的に愛すると言うよりは、日本女性らしく心の中で一途に想うという気持ちを表しているようです。亡くなった方に対しても、生きている人に対しても、一途な気持ちが伝わってきます。
派手さはありませんが、純粋な気持ちが伝わってくる花言葉ですね。
「また会う日を楽しみに」
こちらも赤の彼岸花と同じ花言葉です。いつかまた、あなたと会えるのを心から望み、楽しみにしています、と言う気持ちですね。
3-3. 黄色の彼岸花の花言葉
「追想」
お彼岸は亡くなった方を皆で追想し、感謝し、そして心を込めて供養するものです。正にそれを表した花言葉ですね。
3-4. 「陽気」
突然調子が変わった感がありますが、これは黄色という色から来るイメージに依る花言葉ではないでしょうか。
黄色は明るい色で、黄色の服を着ている人はパッと人の目を集めます。
そして、彼岸花の華やかな形から、この花言葉が付いたのでしょう。
3-5. 「元気な心」
こちらも黄色い彼岸花の色と形状から付いた花言葉では無いでしょうか。
黄色い彼岸花が咲き乱れている様を想像すると、その明るい色からこちらの気持ちも元気になってくるでしょう。
彼岸花の華やかな姿は、そんな効果も持っているのですね。
3-6. 「深い思いやり」
黄色い彼岸花の花言葉は過去や相手への想いが込められた花言葉が付いているようです。
亡くなった人を思う気持ちも人に元気を与えるのも、相手のことを考えてのことです。
自分のことより相手を大切に思う花言葉は、赤の彼岸花より白の彼岸花の方に似ていますね。
4. 彼岸花の名前の由来
彼岸花は秋のお彼岸の頃に丁度花開くので、この名が付いたというのが一般的な説です。
しかし、別の説もあります。
例えば、彼岸花には毒がありますから、これを食べたら「彼岸に行くしかない=死ぬしかない」からきたというものもあります。
また、毒を水に浸けて抜き、非常時の食用にしたことから「悲願の花」という解釈も存在します。
また、彼岸花の別名として、仏教で「天井の花」という意味を持つ「曼珠沙華」があります。
しかし、曼珠沙華の花は「白くて柔らかな花」だそうなので、彼岸花を差すとは思えません。
5. 彼岸花の開花時期
彼岸花の開花時期は、7月中旬から10月中旬頃です。
そして、その花が枯れた後に葉が出てきます。
球根ですが、その大きさはキツネノカミソリならラッキョウ位の大きさですが、ナツズイセンだと玉葱くらい大きな球根になります。
これを、球根の3倍程の間隔を開けて庭に植えます。
彼岸花は夏場は葉も茎も地上に出ないので、植えた場所を忘れないようにしましょう。
丈夫なので一度植えれば毎年咲き、球根も分球して花の数も増えていきますから、あまり込み過ぎて来たら夏の間に間隔を広げて上げましょう。
植えてから3~4年目が最も花の咲き具合が良いようです。
地植えの場合は水やりもしなくて、雨だけでちゃんと花が咲きます。
そして、球根を育てる為には花を観賞した後は摘み取ってしまいましょう。
花の色が褪せ、萎れるちょっと前が良いでしょう。
6. 彼岸花の怖い(不吉)な別名
別名が1,000種はあると言われる彼岸花ですが、その中でちょっと怖い別名を挙げてみましょう。
6-1. 死人花(しびとばな)
お彼岸はあの世とこの世が通じる期間です。
それだけに亡くなった方が来られる時に咲く花ということで付けられたのでしょうか。
また、昔は土葬であった為、死体をモグラ等が食い荒らさない様にお墓の周りに毒を持つ彼岸花を植えました。
そんなことからも付けられたのでしょう。
6-2. 葬式花
これもお墓の周りに植えて咲かせたことから付いた名前でしょう。
昔はお葬式の後にお墓の土を掘って死体をお棺毎埋めたので、お墓の周りにある花ということでこのように呼ぶ地域もあるのでしょう。
6-3. 幽霊花
これは亡くなった人を見た人が付けた名前かもしれません。
お彼岸の幽霊も見やすい時期に咲く花と言うことで付けられた物と思われます。
6-4. 地獄花
あの世は天国ばかりではないようです。
悪いことをしたら、地獄に堕ちると言われた育った世代が付けた名前だと考えられます。
6-5. 毒花
これは、彼岸花に毒があることを知らせる意味を持っていますね。
ユリの根などは食べられますが、彼岸花の球根は、特に子供は毒がちゃんと抜けていないと命を落とすこともあります。
水でしっかり晒せば毒が抜けるので、戦後の食糧難の時期にはそうして彼岸花の球根まで食べていたのです。
ただ、水に晒す時間等を詳しく知っていないと中毒を起こして死ぬ確率も多いので、それを忘れない様にと言う忠告の意味もあるのでしょう。
6-6. 痺れ花
彼岸花の毒を抜かずに食べると、30分以内に激しい下痢や嘔吐、酷い場合は呼吸不全、麻痺、中枢神経麻痺と言った重篤な症状が出て、死に至る場合もあります。
食すとこのような症状が出ることから付いた名前でしょう。
6-7. 葉見ず花見ず・葉っ欠け草
これは、彼岸花が花が咲いている間は葉が出ず、葉が出ている間は花は咲かないという性質から付いた名前でしょう。
6-8. 捨て子花
これは上記のような咲き方をする彼岸花の葉を親にみたて、花を子に見立てて、「葉=親に捨てられた花=子」という名前が生まれました。
本来なら一緒にあるのが普通ですが、彼岸花の花は茎の上に咲いて、その間葉は出てきません。
それで、親に見捨てられた子、という悲しい名前が付いてしまいました。
6-9. 一時殺し
これも球根に毒がある為に付けられた名前です。
水に晒す時間が足りないと毒がまだ残っていて、中毒症状が出ることがあることを意味しているのでしょう。
でも、一時は重体となっても命が助かればまだ良かったですよね。
6-10. 剃刀花
これは彼岸花の花びらの形がシャープな点から付いた名前の様です。
6-11. キツネ花
これは、花の形状から来た名前と言われていますが、ちょっと納得がいきませんね。
キツネというと、昔から人を化かす代表の動物ですから、或いはお彼岸の頃彼岸花を幽霊と見間違えた人がいて、花に化かされたわけですが、同じ化かされるということで、キツネ花と名付けたのかもしれません。
6-12. 迷信
これは名前が付いている訳ではないのですが、彼岸花の赤があまりに強い色なので、家に持ち帰ると火事になると言う言われも残っています。
他にも、球根に毒がある為でしょうか、「彼岸花を摘んではいけない」「彼岸花が咲くと縁起が悪い」「彼岸花を摘むと死人が出る」という物まであります。
いくらなんでも丈夫で毎年沢山咲く花ですから、縁起が悪いという事はあり得ないでしょう。
7. 種類(原種・園芸品種)
7-1. ヒガンバナ(原種)
ユーラシア大陸東部から渡来した物と考えられています。
今では北海道から沖縄まで全国的に見られます。
湿気を好むので他の畦道は人間にも花にも丁度良い関係だったのですね。
日本のヒガンバナは総て遺伝的に同一とされています。
7-2. シロバナマンジュシャゲ(園芸種)
白い花の彼岸花です。
形は彼岸花と非常によく似ています。
9月除順に花が咲きます。
彼岸花とショウキランとの交雑種であると考えられていて、変異を起こすことが多く、花のirohaクリーム色や薄いピンクが咲くこともあり、葉の色も異なるタイプがあります。
7-3. キツネノカミソリ(原種)
日本原産。
7月中・下旬に花が咲きます、
花は赤に近いオレンジ色で花弁は斜め上を向いて咲く特徴があります。
7-4. ナツズイセン(原種)
中国雲南省原産の彼岸花です。
青みのある白い花弁が珍しい品種です。
花はやや大きめです。
7-5. ショウキズイセン
オレンジに近い黄色をした彼岸花です。
彼岸花より少し遅れて9月から10月に掛けて花が咲きます。
花弁は分厚く幅が広いですが、縁が縮れています。
花弁から伸びるおしべの方向は鼻の中央から一方向にまとまって伸びます。
7-6. リコリス・インカルナータ
中国原産。
薄いピンクの花弁に桃紫色の筋が入っている珍しい品種です。
可愛らしい色をしています。
8月上旬から中旬に掛けて花が咲きます。
7-7. リコリス・スプレンゲリ
中国雲南省原産。
8月~9月頃に薄紫色の花を咲かせます。
花の形状としては、あまり彼岸花には似ていません。
6枚の花弁が開くのですが、その中から出ているおしべやめしべは細くないので、それが彼岸花の特徴と違って見えるのでしょう。
珍しい色の彼岸花です。
まとめ
彼岸花は本当に種類が多い花です。
そして、それ以上に別名が多い花でもあります。
それは、昔から日本人に馴染まれてきた花だということでしょう。
身近な他の畦道や小さな崖、またお墓にと、害獣駆除の役割を期待しながら、一方では毒のある花として少し異常な程の恐怖心を覚えてもいたようです。
それにしても別名の中には、彼岸花が可哀想になるようなものもありましたね。
昔付けられた、毒に注意を促す名前ですから、気にすることは無いでしょう。
現在では食用にする必要はありませんが、彼岸花は花にも毒があるということですから、小さなお子さんが口には絶対入れない様に気を付けましょう。
花に触るだけでは害はありません。
口に入れることが問題なのです。
見た目は華やか、「あぁ、もうお彼岸だなあ」と季節を教えてくれる彼岸花。
これからも華やかな姿を見せて欲しいものです。
5. 彼岸花の開花時期
彼岸花の開花時期は、7月中旬から10月中旬頃です。
そして、その花が枯れた後に葉が出てきます。
球根ですが、その大きさはキツネノカミソリならラッキョウ位の大きさですが、ナツズイセンだと玉葱くらい大きな球根になります。
これを、球根の3倍程の間隔を開けて庭に植えます。
彼岸花は夏場は葉も茎も地上に出ないので、植えた場所を忘れないようにしましょう。
丈夫なので一度植えれば毎年咲き、球根も分球して花の数も増えていきますから、あまり込み過ぎて来たら夏の間に間隔を広げて上げましょう。
植えてから3~4年目が最も花の咲き具合が良いようです。
地植えの場合は水やりもしなくて、雨だけでちゃんと花が咲きます。
そして、球根を育てる為には花を観賞した後は摘み取ってしまいましょう。
花の色が褪せ、萎れるちょっと前が良いでしょう。
6. 彼岸花の怖い(不吉)な別名
別名が1,000種はあると言われる彼岸花ですが、その中でちょっと怖い別名を挙げてみましょう。
6-1. 死人花(しびとばな)
お彼岸はあの世とこの世が通じる期間です。
それだけに亡くなった方が来られる時に咲く花ということで付けられたのでしょうか。
また、昔は土葬であった為、死体をモグラ等が食い荒らさない様にお墓の周りに毒を持つ彼岸花を植えました。
そんなことからも付けられたのでしょう。
6-2. 葬式花
これもお墓の周りに植えて咲かせたことから付いた名前でしょう。
昔はお葬式の後にお墓の土を掘って死体をお棺毎埋めたので、お墓の周りにある花ということでこのように呼ぶ地域もあるのでしょう。
6-3. 幽霊花
これは亡くなった人を見た人が付けた名前かもしれません。
お彼岸の幽霊も見やすい時期に咲く花と言うことで付けられた物と思われます。
6-4. 地獄花
あの世は天国ばかりではないようです。
悪いことをしたら、地獄に堕ちると言われた育った世代が付けた名前だと考えられます。
6-5. 毒花
これは、彼岸花に毒があることを知らせる意味を持っていますね。
ユリの根などは食べられますが、彼岸花の球根は、特に子供は毒がちゃんと抜けていないと命を落とすこともあります。
水でしっかり晒せば毒が抜けるので、戦後の食糧難の時期にはそうして彼岸花の球根まで食べていたのです。
ただ、水に晒す時間等を詳しく知っていないと中毒を起こして死ぬ確率も多いので、それを忘れない様にと言う忠告の意味もあるのでしょう。
6-6. 痺れ花
彼岸花の毒を抜かずに食べると、30分以内に激しい下痢や嘔吐、酷い場合は呼吸不全、麻痺、中枢神経麻痺と言った重篤な症状が出て、死に至る場合もあります。
食すとこのような症状が出ることから付いた名前でしょう。
6-7. 葉見ず花見ず・葉っ欠け草
これは、彼岸花が花が咲いている間は葉が出ず、葉が出ている間は花は咲かないという性質から付いた名前でしょう。
6-8. 捨て子花
これは上記のような咲き方をする彼岸花の葉を親にみたて、花を子に見立てて、「葉=親に捨てられた花=子」という名前が生まれました。
本来なら一緒にあるのが普通ですが、彼岸花の花は茎の上に咲いて、その間葉は出てきません。
それで、親に見捨てられた子、という悲しい名前が付いてしまいました。
6-9. 一時殺し
これも球根に毒がある為に付けられた名前です。
水に晒す時間が足りないと毒がまだ残っていて、中毒症状が出ることがあることを意味しているのでしょう。
でも、一時は重体となっても命が助かればまだ良かったですよね。
6-10. 剃刀花
これは彼岸花の花びらの形がシャープな点から付いた名前の様です。
6-11. キツネ花
これは、花の形状から来た名前と言われていますが、ちょっと納得がいきませんね。
キツネというと、昔から人を化かす代表の動物ですから、或いはお彼岸の頃彼岸花を幽霊と見間違えた人がいて、花に化かされたわけですが、同じ化かされるということで、キツネ花と名付けたのかもしれません。
6-12. 迷信
これは名前が付いている訳ではないのですが、彼岸花の赤があまりに強い色なので、家に持ち帰ると火事になると言う言われも残っています。
他にも、球根に毒がある為でしょうか、「彼岸花を摘んではいけない」「彼岸花が咲くと縁起が悪い」「彼岸花を摘むと死人が出る」という物まであります。
いくらなんでも丈夫で毎年沢山咲く花ですから、縁起が悪いという事はあり得ないでしょう。
7. 種類(原種・園芸品種)
7-1. ヒガンバナ(原種)
ユーラシア大陸東部から渡来した物と考えられています。
今では北海道から沖縄まで全国的に見られます。
湿気を好むので他の畦道は人間にも花にも丁度良い関係だったのですね。
日本のヒガンバナは総て遺伝的に同一とされています。
7-2. シロバナマンジュシャゲ(園芸種)
白い花の彼岸花です。
形は彼岸花と非常によく似ています。
9月除順に花が咲きます。
彼岸花とショウキランとの交雑種であると考えられていて、変異を起こすことが多く、花のirohaクリーム色や薄いピンクが咲くこともあり、葉の色も異なるタイプがあります。
7-3. キツネノカミソリ(原種)
日本原産。
7月中・下旬に花が咲きます、
花は赤に近いオレンジ色で花弁は斜め上を向いて咲く特徴があります。
7-4. ナツズイセン(原種)
中国雲南省原産の彼岸花です。
青みのある白い花弁が珍しい品種です。
花はやや大きめです。
7-5. ショウキズイセン
オレンジに近い黄色をした彼岸花です。
彼岸花より少し遅れて9月から10月に掛けて花が咲きます。
花弁は分厚く幅が広いですが、縁が縮れています。
花弁から伸びるおしべの方向は鼻の中央から一方向にまとまって伸びます。
7-6. リコリス・インカルナータ
中国原産。
薄いピンクの花弁に桃紫色の筋が入っている珍しい品種です。
可愛らしい色をしています。
8月上旬から中旬に掛けて花が咲きます。
7-7. リコリス・スプレンゲリ
中国雲南省原産。
8月~9月頃に薄紫色の花を咲かせます。
花の形状としては、あまり彼岸花には似ていません。
6枚の花弁が開くのですが、その中から出ているおしべやめしべは細くないので、それが彼岸花の特徴と違って見えるのでしょう。
珍しい色の彼岸花です。
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