しっかりした茎と枝に、豪華な花が連なって咲くのがストックです。
良い香りとゴージャスな見た目のため、切り花で特に人気のあるストック。
ひょっとしたら、お花屋さんなどで知らずしらずのうちに見ていることもあるかもしれません。
しかし、ストックとはアラセイトウという植物の総称であり、鑑賞用としての需要の高さから改良が重ねられ、その花の色は多岐にわたります。
その色の多さから、花言葉をたくさん持つ花でもあります。
切り花をまとめて花束にするとき、花言葉を意識したアレンジで贈るなんてとても知的でロマンティックですね。
今回は、たくさんの花言葉を持つストックについてご紹介します。
- ストックとはどんな花?
- ストックの花言葉
- ストックの色別の花言葉
- ストックの名前の由来
- ストックの開花時期
- ストックの種類(原種、園芸品種)
- まとめ
1. ストックとはどんな花?
ストックとは、主にアブラナ科アラセイトウ属の植物のことを総称して指します。
まれにヨルザキアラセイトウという花のことも含む場合もあります。
こちらは夜に香りを放つという珍しい花ですが、あまり出回ってはいない一年草です。
南ヨーロッパが原産で、本来は多年草です。
ただ、土地植えの場合日本の暑さに耐えられず枯れてしまうため、日本では一年草として扱われています。
また霜にも弱く、霜の降りる地方では路地植えしないか、防寒ネットなどの対策をとる必要があります。
草丈は20センチから80センチとばらつきがあり、すらりとしたまっすぐ直線的な花茎に、まるで稲のように連続してボリュームのある花がつくため、見た目に豪華です。
本来は一重の花でしたが、華やかな八重咲の品種も多数出回るようになりました。
また香りが良く、甘くスパイシーな香りを楽しめるうえ、香りの持ちが1週間以上続くとあって切り花として大変人気があります。
なお、香りはこれはオイゲノールと呼ばれる香り成分を持ち、ストック以外ではカーネーションなどもオイゲノールを持っています。
そのため、16世紀ごろのイギリスでは「ストック・ジリフラワー」と呼ばれていました。
ジリフラワーとはカーネーションのことで、直訳すると「硬い茎を持つカーネーション」です。
なお、オイゲノール香りのはフレグランスの調香に必要な香りの要素として知られています。
色は赤やピンク、白、紫など豊富な種類があり、切り花にしてもアレンジメントにしても美しく映えます。
愛にまつわる花言葉をたくさん持っているため、結婚式のブーケにも使われることの多い花です。
花の持ちも良いため、縁起の良い席で重宝されます。
古代ギリシャやローマなどでは薬草として利用されるなど、大変古くから親しまれている花です。
日本には江戸時代ごろに伝わってきたといわれます。
2. ストックの花言葉
ストックはたくさんの花言葉を持つ花です。
まずストック本体として、花言葉を持っています。
そもそもストックは求愛の際に贈る花の定番として使われていた歴史があり、花言葉も愛に関わる言葉を多数持っています。
しかし、ストックは悲しい伝説にまつわる花とされ、そのエピソードから花言葉が生まれました。
ストックの持つ愛の言葉は、以下のような悲恋の物語から生まれたものなのです。
遠い過去の国で、ある国のお姫様がある男性と恋に落ちました。
しかし、その男性はなんと敵国の王子。
そのことを父王に知られた姫は、城に閉じ込められ王子と会うことができなくなってしまいました。
しかし、王子は夜ごと城の屋上からロープを投げ入れ、姫はそれをつたって城から降りて王子との逢瀬を重ねていました。
そんなある日、いつものように投げ入れたロープが切れ、城から降りていた姫は地上に落ち、死んでしまいます。
神はそれを憐れみ、姫を美しいストックに変えたということです。
2-1. 「永遠の美」
はかなくも亡くなってしまう姫ですが、その美貌はストックに変えられ永久に続くことになりました。
そこからこんな花言葉が生まれたとされています。
また、ストックの花の香りと開花時間の持ちが大変長いためという説もあります。
2-2. 「愛情の絆」
引き裂かれた愛情を、それでも貫いた王子と姫。
その二人の深い絆をストックに見ることができます。
花だけでなく、そのしっかりした茎も絆をつないだロープのようです。
2-3. 「求愛」
愛し合う王子と姫の情熱を持つストック。
二人の愛情が宿った花は、求愛という花言葉も持っています。
この花言葉ゆえ、ストックは求婚などの花束の定番として知られています。
恋人に贈るにふさわしい花言葉です。
3. ストックの色別の花言葉
ストックは色別にも花言葉があります。
色の種類も豊富なため、様々な花言葉がありますが、そのどれもが愛に関する情熱的な言葉。
お花屋さんで贈る花を選ぶときに、花言葉でチョイスするなんて素敵ですね。
3-1. 「私を信じて」
豪華な花がたくさん咲き乱れる赤いストック。
その迫力のある色味同様、信念を持った強い花言葉を持っています。
パートナーとけんかをしてしまったり、将来のことをしっかり話すときに渡したい情熱的な色のストックです。
3-2. 「思いやり」
白いストックは優しい花言葉を持っています。
ストックは花中央に白が混ざるため、ほかの色だとどうしても2色になってしまいますしかし白いストックは色に混じりけのない清純な白。
がっしりした茎との対比もあってとても清潔感のある色です。
心根の優しい人に贈りたいストックです。
3-3. 「おおらかな愛情」
優し気な色味の紫のストックは、おおらかという意味を持ちます。
その上品で控えめな色味、かつ豪華な花ぶりは、ご年配の方にも好かれるでしょう。
ご両親やお母さんへの贈り物に最適なストックです。
3-4. 「寂しい恋」
他の色のストックはポジティブな意味合いであるのに対し、黄色のストックだけは少々後ろ向きな花言葉を持っています。
これを贈るのは気が引けるところですので、自分用に楽しむのがベストでしょう。
もし、あなたがさみしい気持ちを抱えているなら、黄色のストックはその心を癒してくれるかもしれません。
3-5. 「ふくよかな愛情」
薄くかすかなピンクに色づくピンク色のストックの花言葉です。
どちらかというと、パートナーへ向けての言葉ではなく、年上の方への感謝の気持ちとして贈りたい花言葉ですね。
ご両親へ贈るのはもちろん、謝恩会や同窓会などでお世話になった恩師へお渡しするのにも良い花です。
お世話になった職場の上司などへもいいですね。
そのやわらかな色味は贈る人を選びませんし、花をたくさんつけますので寂しい印象にもならないはずです。
4. ストックの名前の由来
ストックの語源は「茎」。
その丈夫でしっかりとした茎のことを指しています。
また、和名を「アラセイトウ」と呼び、漢字では紫羅欄花と書きます。
これは「ラセイタ」というポルトガル語に由来し、その植物バージョン、「葉ラセイタ」がアラセイトウと転化していったといわれています。
ラセイタとはラシャ、毛織物の一種です。
ストックの茎に生えた細かな毛が布を思わせるためと言われています。
なお、学名はマティオラといい、イタリアの植物学者の名前にちなんでいます。
5. ストックの開花時期
ストックの開花時期は11月~5月です。
冬に咲くことのできる貴重な花なので、その意味でも切り花として珍重されています。
5-1. ストックが枯れてしまったら
なお、ストックはもともと多年草で、条件さえ合えば再び花をつけ咲かせます。
そのため、鉢植えなどは切り戻しを行うとまた楽しむことができる可能性があります。
ストックの花が落ちた後、花がらを切っておきます。
すると次のつぼみがせりあがってきて、最初のものより少々小さめの花を咲かせることがあります。
その際、肥料を与えるとより効果的です。
また、切り花でストックをもらった場合はドライフラワーにするのもおすすめです。
その場合は枯れる前に逆さにつるし、自然乾燥します。
風通しの良い場所で1か月ほど干し、しっかりと乾燥したらドライフラワーの完成です。
淡い色よりも濃い色のストックの方が、しっかりと色味が出るため美しいドライフラワーに仕上がりますよ。
5-2. ストックの鉢をもらった時には
ストックは見た目の美しさとともに、育てやすさもありがたい植物です。
観葉植物として改良が重ねられていますから、ガーデニング初心者でもとっつきやすいですよ。
鉢でもらうことがあれば、ぜひそのまま育ててみましょう。
ストックは日当たりのよい場所で美しい花を咲かせます。
庭に置く場合でも、家の中に置く場合でも、日当たりのよい場所を探してあげましょう。
ただし寒さにはあまり強くないため、厳寒地の場合は室内で育てることをおすすめします。
戸外で育てる場合は防寒ネットが必要になります。
ストックは加湿に大変弱いため、常に乾燥気味育てます。
水やりは土の表面が乾いてから与えます。
鉢の土を触り、指にさらりとまとわりつかないくらいが目安です。
肥料は液体肥料などを与えます。
真冬は必要ありません。
湿度に弱いため、土は水はけのよいものが好ましいです。
もし鉢のストックに元気がないようであれば、土を入れ替えてあげることで元気を取り戻すかもしれません。
なお、自分で育てる場合は八重咲より一重咲きの方が丈夫でおすすめです。
5-3. 気を付けたい病害虫
ストックは立ち枯れ病などにかかることがあります。
切り花の際は残念ながらあきらめることになってしまいますが、鉢の場合は罹患した枝を切り取ることで救うことができます。
また、土を入れ替えて清潔な状態にしてあげると再発を予防することができます。
また、アブラムシやコナガがつくこともあります。
この場合は見つけ次第取り除きましょう。
数が多いようなら殺虫剤で予防するとよいです。
6. ストックの種類(原種、園芸品種)
ストックは多岐にわたる種類があり、その数は増え続けています。
しかし、大きくは2種類に分けられ、その中で分岐した種類を持っています。
6-1. スタンダードタイプのストック
スタンダードタイプは豪華で大きな花をたくさん咲かせる、大変見栄えのよいタイプです。
次に紹介するスプレータイプよりも香りが強く、またスタンダードタイプの中でも八重咲より一重咲きのものが最も香りが強く出ます。
品種としては「雪波」「朝波」「黄の舞」「風の舞」等が代表的な品種となり、さらに「アイアンホワイト」「アイアンピンク」などの品種もあります。
花も葉も大ぶりな雪波などに比べ、アイアンシリーズは花の大きさはそのままに葉が小さく、茎がしっかりと硬いため、よりフラワーアレンジメントに重宝される品種です。
6-2. スプレータイプのストック
茎の丈夫でスプレー上に枝分かれし、くしゅくしゅ、ふんわりとしたかわいらしいシュシュのような花をたくさんつけます。
スタンダードタイプ同様一重咲きも八重咲の品種もあります。
花束のわき役に入れると、大変豪華なアレンジになります。
花の色が大変豊富で、ピンク、紫、黄色、アプリコット、その色の濃淡も選ぶことができるなど種類に富んでいます。
代表的な品種にはカルテットシリーズがあり、純白のカルテットホワイトや薄い紫がかった青のカルテットマリン、美しいピンクのピーチカルテット、花の中心から外側に向かってパステルカラーがグラデーションするレインボーカルテット、より花の大きなプレミアムスプレーストックシリーズなどがあります。
6-3. 矮性種
草丈が15センチ~25センチ程度と小さく、よく分枝します。
小さいですが花に香りがしっかりあり、葉に光沢のある見ごたえのあるお花です。
また、成長の早いタイプの品種もあり、自分で育てても楽しめるストックです。
草丈が大きくならないため花束などには向きませんが、花壇などに文字通り花を添えます。
寒さに強い品種のため、ほかの花が枯れてしまう冬の花壇を彩ってくれる存在です。
色も黄色や白、青など多数ありますので、庭や花壇を華やかにできるストックです。
ピグミーシリーズ、キスミーシリーズなどがあります。
まとめ
冬場の花が少ない時期にも咲いてくれ、種類が豊富で見た目のボリュームも満点、贈り物に最適なストック。
色別に花言葉を持っているので、それをきちんと把握して選ぶとより素敵な贈り物になりますね。
たくさんの花言葉があるので、パートナーはもちろん、先生や職場の上司、両親、家族、友達など、贈る相手も選びません。
かしこまったお花のプレゼントというとバラやユリなどを思い浮かべがちですが、ストックのような花を選んで贈ることによりちょっと違った印象を持ってもらえそうです。
5. ストックの開花時期
ストックの開花時期は11月~5月です。
冬に咲くことのできる貴重な花なので、その意味でも切り花として珍重されています。
5-1. ストックが枯れてしまったら
なお、ストックはもともと多年草で、条件さえ合えば再び花をつけ咲かせます。
そのため、鉢植えなどは切り戻しを行うとまた楽しむことができる可能性があります。
ストックの花が落ちた後、花がらを切っておきます。
すると次のつぼみがせりあがってきて、最初のものより少々小さめの花を咲かせることがあります。
その際、肥料を与えるとより効果的です。
また、切り花でストックをもらった場合はドライフラワーにするのもおすすめです。
その場合は枯れる前に逆さにつるし、自然乾燥します。
風通しの良い場所で1か月ほど干し、しっかりと乾燥したらドライフラワーの完成です。
淡い色よりも濃い色のストックの方が、しっかりと色味が出るため美しいドライフラワーに仕上がりますよ。
5-2. ストックの鉢をもらった時には
ストックは見た目の美しさとともに、育てやすさもありがたい植物です。
観葉植物として改良が重ねられていますから、ガーデニング初心者でもとっつきやすいですよ。
鉢でもらうことがあれば、ぜひそのまま育ててみましょう。
ストックは日当たりのよい場所で美しい花を咲かせます。
庭に置く場合でも、家の中に置く場合でも、日当たりのよい場所を探してあげましょう。
ただし寒さにはあまり強くないため、厳寒地の場合は室内で育てることをおすすめします。
戸外で育てる場合は防寒ネットが必要になります。
ストックは加湿に大変弱いため、常に乾燥気味育てます。
水やりは土の表面が乾いてから与えます。
鉢の土を触り、指にさらりとまとわりつかないくらいが目安です。
肥料は液体肥料などを与えます。
真冬は必要ありません。
湿度に弱いため、土は水はけのよいものが好ましいです。
もし鉢のストックに元気がないようであれば、土を入れ替えてあげることで元気を取り戻すかもしれません。
なお、自分で育てる場合は八重咲より一重咲きの方が丈夫でおすすめです。
5-3. 気を付けたい病害虫
ストックは立ち枯れ病などにかかることがあります。
切り花の際は残念ながらあきらめることになってしまいますが、鉢の場合は罹患した枝を切り取ることで救うことができます。
また、土を入れ替えて清潔な状態にしてあげると再発を予防することができます。
また、アブラムシやコナガがつくこともあります。
この場合は見つけ次第取り除きましょう。
数が多いようなら殺虫剤で予防するとよいです。
6. ストックの種類(原種、園芸品種)
ストックは多岐にわたる種類があり、その数は増え続けています。
しかし、大きくは2種類に分けられ、その中で分岐した種類を持っています。
6-1. スタンダードタイプのストック
スタンダードタイプは豪華で大きな花をたくさん咲かせる、大変見栄えのよいタイプです。
次に紹介するスプレータイプよりも香りが強く、またスタンダードタイプの中でも八重咲より一重咲きのものが最も香りが強く出ます。
品種としては「雪波」「朝波」「黄の舞」「風の舞」等が代表的な品種となり、さらに「アイアンホワイト」「アイアンピンク」などの品種もあります。
花も葉も大ぶりな雪波などに比べ、アイアンシリーズは花の大きさはそのままに葉が小さく、茎がしっかりと硬いため、よりフラワーアレンジメントに重宝される品種です。
6-2. スプレータイプのストック
茎の丈夫でスプレー上に枝分かれし、くしゅくしゅ、ふんわりとしたかわいらしいシュシュのような花をたくさんつけます。
スタンダードタイプ同様一重咲きも八重咲の品種もあります。
花束のわき役に入れると、大変豪華なアレンジになります。
花の色が大変豊富で、ピンク、紫、黄色、アプリコット、その色の濃淡も選ぶことができるなど種類に富んでいます。
代表的な品種にはカルテットシリーズがあり、純白のカルテットホワイトや薄い紫がかった青のカルテットマリン、美しいピンクのピーチカルテット、花の中心から外側に向かってパステルカラーがグラデーションするレインボーカルテット、より花の大きなプレミアムスプレーストックシリーズなどがあります。
6-3. 矮性種
草丈が15センチ~25センチ程度と小さく、よく分枝します。
小さいですが花に香りがしっかりあり、葉に光沢のある見ごたえのあるお花です。
また、成長の早いタイプの品種もあり、自分で育てても楽しめるストックです。
草丈が大きくならないため花束などには向きませんが、花壇などに文字通り花を添えます。
寒さに強い品種のため、ほかの花が枯れてしまう冬の花壇を彩ってくれる存在です。
色も黄色や白、青など多数ありますので、庭や花壇を華やかにできるストックです。
ピグミーシリーズ、キスミーシリーズなどがあります。
まとめ
冬場の花が少ない時期にも咲いてくれ、種類が豊富で見た目のボリュームも満点、贈り物に最適なストック。
色別に花言葉を持っているので、それをきちんと把握して選ぶとより素敵な贈り物になりますね。
たくさんの花言葉があるので、パートナーはもちろん、先生や職場の上司、両親、家族、友達など、贈る相手も選びません。
かしこまったお花のプレゼントというとバラやユリなどを思い浮かべがちですが、ストックのような花を選んで贈ることによりちょっと違った印象を持ってもらえそうです。
スポンサーリンク