オキナグサ(翁草)は、キンポウゲ科オキナグサ属の多年草です。
白頭草(はくとうそう)という別名もあります。
本州、四国、九州原産の植物で、日当たりのよい草原や林に自生しています。
オキナグサの群生地は花の名所にもなっています。
- オキナグサとはどんな花?
- オキナグサの花言葉
- オキナグサは絶滅危惧種?
- オキナグサの群生地
- オキナグサの名前の由来
- オキナグサの毒性
- 種類(原種、園芸品種)
- オキナグサの育て方
- まとめ
1. オキナグサとはどんな花?
釣鐘形をした味わいのあるシックな赤紫色の花を咲かせます。
花びらに見えるものは萼片です。
恥ずかしそうにうつむいて咲く花の姿には和の風情があり、味わい深い魅力があります。
独特な種の姿にも情緒深い趣があり、多くの愛好家を惹きつけて止みません。
庭植えにしてその姿を愛でる愛好家も多くいます。
花は4月~5月に咲きます。
1本の茎の先に1輪の花をつけます。
花は、はじめはうつむいたように下向きに咲きますが、やがて上向きになります。
暗い赤紫色の萼片は6枚で、外側は白い毛で覆われています。
山野草に分類される植物です。
2. オキナグサの花言葉
2-1. 「清純な心」
うつむいたように下向きに咲く花の姿は、実直で穢れを知らない純真な少女の姿を連想させます。
華やかな彩で飾り立てることを知らないようなイメージがオキナグサにあることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-2. 「告げられぬ恋」
恥ずかしそうにうつむいて下向きに咲く鐘形の花の姿と、目に鮮やかな色で存在をアピールすることをしない花の色が、淡い恋心を抱いて恥じらう乙女の姿のように見えることから、この花言葉がつけられたと考えられています。
2-3. 「何も求めない」「奉仕」
綿毛の付いた種を風に乗せて飛ばす性質があります。
自らのエネルギーを注ぎ込んで作った種を、自ら潔く風に乗せて飛ばしてしまう様子が無償の奉仕をしているように見えたことから、この花言葉が付けられたと考えられています。
2-4. 「裏切りの恋」「背信の愛」「背徳の恋」
始めは恥ずかし気に下向きに咲いている花ですが、次第に上を向いてきます。
この咲き方の変化に暗い赤紫色のシックな色合いのイメージが加わって、心変わりや裏切りといった言葉が連想され、この花言葉がつけられたと考えられています。
3. オキナグサは絶滅危惧種?
オキナグサは、以前はほとんどの都道府県に自生している身近な植物でした。
その証に、おオキナグサには地方独特の呼び名が様々あります。
決して珍しい植物ではなかったオキナグサですが、現在では数が激減しており、環境省が作成する「レッドデータブック」に掲載される絶滅危惧種となってしまいました。
オキナグサが減少してしまった理由の1つは、園芸目的による乱獲です。
もう1つの理由は、オキナグサが自生していた草地が、開発によって減少してしまったり、それまで人の手入れによって保たれていた草地の植生が、人が手入れを放棄したことによって別の植生に遷り変ってしまったことが挙げられます。
4. オキナグサの群生地
オキナグサの群生地として有名なのは、栃木県の鬼怒川河川敷です。
地元の人々の保護によって、1,000株以上が群生しています。
(自生のオキナグサはあまり見かけることはできません。)
4月~5月の開花期には、多くの愛好家達が訪れています。
5. オキナグサの名前の由来
花が咲き終わった後にできる種には白くて長い毛が生えていて、その種の毛が風に吹かれてなびく様子が老人の白髪のように見えることから、オキナグサ(翁草)と名付けられたと言われています。
白頭草という別名も、同様の由来であると言われています。
オキナグサには別名が多く、おばあさんの頭という意味のウバガシラ(姥頭)・おじいさんの髭という意味のオジノヒゲ・カワラノオバサン(河原のおばさん)・ユーレイバナ(幽霊花)などがあります。
種の見た目に由来していると考えられています。
6. オキナグサの毒性
オキナグサは全身に毒がある植物です。
葉・茎などを切ったときに切り口から出る液が肌に付着すると、皮膚が炎症を起こすことがあります。
口に入った場合は、嘔吐・腹痛・血便といった症状が出ることがあります。
場合によっては、心停止の恐れもあります。
7. 種類(原種、園芸品種)
7-1. ツクモグサPulsatilla nipponica
北海道と本州の八ヶ岳、白馬岳でしか見ることができない中部の限ら希少種です。
背丈は10cm~15cm程。
淡い黄色の花は軟らかい毛で覆われていて、ひよこを思わせる花がとても可愛らしい品種です。
厳しい冬の寒さに耐えるために軟毛で覆われていると考えられています。
7-2. カシポオキナグサPulsatilla sugawaraii
軟毛で覆われた青紫色のころんとした花が咲きます。
「ヒトツバオキナグサ」「ルイコフイチゲ」と並ぶ、三大オキナグサの一つです。
樺太の樫保岳・突阻山に分布していたことから、この名が付きました。
戦後は幻の花と呼ばれていましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-3. ルイコフイチゲPulsatilla tatewakii
軟毛で覆われた青紫色の花が咲きます。
カシポオキナグサよりも大型の品種です。
ころんとした花がうつむいて咲く気品ある姿は非常に人気があります。
樺太に分布しています。
幻のオキナグサと呼ばれていましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-4. ヒトツバオキナグサPulsatilla integrifolia
軟毛で覆われた藤色の花が咲きます。
葉に切れ込みがないことが、「一ツ葉オキナグサ」の名前の由来となっています。
昭和初期に樺太東北部の山地で発見されたといわれる品種で、かつては幻の花とされてきましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-5. 西洋オキナグサPulsatilla vulgaris
ヨーロッパの山地でみられる品種です。
藤紫色の花が一般的ですが、園芸品種も数多くあり、紫、赤、ピンク、白、八重咲など多彩な品種があるのが魅力です。
やや大型です。
丈夫なので、オキナグサの入門品種とされています。
7-6. プルサチラ・ハーレリPulsatilla halleri
濃い紫色の大輪の花が咲きます。
ヨーロッパ東部の山地で見られます。
西洋オキナグサに似ていますが、全体的に細身な品種です。
全体が白い軟毛で覆われていて、オーラを放っているような神々しさがあり、ファンが多い品種です。
7-7. プルサチラ・ツルクザニノヴィーPulsatilla turczaninovii
軟毛で覆われた青色の花が咲きます。
花は細身でやや小ぶりですが、株が大きくなると見栄えがします。
東アジア北部で見られる大型の品種で、非常に人気があります。
花が終わった後に葉が大きく成長するのが特徴です。
7-8. プルサチラ・ヴェルナリスPulsatilla vernalis
軟毛で覆われた白い花が咲きます。
花弁の外側が淡いピンクや銀色に色づいてきます。
高山植物らしい佇まいが魅力的な小型の品種で、ヨーロッパアルプス~シベリアの山地で見られます。
「春オキナグサ」とも呼ばれています。
8. オキナグサの育て方
8-1. 用土(鉢植え)
オキナグサを植える鉢は、深いものを用意します。
多湿になりやすい材質の鉢は避けましょう。
用土は水はけが良く、尚且つ水もちも良いものが適しています。
市販の山野草用培養土か、鹿沼土5:赤玉土4:軽石1の割合で配合したものを用意しましょう。
8-2. 水やり
土が乾いたら水を与えます。
多少の乾燥には強いですが、あまり乾燥させない方が株は丈夫に育ちます。
春と秋は朝、暑い夏は夕方から夜に水を与えます。
冬も土が乾いたら水を与えましょう。
年間を通して、乾燥させ過ぎないように注意しましょう。
過湿になるのもよくありませんので、加減が大切です。
8-3. 栽培環境
明るい場所で育てましょう。
春は葉が開いてくるまでは日当たりの良い場所に置きます。
その後は強い日で葉焼けを起こさないように、朝日が当たる程度で風通しのよい場所に置きます。
秋は日当たりの良い場所に置きましょう。
冬は強い凍結を避けられる場所が好ましいです。
8-4. 肥料
4月下旬に1度と9月下旬に1度、置き肥をします。
さらに、4月下旬の開花前から6月下旬にかけて、2週間に1回、液体肥料を与えましょう。
肥料が多すぎると根を痛めてしまいますので、決められた分量を守りましょう。
まとめ
オキナグサの独特な佇まいに心惹かれる人は多いものです。
暑さに弱い高山植物ですので、初心者が栽培するには難しいといわれていますが、比較的育てやすい園芸品種もありますので、愛情込めて育ててみてはいかがでしょうか。
花をつけた時の感動は、何にも代えがたいものがありますよ。
5. オキナグサの名前の由来
花が咲き終わった後にできる種には白くて長い毛が生えていて、その種の毛が風に吹かれてなびく様子が老人の白髪のように見えることから、オキナグサ(翁草)と名付けられたと言われています。
白頭草という別名も、同様の由来であると言われています。
オキナグサには別名が多く、おばあさんの頭という意味のウバガシラ(姥頭)・おじいさんの髭という意味のオジノヒゲ・カワラノオバサン(河原のおばさん)・ユーレイバナ(幽霊花)などがあります。
種の見た目に由来していると考えられています。
6. オキナグサの毒性
オキナグサは全身に毒がある植物です。
葉・茎などを切ったときに切り口から出る液が肌に付着すると、皮膚が炎症を起こすことがあります。
口に入った場合は、嘔吐・腹痛・血便といった症状が出ることがあります。
場合によっては、心停止の恐れもあります。
7. 種類(原種、園芸品種)
7-1. ツクモグサPulsatilla nipponica
北海道と本州の八ヶ岳、白馬岳でしか見ることができない中部の限ら希少種です。
背丈は10cm~15cm程。
淡い黄色の花は軟らかい毛で覆われていて、ひよこを思わせる花がとても可愛らしい品種です。
厳しい冬の寒さに耐えるために軟毛で覆われていると考えられています。
7-2. カシポオキナグサPulsatilla sugawaraii
軟毛で覆われた青紫色のころんとした花が咲きます。
「ヒトツバオキナグサ」「ルイコフイチゲ」と並ぶ、三大オキナグサの一つです。
樺太の樫保岳・突阻山に分布していたことから、この名が付きました。
戦後は幻の花と呼ばれていましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-3. ルイコフイチゲPulsatilla tatewakii
軟毛で覆われた青紫色の花が咲きます。
カシポオキナグサよりも大型の品種です。
ころんとした花がうつむいて咲く気品ある姿は非常に人気があります。
樺太に分布しています。
幻のオキナグサと呼ばれていましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-4. ヒトツバオキナグサPulsatilla integrifolia
軟毛で覆われた藤色の花が咲きます。
葉に切れ込みがないことが、「一ツ葉オキナグサ」の名前の由来となっています。
昭和初期に樺太東北部の山地で発見されたといわれる品種で、かつては幻の花とされてきましたが、最近は苗が流通するようになりました。
7-5. 西洋オキナグサPulsatilla vulgaris
ヨーロッパの山地でみられる品種です。
藤紫色の花が一般的ですが、園芸品種も数多くあり、紫、赤、ピンク、白、八重咲など多彩な品種があるのが魅力です。
やや大型です。
丈夫なので、オキナグサの入門品種とされています。
7-6. プルサチラ・ハーレリPulsatilla halleri
濃い紫色の大輪の花が咲きます。
ヨーロッパ東部の山地で見られます。
西洋オキナグサに似ていますが、全体的に細身な品種です。
全体が白い軟毛で覆われていて、オーラを放っているような神々しさがあり、ファンが多い品種です。
7-7. プルサチラ・ツルクザニノヴィーPulsatilla turczaninovii
軟毛で覆われた青色の花が咲きます。
花は細身でやや小ぶりですが、株が大きくなると見栄えがします。
東アジア北部で見られる大型の品種で、非常に人気があります。
花が終わった後に葉が大きく成長するのが特徴です。
7-8. プルサチラ・ヴェルナリスPulsatilla vernalis
軟毛で覆われた白い花が咲きます。
花弁の外側が淡いピンクや銀色に色づいてきます。
高山植物らしい佇まいが魅力的な小型の品種で、ヨーロッパアルプス~シベリアの山地で見られます。
「春オキナグサ」とも呼ばれています。
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