12月から咲いている梅のような花を見たことはありませんか。
香りが強い黄色い花、それはロウバイです。
漢字では「蝋梅」と書きます。
蝋でできているように見える梅の花です。
香り高く、新春を彩ってくれる花の一つで、玉梅、茶梅、スイセンに並び雪中四花の一つです。
- ロウバイとはどんな花?
- ロウバイの花言葉
- ロウバイが見られる名所
- ロウバイの名前の由来
- ロウバイの開花時期
- ロウバイの育て方とポイント
- 種類(原種、園芸品種)など
- ロウバイの毒性
- アレンジメントとして楽しむポイント
- 生薬としてのロウバイ
- 季語としてのロウバイ
- まとめ
1. ロウバイとはどんな花?
1-1. 種目・原産地
クスノキ目ロウバイ科の低木落葉樹です。
原産地は中国で「唐梅」とも呼ばれ、日本には江戸時代に渡来し、冬枯れの庭を彩る植木として人気を得てきたと言われています。
中国の四川省や湖北省、浙江省の海抜1,100m位の山地に自生しています。
中国での歴史は古く1,000年以上栽培されています。
中国から日本や韓国・ヨーロッパからオーストラリア、アメリカなどの世界的に広まり観賞用として人気です。
耐寒性・耐熱性ともに優れていますので、園芸栽培として初心者でも扱いやすいでしょう。
1-2. どんな花
草丈は4m程の低木です。
黄色い半透明の、蝋でできているような、蜜蝋のような、ツヤのある花を咲かせます。
梅ではありませんが、梅のような甘い芳香があります。
花姿も梅に似ており、黄色い小さな花を下向きに咲かせます。
2. ロウバイの花言葉
2-1. 慈愛・慈しみ
寒い冬、花の好きない時期にロウバイが寄り添ってくれるような可憐な花をひっそりと咲かせる奥ゆかしい姿に由来しています。
2-2. 先導・先見
春に先立ち咲くことに由来しています。
先見の明という意味もあり、上司などリーダーに贈る花束に添える花言葉としてもよいでしょう。
3. ロウバイが見られる名所
2月は桜の花見ならぬ梅見として梅園に行かれる方も多いですが、さらに春に先がけ、ロウバイを見に足を運んでみるのも楽しいでしょう。
3-1. ろうばいの郷(群馬県安中市)
ろうばい園では関東一の面積を誇る3. 2ヘクタールの園内に、1,200株・12,000本のロウバイが植えられています。
地元の農家の方が地域おこしのために有休農地を利用して作られた園です。
雪景色も良いですし、ロウバイでできたロウバイのトンネルも見どころです。
開園期間は、12月末から2月上旬です。
1月の第2日曜日はろうばいまつりが開催されています。
地元の農産物なども販売しています。
さらに詳しく調べたい方は参考にしてください。(http://www.roubai.com/)
3-2. 宝登山(ほどさん)(埼玉県長瀞町)
宝登山の山頂に位置し、標高497mの場所にあるロウバイ園は、絶景です。
見ごろになると、約15,000㎡の敷地に3,000本のロウバイが咲き、秩父の街並みや武甲山、両神山を遠くに眺めながら黄金に輝くロウバイを見ることができます。
開花のピークは例年1月中旬から2月中旬です。
山頂のロウバイ園へはロープウェイが通っていますが、ハイキングコースもありますので、どちらからでも行くことができます。
2月からは、ロウバイ園の下にある梅百貨園の早咲き梅と合わせて楽しむことができます。
さらに詳しく調べたい方は参考にしてください。(https://www.nagatoro.gr.jp/robaien/)
3-3. 北野天満宮(京都府上京区馬喰町)
梅の名所でもある北野天満宮ではロウバイも見ることができます。
境内には約1,500本もの梅が植えられており、早咲きの梅は12月中旬には花を咲かせます。
ロウバイは1月に入ってから咲き始め梅とのコラボレーションを楽しむことができます。
香り高いロウバイと梅の花を見ながら、境内を散歩するのも楽しみ方の1つです。
3-4. 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)
初詣客でもにぎわう祐徳稲荷神社ですが、新春はロウバイも楽しむことができます。
桜門近くで黄色いあたたかなロウバイを見ることができます。
香りはジャスミンのような香りで、早いときには12月下旬には咲き始めます。
祐徳稲荷神社の朱色をベースとした鮮やかな本殿を背景にロウバイの写真を撮るのも、写真愛好家の方には好まれています。
3-5. 梅の里(冠梅園) (山口県光市)
冠山総合公園にある梅の里では、梅を前に日本庭園が広がります。
100種類もの紅梅、白梅、ロウバイが咲き、約2000本の山口県下最大規模の梅園です。
丘陵に沿って遊歩道を歩きながら楽しむことができ、約30分ほどのコースです。
坂道が多いので、歩きやすい靴で行くことをお勧めします。
4. ロウバイの名前の由来
ロウバイは漢字では蝋梅と書きますが、由来は諸説あります。
一つは、蝋細工のような花びらを持つ梅の花に似た花という説です。
蜜蝋のような花びらと表現されることもあります。
また、陰暦の臘月(旧暦12月、現在は1月)の頃に咲く花だからという説です。
さらに、中国から渡来した時の漢字の読み方をそのまま使用し「ロウバイ」と呼んだから、という説もあります。
尚、英名は「winter sweet(ウィンタースウィート)」です。
冬に花が咲き甘い香りがすることから名づけられました。
5. ロウバイの開花時期
ロウバイの開花時期は12月中旬から2月です。
品種によって咲き始めの時期が異なりますが、1月から2月にかけてほとんどが開花します。
6. ロウバイの育て方とポイント
6-1. 日当たり、置き場所
地植えする場合は、半日陰から日の当たる場所に植えましょう。
春先から夏まではしっかりと日に当てましょう。
日当たりが良いところの方が花つきは良くなります。
6-2. 水やり
ロウバイは乾燥を嫌いますので、4月10月上旬まで土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
乾燥対策として、グランドカバーとなるような植物を根もとに植えても良いでしょう。
6-3. 用土
水はけの良い土に植えましょう。
腐葉土を混ぜ込むと良いです。
6-4. 肥料
良く育つ春の4月から5月と、寒くなる12月に緩効性化成肥料や有機肥料を施します。
窒素分が多い肥料は枝葉ばかりが茂ってしまいますので、肥料の成分は事前にしっかりと確認しましょう。
6-5. 植え付け
植え付け時期は、11月から12月もしくは2月中旬から3月に行いましょう。
厳寒期は避けるようにします。
暖かい地域では11月から3月の時期であればいつでも問題ありません。
地植えの場合、根鉢の大きさの2倍の穴を掘り腐葉土などで隙間なく植え付けます。
水はけの悪い場所に植える際は、盛り土をして植え付けるようにしましょう。
植え付け後は十分に水を与え、根と土をなじませましょう。
ぐらつくようであれば、支柱を立てましょう。
鉢植えの場合、低木ではありますが2mを超えるような大きさまで生長しますので、深さ30㎝以上ある鉢を選びます。
土は赤玉土に腐葉土を3割程度混ぜた水はけの良い土を作りましょう。
地植えと同様に植え付け後はたっぷりと水を与え、ぐらつくようであれば支柱を立てましょう。
6-6. お手入れ
樹齢が上がり成木になるにつれ、樹形が自然に整います。
樹齢が浅いうちは剪定をしましょう。
花が終わり新芽が出る前の3月頃に枯れ枝や伸びすぎた枝を切りそろえましょう。
6-7. 病害虫
特に病害虫はありません。
7. 種類(原種、園芸品種)など
7-1. ソシンロウバイ(素心蝋梅)
ロウバイの品種では代表格ともいえるのがソシンロウバイです。
花弁も花芯も同じ色をしているので、素心と名付けられています。
やや大輪で全体が黄色のロウバイです。
7-2. 満月ロウバイ
園芸店でも人気の品種で苗木を購入し、自宅の庭木とする方も多い品種です。
蕾が満月のように丸いから、というわけではなく、花の中心に紫色っぽい輪を見ることができます。
この形から満月と名付けられました。
大輪丸弁、早咲きで濃く澄んだ黄色をしています。
7-3. フクジュロウバイ(福寿蝋梅)
花の内側は輪切りレンコンのような形をしており、鮮やかな黄色の花を咲かせます。
ロウバイ特有の香りは、さほど強くありません。
7-4. ミショウロウバイ(実生蝋梅)
実生とは、種をまいて育てる方法のことです。
接ぎ木や挿し木で育てていないものを指します。
色は透明感のある黄色です。
ソシンロウバイによく似ています。
7-5. ワロウバイ(和蝋梅)
基本の品種で、花弁は細く花の中心が暗い紫色をしています。
8. ロウバイの毒性
実の中にある種子にアルカロイドのカリカンチンを含みます。
中毒になるとストロキーネ様の中毒症状が出ます。
脊椎に対する強力な中枢興奮作用で、摂取から30分ほどで強直性けいれんが激しく起こり、最悪の場合死に至ります。
9. アレンジメントとして楽しむポイント
蝋梅は12月から2月頃にお花屋さんでも購入することができます。
新春の花としてアレンジメントし楽しむのも良いでしょう。
蝋梅の花はポロリと落ちやすいので、取り扱いには十分注意しましょう。
枝なので固いです。
普通のはさみではけがをする恐れもありますので、なるべく花切狭を使用しましょう。
給水を良くするため、太い枝の場合は十字に割りを入れましょう。
枝の長いものは花瓶などに活けても映えます。
香りが良いので、玄関やトイレなどに花が付いている枝先を5㎝から10㎝ほどに切って、豆皿などに水を張り活けても面白みがあります。
10. 生薬としてのロウバイ
ロウバイは生薬としても利用されます。
蝋梅花(ろうばいか)と呼ばれロウバイ科のロウバイやソシンロウバイの花蕾を乾燥させて使用します。
花蕾にシネオール、ボルネオール、リナロール等の精油成分があり、香水やアロマテラピーでもハッカ油、チアミン油として利用されています。
生薬として煎じたものは
解熱や咳止めとして用いることができます。
また、蝋梅花をごま油に漬け置くと火傷の薬としても効果があります。
11. 季語としてのロウバイ
ロウバイは、芥川竜之介が詠んだ句としても知られていますが、俳句でも季語として用いられます。
蝋梅(ろうばい、らふばい)は晩冬という意味を持ち1月を指します。
臘梅や 雪うち透す 枝のたけ 芥川龍之介
臘梅や枝まばらなる時雨ぞら 芥川龍之介
まとめ
ロウバイは、冬に咲く雪中花の一つとして冬の寒い時期に重宝されます。
お正月の時期に咲いているものもあり、新春を彩る花とも言えます。
冬枯れしてさみしいお庭に、彩りと温かみを加えてくれることでしょう。
香りもよく、心も和みます。
栽培難易度も高くありませんので、庭木としてチャレンジするには初心者の方でも取り組みやすいと言えます。
種子には毒性がありますので、花が終わったら、花がら摘みを忘れずにするようにしましょう。
3. ロウバイが見られる名所
2月は桜の花見ならぬ梅見として梅園に行かれる方も多いですが、さらに春に先がけ、ロウバイを見に足を運んでみるのも楽しいでしょう。
3-1. ろうばいの郷(群馬県安中市)
ろうばい園では関東一の面積を誇る3. 2ヘクタールの園内に、1,200株・12,000本のロウバイが植えられています。
地元の農家の方が地域おこしのために有休農地を利用して作られた園です。
雪景色も良いですし、ロウバイでできたロウバイのトンネルも見どころです。
開園期間は、12月末から2月上旬です。
1月の第2日曜日はろうばいまつりが開催されています。
地元の農産物なども販売しています。
さらに詳しく調べたい方は参考にしてください。(http://www.roubai.com/)
3-2. 宝登山(ほどさん)(埼玉県長瀞町)
宝登山の山頂に位置し、標高497mの場所にあるロウバイ園は、絶景です。
見ごろになると、約15,000㎡の敷地に3,000本のロウバイが咲き、秩父の街並みや武甲山、両神山を遠くに眺めながら黄金に輝くロウバイを見ることができます。
開花のピークは例年1月中旬から2月中旬です。
山頂のロウバイ園へはロープウェイが通っていますが、ハイキングコースもありますので、どちらからでも行くことができます。
2月からは、ロウバイ園の下にある梅百貨園の早咲き梅と合わせて楽しむことができます。
さらに詳しく調べたい方は参考にしてください。(https://www.nagatoro.gr.jp/robaien/)
3-3. 北野天満宮(京都府上京区馬喰町)
梅の名所でもある北野天満宮ではロウバイも見ることができます。
境内には約1,500本もの梅が植えられており、早咲きの梅は12月中旬には花を咲かせます。
ロウバイは1月に入ってから咲き始め梅とのコラボレーションを楽しむことができます。
香り高いロウバイと梅の花を見ながら、境内を散歩するのも楽しみ方の1つです。
3-4. 祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)
初詣客でもにぎわう祐徳稲荷神社ですが、新春はロウバイも楽しむことができます。
桜門近くで黄色いあたたかなロウバイを見ることができます。
香りはジャスミンのような香りで、早いときには12月下旬には咲き始めます。
祐徳稲荷神社の朱色をベースとした鮮やかな本殿を背景にロウバイの写真を撮るのも、写真愛好家の方には好まれています。
3-5. 梅の里(冠梅園) (山口県光市)
冠山総合公園にある梅の里では、梅を前に日本庭園が広がります。
100種類もの紅梅、白梅、ロウバイが咲き、約2000本の山口県下最大規模の梅園です。
丘陵に沿って遊歩道を歩きながら楽しむことができ、約30分ほどのコースです。
坂道が多いので、歩きやすい靴で行くことをお勧めします。
4. ロウバイの名前の由来
ロウバイは漢字では蝋梅と書きますが、由来は諸説あります。
一つは、蝋細工のような花びらを持つ梅の花に似た花という説です。
蜜蝋のような花びらと表現されることもあります。
また、陰暦の臘月(旧暦12月、現在は1月)の頃に咲く花だからという説です。
さらに、中国から渡来した時の漢字の読み方をそのまま使用し「ロウバイ」と呼んだから、という説もあります。
尚、英名は「winter sweet(ウィンタースウィート)」です。
冬に花が咲き甘い香りがすることから名づけられました。
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